ADRC活動報告: テーマ・課題 >> 会議への参加


ADRCは2020年12月1日から2日にわたりオンラインで開催された国連防災機関(UNDRR)アジア・太平洋防災パートナーシップ(Asia-Pacific Partnership for Disaster Risk Reduction)フォーラムに参加しました。
会合は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、オンラインで実施されましたが、1日目、2日目ともにアジア各国政府および関係機関の代表150人以上が参加し、意見の交換が行われました。
12月1日の会合では、まず、国連事務総長特別代表(防災担当)の水鳥真美氏より本フォーラムへの期待が述べられました。また、COVID-19の各国への影響は大きいが、2004年の津波がアジアの防災体制を強化したように、この経験をさらなる防災強化の機会へとしていこうと呼びかけられました。続いて、来年開催予定のアジア・太平洋防災閣僚会合(APMCDRR: Asia-Pacific Ministerial Conference on DRR)のホスト国オーストラリアの代表より、COVID-19の影響で延期になっていたAPMCDRRを2021年4月~6月に開催する調整を進めていることについて紹介がありました。また、昨年の大規模な森林火災を受けオーストラリア取り組んできた防災体制強化について説明がありました。続いてフィジーの保健医療大臣より、COVID-19下でのサイクロン対応について紹介がありました。
引き続いて、UNDRRより、アジアにおける災害発生の傾向、仙台防災枠組み(SFDRR)の実施モニタリングの結果について報告がありました。想定外の災害や同時多発的な災害に対応するために、より多くの関係者の相互協力体制を整備すること、災害被害データの収集・分析がまだまだ不十分であることなどが述べられました。
パネルディスカッションでは、オーストラリア災害強靭化研究所所長がモデレータをつとめ、今般のCOVID-19を受け重要性の認識がより深まった国や地方自治体におけるリスクガバナンスをテーマとし、議論が行われました。インド政府、フィリピン地方自治体、バヌアツの障害者支援グループ、医療分野の研究者がそれぞれの立場から発表を行いました。COVID-19の対応経験を受け、さまざまな関係者の協力・パートナーシップ体制の構築、保健セクターと防災セクターの永続的な協力・協働システムの構築、同時発生災害への事前の計画づくりについて、共通して重要なポイントとして提言されました。
12月2日の会合では、APMCDRRのテーマの一つにもなる財政的リスクマネージメントについて国際通貨基金(IMF)の大浦博子氏より基調講演がありました。COVID-19が世界に与えた財政リスクはかつてないものであったこと、未曾有の災害のリスクの把握や、気候変動の予測には不確実性要素がさまざまにあり、分析は難しいこと、一方、このような前提のもとにリスクマネジメントをしていく必要があることが説明されました。また、COVID-19による世界的な社会活動の制限は二酸化炭素排出量削減に貢献したものの、一時的なものに終わったこと、むしろ企業の財政状況悪化により企業の環境活動が低下したことによる影響が大きかったことの説明がありました。
続いて、オーストラリア政府より来年実施されるAPMDRRの構成について説明があり、多くの関係者の積極的な関与が呼びかけられました。会議後半では、22の国及び団体の代表からそれぞれの取組みや今後の展望について言及がありました。SFDRRの実施推進のために制度整備を行ったこと、COVID-19の経験を受け、同時発生する災害への対応に向けた調整、制度・体制の見直しを行ったことなどが紹介されました。
最後に、UNDRRよりAPMDRRに向けた準備プロセスについて説明があり、今後関係者とのテーマ別の協議の場、地域別の協議の場を設けて議論を行っていくことが紹介されました。アジア防災センターでもこうしたプロセスに積極的に関わっていく予定です。
アジア防災センターは、2020年10月20~22日、アジア防災会議2020を開催いたしました(各国からのテーマ別レポート共有、オンライン会合)。 詳しい情報についてはウェブページをご参照ください。https://www.adrc.asia/acdr/2020_index.php




2018年10月24~26日(中国)
国際連合宇宙局(UNOOSA : United Nations Office for Outer Space Affairs)と中華人民共和国民政部(Ministry of Civil Affairs of the People's Republic of China)が主催する第8回UN-SPIDER 北京年次会合(The 8th Annual UN-SPIDER Conference in Beijing)が、2018年10月24日から26日にかけて北京で開催されました。ADRCは、初日に開催されたセッション1「宇宙技術を用いた緊急対応分野における対策」において、Sentinel Asiaの取組と国際チャーターへのエスカレーションを通して、UN-SPIDERのRSO(Regional Support Office)としての役割を果たしていることを報告しました。また、これまでRSOとして活動してきた評価にヒアリングを受け、今後の具体的活動等についても協議を行いました。
(2018/11/20 18:30)

R.ヤミーナPNG気候変動開発庁長官の歓迎の辞の後、2018年から新たに着任したウェイセン・リー防災作業部会共同議長(チャイニーズタイペイ)の開会の挨拶がありました。日本は昨年までの共同議長エコノミーとして、ホスト・エコノミーであるPNGへの謝意と新共同議長への祝辞を述べました。
今回は、PNG年最初の会合でもあり、PNGから、2018年のテーマとしての、"Harnessing Inclusive Opportunities,Embracing the Digital Future"、「包摂的な機会の活用,デジタル化された未来の受容」についての説明があり、また、秋にイースト・ニューブリテン島のココポで9月25日と26日に開催予定の第12回シニアレベル防災フォーラム(SDMOF)について、PNGの過去の災害経験、1994年ラバウル噴火、1998年アイタペ津波、2007年サイクロン・グバ、1997-98年及び2015-16年のエルニーニョ等の経験、各エコノミーの経験を踏まえ、デジタル技術を的確に活用し様々な災害に対する早期警報、伝達システム、またこれらを地域に活かすこと等をテーマに議論し、被害削減に資する、様々な災害のモニターと早期警戒・警報に関する勧告、デジタル技術の的確な活用のベストプラクテイスなどの成果をうる方向で開催することの提案がありました。
続いて2018年の作業計画及び2017年からの取組状況についての議論があり、まず、チリから、昨年12月に開催された津波の脅威と警戒等に関するAPECワークショップに関する報告がありました。また、日本からは、昨年9月にベトナムと連携して実施したインフラのBBBに関するAPECワークショップEPWG 02 2016A : Enhancing Rural Disaster Resilience through Effective Infrastructure Investmentとその成果となる報告書案について説明しました。さらに、2017年の巨大災害の経済被害に関するワークショップを秋に淡路で開催する予定について報告しました。
初日午後には各エコノミーの最近の災害に関する報告と議論が行われ、豪州から最近のサイクロンと熱波、及びこれを踏まえた対応策について, アメリカからハリケーン・ハーベイ、イルマ及びマリアと対応策、韓国から昨年11月のポハン地震の報告、PNGからエルニーニョ及び、最近のカドバル山噴火対応の状況、チャイニーズ・タイペイから2月6日東部花蓮市の地震対応の状況の報告等があり、日本からは、昨夏の北九州豪雨と最近の草津白根山噴火及び豪雪について報告しました。
2日目は中国からの四川地震10周年に向けた復興状況と取組の報告があったほか、ペルーから、最近の洪水についてビデオメッセージ、ADPCからもビデオメッセージがありました。
その後、最近の災害対策とAPEC防災枠組みの推進に関する議事では、日本から、その基礎となる災害情報整備に資するGLIDEについて、APEC地域での発出の現状を報告し、今後の一層の活用について呼びかけました。また、アウトリーチの連携の一環として、ADRCメンバーの最近の防災上の優先事項、20周年に向けた取り組みについても報告しました。
PNGでは、最近の首都の洪水、火山噴火、さらに地震と災害が続く中ではあったが、気候変動開発庁、自然災害センターの協力により、防災作業部会は充実した2日間の会合を終えました。次回会合は8月に開催される予定です。
写真:PNG代表

写真:ペルーINDECIのビデオレポート

(2017/03/10 12:30)
Following the five themes of the draft strategic plan of Sentinel Asia, participants reviewed the present status of the implementation and discussed how to promote it more effectively item by item. ADRC made a presentation on the theme of "Communication, Collaboration and Cooperation" towards better bridging DRR organizations and space agencies and updated the plan to organize ACDR 2018, annual meeting of ADRC, and JPTM by JAXA back to back in this October in Awaji, Japan, as agreed last October at the ADRC steering committee meeting held in Azerbaijan.
This time, Mohammed Bin Rashid Space Centre (MBRSC),UAE, that has joined sentinel Asia since last year, attended SC meeting for the first time as a new SC member to represent Data Provider Nodes of Sentinel Asia, and reported about the organization and activities. UAE has promoted development of Mars by following a hundred year plan, which is planned for the future generations.
Photo:Sentinel Asia, SC meeting

(2017/12/22 12:30)
今年2回目のISDRアジア・パートナーシップ・フォーラム会合(IAP)が12月14日及び15日に、タイのバンコクで開催され、多数の防災関係者が出席しました。
UNISDRのキルシ・マーデイ、Sayanaa Lkhagvasuren,副首相チーフ・アドバイザーの挨拶、出席者の自己紹介に続き、新たにアジア太平洋事務所長に就任したロレッタ・ヒルダー・ヒラルデ ISDRアジア太平洋新所長から議事の説明がありました。
初日は、まずUNISDRから事前に示された3つの質問(最近の取組、今後の課題、及び、今後の予定)について、午前は加盟国のステートメント(16か国)、午後は地域国際機関、多様なステークホルダー、国連機関等のステートメントがあり、最後にロレッタからまとめの発言がありました。
ADRCからは、地域国際機関として、3つの質問(最近の取組、今後の課題、及び、今後の予定)に関するステートメントを行い、ACDR2017及びAPECワークショップの成果、加盟国アンケートによる主な課題、及び、ACDR2018について報告したほか、会場にてACDR概要を配布しました。
参加者ステートメントについて、ISDRからは、地方の取組、女性、子供等、民間等のステークホルダーの参画の重要性、科学技術の重要性、地域国際機関の重要性。防災への注目度の高さ、特に国境を超えた防災の取組への関心の高さなどの指摘が目立ったこととともに、AMCDRRへのコミットメント、仙台枠組み推進のためのキャバシテイー向上や、institutionalization、女性のリーダ―シップとジェンダーの重要性などのまとめがありました。
2日目には、まず仙台monitoringについて、ISDRウィルコックス氏から先週ボンで開催された会議の成果が共有されました。この後AMCDRRに向けて、仙台枠組の4つの優先課題等の6つのテーマについて、グループに分かれ議論ました(preparedness and BBBに参加)。
また、午後は、まずモンゴルからAMCDRRの準備状況等について、基本的な説明がありました。テーマは、総合的なSDGsのモニタリング、災害リスクを防ぐ:持続的開発を守る"とされました。
続いて科学技術に関する会議の報告(ラジブ慶応大学教授他)、その後午前のグループデイスカッションの報告があったのち、事務局とモンゴルのまとめがあり会議は閉会しました。なお、2018年7月のAMCDRRに先立ち、次回IAPは2018年4月にIAPをウランバートルで開催予定とされました。
写真:内閣府防災担当佐谷参事官

写真:会議の光景・UNISDRの発表

(2017/12/22 12:30)
センチネルアジア戦略計画に基づき、5つのテーマに沿って担当機関等から発表がありました。ADRCは初日に出席し、担当のテーマ6:コミュニケーション、調整等についての取組について発表し、ADRC加盟国の間で地球観測衛星画像を防災に活用することへの関心は引き続き高いこと等防災機関の視点からの発表を行ったほか、ACDR2017で合意された通り、防災機関と衛星機関の意見交換にも資するように、ACDR2018とback to back開催を開催することを改めて紹介しました。
また、この会議では、今般、新規にセンチネルアジアに加盟したドバイから、機関の活動の概要発表等がありました。同国では長期的将来と次世代のためを考え、火星開発等を100年計画で取り組んでいること等説明がありました。

(2017/12/22 12:30)
Integrated Research on Disaster Risk (IRDR), 土木研究所、及び防災科学技術研究所)
世界各国の研究者、国際機関関係者等が参加し、全体会議のほか仙台枠組みの主要な柱にそって6つのセッションが開催され、最終セッションにおいては、会議の成果としての東京宣言案について議論が行われました。また、最終日午後には皇太子殿下ご臨席の元、ハイレベルパネルが開催されました。
ADRCは、仙台枠組み優先課題1の全体会合に出GLIDEについて全体会合で発表し、学識経験者による幅広い活用を提案しました。また、ADRC20周年についても報告しました。また期間中にはポスターセッションも行われ、そのうち一つではセンチネルアジアについて、JAXAが発表し、ADRCもコメントしました。
(2017/12/10 12:30)
この会議は、中国の浙江大学社会科学部及び公共管理学院(大学院)が主催する三国間協力の促進に関する学際的研究のTrack 2 の会議です。日中韓の政治学、社会学、経済学、人類学、環境科学等を専門とする大学教員、公的研究機関の研究員が、この会議の表題の目的に接近すべく、それぞれの研究活動、専門分野における取組や経験を発表しました。
会議の主宰者の浙江大学社会科学部主任の余遜達教授・博士は、開会あいさつの中で、次の三点を強調されました。
それは、(1) この会議は、中国国家主席の習近平が提唱する「一帯一路」関係の費用によって実施されていること、(2) 会議のタイトルにある"Community of Shared Future"(中国語の「命運共同体」を英訳したもの)という考え方は、習近平思想の重要な一部であること、(3) 中国の東アジア外交が脅威と懸念される中、この会議の表題にもあるとおり、現政権は北東アジアにおける三国の関係を重視しており、決して東アジアの脅威ではないこと、でした。
そして、現政権はこの会議に先立つ10月24日に第19回全国人民代表大会を無事閉幕、基盤を盤石のものとしており、安定した政権の下で、今後一層、三国の関係改善が求められるとの認識が示されました。
続いて、北京大学の張小明教授(国際関係学院)と韓国環境政策研究院・秋長珉主任(環境政策研究部・研究員)から基調報告がなされました。内容は主に、北東アジア地域の地域社会連携の必要性=北朝鮮をターゲットとした安全保障上の問題と三国の歴史的つながりや環境分野での協力関係を理論と実践から説明するものでした。その後、4つのセッションにおいて、中国、韓国、台湾、モンゴル、日本からの15名の報告者が、国際関係論、公共政策、環境、人類学(民族学)、災害と広範な領域にわたり、各々の研究課題や国際連携における経験と教訓を報告しました。セッションテーマは、次のとおりです。
セッション1:「東アジア命運共同体:可能性と課題Ⅰ」
セッション2:「東アジア命運共同体:可能性と課題Ⅱ」
セッション3:「東アジア命運共同体構築への実践Ⅰ」
セッション4:「東アジア命運共同体構築への実践Ⅱ」
表題のとおり、セッション1と2は経験と課題の共有を図るものであり、3と4は主に取組事例から具体的な知見を提供しようとするものでした。ADRC・上田研究員は、セッション3の第一発表者で、「防災は日中韓の社会的和解の梃子になりえるか?」とのタイトルで、アジア防災センターの設立経緯とセンターの当初からの活動を事例として防災分野における国際協力の現状や課題を報告し、「防災」における連携が日中韓三カ国の社会的和解を促進する可能性に言及しました。
<11月5日/2日目>
二日目はエクスカーションで、浙江省安吉県の生態博物館、劉家塘村と余村を訪問しました。
生態博物館はこの地方に偏在する12のテーマ博物館のハブとなるセンターで、中国の歴史・文化・風俗を結集するものともいえます(この地方(江南地方)は、山東省南部と隣接し、原中国ともいえる地域)。また、劉家塘村と余村は環境保護地区として指定を受けており、主な収入源であった鉱工業を廃業、自転車組立や農産・林産品加工にシフトし、習近平の「緑水青山就是金山銀山」というグリーン政策の先頭に立っています。
劉家塘村は、水郷地区であり、水環境の改善に尽力してきており、国の環境保護地域の指定を受け、農村としては早期に合併浄化槽を導入、住宅の水洗化を進めてきました。
余村は、採銅鉱山を閉山し、竹製品加工と自転車組立により環境保護区へと生まれ変わった村であり、これらの二村はかつて浙江省の党書記を務めた習近平思想の原風景と言っても過言ではありません。
今回の会議参加は、「防災」が自然災害を含む災害への対処を意味するだけでなく、国家間の社会・文化的つながりへも影響力をもつことを、改めて認識させるものでした。
今後においても、上述の意味でアジア防災センターが発言する場を持てるのであれば、当センターの取組は一層有意義なものになると思われました。
初日、開会式では韓国気象庁長官のビデオによる挨拶、Han River Flood Control OfficeのKorea CHO hyoseob博士、Yu Jixin-Typhoon 台風委員会事務局長、WMOのTaoyong Peng,Chief 氏らの挨拶があったのち、韓国気象庁のNAM Jaecheol博士の挨拶がありました。
その後、全体会合では今年のテーマに関わる講演が行われ、我が国の気象庁台風センターの室井氏が気象庁における台風予報の進展について講演しました。
2日目は各分科会毎の会合が並行して開催され、我が国からは気象庁(気象作業部会)、国土交通省及びICHARM(水文作業部会)、及びADRC(防災作業部会)に各々出席しました。
防災作業部会においては、まず、各国の最近の台風災害及び関連の取組について順次報告が行われました。ADRCからは2017年(10月まで)に発生・上陸した4つの台風(台風第3月号、第5号、第18号及び第21号)について概略を報告するとともに、台風委員会の取組に関係の深い事項として、GLIDEの活用状況を報告し複数国に影響を及ぼし得る台風に関してGLIDEが有用であること等のほか、APECプロジェクトによるインフラ復興のプロジェクトの中で、被災インフラの復興と台風シーズンによる制約とこれを乗り越えた優良事例について報告しました。また、ADRCの将来の取組,優先事項に関わる議論の状況についても報告し、加盟国の間では、温暖化の影響への関心が極めて高いこと、また過去の災害から学ぶことがひきつづき重要である中、ADRCでは1938年の阪神大災害80周年に向けて過去の教訓を一層活かしていく考えであることなどを報告しました。
(2017/11/10 12:30)

国際連合宇宙局(UNOOSA : United Nations Office for Outer Space Affairs)と中華人民共和国民政部(Ministry of Civil Affairs of the People's Republic of China)が主催する第7回UN-SPIDER 北京年次会合(The 7th Annual UN-SPIDER Conference in Beijing)が、2017年10月23日から25日にかけて北京で開催されました。この催しは、34か国・8地域の宇宙機関及び防災機関等から約100名の代表者が参集、関係機関への訪問なども含む3日間のプログラムでした。なお、ADRCは22日に北京に向かう航空便が台風の影響により欠航となり、24日午後からの参加になりました。
<10月24日午後>
この日午後からのセッション3のテーマは「災害リスク評価と緊急応答のための技術統合」で、国連食糧計画、北京師範大学、非営利活動機関である"Continuum Planning and Development Trust, India"、インド内務省から、それぞれの取組に関する報告がなされました。とりわけ国連食糧計画の報告では、発災後72時間以内の事態評価について、サイクロン・パム(バヌアツ2015/3/6)、南アジア大洪水(バングラデシュ 2017/8-9、スリ・ランカ 2017/5、ネパール2017/8)を事例として、食糧支援の意思決定に影響する評価指標が示されました。
休憩後のパラレルセッションでは、ADRCは「統合的緊急時対応のツールとシステム」に参加しました。このセッションでは、ワールド・ビジョン・インターナショナル、ジンバブエ市民保護局、インドネシア国立航空宇宙学研究所(LAPAN)から、それぞれ報告がありました。このうち、毎年のように発生するジャワ中部のバンジャルヌガラでの地すべりに関するLAPANの報告では、センチネルアジアの貢献に対して感謝が述べられました。
<10月25日>
この日は会議の最終日で、午前は本会議のセッション4、5と続き、午後に機関見学が実施されました。
セッション4のテーマは「防災及び気候変動にかかる激甚災害のための地球観測、全地球航法衛星システム、電気通信のための統合アプリケーション」で、ニューキャッスル大学(イギリス)、北京大学(中国)、デルタ州立大学(アメリカ)の順で報告が行われました。
ニューキャッスル大学の報告はInterferometric SAR(干渉合成開口レーダー)による中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州茂県新磨村の地すべりの分析に関するもので、北京大学はPolarimetric SAR(偏波合成開口レーダー)による熊本地震(ALOS PALSAR PolSAR , 2016年4月21日)等の被災状況解析に関するものでした。これらはどちらも、緊急応答及び被災状況評価に合成開口レーダー衛星の利用が一層容易になることを期待するものでした。
続いてセッション5のテーマは「UN-SPAIDER ネットワークとの連携と関与」でした。ADRCはこのセッションの最後に、Sentinel Asiaの取組と国際チャーターへのエスカレーションを通して、UN-SPIDERのRSO(Regional Support Office)としての役割を果たしていることを報告しました。その中で、アラブ首長国連邦の、モハマッド・ビン・ラシャド宇宙センターのSentinel Asia参画や、8月の九塞溝地震へのSentinel Asiaの画像提供を例にとって、災害に対するボランタリーな取り組みが今後一層促進されることを参加者に訴えました。
午後は中国国家減災センターと中国科学院宇宙技術展示センターへの二班に分かれて施設見学が行われましたが、ADRCは中国国家減災センターの見学に参加しました。
<10月26日>
この日は、九塞溝地震での緊急観測要求に関するヒアリングを実施するため、中国地震局地質学研究所(Institute of Geology, China Earthquake Administration)を訪問しました。
このたびの緊急観測要求の一義的な目的は、地震に対する救援活動を支援する上での二次被害の予測を行うためでした。地震局の職員によれば、九塞溝を含む四川省山岳地帯は、中国の地震頻発地で、衛星による観測は不可欠です。しかし、天候は曇天が多く光学衛星では観測しきれないことが多いため、合成開口レーダー衛星の観測データを重用しているとのことでした。
なお、同研究所はSentinel AsiaのDAN(Data Analysis Node)として登録されていることから、今後は要請だけでなく解析についての貢献も期待していることをお願いしました。

本会議は、昨年9月13日に開催された「北東アジア平和協力構想(Northeast Asia Peace Cooperation Initiative = NAPCI)広島国際会議」(Track 1.5)が課題としたもののうち、北東アジア地域の環境協力にかかる共同体もしくはネットワークの形成可能性に関する議論を引き継いだものである。したがって、最終目標は、北東アジア地域における北朝鮮を意識した伝統的安全保障構築に資するための非伝統的安全保障の各分野(サイバースペース、環境、原子力安全、防災)にかかるネットワーク構築を目指すものであり、(1) 伝統的および非伝統的安全保障、(2) 北朝鮮、ロシア、モンゴルとの経済協力、(3) 南アジア・ASEANとの経済協力 の3つの政策軸にしたがって北東アジア地域での平和協力の可能性を探っていくことにある。特に、環境分野での国際協力は、この北東アジア地域では、学術分野において非常に長い歴史と研究成果を有しており、TEMM(日中韓三国環境大臣会合)においても重要な合意がなされているものの、各国において足並みをそろえた実効性のある政策課題としてなかなか結実しないという悩みを抱えてきた。
これを踏まえ、今回の会合は、原子力安全や防災における取組をも参考にしつつ、環境分野のネットワーキングについて今後の展望を開くために開催されたTrack2の会議である。
午前の第一セッションは「東アジアにおける非伝統的安全保障問題の多方面ネットワーキングの経験と展望」と題し、その現状と今後が、三つの基調報告に基づき議論された。そのうち、モンゴルのドルジシュレン・ナンジン主任研究員(国家安全保障会議、戦略研究所/National Security Council, Institute for Strategic Studies)のウランバートル対話(※モンゴル戦略研究所主催)に関する報告では、それがロシアや北朝鮮も参加するTrack1.5の会議であって、合意形成において忌憚ない意見交換が注目された。これを踏まえて、世宗研究所の李副理事長は「今回の会議も4-5年以内に多国間協力のアーキテクチャができることを期待する」との発言で、このセッションを締めくくった。
午後の第二セッションは「環境問題に関する地域協力の経験共有」と題し、12の取組の経験が報告されたが、この会議の主要課題である環境分野以外での報告は、アメリカのNGOであるNRDC(Natural Resources Defense Council)中国事務所の金亨美主任専門員の「中国が推進している一帯一路に関する環境と健康への影響評価」、高麗大学社会災難安全センター長の金映根博士による「原子力安全にかかる地域協力に関する経験」、NGO・ノーニュークス・アジアフォーラム(No Nukes Asia Forum)ジャパンの伴英幸氏のアジアにおける「原子力安全に関する多国間ネットワークの試み」、そしてADRC上田研究員から「アジア防災センターの取組と日中韓三国防災協力」についてで、環境分野での協力を促進するための参考若しくは問題提起として、それぞれ報告された。
災害への情報技術の適用と地域協力に関する最初のパネルデイスカッション(議長は豪州防災担当大使)においては、日本の米田審議官から自然災害への情報技術に関連してJ-alertについて発表があり、フィリピン、チャイニーズ・タイペイ、ベトナムのほか、国連ISDRアジア太平洋事務所からの報告も踏まえ議論が行われました。
この後、3つのテクニカル・セッションが行われ、各エコノミーの経験とともに、
研究者、民間、国際機関を含めた多様な参加者から防災に関わる科学技術の最先端の取組について紹介があった。
これをもとに、Day2の最後の全体会合において、防災に係る科学技術に関するヴィン共同宣言案が議論され、防災のための科学技術の進展、最先端技術の防災への活用等に係るヴィン宣言が採択され、そのエッセンスは2017年APEC閣僚声明にも言及されています。
写真:パネルデイスカッションで発言する米田内閣府審議官

写真下:最終セッション
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(2017/09/30 12:30)
本ワークショップはAPECプロジェクトの一環として開催されたものであり、民間、有識者等も含め、約40名の参加を得て開催されました。
まず、ホストエコノミーから歓迎の挨拶があった後、ADRCからプロジェクトの趣旨を説明しました。その後、レ・カン・トウアン防災作業部会がセッション1の議長を務め、ケーススタデイの対象エコノミーである、インドネシア、フィリピン、チャイニーズタイペイ、日本、ベトナムの専門家の発表がありました。これを踏まえ、参加者から、民間との連携の可能性等に係る意見が提出されました。
チャイニーズタイペイ、日本からはインフラの早期復旧が復興全体に貢献した事例、被災を契機に広範な地域のコネクテイヴィテイを高める道路交通網のBBBが図られた事例(フィリピン、インドネシア)、コミュニテイが管理しやすくエコロジカルな小規模インフラの復旧事例(インドネシア、ベトナム)など、多様な事例が提示され、インフラBBBのための財源確保が重要であること、民間との連携の可能性などが幅広く議論されました。
午後のセッション2はADRC所長が議長を務め、ケーススタデイ・エコノミー以外の参加エコノミーとしてメキシコ、ペル-、チリ、インドネシアからの政府を代表した発表ののち、民間を代表して日本防災プラットフォーム、研究機関の視点などからの発表の後、意見交換が行われました。
官民連携、さらに、開発担当省と防災の連携の重要性等が共通認識となりました。
この成果を踏まえ、地方部インフラの優良事例に関するケースブックを作成します。

(2017/09/30)
続いて、ベトナム主催で9月開催予定SDMOFのテーマ・内容について、同エコノミーの主要関心事項である科学技術に関し、ホアイ局長司会のもと一連の発表があり、科学技術省、水資源アカデミー、科学アカデミーからは、宇宙技術と衛星利用に関する発表があり、センチネルアジアにも言及がありました。
ADRCからは、9月に予定しているインフラBBBワークショップ及び関連調査について発表し、幅広い参画を呼び掛けました。また、貿易投資委員会(CTI)における質の高いインフラに関するワークショップについて、防災面の重要性、インフラBBBプロジェクトとの連携可能性等について日本の国土交通省から発表がありました。
このほか、豪州から最近の政策動向、ニュージーランド、ペルー、フィリピン、チャイニーズタイペイ、ベトナム、中国等から最近の災害について報告がありました。日本についてADRCから九州豪雨の概況とともに、今年のカスリン台風70周年、来年の阪神大水害80周年等過去の災害から学ぶ姿勢について紹介しました。災害対策の重要性について各エコノミーが政府内で理解を得ていく上で、このような過去の災害とともに、APEC等の場を通じて海外の災害について直近の状況を共有し持ち帰ることで、常に災害対策への意識を高めていくことが重要であることから、共同議長として議事の中で各エコノミーの災害報告を重視してきたこと等を指摘しました。また、共同議長からは、2017年の防災作業部会の成果をAPECリーダーの宣言に盛り込むため、短いインプットを用意することを提言し、議論を始めました。
さらに、2018年のホストエコノミー、PNGから、来年の予定のほか、同エコノミーの主要関心事項が示されました。ADRCカウンターパートであるNDCは職員が少ないため、来年に予定されているAPEC関連会合の全体調整は気候変動開発庁が担当することなどの報告がありました。
2日目後半に、チャイニーズタイペイ発案で、Plant Back Better植栽によるよりよい復興について議論をした。被災地での野菜栽培等による収入確保等に関して、カンボジアにおける事例の発表等がありました。ADRCからは、兵庫県丹波市の豪雨後の植林の事例に言及しつつ、社会的脈絡は異なるものの高齢化の進行するエコノミーでは、別のコンテクストでのPlant Back Betterもありうること等をコメントしました。

(2017/08/31 12:30)
今回は全体の7つの課題のうち、4政策と規制に着目した会合となりました。
ADRCはセッション3において、レジリエントなサプライチェーンのための政策について、ADRC概要及びADRCのAPEC関連の過去の取組について説明した後、政府の役割の重要な柱の一つとしてのインフラに着目し、最近のBCP関係の意識調査結果に触れつつ、防災作業部会で進めているインフラBBBワークショップの内容も紹介し、規制やルール作り等ソフト面での取組のほか、防災についてはハード面、インフラ整備や地域整備等関係省庁との連携も重要であること等を説明しました。各エコノミーからは、交通担当省、防災担当省庁の他多様な機関が参加しました。また、なお、民間の取組について、ADRC小野客員研究員が発表しました。

2017年6月6日~8日(ベルギー、ブリュッセル)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)は、2017年6月6日~8日にベルギー、ブリュッセルで開催された第3回世界復興会議に参加し、積極的な活動を展開しました。IRPは、次の5つの自主的なセッションにおいて、企画書の作成や開催運営に関する支援を行いました。
(i) 2017年防災グローバル・プラットフォーム会合からの最新情報
(ii) 生活復興と社会的保護(Social Protection)
(iii) 災害への備え・応急対応・復興における重要なパートナーとしてのプライベートセクター
(iv) 復興への備えと計画-制度及び組織の能力の強化
(v) 復興へ向けた政策及び制度間の調整。
これらのセッションにおける議論によって、仙台防災枠組の優先行動4で強調された「より良い復興(Build Back Better)」の概念が、どのようにしてリスクを減少し、強じん性を確立するという変革を伴う形で実行され得るのかが明らかにされました。また、その際には、次の災害は、以前とは違った性質の災害になるかもしれないという意識を持ちつつ「Build Back Better」が実行されることも示されています。
また、これらのセッションで共有された多くの経験に基づき、「Build Back Better」は、災害に強じんな建設技術でインフラ設備を改善するだけではなく、以前よりも、強化された統治システムや改善された基礎的行政サービス、多様化された人々の生活支援、貧困層や社会的弱者層の家族に対するより良い社会的保護のメカニズムを提供することだと、明確に提示されました。
「Build Back Better」を実現するためには、根本的な失敗の原因を理解するとともに、復興段階の機会を利用して、例えば、リスク情報を活用した土地利用計画や改正された建築基準とその執行を通じた、そうした失敗に対する措置を行うことが不可欠です。政府による「Build Back Better」への取組を成功へと導く多くの要因があり、それは、次の要素を高めることが挙げられます。
・ 状況に対応した制度的、政治的、法的な復興フレームワークを策定する能力
・ 復興のための介入を効率的、効果的に支援して、その介入が持続可能となる能力
・ 復興プログラムを実行するための財政的・技術的リソースをもたらし、支援する複数のステークホルダーと調整する能力
WRC3の全体テーマである「レジリエントな復興」の達成に寄与する要因の一つは、「復興への備え」がどの程度出来ているかということであることが、全体会議や個々のセッションにおいて支持されました。簡潔に言えば、「復興への備え」とは、綿密な計画や十分な資金に裏付けされた制度的、財政的なシステムを作り上げたインドや日本、米国、ニュージーランド等の国々で推進されているように、災害に先立って、次のようなツールを整備することになります。
・ 復興に関する制度、政策、法律
・ 復興のための財政的メカニズム
・ 復興に特化した人材やリソース
WRC3の最終日において、次の論点について討論されました:復興をレジリエントなものにするには、何をすればよいのか?復興は複雑で総合的なプロセスであることから、明らかに、一般的な解決策は不可能です。過去の経験に基づいて既に分かっているのは、復興をレジリエントなものにするためには、様々な要因が考慮されることが必要となります。
(i) 復興への備えが出来て、すぐに復興に取り組むことが出来るかどうか
(ii) 状況把握とそれに対応する能力があるかどうか
(iii) システムや制度が整備されているかどうか
(iv) 地域の実情に対応できるかどうか
(v) 包括性、もしくは、「all of us(我々皆)」的な施策が実行できるかどうか
復興過程は複雑なゆえに、レジリエントな復興に向けては、特定の状況に応じた戦略やアクションが求められるかもしれません。例えば、世界銀行(World Bank)は、都市のレジリエンスの文脈で、市町や都市部のコミュニティにとって復興がレジリエントなものになるためには、次のアクションが提示されました。
・ コミュニティに備えさせる(例:コミュニティの関心を高め、災害訓練を実施する。)
・ 行政機関を設置する(例:復興庁や復興部局を設置する。)
・ 財政システムを策定する(例:災害復興融資制度を整備する。)
・ 復興へ投資する(例:災害軽減策に取り組む。)
・ 社会的保護(Social Protection)を実行する(例:全過程における社会的弱者グループの包括性を保持する。)
今後の取組みとして、WRC3の参加者は、次の3つのキーアクションポイントを推奨した人道的支援及び危機に関する欧州委員会委員のメッセージからヒントを得るかもしれません。
・ レジリエンスを強化する
・ リスクを理解する
・ プライベートセクターと協働する
(2017/06/14 14:40)
防災グローバル・プラットフォームは、各国政府,国連システム,国際機関,地域機関,学術研究機関,市民社会,民間セクターなど防災関係者が一堂に会する機会として国連総会決議により設置され、2007年以降、隔年で開催されている。第5回目となる今回の会議は、UNISDR(国連国際防災戦略事務局)とメキシコ政府の共催により、初めてジュネーブ以外で開催されました。会合は24日朝の開会式に始まり、3日間を通じて多様なセッションが開催され、約180カ国が参加しました。
日本からは、羽深内閣府審議官をはじめ外務省、内閣府、国土交通省、気象庁等、さらに、平野達男参議院議員(元復興大臣,元防災担当大臣,UNISDR議連会長)が出席されました。
特別セッション(より良い復興と備え)においては、羽深内閣府審議官が共同議長を務め、過去の教訓を通して,「より良い復興」に向けた取組の状況と課題の検討及び,国や地方レベルにおいて,防災戦略がどのように構築されるべきか,などについてディスカッションが行われました。また、日本政府を代表して,羽深内閣府審議官がオフィシャル・ステートメントを行い、グローバル・ターゲット指標の達成に貢献するため防災基本計画等に従い,防災・減災・国土強靱化の取組を進めていくことなどを述べました。
ADRCは、地域国際機関としてオフィシャル・ステートメントを行い、ADRC加盟国の優先的課題について、プーケットにおけるACDR2016の成果である3つのポイント、メガディザスターへの対応、防災に携わる国・地方の人材の教育、コミュニティ防災の高度化、の3点、さらに、気候変動へのさらなる配慮等熊本視察以降、各国から指摘を受けた事項に言及し報告しました。また、ACDR2017のアゼルバイジャン開催についてもこの機会に周知しました。
また、ADRCは防災関係者が大勢集うこの機会に、加盟国間のネットワーキングと意見交換に資するため、5月25日に朝食会を開催しました。早朝の時間帯の会議で、短期間での呼びかけにも関わらず、元VRのネットワークの御蔭で、9か国18人の参加を得ました(写真)。
まず、ACDR2017開催に向けて、ホスト国のアゼルバイジャンから歓迎の意と会議への期待が示され、会議期間の冒頭にカスピ海諸国の防災訓練に参加国を招待する意向が示されたほか、防災の重要性に鑑み、ハイレベルの参加について各国に呼びかけがありましたた。
ADRCは昨年12月熊本地震被災地視察の際の運営委員会で、ADRCの将来的な活動の柱を議論するため、防災上の重要課題や国際協力の必要性のある事項等ついて、加盟国からの意見を求めたところ、回答があった国からの指摘事項を報告し、GP期間中及びそれ以降に、さらなる意見交換を呼びかけました。この後、出席者からのラウンドテーブルを行い、各国近況等を共有しました。
次回2019年のGPはスイス(ジュネーブ)で開催することが公表されました。

(2017/5/31 12:30)
2017年5月22日~26日(メキシコ、カンクン)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、「仙台防災枠組の採択から実行へ」を全体テーマとした第5回防災グローバル・プラットフォームにおいて、(i) マーケットプレイスにおけるブース出展、(ii) イグナイト・ステージにおける発表、(iii) 仙台防災枠組の優先行動4に則したサイドイベントの開催などの活動を積極的に実施ました。
IRP/ADRCのイベントは、次の事項を推奨することを目的にしています。
・ 効果的な「より良い復興(Build Back Better)」の成果を促進することによって、防災に関連した開発パートナー、地域的な政府間組織、地域的な組織、地域的なプラットフォームとより緊密な連携を図ること。
・ 復旧・再建・復興における「Build Back Better」に対する経験と知識の情報共有と普及をより幅広く実施すること。
これらのイベントは議長総括に寄与し、その総括では、会議の中で取り上げられた優先的行動分野について言及されました。
マーケットプレイスにおけるIRP/ADRCのブース出展
ブースでは、「Build Back Better」やレジリエントな復興に関するガイダンスノートやツールなどのナレッジ・プロダクトを特徴にした展示を行い、それらのコンテンツは、IRPの構成団体やパートナーから集められました。今回の出展を通して、次の成果が達成できました。
・ 「Build Back Better」に関するケーススタディ、ツールやガイダンスノートを収録したCD-ROM、400枚以上の配布
・ IRPのパンフレットやその他復興に関するIRP構成団体のパンフレット・報告書類を含めて、500部以上の配布
・ 「Build Back Better」に関するビデオやIRP構成団体から提供を受けた関連するビデオの上映
・ 「Build Back Better」に関するIRP活動のキーメッセージを配したバナー広告のディスプレイ
イグナイト・ステージでのIRP/ADRCのプレゼンテーション
イグナイト・ステージでは、日本の事例を紹介することによってIRP復興ガイダンスノートの価値が高まることが明示され、そのガイダンスノートが「Build Back Better」に役に立つことが実証されました。
また、日本における復興に関するケーススタディの分析に基づいて、次の知見が紹介されました。一つ目は、日本における「復興への備え」です。例えば、南海トラフ地震への備えとして東京都が対策を講じているように、いくつかの事前復興計画の策定や災害時応援協定の事前締結の中で見て取ることが出来ます。二つ目は、日本では、復興段階において、政策やインフラ設備、社会システムにおける改善できる点を事細かに改善してきています。日本政府が災害後の対応として、建築基準法や関係法を改正していることが明確な証拠として挙げられます。最後に、日本では、人々の生活の中に復興への備えを取り入れることによって、絶え間なく「強じん性の文化」を促進しています。このことは、膨大な量の情報の普及や自覚の促し、また、定期的な災害訓練などを通して促進しています。
IRP/ADRCのサイドイベント
IRP/ADRCのサイドイベントは、JICAと共催で開催されました。このセッションでは、JICA、インド、グアテマラからのスピーカーが発表するという「Build Back Better」に関する革新的なプログラムになっていて、各スピーカーは、成功した施策の重要な要因として「復興過程における良き統治」を強調していました。これを達成するために必要なこととして、次の行動が特定されました。
一つ目は、復興過程のローカル・オーナーシップ(Local Ownership)を促進することが重要です。JICAが実施したハリケーン・ミッチ、インド洋津波、タイフーン・ハイエンにおける比較研究に基づく所見によると、復興過程におけるローカル・オーナーシップは「Build Back Better」を達成するための基礎的要因となることが明らかにされました。復興過程のオーナーシップを持つことによって、より断固とした責任ある決定がなされます。効果的に復興ビジョンを達成するということは、過去の経験から学ぶことを意味します。ローカル・オーナーシップが強ければ、より、国際的な活動機関の役割が少なくなることが議論されています。しかしながら、ローカル・オーナーシップは、必ずしも外部の支援や援助を必要としないことを意味するのではありません。
二つ目は、権限ある責任を確実に保持することが必要です。インドの経験から、権限ある責任には、強固に制度化されたシステムも必要とされます。そのシステムによって、政治力学と施策の継続性への対処がうまくなされる必要があるのです。また、専門家の利用やステークホルダーとの調整、コミュニティの関与、時宜にかなった政策決定、効果的な政策調整、過去の経験からの教訓の適用などの役割を委任できる権限も必要とされるのです。
最後に、国の災害復興フレームワークを策定することは有効です。このフレームワークは、復興プロトコル、ステークホルダーの役割、計画策定に利用されるツールを規定していることから、効果的な復興過程の統治を促進することに役に立ちます。グアテマラの事例では、2013年に政府が国の災害復興フレームワークを策定し、2014年に発生したサン・マルコ地震からの復興時期に、効果的に施行されました。そのときと同じ地方自治体は2012年に地震被害を受けていました。次の理由から、このフレームワークはより効果的な復興を促進します。(i) 事前に得られた知識と理解によって、公的セクターの機関間での役割共有がより調整された形で達成されます。(ii) 短期的及び中期的な段階において資源配分がより良い形でなされます。(iii) 情報格差を減少させます。グアテマラの経験と「Build Back Better」への備えによって、政府は、2016年4月に近隣国のエクアドルで発生した地震後の復興に対して技術支援を提供することが出来ました。
(2017/05/31 14:40)
会合は4月4日午後に始まり、バドラル・トウブシン・モンゴルNEMA長官歓迎の辞、ロバート・グラッサー国連特別代表の開会の辞、UNISDRアリアバンドウ氏からのアジェンダ説明に続き、セッション1はTsogtbaatar NEMA次官の司会により、AMCDRR2016の成果を議論があり、この後、AMCDRR以降の進捗について、まず、各国からアップデートがありました。
2日目は、近況報告の続きから始まり、ADRCからも仙台枠組みを推進する上での最近の活動について報告しました。また、2日目から参加した日本の内閣府佐谷内閣府参事官から津波防災、熊本地震、指標検討ジェンダー、等についての発言がありました。
これらに続いて来年のAMCDRRに向けた課題が議論された。開催国モンゴルから、会議日程・会場等のほか、主要な関心事項として、Urban disaster resiliency及びInvestment in DRRが挙げられ、これについて3つのグループに分かれ意見交換しました。また、アジア地域計画について、特に重要な事項等についても意見交換しました。
3日目は、まず、仙台枠組みのモニターと防災指標に焦点をあて、ISDRからOIEWGの成果の概要、モニタリングの流れが示されました。この後各国から、統計局としての受けとめ方、或いは防災部局と統計部局との関係について順次報告がありました。
多数の発言があった中で、災害に関するデータはむしろライン・ミニストリー、地方組織が所管していること、統計部局はSDGs行動計画の要請にも応じる必要があり防災と別々に対応することは困難などとする一方、防災部局側もSDGsと異なり統計部局との関係が十分構築できていない国もあることもわかりました。午前の後半は、この2年間の指標の議論になじみの薄い参加者も少なくない中、グループに分かれ指標関連の取組状況等を意見交換しましたが、各国の理解にはかなり幅があった中、よいエクササイズの機会となっていました。
最後のセッションは、5月にカンクンで開催されるグローバル・プラットフォームに関するもので、国連ISDRから、日程など基本的事項が示された後、各国、各機関から参加予定等の報告がありました。最後に、トウブシン長官の挨拶があり会議は終了しました。

2017年3月6日~8日(イラン、マシュハド)
アジア防災センター(ADRC)及び国際復興支援プラットフォーム(IRP)は、マシュハド市災害対策局の招待を受け、2017年3月6日~8日に、イラン、マシュハド市で開催された第8回アジア地域セーフコミュニティ会議へ復興専門官を派遣しました。同専門官は、会議の中で「復興はセーフコミュニティの課題への取組を強化する良い機会となる」というメッセージを伝えました。
一般的に災害の際、特に住宅、建造物、道路や事業所などがハザードに対して脆弱な場合、死傷者数は増加することになります。しかし、より安全なコミュニティの構築を支援するために、過去の誤った行動やその結果起こった失敗を修正し、その影響を少しでも抑えることが復興段階には可能となります。「Build Back Better」の概念を明確に示して、セーフコミュニティのプログラムを強化するために、世界中から集められた事例研究のいくつかが会議で共有されました。
セーフコミュニティは、安全を推進し、傷害の防止を目指した運動で、その取組の大部分は、学術センターや大学も巻き込んで、地域の関わりと地域的なネットワークによって支えられています。世界保健機構(WHO)と協働してセーフ・コミュニティネットワークが策定した7つの指針に基づいたセーフコミュニティの認証は1989年から始まりました。
策定された7つの指針に基づいて、セーフコミュニティは、次の特徴を持ったコミュニティとして認められています。(i) コミュニティにおいて、セーフティ・プロモーションに関連するセクションの垣根を越えた組織が設置され、それらの協働のための基盤がある、(ii) 全ての性別、年齢、環境、状況をカバーする長期にわたる継続的なプログラムを実施する、(iii) ハイリスクグループと環境に焦点を当てたプログラム、及び弱者とされるグループを対象とした安全性を高めるためのプログラムを実施する、(iv) あらゆる入手可能なエヴィデンスに基づいたプログラムを実施する、(v) 傷害が発生する頻度とその原因を記録するプログラムがある、(vi) プログラム、プロセス、そして変化による影響をアセスメントするための評価基準がある、(vii) 国内及び国際的なセーフ・コミュニティネットワークへ継続的に参加する。1991年以来、知識交流を促進するため、セーフコミュニティに関する年次会議は各地域で開催されてきました。
(2017/03/16 14:40)

続いて、昨年秋よりウェブで調整してきた今年の作業計画、及び今後4年間の戦略計画が決定されました。また、メキシコから、5月にカンクンで開催予定のGlobal Platform for Disaster Risk Reductionについて紹介がありました。この他、最近のプロジェクト、各エコノミーの最近の災害及び災害対策に関するアップデートが続きました。
ADRCからは、昨年実施した津波ワークショップについての最終報告とともに、熊本地震のフォローアップとして、日本とADRC中心に行った現地視察についても報告しました。また、今年、ベトナムと日本を中心に実施するAPECプロジェクト「地方部インフラのビルドバックベター」の実施計画について報告し意見を募りました。なお、これを踏まえ、3月13日及び14日には神戸にて同プロジェクトのキックオフ会合を開催しました。
次回の防災作業部会は8月にホーチミン市で開催予定です。
2日目は、まず、センチネルアジア10周年以降の戦略計画を議論する上での考え方について、ラル教授から考え方が示され、これをもとに意見交換が行われました。戦略計画は2017年秋のAPRSAFで議論されることになります。また、3月に予定されているセンチネルアジア10周年行事についてもJAXAから提案があり了承されました。

ADRCは、11月4日に開催されたテーマ別イベント "Partnerships and Innovations for improving Disaster Loss Accountingに参画しました。Mr. S. Jegillos, シニア・アドバイザー, UNDPバンコク事務所による開会と趣旨説明の後、東北大学小野教授より Global Centre for Disaster Statisticsの取組についての報告、 Ms. C. Briggert, Head of Stakeholder Relations, DJI より、ドローン技術に関する発表、モルジブ政府よりDRRに関するイノヴェーションに関する発表、 ADPCの Perwaiz氏より, 民間セクターの災害による会計上のロスに関する研究成果の発表の後、西川智元ADRC所長より「エヴィデンスに基づいた国・地方の防災戦略を支えるGLIDE:防災情報共有のためのシンプルかつ革新的ツール」と題した発表がありました(写真右端)。持続的成長の基礎となる防災について、基本となる災害情報整備・充実を進めていく上で、ADRCが主導してきたGLIDE, GLobal unique disaster IDEntifierは、各国防災機関等にとって情報提供・共有の基礎的ツールとなり、また、国境超えたメガディザスター等にも連携して対応していく上でも重要であること等幅広い活用の可能性について発表がありました。会場からも、イベント終了後もGLIDEの利用方法等に関する多数の質問等が寄せられました。
なお、今回のアジア防災閣僚会議においてはニューデリー宣言が合意されたほか、成果文書のひとつとしてアジア地域計画もまとめられました。また、会議前日には、ISDRにより津波防災特別セッションが、5日閉会式に先立って世界津波の日記念イベントも開催され、特別セッションの中では、ADRCが10ヶ国語以上でパンフレットを作成し紹介してきた「いなむらの火」(http://www.adrc.asia/publications/inamura/top.html)についても、多数のスピーカーから言及がありました。

2016年10月24~26日(セブ市、フィリピン)
アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP: United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)、世界気象機関台風委員会(WMO/TC: World Meteorological Organization / Typhoon Committee)が主催し、フィリピン大気地球物理天文局(Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration)とセブ州の現地組織委員会(Local Organizing Committee)が後援する台風委員会第11回統合ワークショップ(IWS : Integrated Workshop)に参加しました。
当センターは上田研究員が代表として25日の防災分科会に出席、午前の会議でメンバー報告を行い、午後は防災部会(WGDRR : Working Group on Disaster Risk Reduction)による年次事業計画(AOP : Annual Operation Plan)の当年度進捗状況と次年度に向けた取組み方針及び予算に関する協議に参加しました。
メンバー報告では、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、中国香港特別行政区、日本、ラオス人民民主共和国、マレーシア、タイ王国、大韓民国、アメリカ合衆国、ヴェトナム社会主義共和国の10か国が、2016年における台風を中心とした災害の概況、台風員会関連事業の進捗状況や防災への取組みを紹介しました。
当センターの上田研究員は、本年度我が国に上陸した台風の特徴を述べ、太平洋側から関東、東北地方と北海道を襲ったことにより、台風の経験が少ないそれら地域に大きな被害をもたらしたことを報告するとともに、これら災害の特徴や被害の内容を分析可能なデータセットとして蓄積する取組みを進める必要があることを示唆しました。
午後の年次事業計画に関する協議では、中国代表が同国が実施国となっている本年度の第4事業である「台風災害の予防と準備にかかる便益評価(Benefit evaluation of Typhoon disaster prevention and preparedness)」に関して、台風の進路予測等の誤差を低減することにより相当の経済損失を抑制できるとする有意義な報告を行いました。
今回は非常に短い滞在でしたが、後援くださった現地組織委員会のご尽力により、たいへん円滑で快適な旅行ができました。この報告の最後に会合の開催に尽力された皆様に改めて深い感謝の意を表したいと思います。
(2016/10/24 19:30)
今回の会合は、サプライチェーンの防災及び緊急時のフード・セキュリティをテーマに、非常事態の中で特に貧困層に食料を届けること、そのために必要な官民の連携、制度的な工夫等を主要テーマに、1日半にわたり4つのセッションが開かれました。開催地ペルーのほか、豪州、中国、日本、フィリピン、チャイニーズ・タイペイ、米国、ベトナム、さらにABAC等から発表がありました。日本からは、内閣府石井参与が出席し、熊本地震時における政府の対応、特にプッシュ型支援について、食糧支援の例にも触れた発表が行われました。
また、防災作業部会(EPWG)では、昨年の主催エコノミー、フィリピンの提案で閣僚会議で承認されたAPEC防災枠組みに基づく行動計画案を検討しAPEC全体でも議論してきた中で、これを今秋閣僚会合等に報告することについて、SDMOF参加者にも了承されました。行動計画は「生きている文書」として今後も随時柔軟に議論されていくこととなりました。
http://www.apec.org/Press/News-Releases/2016/1012_disasters.aspx
2016年9月19~22日(中国、北京)
国際連合宇宙局(UNOOSA : United Nations Office for Outer Space Affairs)と中華人民共和国民政部(Ministry of Civil Affairs of the People's Republic of China)が主催する第6回UN-SPIDER 北京年次会合(The 6th Annual UN-SPIDER Conference in Beijing)が、2016年9月19日から21にかけて北京で開催されました。この催しは、35か国の宇宙機関及び防災機関等から約130名の代表者が参集、関係機関への訪問なども含む3日間のプログラムでした。
<1日目:9月19日>
開会のあいさつは中国国家減災委員会事務局・殷本杰副主任が、司会は中国民政部国際合作司・柴梅主任が、そして三日間のプログラム説明をUN-SPIDER北京事務所の事務局長・Shirish Ravan博士が行いました。
初日の本会議は、「(アジア地域でのUN-SPIDER)設立10年の成果の総括」と「地球観測データを用いたリスクの評価とマッピング」の二つの議題で、それらにかかる発表と質疑応答が行われました。
二番目の議題に関しては、衛星技術におけるレーダー・センシングの利用価値が高く評価されていたこと、災害における観測とデータ蓄積による干ばつの予測精度の向上が必要であることが指摘されていたこと、などが特筆されます。
<2日目:9月20日>
この日の午前の本会議は、「リスク評価のためのデータ及び情報へのアクセス」「災害管理支援のための国家的空間データ基盤とデータ枠組の整備」の二つの議題がとりあげられ、洪水と干ばつのモニタリングと予測について衛星データの果たす役割が強調されました。そのためには、中国の高解像度地球観測衛星システムの主要な衛星である「高分(Gao fen)」シリーズの導入の取組みを促進していく必要があるとの見解が示されました。
午後は「仙台枠組のグローバルターゲットに対する観測指標」「緊急応答における宇宙技術に基づいた情報共有の手順指針」「リスクの評価と緊急対応のためのクラウドソースマッピング」の三つの議題に関する分科会が開催されました。
アジア防災センターの代表は、二番目の分科会である「緊急応答における宇宙技術に基づいた情報共有の手順指針」の会議に参加し、宇宙ベースの情報共有を促進するために、各国において研修会や能力構築の強化に積極的に参加することが重要であるとの報告を行いました。
<3日目:9月21日>
三日目の午前中の本会議は「UN-SPIDERとの連携と提携」について、当センターを含む地域支援事務所(Regional Support Offices(RSOs))による報告と、国別報告・質疑が行われました。
午後は、2グループに分かれて、中国国家減災センターまたは云岡衛星観測ステーションの見学会が行われました。当センターの代表は中国国家減災センターの見学会に参加し、UN-SPIDER北京事務所も訪れました。
この会議の後、翌日の午前中(9:30~11:00)に、国家減災センターの同僚を訪問し、今後のアジア防災センターと中国国家減災センターの協力関係の強化について協議する機会を得ました。彼女は2007年度後期のVRで、現在、国家減災センターの衛星減災応用センター・データセンターの主任を務めています。
この日の午後(12:30~14:00)にはIRDR(Integrated Research on Disaster Risk)の事務所長を訪問し、お互いの情報収集能力の向上に資するため、連携・協力の方向性を模索していくことで意見が一致しました。
今回の会議参加、関係機関訪問は、関係各国、諸機関との組織的ネットワークを強化しただけでなく、多数の人的つながりを作ることもできました。
(2016/09/23 19:30)
同作業部会終了後16日午後には、ADRCはペルー国家防災庁(INDECI)の協力を得て、内閣府とともに津波防災ワークショップを開催しました。この中では、ペルー、日本のほか、米国、タイ、フィリピン、ベトナム、チャイニーズ・タイペイ、チリ等のエコノミー、ペルーの民間企業も参画し、総合的な津波対策、サプライチェーンを通じた世界的な経済への影響等について議論しました。JICA,ペルーの民間企業からも、耐津波の取組について発表がありました。大多数が津波被災地域であるAPECは津波対策の議論を深める上でも、また、民間との連携を深めていく上でもよい場です。東日本大震災のように津波は仮に直接的被害は一定の地域に限られたものであっても世界的なサプライチェーンを通じて、間接的に世界経済を脅かす可能性もあり、一方、インド洋津波のように広範な地域に直接的被害をもたらす場合もありえます。本ワークショップの成果も踏まえ、太平洋の両岸が連携して取り組んでいくことは極めて有用.と考えます。
このほか、今回のペルー滞在の間、翌17日及び18日には、米国FEMA主催で的確な寄付に関するワークショップが開催され初日の議論に参加したほか、18日には、APEC主席科学顧問等会合において、防災に関わる科学的助言に関する議論が行われ、後日示された同会合勧告の中では、防災システムの核心としての科学的助言の重要性が指摘されました。
2016年2月20~21日(ペルー)
APEC防災関連作業部会(EPWG)がペルーのリマで開催されました。かいかいに先立ち、2月に台湾南部で発生した地震他前回会合以降の災害による犠牲者に一分間の黙祷を捧げました。会合はホスト国ペルーNational Institute of Civil Defense, INDIECIの長、A.Murgueytio将軍の歓迎の辞に始まり、これに二人のベトナムと日本の共同議長の挨拶が続きました会合ではまず2016年のワークプランが議論され、2日目に合意されました。また、昨年高級実務者会議においては、より高い頻度、規模、範囲にも及ぶ自然災害に直面し、より適応性のある災害に強いエコノミー実現のため協働していくために、「APEC防災枠組み」が採択され首脳会議でも支持されましたが、これを推進してゆくための行動計画についても議論されました。会合では、さらに2015年の会期中の他WGとの連携による活動等についても議論されました。なお、2月29日には、各ワーキングの共同議長等からなる SOM Steering Committee on ECOTECH Committee of the Whole (SCE-COW)も開催されました。
(2016/2/20 12:30)



2015年11月17日~19日(インド)
アジア防災センターは、2015年11月17日から19日にインド・デリーで開催された標記に参加しました。
初日午前には、アジアにおける仙台防災枠組推進に向けた政策、及び将来のアジア防災閣僚級会議の方向付け等を主な目的とするアジア・リーダー会議が開催され、主催国インドのキラン・リジジュ内務担当閣外大臣の歓迎の辞、ワルストロム国連事務総長特別代表挨拶の後、過去及び将来のAMCDRR開催国等、中国、韓国、インドネシア、タイ、モンゴル、日本、及びアフガニスタンの代表の発言が各々ありました。

第3回国連防災世界会議開催国である日本からは、松本防災担当副大臣から、世界会議参加への謝意、日本として仙台防災枠組をアジア地域で積極的に推進していくため、指標に関するノウハウ活用やガバナンス強化等の重要性、アジア防災センターなど地域機関との連携、来年2月の「アジア防災会議(於プーケット)」への積極的な参加の呼びかけ等の発言がありました。また、「世界津波の日」に関する国連決議採択への呼びかけ、津波被害軽減のためにアジア地域で意識啓発を行う旨の発言もありました。この後、インドのShri Rajnath Singh, Hon'ble Union Home Ministerが到着し2016年11月のACMDRRに向けた議論の方向付けへの期待が示されました。
初日午後から開催されたIAPにおいては、まず、来年のACMDRRに向けた議論が行われ、カンISDRアジア太平洋地域事務所代表の発言の後、ワルストロム特別代表から、政治的なコミットメントにより地域における仙台枠組みを推進してゆく観点からの発言、インド代表の発言の後、各国の取組状況が紹介されました。休憩をはさんで翌18日冒頭までは、地域機関等の取組状況の発言があり、ADRCからは、仙台枠組みを踏まえた今後の取組のほか、来年2月のACDR2016に向けた期待を表明しました。
2日目は、午前は主にISDR事務局から、仙台枠組み推進のためのアジア地域の計画策定、モニタリングと指標についての発表、午後は、地域計画策定に向けたグループ・討議、及び、健康、教育等のセクター別の推進状況の発表がありました。
3日目は、地方における仙台枠組みの推進に焦点を当てたパネル・ディスカッションが行われ、日本から伊藤仙台副市長が発言しました。午後には地域における推進に焦点を当てた3つの並行セッションが開催され、多数の自治体関係者を交えた議論が活発に行われた後、全体会合でその成果が共有されました。
2015年10月28日(台湾)
アジア防災センターは、2015年10月28日に台湾、台北にて開催されたビッグデータ及びオープンデータの防災への適用に関するAPEC/EPWGワークショップに、同ワーキング共同議長の一人として出席しました。会議には米国、チリ、インドネシア、韓国、マレーシア、ペルー、シンガポール、タイ、ベトナム、日本などAPEC加盟エコノミー、防災機関、大学等から約20人強の出席がありました。
ワークショップ初日には科学技術省次官の開会の辞の後、米国FEMA国家継続プログラムAssistant Administratorから、公共と民間の連携強化につながる警報システムのベストプラクテイスに関するキーノート・スピーチがありました。これに続いて、リーEPWG共同議長、国家科学技術センター事務局長から、国家的災害における地域におけるデジタルな防災、防災に関する意思決定への科学技術の適用に焦点を当てたキーノート・スピーチがありました。
ADRCは最初の2つのセッションに参加しました。第一セッション「防災のためのビッグデータ」においては、デジタル面での防災に関する優良事例が取り上げられました。第二セッションでは、アジア地域におけるデジタル面での防災強化の取組に関するもので、ADRCからは、日本におけるビッグデータ、オープンデータに関する取組の概況を説明した後、発災時における関係省庁によるデータ共有・活用のための体制等について発表しました。この後、2日間を通じて、ビッグデータ・オープンデータの実際の活用、民間セクター都の連携等、及び新たなトレンドの課題の3つのセッションが行われました。
(2015/10/28 12:30)

2015年9月22~23日(フィリピン)
ADRCは、フィリピンのイロイロ市で9月22-23日に開催された、APEC 第9回シニアレベル防災フォーラムに参加しました。この会議は、フィリピンNDRRMC及びOCDが主催したもので、APECエコノミー、民間セクター、非政府組織等が参加しました。会合は、防災に関する多様な議題を扱い、APECにおけるベスト・プラクティスの共有に資するものでした。日本からは内閣府(防災担当)審議官が出席し「災害から経済利益を守る」と題し、主に東日本大震災による経済被害とそれからの復興等に関する発表が行われました。フォーラムの成果として、APEC加盟エコノミーが直面するであろう災害と、新たな現実、「ニューノーマル」に立ち向かっていくための、「APEC防災枠組み(案)」が議論され、会合終了後、10月中旬に合意され、その後、11月にはAPEC閣僚共同声明においても支持され、首脳宣言においても採択されました。
(2015/09/22 12:30)
2015年9月18~19日(ベトナム)
ADRCは9月18-19日、ベトナムのハロン市で開催されたAPECワークショップ「 気候変動に対応したコミュニティ防災」にAPECのEPWG共同議長として出席しました。このワークショップは、ベトナムが2017年に第25回APEC首脳会議をホストするのに先立ち同国のイニシアティブで開催されたもので、外務省及び農業・農村開発省、自然資源環境省、及びQuang Ninh provincial People's Committee の共催によるものです。
約100名が参加したこのワークショップは、APECエコノミ-及び国際機関によるコミュニティ防災の努力に関するもので、その主な内容は、引き続き9月22-23日にフィリピンのイロイロ市で開催された、第9回シニアレベル防災担当者フォーラムで報告されました(以下フィリピン・イロイロの記事参照。)ADRCは、初日午後の、投資と技術に関する革新的アプローチに関するセッションにおいて、仙台会議以降の主な取組、世界津波の日に向けた動き、高齢化・都市化の進展するアジアにおけるこれからのコミュニティ防災、科学技術を地域防災に活かす可能性等について発表するとともに、EPWG共同議長として閉会の挨拶をしました。
(2015/09/18 12:30)
アジア防災センターは、2015年6月3日から5日にかけてタイ・バンコクで開催された標記に参加しました。同会合は、17ヶ国、33の国際機関等から約90名が参加し、第3回国連防災世界会議においてとりまとめられた「仙台枠組」のアジア地域における推進方策について話し合いました。
同会議においては、ISDRより、次回の「アジア防災閣僚会議(AMCDRR)」において仙台枠組の「アジア地域推進計画」のとりまとめを行いたいとの方針説明があり、その重要事項について出席者が議論するとともに、次回AMCDRRの開催国であるインド政府より、来年11月15-17日にニューデリーにおいてAMCDRRを開催する予定であること、それまでに3回(本年11月、来年4月及び9月)IAPを開催して「アジア地域推進計画」のとりまとめに向けた議論を行いたい由の発表がありました。
今回のIAPにおいては、仙台枠組で強調された「多様な主体の参画」を意識し、特に防災分野に関する官民連携についてセッションを設け、日本からは「防災プラットフォーム」の取組の紹介がありました。ADRCからは、APECの「緊急事態への備え作業部会」の共同議長でもある所長から、APEC地域における中小企業の事業継続への取組み状況調査、事業継続ガイドラインの作成といったADRCの過去の取組みについて紹介するとともに、今後ISDRの官民連携に貢献したい由の発言を行いました。
(2015/06/05 13:00)

2015年5月25日~27日(バングラデシュ、ダッカ)
昨年12月にバングラデシュで開催した「IRP復興ワークショップ」では、復興のあらゆる過程において「Build Back Better」を基軸に、それを明確に位置づけることの必要性が求められました。これを受けて、防災・救護省(MoDMR)、バングラデシュ災害復興戦略研究所(ISRSDRR)、国連開発計画(UNDP)との共催で、IRP/ADRCは3日間の「IRP復興ワークショップ」をバングラデシュ、ダッカで開催しました。
ワークショップには50名を越える参加者が集まり、バングラデシュ政府の関係省庁や大学、開発機関、NGO、民間セクターから派遣されたハイレベルな専門家によって、「仙台防災枠組(SFDRR)」を踏まえた復興に関する課題について熱心な議論が展開されました。
バングラデシュ政府の防災・救護大臣、Mofazzal Hossain Chowdhury Maya Bir Bikram氏による開会の辞では、「Build Back Better」の考え方を具現化した効果的な災害管理プログラムの確立に取り組んでいくことが述べられ、また、閉会の辞では、情報大臣、Hasanul Haq Inu氏により、「Build Back Better」の取組みは、情報省や広報機関を通して広く推奨することを支援していくことが、参加者に約束されました。
今回のワークショップの成果としては、復興において問題となる事柄を整理するとともに、「バングラデシュにおける災害前の復興計画」に盛り込まれるべき最初の戦略と行動が、参加者によって整理されたことです。こうしたワークショップの成果をベースに、次に実行するべきステップが次のとおり整理されました。
一つは、6月16日にバングラデシュ国会議員を対象に「Build Back Better」セッションを開催することです。法的支援や法制化を必要とする災害リスク低減と復興問題について国会議員への理解を深めてもらうことが目的です。
二つ目は、防災・救護省が、国連開発計画(UNDP)の支援を通じて、「バングラデシュにおける災害前の復興計画」の最初の戦略と行動の策定を進めるために、8月の第1週に「Writeshop」を開催することです。
三つ目は、防災・救護省とBuild Back Better基金との間における調整を通して、既存の政策や計画に係る法的文書において、復興課題の一覧を位置づけてもらうことが重要と考えます。特に計画省が促進する「Delta Plan」において位置づけられることは大変重要です。
四つ目が、防災・救護省の後援のもと、Build Back Better基金が、バングラデシュにおける主要な関係団体との結びつきを深めることが広く支持されることです。そうすることによってInter-Ministerial Disaster Coordinating Council (IMDCC) の開催が可能となり、復興課題が計画に反映されることにつながっていくと考えます。
最後に、Build Back Better基金が、防災・救護省や関係者との協働を通じて「Build Back Better」を促進する新たなプログラムやプロジェクトを提案していきます。例えば、大学や国際的な知識の交流拠点の間で、復興専門家やボランティア、パートナーシップの絶対的数量がある一定ラインを超えることによって、知識共有や交換の促進だけでなく、学校の教育課程においても復興課題が位置づけられることにも結びつくようになります。最初の提案として、そうした絶対的数量を確保することも含まれます。
(2015/06/02 14:40)
2015年4月20~21日、「環インド洋連盟(IORA: Indian Ocean Rim Association)」ならびにタンザニア政府の共催により、同国首都のダル・エス・サラームにて、防災専門家会合が開催されました。開催期間中は、タンザニア、ケニア、マダカスカル、モザンビーク、コモロ諸島といったアフリカ各国やインドネシア、スリランカ、バングラデシュといった東南・南アジア国など20各国以上の防災行政担当者が出席し、アジア防災センター(ADRC)ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)からは河内が参加しました。
2015年2月25日(フィリピン、マニラ)
2015年2月25日、カルロス・ロムロ財団やマニラ気象台などフィリピンにおける官民が一体となった「マニラ首都圏地震対策委員会」専門家会合が開催されました。会場には、フィリピン外務省や在マニラ日本大使館を含む政府関係者のほか、企業防災の関係者など90名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)からは河内が参加しました。
会議冒頭では、主催者より今会合の趣旨について説明がなされました。続いて、フィリピン国立地震火山研究所のソリダム所長より、近い将来に発生が想定されているマニラ都市圏の断層型地震と海溝型地震について発表がありました。ADRC/IRPとしては、日本における地震への備え、かつての大規模地震後の応急・復旧・復興対策について、パワーポイントによる発表を行いました。2011年の東日本大震災以降、防災面における官民連携がさらに重要視され、政府や自治体、企業、大学などの学術機関、市民と地域団体が有機的に連携しながら、復興支援や防災協力を進めていることについて述べました。防災における官民連携については、昨年2014年1月、兵庫県神戸市で開催した「IRP国際復興フォーラム2014」に同国OCD副局長を日本に招聘、日本の防災関係者やメディアを通じて、広くその重要性について訴求したこと、また、その後も、ADRC・IRP共催による「フィリピン地方政府行政官向け人材育成ワークショップ」を同国の企業体や民間部門と連携しながら、企画運営したことを紹介しました。
日本の防災行政システムをモデルとして、法改正・体制強化に着実に取り組んできたフィリピンは、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念が普及しつつあり、また都市化が進む中での地震災害対策や、高層ビルにおける長周期振動対策など、中央政府、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクターといったマルチ・ステークホルダーが一体となって取組む重要性にも、日本と共通の理解を示しています。
IRPとしては、ソフト・ハード両面における技術移転事業や人材育成事業等の分野について、これまでもフィリピンへの防災協力を推し進めておりましたが、今後も引き続き、都市型地震に係る事前復興計画の策定など同国の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問合せは、河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。
(2015/2/27 14:50)

アジア防災センター(A

2月5日と6日の2日間に開催されたUNSPIDER RSO会合では、世界各地の地域支援事務所から30名以上が集まりました。同会議では、以下のサブテーマで積極的な討論が実施されました。
①2014年の活動報告
②2015年の活動計画
③UNSPIDER作成のブックレットおよびポータルサイトの紹介
④途上国への技術指導のあり方や衛星利用の課題に関する議論
⑤途上国への技術指導についての優良事例の紹介
⑥津波干ばつ、洪水等のワーキンググループからの活動状況の報告とそれに対する議論
ADRCは2014年12月2~4日にタイ、バンコクで開催された国際防災戦略アジアパートナーシップ会議に出席しました。この会議は第6回アジア防災閣僚会合後の方向性、第3回国連防災世界会議の準備、2015年以降の防災の枠組み採択と実施の準備について議論することを目的としています。
政府、国際・地域機関、国連、市民社会組織、メディア等から約90名の参加があり、次の5つのセッションが開かれました。
1. 第6回アジア防災閣僚会合の検証
2. 兵庫行動枠組み(HFA)のモニタリングと第3回国連世界防災会議の進捗状況
3. ポストHFAの実施
4. 国連防災行動計画スキームの提案
5. ポストHFAに向けたIAPの強化
各セッションで活発な議論が行われました。最後に第3回国連世界防災会議とポストHFAに対する期待が述べられ、会議は閉幕しました。
ADRCは、台北市において、10月27日から31日にかけ、「防災に関する国際ワークショップ」に参加しました。同ワークショップは、台湾の防災科学技術院(NCDR)が主宰するもので、本年は世界各国の大災害からの「よりよい復興 build back better」の経験を共有することを目的として開催されました。
ADRCからは、関東大震災、阪神・淡路大震災及び東日本大震災という我が国の過去の巨大災害を中心に、災害を教訓とした防災システムの改善、復興の経緯と課題を紹介するとともに、「よりよい復興のためのツールとガイダンス」について紹介しました。
この他に、アジア・太平洋及びラテンアメリカ諸国の出席者から、大災害からの復興に関する事例の紹介があり、貴重な情報と知識を共有する機会となりました。
(2014/11/7 14:40)
2014年10月20~24日(タイ、バンコク)
アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会・世界気象機関台風委員会が主催する台風委員会第9回統合ワークショップに参加しました。
会合には主催者をはじめとして、中国、北朝鮮、香港、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、フィリピン、韓国、ベトナム、タイ、アメリカなどから関係者80名以上が出席し、「沿岸地域における早期警報システム向上のための標準実施要領の戦略」をメインテーマに、アジア防災センターも協力している「沿岸地域における早期警報システムのための標準実施要領協同事業」をはじめとする本年度の活動および各国の台風被害等について報告、意見交換がなされました。
また、防災作業部会においては3月に仙台で開催される「第3回国連世界防災会議」における台風委員会としての参加についても検討されました。
なお、台風委員会にはこの防災作業部会の他に気象、水文の各作業部会が設置されており、今回はその3つのワークショップが統合して開催されました。
会議の詳細につきましては次のウェブサイトをご覧ください(英語のみ)。
http://www.typhooncommittee.org/9IWS/
(2014/10/28 19:40)
2014年9月18~19日(キルギス共和国・ビシュケク)
ADRCは、2014年9月18-19日にキルギス共和国の首都ビシュケクで開催された「『中央アジア+日本』対話の枠内における第2回中央アジア地域防災閣僚会合」に参加しました。本会合は、日本政府、キルギス共和国非常事態省、UNDPの主催で、「中央アジア+日本」対話の一環として、防災に関するハイレベルな協議の場の創設を目指し開催されました。本会合には、カザフスタン、キルギス共和国、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンからの代表の他に、在キルギス共和国日本大使館、JICA、国際機関の関係者が参加しました。
会議では、中央アジア地域における喫緊の防災課題や、更なる防災協力について議論が活発に行われました。ADRCからは、中央アジア地域で実施した防災プログラムの成果や、そこから特定された中央アジア地域におけるニーズと今後の防災協力の取組みについて紹介しました。
会議の最終日には、成果文書が発表されました。その中では、災害リスクの軽減、緊急事態への備えや応急対応に関する地域内協力の強化について協議するため、中央アジア諸国の防災機関の長によるフォーラムの創設及び定期的な開催について合意されました。さらに、上記フォーラムを支援するために、専門家レベルより成る作業部会の設置についても併せて確認されました。
当センターは中央アジアにおけるこの新しい構想を支援し、引き続き地域防災協力の更なる推進に努めたいと考えています。
(2014/09/18 16:50)
2014年9月10~12日(米国、ワシントンDC)
9月10日から12日の3日間、米国・ワシントンDCの世界銀行本部にて、、世界銀行防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、国連開発計画(UNDP)、欧州連合(EU)の共催により、第2回世界復興会議が開催されました。
本会議では、災害後の復旧・復興に焦点をあて、防災面での国際協力の重要性、脆弱な地域におけるハード・ソフト両インフラの整備と技術革新、国の開発目標を踏まえたレジリエントな復興など、幅広いテーマについて議論が行われ、期間中は、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)といった地元政府をはじめ、各国の政府、国際・国連機関、民間セクター、NGO、学術関係者、防災専門家等のべ1,000名以上の参加があり、アジア防災センター(ADRC)からは研究部の河内、赤松、ポトゥタン、グリザールの4名が参加しました。
本会議は、2015年3月に我が国で開催予定の「第3回国連防災世界会議」へとつながるプレ国際会議と位置付けられており、また日本における大規模災害からの教訓と知見を会議参加者に共有することを目的としていたこともあって、日本から多くの防災ステークホルダーが参集、「世界各国における大規模災害からの復興」、「東日本大震災からの教訓」、「事前復興計画~阪神・淡路大震災後の復興をもとに~」、「災害復興における官民連携」といった様々な切り口によるテーマ別セッションに参画しました。
ADRCとしては、日本政府(内閣府)および国際復興支援プラットフォーム(IRP)との共催により、テーマ別セッションを3つ企画・運営したほか、世界銀行「東京防災ハブ」と連携し事前復興計画に係るセッション等に登壇しました。
日本からの機関として、具体には、日本政府から内閣府と国土交通省のほか、国際復興支援プラットフォーム(IRP)、国際協力機構(JICA)、東京都庁、兵庫県防災局、関西大学、東北からも日本政策投資銀行東北支店、東北大学、仙台市が参加しました。
所属機関こそ異なるものの、各々の参加者が「より良い復興(Build Back Better)」、「防災への事前投資」、「中央政府における防災プラットフォームの強化と地方との連携」、「有機的かつ横断的な連携プラットフォーム:東北復興連合会議」、「災害統計や被害後ニーズ評価」、「次世代につなげる人材育成」、「災害復興における官民連携」、「大規模津波災害に対する備え」等における重要性や必要性について、全体会合・テーマ別セッションを問わず、諸外国からの参加者に対してプレゼンテーションを行い、災害対策と国づくりを同時に進めてきた日本だからこそなしえる国際貢献と防災協力の取組姿勢に、高い注目が集まりました。
また、こうした取組姿勢が、現在策定中の「兵庫行動枠組」の後継枠組へのインプットと方向付けに係る各国の周知・理解の深化へとつながり、ひいては、内閣府を中心として鋭意準備が進められている「第3回国連防災世界会議」の成功へと導かれていくものと考えられます。
なお、この件に関する問合わせは、河内(kouchi@recoveryplatform.org)までお願いします。
(2014/9/26 14:50)
2014年8月14日(フィリピン、マニラ)
2014年8月14日、フィリピン政府の主催およびASEAN事務局の共催により、同国マニラ市で「台風ハイエン(現地名:ヨランダ)被災地復興支援に係るASEANハイベル会議」が開催されました。会場には、フィリピンを含むアジア防災センター(ADRC)メンバー国から防災関係者の代表など200名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局からは河内が参加しました。
会議冒頭では、台風による被害発生後の復興状況についてフィリピン政府から説明がなされました。続いて、ASEAN各国や国連・国際機関による復興支援の取組実績ならびに今後の方向性について発表がありました。ADRC/IRPとしても、この場でステートメント形式による発表を行い、ADRCは、カウンターパートである同国国防省市民防衛局(OCD)をはじめとする防災関連機関と有機的連携しながら、復興支援や防災協力を進めていることについて述べました。具体的には、台風発生翌月の2013年12月に被災地調査を実施したこと、その調査結果を受けて、翌2014年1月、兵庫県神戸市で開催した「IRP国際復興フォーラム2014」に同国OCD副局長を日本に招聘、日本の防災関係者やメディアを通じて、広く災害復興の重要性について訴求したこと、また、その翌月2014年2月には、ADRC・IRP・内閣府共催による「フィリピン地方政府行政官向け人材育成ワークショップ」を同国中部で企画運営したことを紹介しました。
日本の防災行政システムをモデルとして、法改正・体制強化に着実に取り組んできたフィリピンは、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念が普及しつつあり、また災害対策全般における中央政府、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクターといったマルチ・ステークホルダーの役割と重要性にも、日本と共通の理解を示しています。
ADRC及びIRPとしては、技術移転事業や人材育成事業等の分野について、これまでもフィリピンへの防災協力を推し進めておりましたが、今後も引き続き、台風「ハイエン」後の復興やアジア地域の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問合せは、アジア防災センター河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。
(2014/8/29 14:50)
8月に開催された本年の第3回APEC高級実務者会議に合わせ、第8回APEC防災高級実務者会議が8月11-12日において開催され、日本政府(内閣府防災)を含むAPECのメンバーエコノミーの代表の他、関係する国際機関等約50名が出席しました。ADRCからは、APECの防災関連WG(EPWG)の共同議長を務めるADRC所長が参加しました。その模様について報告します。
今回の実務者会議は「防災に関する科学技術の活用」をテーマとし、①災害予防、②発災時の応急対応、及び③災害復旧・復興における科学技術の活用事例とともに、④当該分野に関する国際協力の事例に関するセッションが開催され、各メンバーエコノミー及び国際機関における取組みについての紹介がありました。
最終日に「APECリーダー」に対する「科学技術が災害予防から応急対応、災害復旧・復興に至る防災の全ての局面で科学技術の活用が重要であること」が政策提言としてとりまとめられました。
2014年6月22~27日(タイ、バンコク)

齊藤内閣府参事官による開会に続き、ヴィオレタ・セヴァ氏(フィリピン・マカティ市)、サントシュ・クマル氏(SARRC防災センター)、蓮江忠男氏・大沼久美氏(日本政策投資銀行)、アナ・クリスティーナ・トォールン氏(IRP)という様々な背景を持つパネリストから、事例の発表がありました。モデレーターのセーバー・ホセイン・チャドリー氏(バングラディシュ国会議員)から、「HFA2に『復興』を強く位置づけるにはどうするべきか」という問いが投げかけられ、発表者、会場の参加者からの意見が述べられた後、以下の提案がまとめられました。
・中央政府、地方政府のシステムにおける復興行政機能を制度化する。
・復興計画及び活動に対する財政的な予測可能性を確保する。
・復興に関わる多様な主体間の調整を強化する。
・人間の安全保障が効果的な復興に欠くことのできない基本であることを理解する。
・復興の達成状況を測るための具体的かつ測定可能な指標を設ける。
これらの提案を受けて、IRPの今後の役割として、復興分野の協働のための世界的な仕組として活動することが挙げられました。その役割の中には、広域地方レベルの政府に対する復興に係る専門的支援の提供、持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献、科学技術災害や紛争からの復興に係る専門的支援の提供、復興の開発計画へのスムーズな取り込みを図ることなどがあります。
セッションでは最終的に、(1)各政府が復興プログラムの実現のために全般的な指針を得られるよう、HFA2に『復興』を強く位置づけるべきである、(2) 復興は(よりよい復興の機会であることから)持続可能な開発目標と連携したものでなければならない、(3)復興計画実現のための政府各部門・部署の明確な役割、また進捗度を測るための明確な方法を検討するためには、政策、法制レベルでさらに声を挙げていく必要がある、という3つの結論に達し、最後に、名執アジア防災センター所長の総括により閉会しました。
また、展示ブースでは、ガイダンスノート、ニュースレター、各種報告書、IRPメンバー機関の冊子等を展示・配布し、また、IRPの活動内容を紹介するポスターを展示し、多くの会議参加者の注目を得ました。事務局として、各種資料の幅広い配布とともに、会議参加機関との関係構築に努めました。
IRPは、アジア防災閣僚会議に続き、7月27日にバンコク・国連コンベンションセンターにおいて、ILOアジア・太平洋事務所が開催したワークショップ「自然災害後の雇用復興:東日本大震災の教訓」に参加しました。

ワークショップでは、政府や機関の雇用、社会保障、防災の専門家や実務者が参加し、防災及び災害後の復興における雇用と社会保障との関連性についての啓発、東日本大震災の復興過程で得られた経験や教訓、優良事例の共有、アジア・太平洋地域における雇用に着目した防災・復興の知識強化のための戦略について議論が行われました。
(2014/07/02 14:30)

今回開催されたアジア防災閣僚級会議においては、ADRCも複数のセッションを設けて、情報交換や議論を行いましたので、次に紹介します。
『サイドイベント:防災活動へより多くのコミュニティの参画を得るための防災教育ツールや取り組みの紹介』
2014年6月23日、ADRCは「防災活動へより多くのコミュニティの参画を得るための防災教育ツールや取り組みの紹介」に関するサイドイベントを開催しました。本イベントの趣旨は、1995年の阪神・淡路大震災後にローカルNGO及び地方政府により推進されたコミュニティ防災活動及び防災教育ツールの優良事例を紹介するともに、震災からの教訓を生かした一般市民の意識の啓発活動及び地方政府防災担当者向けのトレーニングプログラムについて、そのようなツール・活動の他の地域への展開やローカライゼーションについて議論することです。
ADRCからのイントロダクションの後、阪神・淡路大震災からの教訓を生かした取り組みを行っている人と防災未来センター(DRI)の村田昌彦研究部長、神戸市消防局の大津暢人司令補、インドネシアのガジャマダ大学イカプトラ准教授から発表がありました。DRIの村田氏からは「兵庫県の地方行政官防災研修及び防災意識の啓発に関する取り組み」と題して、市長を含む地方行政官から住民までの防災研修といった人材育成事業や啓発活動についての紹介がありました。次に神戸市の大津氏より、震災時に行政による救援が行き届かなかった経験から結成された、住民主体の防災組織であるBOKOMI(防災福祉コミュニティ)についての取り組みの紹介があり、公助のみならず、自助や共助の重要性について説明がありました。その後、インドネシアのジョグジャカルタにおいて、神戸のNPO「プラス・アーツ」の「イザ!カエルキャラバン!」(阪神・淡路大震災の経験を生かした住民啓発、教育プログラム)をローカル化して実施したイカプトラ准教授から、子供たちへの防災教育や現地の文化に合わせたツールの応用の重要性についての指摘がありました。
また、民間企業とNGOが連携してコミュニティ防災を推進している事例として、AXAグループのデイビッド・コルニック氏から、CAREインターナショナルと共同で実施している災害に強いコミュニティの構築に関するタイとフィリピンでの取り組みについて紹介がありました。
本セッションの最後には、コミュニティを中心とした防災活動のためには、1)現地の災害経験と事情に合わせた教材の開発、2)ツールの十分に調整のとれたローカル化、3)民間部門等多様な主体の参画が重要であることが確認されました。
『サイドイベント:民間セクターにおける防災の推進と地方の防災力構築のための官民連携の強化』
2014年6月25日、ADRCとAPEC 緊急事態の備え作業部会(EPWG)は、「民間セクターにおける防災イニシアティブの促進及び官民連携の強化」をテーマとするサイドイベントを開催しました。ADRCとAPEC EPWGが共同議長を務め、仙台市、日本政策投資銀行東北復興支援室、JICA、三菱商事インシュアランスの専門家が登壇しました。
APEC EPWG 李維森博士はAPEC地域におけるBCP策定率調査や、域内中小企業を対象としたBCP策定ガイドライン、トレーニングについて発表しました。続いて仙台市伊藤敬幹副市長からは官民、コミュニティとの連携の取組み事例として、防災まちづくりや、災害時の物流、避難における協定等が紹介されました。なお仙台市は国連防災ロール・モデル都市に選ばれており、2015年3月に国連防災世界会議が開催されます。日本政策投資銀行東北復興支援室の蓮江忠男氏及び大沼久美氏は、日本政策投資銀行が組成した、東北地域内外の多様な主体による連携プラットフォーム「東北復興連合会議」等、さまざまな復興プログラムを紹介しました。JICA馬場仁志氏は、地域内の官民すべての関係者が連携する、広域事業継続計画(Area BCP)、広域事業継続マネジメント(Area BCM)の概念を紹介し、アセアン域内の産業集積地でのパイロット事業について概要を述べました。三菱商事インシュアランス小野高宏氏は、HFA2への提言として過去の災害事例からも民間部門、地方政府の両方が災害対応力を高めると同時に、その連携を強化し、地域全体として最適な行動をとる重要性を述べました。最後にADRC名執所長がそれぞれの発表をとりまとめ、サイドイベントを締めくくりとしました。
『プレカンファレンス:国及び地域レベルにおける災害リスク軽減のシステムを補うための衛星データおよび情報の役割』
2014年6月22日、JAXAとADRCは「国及び地域レベルにおける災害リスク軽減のシステムを補うための衛星データおよび情報の役割」のテーマに関するプレカンファレンス開催しました。本会議では、災害リスク軽減のための衛星データと情報の共有、ユーザーニーズの検討、衛星に係る従事者や行政、コミュニティなどの協力体制の拡張を目的としました。本会議は、セッションを大きく二つに分けて進行されました。
最初のセッションは「既存の地域及び国の主導権と関連する枠組みにおける進捗と課題」というテーマが設定されました。まず、アジア工科大学(AIT)ラル氏は、2014年3月に東京で開催された、アジア防災会議2014における宇宙技術のセッションの結果に関する報告を行いました。UNOOSAのシリッシュ氏からは、宇宙情報プラットフォーム(UN-SPIDER)の活動として、ASEAN地域を対象としたワークショップの開催結果について報告しました。ADRCからは、アジア各国の地域レベルにおける宇宙技術の利活用の現状について説明を行いました。そして、在日本フランス大使館のピエール氏からは、世界を対象に宇宙技術の活用を推進するインターナショナルチャーターの最新の取り組みについて、UNESCAPからはHFA2の実行計画について説明がありました。またJAXAからは、センチネルアジア全体の概要および各種取組の事例紹介、また2014年5月に打ち上がったALOS2についても説明を行いました。
次のセッションは「地域コミュニティのリスク対応のための地球観測の活用戦略とプロジェクト」としてテーマが設定されました。ここでは、タジキスタン、中国、バングラデシュ、フィリピンなど各国における防災分野における宇宙技術の利活用と、優良事例について紹介がありました。日本からは、東北大学越村教授が、東日本大震災時における衛星画像の分析や活用に関する紹介がありました。東大柴崎教授からは、ビッグデータと宇宙技術との連携と有効的活用について説明がありました。また、国土地理院宇根氏からは、国土地理院が整備する基盤データの紹介や、防災分野への展開について提言がありました。
なお、本プレカンファレンスは午前中に開催されたUNSPIDERの宇宙技術の利活用に関する会議とも連携しました。両機関の関係団体は共同で提案書を作成し、宇宙技術と地理空間情報の基づいた成果への投資の重要性などを明記しました。
『全体会合と議論の取りまとめ』
最終日である2014年6月26日に、最後の全体会合が行われ、会議のとりまとめとして「バンコク宣言」が採択されました。同宣言においては、国及び関係者に対する政策提言として、下記の事項を掲げています。
1. ローカルレベルのレジリエンスの向上
2. 持続的発展の利得を確保するための防災に対する投資の向上
3. 防災分野における官民の連携
4. 科学・技術の重要性
5. ガバナンス・透明性・説明責任の重要性
6. 次期の国際的防災取組み指針への貢献、「アジア太平洋地域HFA2実施計画」の策定
7. 持続的発展目標・気候変動の取組みとの整合性
今後、全世界の各地域で同様の議論が進むこととなっており、ADRCとしても、それらの議論の場を捉えて積極的に情報発信を行う予定です。
ADRCは2014年6月4-5日にかけてアゼルバイジャンのギャバラで開催された第7回ECO(経済協力機構)国際防災会議に参加しました。アゼルバイジャンの非常事態省が主催し、ECO事務局が協力して開催された本会議には、ECOメンバー国の代表団及び国連や国際機関、学術・科学機関からの専門家が参加し、ECOメンバー地域におけるよりより防災協力を推進するため、様々な防災活動や経験について情報交換を行いました。ECOメンバー国には、アゼルバイジャン、イラン、カザフスタン、キルギス、パキスタン、タジキスタン、ウズベキスタンといったADRCのメンバー国が加盟しています。
各国代表団による発表及びスピーチに続き、UNOCHA、UNESCAP、GIZ、中央アジア応用地球科学機関(CAIAG)、ADPCといった機関からの専門家が、ECO地域における防災への取り組みついて紹介を行いました。ADRCからは、ADRCのアジア地域における役割とともに、中央アジア・コーカサス地域からのメンバー国が参加できる客員研究員プログラム、JICA「中央アジア・コーカサス地域総合防災行政」コース、ピアレビュープロジェクトを中心に紹介しました。
本会議の最後には、政策及び実務レベル、科学関係者間での総合的なアプローチが、本地域におけるよりよい、そしてより効果的な防災に寄与するとの認識で一致しました。このことは、ECO地域のみならず、他のADRCメンバー国にも重要な課題だと考えられます。
(2014/06/17 16:50)
2014年6月4日~6日(フィリピン、マニラ)
2014年6月4日から6日まで、フィリピン政府の主催および日本と欧州連合(EU)の共催により、同国マニラ市でASEM会合(災害リスク削減及び管理に係るマニラ会議)が開催されました。会議開催期間中は、フィリピンを含むアジア防災センター(ADRC)メンバー国から防災関係者やEUメンバー国の代表など280名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局の河内が参加・発表を行いました。
全体会合に続いて実施された4つの分科会のうち、ADRC/IRPは、フィリピン政府の内務自治省が議長、国防省市民防衛局が副議長をそれぞれ務めた第二分科会「災害対策における関係主体の役割-国、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクター(災害対応と調整における政府と他の関係主体の役割の強化)」に参加、発表と議論を行いました。
発表の中では、最新の日本での取組事例の紹介を交えながら、防災は日本政府の最も重要な政策の一つであり、緊急対応時のみならず平常時から災害に強い国づくりを進めていることに言及し、災害発生後における迅速な対応(Response)ならびに効果的な復興推進(Reconstruction)は、災害予防など他のフェーズ(Prevention, Mitigation, Preparedness)と密接にリンクしていることを説明しました。
ADRC及びIRPとしては、フィリピンへの防災協力を推し進めており、同国においては最近、防災関連法の整備と強化、政府や企業、国民等が一体となった防災意識の高まり、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念の普及など、着実な成果が確認されたています。今後とも台風「ハイエン」後の復興やアジア地域の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問い合わせは、アジア防災センター河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。

2014年5月26~27日(韓国、ソウル)
アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会、世界気象機関台風委員会および韓国消防防災庁が主催する台風委員会第9回防災作業部会に参加しました。
会合には主催者をはじめとして、マレーシア、韓国、タイ、アメリカ、ベトナム、および香港やマカオといった特別行政区から防災担当者など約25名が出席し、アジア防災センターも協力している「沿岸地域における早期警報システムのための標準実施要領協同事業」をはじめとする本年度の活動計画および各国の台風被害等について報告がなされるとともに、国際協力やソーシャルメディアを活用した防災情報提供の先進事例の紹介などが行われました。
なお、台風委員会にはこの防災作業部会の他に気象、水文の各作業部会が設置されています。
(2014/06/02 19:40)

- 2013年の活動報告と2014-2015年の活動計画
- 利害関係者との協議の取り組みとRSOの役割
- 進行中のプロジェクトのレビュー
- UNSPIDERの2014年の活動計画
- 小冊子と成功事例
- RSOネットワークと技術諮問支援活動(グループ討議)
- 空間情報の可視化
2014年2月10~13日(タイ、バンコク)
アジア防災センター(ADRC)は、国連アジア太平洋経済社会委員会・世界気象機関台風委員会、タイ気象局が主催する台風委員会第46回総会に参加しました。
会合には主催者をはじめとして、中国、日本、マレーシア、フィリピン、韓国、シンガポール、アメリカ、ベトナム及び香港・マカオ特別行政区などから関係者70名以上が出席し、気象、水文、防災の3つのワーキンググループの昨年の活動報告や今年の活動方針等について意見交換がなされ、ADRCも関係するSSOP(Synergized Standard Operating Procedures for Coastal Multi-Hazards Early Warning System)プロジェクトについての経過報告もなされました。
また、昨年猛威をふるった台風Haiyanについては、フィリピンの代表者から被害や復興状況について、世界気象機関等からは情報の提供などの支援策についても報告され、今後のメンバー国間の協力強化についても意見交換がなされるなど、非常に有意義なものとなりました。
会議の詳細については次のウェブサイトをご覧ください。
http://www.typhooncommittee.org/46th/index.html
2013年12月1~5日(マカオ)

会合には主催者をはじめとして、カンボジア、中国、北朝鮮、香港、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、韓国、ベトナム、タイ、アメリカなどから関係者100名以上が出席し、「熱帯低気圧の影響を緩和するための予報・警報・防災戦略」をメインテーマに各国の取組などについて報告、意見交換がなされました。また、防災作業部会におけるメンバーリポートの中では、内閣府より2013年の日本における台風等の被害状況やアジア防災センターの取組(客員研究員の受入等)についても報告されました。
さらに今回は、フィリピンやベトナムの代表者から台風Haiyanによる被害や対応状況について、また、世界気象機関や日本気象庁等からは両国に対する台風情報の提供などの支援策についても報告され、今後のメンバー国間の協力強化についても意見交換がなされるなど、非常に有意義なものとなりました。
なお、台風委員会にはこの防災作業部会の他に気象、水文の各作業部会が設置されており、今回はその3つのワークショップと研修フォーラムが統合して開催されました。
http://www.typhooncommittee.org/8IWS_2TRCG/8IWS_2TRCG.html
(2013/12/6 19:40)
2013年11月27日~29日(タイ、バンコク)
2013年11月27日から29日まで、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)の主催により、タイ・バンコクの国連会議センターで「災害リスク軽減委員会」第3回会合が開催されました。当日はESCAP加盟国や国際・国連機関から防災行政の実務関係者や専門家など多数の出席があり、アジア防災センター(ADRC)研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局の河内が参加しました。
まず、全体会合初日の議題4「開発戦略への防災の主流化」の中で発言を行い、近年のアジア地域での大規模災害発生以降の復旧・復興段階において、日本の台風などの風水害や地震津波防災に関する技術、経験、教訓が活用されていること、前回の国連防災世界会議ならびに2004年末のスマトラ沖地震・インド洋大津波以降のESCAP加盟国各国の防災体制の強化、防災文化の醸成が進んでいる旨を述べました。ADRC及びIRPにおいては、政府職員向けに多種多様な人材育成プログラムを実施しているが、とりわけ、ADRCメンバー国政府職員を客員研究員(VR:Visiting Researchers)として3~4カ月間受け入れる制度は、大変有意義なものであると元VRが自ら会場内で発言する場面もあり、その他の元VRも各国の政府防災担当省庁職員として同会合に出席している様子を見ると、ADRCが十年以上もかけて実施してきた同プログラムの波及効果が高いことが立証されたと考えられます。
さらに、巨大災害の発生時には、行政の対応に加えて、企業などの公共部門、地域住民が平時から防災の備えをしておくことの重要性を述べました。そういった意味で、来年2014年3月4~6日に東京で開催予定の「アジア防災会議2014」ならびに同年1月21日の神戸での開催予定の「国際復興フォーラム2014~災害復興における官民連携~」について、防災に関する様々なセクターによる協力・連携の必要性・必然性について確認できる会合として紹介し、日本政府が準備している次回開催の国連防災世界会議につなげたいと発言しました。
(2013/12/12 14:30)
2013年11月5日~7日(ミャンマー、バガン)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、11月5日~7日、ASEAN事務局からの要請に基づき、ASEAN復興ワークショップに参加しました。
ASEAN災害管理委員会は、ミャンマーとインドネシアを共同議長とするワーキング・グループを設置しており、メンバー国の復興計画を支援する「復興ツールボックス」づくりを進めています。IRP/ADRCはこれに協力するため、復興ガイダンスノートや復興計画モジュールなど、IRP/ADRCの持つ知見の提供を行いました。今後も、必要に応じて同ワーキンググループに対して技術的な支援を行っていくこととしています。(詳細は英語版参照)
(2013/11/18 14:30)
2013年11月5~7日(タイ・バンコク)
2015年に日本・仙台市で開催予定の国連世界防災会議においては、防災に関する現行の世界的指針「兵庫行動枠組」の後継(以下、「HFA2」)が採択される予定ですが、その内容については、アジア・アフリカといった世界の地域/女性・高齢者・子どもといったステイクホルダーごとに議論が重ねられています。アジア太平洋地域においては、来年6月タイにおいて開催される「第6回アジア防災閣僚会議」(以下、「AMCDRR」)において、HFA2に向けたアジア太平洋地域の提言のとりまとめが行われる予定です。当該会議の内容を検討するため、関係する各国政府、国連/地域機関及びNGO等が自主的に参集する二回目の会合が11/5-7にバンコクで開催され、ADRCも関係機関として参加しました。
同会議においては、国連防災戦略事務局・タイ国政府より、AMCDRRの準備状況について説明されるとともに、「ローカルレベルの防災強化」「災害に対する潜在的脆弱性の低減」及び「民間セクターへのインセンティブ」といった「重要分野」ごとに今後の議論の方向について紹介が行われました。ADRCとしては、災害に関する統計データや人工衛星画像の分析を通じた脆弱性の把握、民間企業の事業継続計画といった蓄積を生かすとともに、主宰する「アジア防災会議」の場をHFA2に向けた協議の場として活用したい旨発言しました。
(2013/11/15 13:00)
第1回 サウジ危機・防災管理国際会議 (The First Saudi International Conference on Crisis and Disaster Management) への参加

アジア防災センターは、サウジアラビアのイマーム大学が主催する「第1回 サウジ危機・防災管理国際会議」に参加しました。この会議は災害が世界的な関心事になる中、サウジアラビア政府の「いかなる災害からも国民を守らなければならない」とする方針を受け、イマーム大学が各国から専門家を招き、危機・防災管理の方策や効果についての知見などを得るべく開催されたものです。
会議には主催者をはじめとして、アメリカ、エジプト、オーストラリア、クウェート、ドイツ、日本、マレーシアなどから出席した危機管理、防災管理の専門家など約40名が、政府関係者や学生など2日間で延べ約500名の聴講者に対し「危機管理の最新技術」や「サウジアラビアにおける災害脆弱性」などのテーマで講演しました。
この会議のなかで、アジア防災センターは「東日本大震災による教訓」と題して、主に防災教育の効果と、それに関わるセンターの取組について発表し、会場からはサウジアラビアにおける防災啓発や防災教育の強化を希望する声が聞かれるなど多くの関心を集めました。
(2013/09/13 19:40)

アジア防災センター(ADRC)は、2013年8月14日~15日にかけて、カザフスタン・アルマティ市で開催されたJICAフォローアップセミナー「総合防災行政」に参加しました。本セミナーは、ADRCがJICAからの委託事業として実施しているJICA研修「中央アジア・コーカサス地域総合防災行政」のフォローアップセミナーとして実施され、日本の防災における経験と知見をカザフスタンの防災関係者に伝達する目的のもと、カザフスタン政府の関心の高い「耐震建築」「コミュニティ防災」「防災センター」といったテーマが選ばれ開催されました。参加者は、カザフスタン政府非常事態省の中央・地方職員及びアルマティ市防災局職員をはじめ、KazNIISA(カザフスタン耐震建築物検査・指導機関)などの研究機関から約40名が参加しました。日本からは、ADRCの他、耐震建築及び建築行政の専門家も参加しました。
ADRCからは、セミナー参加者に対し、日本におけるコミュニティ防災の取り組みについて自主防災組織の活動や防災教育、啓発活動といった視点から紹介しました。また、本年5月にカザフスタン政府とキルギスタン政府の間で非常事態対応及び防災センター(CESDRR)が設置合意されたのを受けて、今後のCESDRRの運営の参考となるよう、アジア防災センターのこれまでの運営及び取り組みについて紹介しました。
参加者からは、カザフスタンと日本の防災行政システムが違うことから、日本の自主防災組織や建築行政について理解しづらいことがあったようですが、建物の耐震化の重要性や「自助」「共助」「公助」という日本の防災の理念は十分に理解していただけました。ADRCは今後もJICA及びカザフスタン政府事情事態省と協力していくとともに、CESDRRに関しては、同じ地域センターとしてその活動を支援していきたいと考えています。
(2013/09/05 16:50)
2013年5月29~30日(韓国、ソウル)
アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会、世界気象機関台風委員会および韓国消防防災庁が主催する台風委員会第8回防災作業部会に参加しました。
会合には主催者をはじめとして、中国、日本、マレーシア、フィリピン、韓国、ベトナム、および香港やマカオといった特別行政区から防災担当者など約30名が出席し、アジア防災センターも協力している「沿岸地域における早期警報システムのための標準実施要領協同事業」をはじめとする本年度の活動計画および国際協力の強化等について活発な議論が行われました。
なお、台風委員会にはこの防災作業部会の他に気象、水文の各作業部会が設置されています。
(2013/06/03 19:40)
2013年5月23日(スイス、ジュネーブ)
IRP事務局は、第4回防災グローバル・プラットフォームにおいて、内閣府との共催により、「巨大災害からの復興の教訓」をテーマにフォーラムを開催し、アジア防災センター等のIRPパートナー機関をはじめ、国際/地域機関、各国政府、NGOなどから124名の参加を得ました。このフォーラムは、2011年度よりIRPが内閣府、アジア防災センター、国連関係機関等とともに、4回にわたり開催してきた東日本大震災に係る専門家会合の最終回として実施され、また東北大学、神戸大学等と協力し、東日本大震災の経験と教訓をとりまとめた「東日本大震災復興状況報告書」の完成を披露する場ともなりました。
亀岡偉民内閣府政務官の開会あいさつ、杉本明文兵庫県防災監による井戸敏三兵庫県知事からのメッセージ紹介に続いて、田中泰雄拉曼大学教授(神戸大学名誉教授)の進行によりパネルディスカッションが行われました。ニュージーランドのカンタベリー地震復興庁CEOのロジャー・サットン氏、立命館大学の塩崎賢明教授(神戸大学名誉教授)、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)のデヴィッド・トリッセル氏、パキスタン政府国家防災庁元長官のナディーム・アーメッド氏より、各国における復興の経験と優良事例について報告が行われました。
ロジャー・サットン氏は、経済的損失を抑えるためには、復興活動においても意思決定においてもスピードが重要であると強調し、塩崎賢明教授は東日本大震災の復旧・復興の取組についての報告の中で、民間セクターが復興過程に関わることの重要性を指摘しました。デヴィッド・トリッセル氏は、米国は復興枠組を持つ国の一つであり、特にそれはハリケーン・サンディの時には有効であったとし、さらに、復興枠組の重要な原則の一つは、災害が起こる前に復興支援機能を明確にしておく「事前復興計画」であると指摘しました。また、ナディーム・アーメッド氏は、パキスタンでは復興枠組が復興に果たす有効性について評価実験が行われ、復興枠組が設定されていた災害と、復興枠組がなかった災害とを比較した結果、復興枠組が設定されていた災害の復興についてより効果的で災害に強いマネジメントがなされていたという結果が出たと報告しました。これは、復興枠組が復興の取組におけるガバナンスを大きく改善することを示しています。
この後、モデレーター、出席者との間で討議が行われ、開発計画の中に復興の要素をいかに統合するか、効果的な復興戦略策定への取組についても言及されたほか、HFA2を見据えた、復興に係る戦略的提案についても議論されました。
また、今回の防災グローバル・プラットフォームへの参加者向けに、IRP/ADRCはこの機会を捉え、マーケットプレイスにおいて、復興状況報告書及びガイダンスノート等の発行物や機関紹介等のパンフレットと共に、特に「東日本大震災復興状況報告書」の展示、配布を行いました。
(2013/05/23 14:30)
2013年5月21日~23日(スイス、ジュネーブ)
今回のGPの大きなテーマは、こうした防災関係者の力を結集させる機会のほか、防災に関する世界的取組み指針である「兵庫行動枠組」(HFA)の目標年次を2015年に控え、HFAの進捗状況の確認と、それらを踏まえ、次の行動枠組み(HFA2)の在り方に関して議論することです。
GPの開会式は、21日の9:30から大会議場にて開催され、開催国スイス連邦のマウラー大統領、国連のエリアソン事務局次長をはじめ、ナミビア・ニュージーランド等各国の代表が挨拶を行いました。
この後、10以上の会議室に分かれて、参加国等からの公式ステートメント、参加機関の事業内容や研究成果等を紹介する延べ170のイベントが開催されました。
ADRCは、21日の14:45から16:15の間、アジア災害予防センター(ADPC)、アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)と共催して、「アジア地域における防災協力~技術革新と協働による災害レジリエンス構築」と題する会合を開催しました。同会議においては、中央政府レベルの防災協力のネットワークのハブであるADRC、アジア工科大学を母体とし特に東南アジア地域において高度な技術協力プロジェクトを行っているADPC及び防災に関するアジアのNPOのネットワークであるADRRNがそれぞれの業務における地域内協力の特長を紹介しました。ADRCからは、中央政府レベルの国際防災協力のgood practiceとして、日本の宇宙航空研究開発機構等各国の宇宙開発機関と連携して実施している「センチネル・アジア」の取組みについて紹介しました。この後討議が行われ、アジアには既に域内協力機関が重層的に存在しており、各機関がその特徴を生かして積極的に協力関係を深めるべき等の意見が出されました。
この会合と前後しますが、当日14:00からJICAと国連開発計画との主催で「防災の経済学-防災投資を通じた持続的開発の推進」が開催されましたが、これは、JICAが昨年度実施した(ADRCは委員として参画)、防災投資が後の経済成長に与える貢献の定量的把握手法の紹介であり、多くの国際機関等から参加がありました。
こういった行事以外にも、期間中には各国・機関間の情報交換等の場が持たれました。22日、ADRCは、昨年12月に新たにメンバー国となったイラン・イスラム共和国の防災組織の高官(ガダミ内務省次官兼防災庁長官)と会談の機会を持ちました。次官からは同国の防災力向上に向けADRCの協力を仰ぎたい由の発言があり、当方からは客員研究員招聘等ADRCの事業の展開により同国の意向に沿いたい旨回答しました。なお、この会談の概要は後日イラン防災庁のHPでも紹介されました。
イラン防災庁ガダミ長官(左)と会談するADRC名執所長
(イラン防災庁HPより)
最終日となる23日には国際防災復興協力機構(IRP)の主催するフォーラムが開催されました。内容の詳細は次の記事をご覧ください。
同日16:30から大会議場において閉会式が開催されました。まず議長(ダニデン・スイス開発協力機構会長)から議長サマリーの案が提示されました。ワルストロムUNISDR特別代表から参加者への謝辞が述べられた後、日本国政府代表の亀岡偉民 内閣府大臣政務官(防災担当)から、日本での開催が決定している次期国連防災世界会議について、2015年3月に仙台市で開催することを表明して3日間の会期を終了しました。
閉会式において次期防災世界会議の仙台開催を発表する亀岡大臣政務官
(画面中央)
(2013/06/13 13:00)
2013年5月8~11日(中国、成都)
2013年5月8日から10日まで、中国四川大学ならびに香港理工大学の主催により、成都市の四川大学で「四川大地震5周年国際防災フォーラム」が開催されました。当日は中国国内から防災の実務関係者や学術機関関係者など300名以上の出席があり、アジア防災センター(ADRC)研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局の河内が参加しました。
まず、フォーラムの基調講演において、2008年5月の四川省大地震発生以降の復旧・復興段階において、日本の地震防災に関する技術、経験、教訓が活用されていることを実感し、ここ5年間における中国の防災体制の強化、防災文化の醸成が進んでいる旨を述べました。また、巨大災害の発生時には、行政の対応に加えて、地域住民が平時から防災の備えをしておくことの重要性を述べました。そして、住民の防災への参画意識を高め、災害発生時に的確な防災行動を取れるようにしておくための手法として、さまざまな防災教育や意識啓発プログラムが有効であることを紹介しました。4月20日の四川省雅安市での地震は、こうした意味において、近年の中国における防災上の速い進展が確認できるものとなっています。
また、このたびのフォーラムを契機として、「四川大学・香港理工大学災害復興管理学院(IDMR)」の開設記念式典が開催されました。アジア防災センター(ADRC)とIRPは、防災上の取組を一層推し進めるため、このIDMRとの協力文書に調印しました。これは、具体的な協力分野として、災害発生前の予防段階および災害発生後の復興段階における①人材交流、②共同研究、③各々の研究結果の情報共有と知見の交換、を行うというものです。
ADRCとして、IDMRとともに、今後とも被災地の復興や地域の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。
翌5月11日には、2008年四川大地震の震源地近くの徳陽市綿竹にて開催された、「漢旺論壇」という国際防災会議に出席しました。当日は四川省徳陽市人民政府など防災行政実務者の他、海外からはドイツやスイスの関係者など100名以上の参加がありました。この会議においては、四川大学IDMRの顧教授がモデレーターを務める全体会合のセッションに、世界銀行の石渡専門官とともに登壇し、阪神・淡路大震災後の都市部の復興事例などについて発言を行いました。
(2013/06/11 14:50)

2013年2月11-13日(オーストリア、ウィーン)
ADRCはウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第50会期及びこれに併せて開かれた第4回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合に参加しました。COPUOSの本会議では、「発展途上国への能力開発訓練」「宇宙科学および宇宙技術とそれらの応用」「技術支援と地域間協力」などの様々な問題について、各国間で議論が行われました。2月11日12日の2日間に開かれたUNSPIDER RSO会合では、世界各地の地域支援事務所より30名以上が集まりました。同会議では、以下のサブテーマで積極的な議論が行われました。
①2012年の活動報告
②2013-2014年の活動計画
③進行中のプロジェクトの詳細レビュー
④緊急時の衛星画像ニーズに関する議論
⑤途上国に向けての技術支援のあり方に関する議論
⑥水害、干ばつ、火災等のグループに分かれての活動のあり方に関する議論
ADRCは、UNSPIDER RSO会合において、2011年における活動実績及び2012年の活動予定について発表するとともに、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました。

2013年1月27~29日(中国、香港)
アジア防災センター(ADRC)は、国連アジア太平洋経済社会委員会・世界気象機関台風委員会、香港天文台が主催する台風委員会第45回総会に参加しました。
会合には主催者をはじめとして、カンボジア、中国、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、韓国、タイ、アメリカ、ベトナム及びマカオ特別行政区などから関係者100名以上が出席し、今年度の各国の活動事例報告や来年度の活動方針等について意見交換がなされました。この委員会には、気象、水文、防災の3つのワーキンググループが設置されており、ADRCが参加する防災のワーキンググループからは、来年度よりADRCも協力して本格実施されるSSOP(Synergized Standard Operating Procedures for Coastal Multi-Hazards Early Warning System)プロジェクトについての報告がなされました。
会議の詳細については次のウェブサイトをご覧ください。
http://www.typhooncommittee.org/45th/index.html
(2013/1/27 19:40)

2012年11月26~27日(中国、南京)
アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会・世界気象機関台風委員会、中国気象局及び南京信息工程大学が主催する台風委員会第7回統合ワークショップに参加しました。
会合には主催者をはじめとして、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、韓国、タイ、アメリカ、ベトナム及び香港やマカオといった特別行政区などから関係者100名以上が出席し、「効果的な警報」をメインテーマに各国の取組などについて報告、意見交換がなされました。また、防災作業部会におけるメンバーリポートの中で、内閣府より2012年の日本における台風等の被害状況、アジア防災センターの取組(受入研究員等)について報告されました。
なお、台風委員会にはこの防災作業部会の他に気象、水文の各作業部会が設置されており、今回はその3つのワークショップが統合して開催されました。
http://www.typhooncommittee.org/IWS_Nanjing/index.html
(2012/11/30 19:40)
2012年8月30日(タイ、バンコク)
アジア太平洋地域の自然災害監視を目的とした国際協力プロジェクトである「センチネル・アジア」は、監視活動開始から7年目を迎えました。アジア防災センターは、センチネル・アジアの発足当初より、大規模災害の発災時に、各国の防災担当機関からの観測要望を元に、各国の宇宙機関に緊急観測を依頼する役割を果たしています。
当初より、このプロジェクトは以下の3つの段階を踏んで整備を進めることとしていますが、今年はちょうどステップ2の最終年にあたります。
・ステップ1:基幹となる情報共有・配信システム導入(平成18~19年)
・ステップ2:新しい衛星コミュニケーションシステムによる情報通信の拡大(平成20~24年)
・ステップ3:総合的な「アジア太平洋地域災害管理・支援システム」の確立(平成25年~)
去る8月30日、タイ国バンコク市内において、センチネル・アジア ステップ3の在り方を検討するデータプロバイダノード(Data Provider Node: 災害に関する衛星観測データを提供する宇宙機関)の会合が開催されました。アジア防災センターは、防災担当機関の声を代表する形で会議に出席し、衛星観測データの利用状況やデータに対する要望などをとりまとめて宇宙機関に伝達しました。
この後、センチネル・アジア ステップ3の在り方に関する議論が行われ、1)発災直後の応急対応だけでなく、災害予報から復旧・復興に至る防災の各プロセスにおいて衛星観測データの活用を図る必要があること、2)そのためにもALOS2などによる衛星観測データの一層の精度向上が必要なこと、3)その過程において、防災と衛星観測データの両方の分野の知識を有した人材が不可欠であり、人材育成を促進すべきこと 等の議論が行われました。引き続きステップ3に向けその具体化につき話し合う予定です。
*センチネル(Sentinel)は「見張り」の意味。
(2012/08/30 13:00)
2012年8月7日~8月9日(インドネシア、ジョグジャカルタ)
アジア防災センターは、2012年8月7日から9日までインドネシア、ジョグジャカルタで開催されたISDRアジアパートナーシップ(IAP)会議に参加しました。
会議にはアフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、イラン、日本、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、韓国、スリランカ、タイ、ティモール、ベトナムの各国政府の防災部門やADPC、ADRC、EU、IFRC、UNDP、UNISDR、WBなどの国際機関、防災機関から100名を超える参加者が集まりました。
この会議の主な内容は、以下のとおりです。
1) 第5回AMCDRRの準備状況
本年10月22日~25日にインドネシア、ジョグジャカルタで開催される予定の「第5回アジア防災閣僚会議」の準備状況が報告されました。
2) 第5回AMCDRRにおける声明文案およびその添付文書
第5回AMCDRRの成果となるジョグジャカルタ声明の文案とその添付文書について、検討および議論がなされました。
3) HFAレビューおよびモニタリング
兵庫行動枠組(HFA)に基づく活動について、ネパール、スリランカ、ミャンマー、ベトナム等から報告がありました。
4) ポストHFA
HFAが終了する2015年以後の取組について、HFAでの課題を見据えて討議されました。
5) 関係機関の活動紹介
関係機関の活動紹介として、ADPCのプロジェクトポータルサイトやUN-SPIDERの衛星を利用した防災の取組について報告がありました。
http://www.unisdr-apps.net/confluence/display/iap09/IAP+Meeting+August+7-9%2C+2012+-+Yogyakarta%2C+Indonesia+%28Documents+and+Presentation%29
(2012/08/14 19:40)


2012年3月21日-22日(タイ、バンコク)
地球航法衛星システム(GNSS)の活用に関するワークショップが3月21日-22日に掛けてタイのバンコクで開催されました。本ワークショップは国連ESCAPとJAXAが共同で開催したもので、13カ国の政府と多数の関連する国際機関から関係者が出席し、全地球航法衛星システムや技術に関する知識を習得すると共に、交通、防災、農業などの分野への応用方法について議論を行いました。
http://www.unescap.org/idd/events/2012-Workshop-Multi-GNSS-21-22-Mar-2012/index.asp
(2012/3/23 11:30)
2012年3月19-20日 (インド、ヴァナラシ)
インドのヴァナラシ市に位置するマハトマ・ガンジー・カシ大学が主催する国際セミナー「災害と環境マネジメント」にアジア防災センターも講師として参加し、東日本大震災の復興状況と事前対策の有効性について報告を行いました。セミナーには約100名の研究者や学生が参加し、東日本大震災と原子力発電所の事故などをテーマに災害マネジメントと環境マネジメントに関する活発な議論が行われ、関心の高さが窺えました。
(2012/3/21 11:30)
2012年3月12日(韓国、ソウル市)
アジア防災センターは、2012年3月12日に韓国ソウル市で開催されたアジア開発銀行研究所と韓国の北東アジア調査財団(NEAR)が共催する国際会議に参加し昨年3月11日に発生した東日本大震災の被害と復興状況や教訓について報告を行いました。会議には、原子力、防災、経済、安全保障など様々な分野から研究者、行政担当者など約100名が参加し、高齢化社会、朝鮮半島の安全保障、防災と原発事故など幅広いテーマについて活発な議論が行われました。
http://www.adbi.org/event/5010.adbi.near.conference.japan.korea.future/
(2012/3/13 11:30)
2012年3月8日~9日(東京)
ADBIアジア開発銀行研究所が主催する「アジアにおける災害リスクマネジメント:教訓と挑戦」セミナーが東京で開催され、アジア防災センターも発表者として参加いたしました。
ワークショップではアジア防災センターより地域における民間部門の事業継続能力(BCP)向上の重要性やAPECアジア太平洋経済協力地域における民間企業のBCPへの取組状況について発表を行いました。
約100名の行政関係者、公的機関、NGO、研究者などが参加し、地方自治体、NGO、民間企業の災害時の役割や災害に対する事前準備の必要性などに関する活発な議論が行われ、関心の高さが窺えました。
http://www.adbi.org/event/5012.disaster.risk.management.asia/
http://www.adbi.org/event/5013.disaster.risk.management.brainstorming.meeting/
(2012/3/9 11:30)
2012年2月13日~17日(オーストリア・ウィーン)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)のスタッフ(ADRCより派遣)は、世界銀行防災グローバル・ファシリティ、国連開発グループ(UNDG)、世界銀行ジョイント・ウィーン・インスティチュートの主催による、5日間にわたる災害後ニーズ評価(PDNA)に関する指導者研修に参加しました。この研修では、被害と損失の評価や復旧・復興におけるニーズの特定、災害に強い国やコミュニティの構築の手法がテーマとなりました。
また、この研修は、災害頻発国における将来の災害リスク低減に向けた支援にあたり、国連や欧州連合、世界銀行、ドナー機関との連携による復興計画策定の能力開発プログラムの推進について、IRP・ADRCのパートナーとの連携強化を図る機会となりました。また、PDNAの実施や、各国・関係機関の要請に応じて行う復興トレーニングを行うにあたってのIRPスタッフの能力向上も図られました。
講義とグループ演習、討論からなる研修内容は、PDNAからの情報を元に行われる復興計画策定にあたっても大変有益であり、とくにPDNA業務の構成、復興枠組みの開発、PDNA実施後の対応策のフォローアップにおいて、参加者の資質が高められる結果となりました。
(2012/02/29 14:20)
2011年11月15日(カタール・ドーハ)
2011年11月14日~16日の三日間にわたり、カタール、ドーハにおいて第三回民間防衛展覧会及び会議がカタール政府主催で開催され、そのサイドイベントとして第二回安全会議(フォーラム)が行われました。フォーラムには、同国及び海外から防災にかかわる行政関係者及び専門家7名が講師として招かれ、アジア防災センターも参加しました。
フォーラムでは、アジア防災センターが東日本大震災概要及び教訓についての講演を行ったほか、気候変動、高層ビルの災害に関する課題、情報伝達などを含む人為災害、自然災害に関する広範な話題の講義が行われました。
フォーラムには、200名を超えるカタールの政府関係者、専門家、マスコミ関係者が参加し活発な意見交換が行われ、防災に対する関心の高さがうかがわれました。

(2011/11/17 19:50)
2011年11月10日 (インチョン、韓国)
韓国の法制処(Ministry of Government Legislation)(日本の内閣法制局に相当)が主催する国際会議The Asian Forum of Legislative Information Affairs(AFOLIA)の中の一つの会議として、法制処と危機管理庁(NEMA)の共催によりInternational Conference on Disaster Risk Reduction Legislation and Policyが開催され、アジア防災センターも招待され参加しました。

防災の会議では、ポストHFAへの関心が徐々に広がり、また、国際災害対応法(IDRL)の必要性が議論されている最近の状況において、このような法制度に的を絞った議論は意義が高いものと思料され、今後の展開が期待されます。
(2011/11/12 13:10)
2011年10月31日~11月1日 (ジャカルタ、インドネシア)
本シンポジウムはインドネシア政府、ERIA(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia、在ジャカルタ)、ハーバード大学がASEAN事務局との協力で開催したものであり、ASEAN事務局長Dr. Surin Pitsuwanも開会式、閉会式に参加しました。
2015年の創設を目指すASEAN共同体に関係する幅広い議論が行われた。主要テーマに沿って、Session 1: Moving the ASEAN Economic Community Forward into 2015 and Beyond:Engendering a Competitive, Equitable, Innovative and Sustainable ASEAN、Session 2: Moving the ASEAN Community Forward through Strengthening of Regional Corporation: Engendering a Resilient and Harmonious ASEAN、Session 3: Achieving an Outward Looking ASEAN Community: Political and Economic Perspectiveの3つのセッションが設けられ、アジア防災センターは主催者からの要請により、Session 2において「Strengthening regional cooperation in times of disaster」という発表及び議論を行いました。なお、同セッションではニュージーランドからもクライストチャーチの地震に関連した報告もありました。
会議の成果文書であるJakarta Framework on Moving ASEAN Community Forward into 2015 and Beyondでは、災害対策も食糧やエネルギーとともに重要な課題であることが述べられることとなりました。
(2011/11/2 13:10)
2011年10月27日~28日(中国、上海)
2011年10月27日~28日、中国上海市のホテル日航上海にて、大阪大学主催によるフォーラム「防災・減災・災害復興と国際協力―日中の経験に学ぶ」が開催されました。フォーラムには、日中の研究機関や国際機関の研究者が出席し、要請により、国際復興支援プラットフォーム/アジア防災センターも参加しました。
会議では①災害復興・防災における市民社会・ソーシャル・キャピタルの役割、②地震被害の軽減を目指した最新の建築耐震技術、③土木構造物の地震被害と対策、④国境を越えてつながる災害支援、⑤原子力エネルギー:安全、リスク、人材教育について報告と意見交換が行われたほか、防災・減災・災害復興と国際協力についてパネル討論等が行われました。
国際復興支援プラットフォーム/アジア防災センターは、ソーシャル・キャピタルが防災・災害復興に与える影響について、世界各地のコミュニティレベルの復興事例をもとにした調査分析結果を報告し、日中の多くの研究者の関心を集めました。
(2011/11/15 14:00)
本会議は、インドネシアのジャカルタで開催されたThe Indonesian Disaster Preparedness, Response and Recovery, EXPO and Conference (IDEC)2011の主要行事として、インドネシア政府Coordinating Ministry for People's Welfare(国民福祉担当調整省)が主催したものである。
本会議はJICA-JSTインドネシア地震火山総合防災プロジェクトとの共同開催として位置づけられ、プロジェクトメンバーの3名が会議に参加して発表を行うこととなり、このうちアジア防災センターで」は「Policy Response to 3.11 Earthquake and Tsunami Disaster」と題して、東日本大震災への政策対応を中心に説明を行った。
本会議にはインドネシアの主要な防災関係機関が多数出席しており、JICA-JSTインドネシア地震火山総合防災プロジェクトとして貢献としては重要な意義があった。
(2011/10/28 13:10)
2011年10月18日~10月21日 (北京、中国)
東アジアにおける地震研究に関するセミナー「北東アジアにおける地震、津波、火山 - 予測、備え、緊急警報に関する国際協力及び能力向上」(仮訳)が中国地震局、日韓の気象庁の共催により実施され、アジア防災センターも招待され参加しました。

アジア防災センターにおいても「住民への情報伝達」(仮訳)というセッションにおいて、「東日本大震災への政策的対応」についての発表を行いました。会議最終日では、各セッションの議論の成果を基にして、日中韓、更にはアジアの他の国々と協力して地震、津波、火山等の災害への対応能力を強化するための国際協力の必要性及び協力の必要な分野等についての意見が取りまとめられ閉会しました。日中韓で当該分野での協力としては初の試みとして非常に意義深いものでした。
(2011/10/22 13:10)
2011年7月28日~29日(ベトナム、ダナン)
2011年7月28日~29日、ベトナムダナン市のライフスタイルリゾートホテルにて、ベトナム政府主催により、APECワークショップ「異常洪水対策についての新たな展望」が開催されました。ワークショップには、APECのメンバー国・地域や国際機関の専門家が出席し、要請により、国際復興支援プラットフォーム/アジア防災センターも参加しました。
会議では①アジア・太平洋地域における異常洪水とその対策についてのメンバー国・地域の経験、②異常洪水への緊急の備えと対策についての優良事例、③メンバー国・地域の異常洪水対策についての新たな展望、について報告と意見交換が行われました。
国際復興支援プラットフォーム/アジア防災センターは 東日本大震災の経験と教訓に関する報告を行い、参加者からは先進国日本における復興への取り組みに大きな関心が寄せられました。
(2011/07/30 14:00)
2011年6月27日~29日(タイ、バンコク)
2011年6月27日~29日、バンコクの国連コンフェレンスセンターにて、アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)の主催により、Expert Group Meeting on Regional Knowledge and Cooperation for Comprehensive Multi-Hazard Risk management in Asia and the Pacificが開催され、要請によりアジア防災センターは参加しました。この会合には、各国の代表、国連機関等からの参加があり、①Asia Pacific Gateway on Disaster Risk Reduction and Development、②Data for Disaster Risk Reduction and Assessment、③Regional Cooperative Mechanism on Disaster Monitoring and Early Warning, Particularly Drought、④Asia Pacific Disaster Reportに関し、現在の課題や今後の必要な取り組みについての議論が行われました。アジア防災センターとしては、災害に関するデータ整備の重要性、アジア防災センターが普及している世界災害共通番号(GLIDE)の活用、東日本大震災をはじめとして具体の災害に関する経験の共有の必要性等について説明を行いました。
また、6月29日~7月1日の日程でUNESCAP防災委員会が開催され、その初日アジア防災センターもオブザーバーとして参加しました。アジア太平洋地域における防災協力に関しアジア防災センターがその実施機関として貢献していることに関し複数の国の代表から言及があり、アジア防災センターとしても引き続き諸活動を通じて各国と協力を推進していくこととしました。
(2011/07/04 13:10)
2011年5月9日-10日(カンボジア、シエムリアップ)
平成23年5月9、10日にカンボジア国、シエムリアップで開催された、第22回アセアン宇宙技術利用小委員会(SCOSA)会議へ出席しました。
この会議では、アセアン各国の宇宙技術に関係する機関が出席し、SCOSAで実施しているプロジェクトや新しいプロジェクト、そして、宇宙技術の利用に関する課題が話し合われました。
アジア防災センターは、現在、日本アセアン統合基金による、「災害管理における衛星画像の防災利用」プロジェクトを、アジア工科大学の協力のもとに実施しており、この会議で、プロジェクトの実施状況を報告しました。
このプロジェクトは、シンガポール及びマレーシアを除くアセアン8ヶ国を対象として、防災分野への衛星画像利用を促進するものであり、講習と実習を各国で実施しています。
なお、プロジェクトの概要および実施状況は、http://www.geoinfo.ait.ac.th/adrc/index.htmで公開しています。
2011/6/2 13;20


2011年3月23日(インドネシア、ジャカルタ)
ジャカルタ(インドネシア)において開催されたジャカルタ国際防衛会合(Jakarta International Defense Dialogue)にADRCが参加しました。
この会合は、インドネシア共和国防衛省とインドネシア防衛大学校が主催したもので、アジア太平洋地域の各国が直面する共通の課題、即ち防災やテロ対策等における多面的な国際的協同を促進することを目的に開催されたものです。当会合では、インドネシアのほか、バングラデシュ、ブルネイ、カンボジア、インド、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、パキスタン、フィリピンなどのアジア各国のほか、オーストラリア、米国、欧州、国連の軍事・警察関係者約1,000人が一堂に会しました。
アジア防災センターは、日本の防災対策、特に災害時の救援体制を紹介するとともに、このたびの東北地方太平洋沖地震及び津波に係る被害の概要と政府の対応について発表しました。防災先進国として知られる日本での大災害に対して、参加者から一様に被災者を見舞う言葉をいただいた。また、日本の防災システム、特に中央政府と地方自治体の責任分担と協同について、活発な質問が寄せられました。
(2011/03/26 19:20)
2011年3月7日(米国 ワシントンDC)
アジア防災センターは,アジア太平洋経済協力APECの防災ワーキンググループに参加しました。
同ワーキンググループは豪州とインドネシアが共同議長を務め、今回は豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、インドネシア、韓国、マレーシア、ペルー、パプアニューギニア、フィリピン、シンガポール(APEC事務局)、ロシア、台湾、米国、ベトナムの計16地域、合計約40名が参加しました。
会議では主に自然災害に起因する経済的被害軽減の方策に関する議論が多くありました。
ADRCはBCPを活用した経済的被害軽減の効果、衛星を利用した被災地調査事例(センチネルアジア)を参加メンバーに紹介するなど積極的な活動を行いました。 (2011/03/08 11:30)
2011年3月1日~4日(パキスタン、イスラマバード)
パキスタンにおける水関係災害に対する防災対応能力の向上、宇宙技術や洪水リスク管理による気候変動適応の改善を目的として、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、パキスタン政府気象庁(PMD)、パキスタン宇宙情報センター(SUPARCO)が共催により本ワークショップは開催されました。
ワークショップでは、パキスタンやタイの洪水において宇宙技術(衛星画像)が有効に活用された事例など、宇宙技術の活用は防災において一層重要な役割を果たしてきています。アジア防災センターは、主催者の要請に基づき、センチネルアジアを中心に宇宙技術の防災への活用の促進及びスリランカでのコミュニティ防災の活動についてのプレゼンテーションを行いました。
多くの参加者が、センチネルアジア他の宇宙技術の防災への活用のためのプログラムに対する高い関心を示しました。また、コミュニティ防災の活動はパキスタンでは不十分であるという見解も示されました。
センチネルアジアによる緊急観測の窓口であり、災害管理・即時対応のための宇宙情報関連プラットフォーム(UNSPIDER)のアジアでの地域支援事務所(RSO)でもあるアジア防災センターとしては、この分野のなお一層の進展に引き続き貢献してまいります。
(2011/03/04 13:10)
2011年2月18-19日(マレーシア、マラッカ)
2011年2月18-19日に、マレーシアのマラッカにおいて国民防災の日の式典がマレーシア国家安全保障会議(NSC)の主催で開催されました。アジア防災センター(ADRC)はこの式典に招待を受け参加しました。
この行事には、国際機関、ASEAN諸国、マレーシアの中央および地方政府からの代表者1,000人以上が参加しました。第1日の全体会議において、ADRCは主催者からの依頼により、「総合防災対策」について発表しました。全体会議の後、「開発の政策、計画策定及び実施への防災の組み込み」をテーマに、セッション2A「防災における地方組織の役割」、セッション2B「防災への教育の取り込み(ASEAN知識共有ワークショップ)」、セッション2C「災害に安全な病院」、セッション2D「国家防災管理の仕組み」の4つのセッションに分かれて議論が行われました。
二日目の午後に、防災の日の行事として、国連国際防災戦略(ISDR)の世界防災キャンペーン開始式が、ムヒデン ヤシン副首相の出席の下に開催されました。
(2011/02/19 17:30)
2011年2月7日-10日(オーストリア、ウィーン)
ウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第48会期及びこれに併せて開かれた第2回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合にADRCが参加しました。
COPUOSの小委員会では、ADRCがセンチネルアジアの枠組みの中で、衛星画像の防災利用のために災害発生時の緊急観測の窓口として活動している内容や実績が紹介されました。また、地域支援事務所(RSO)会合(Regional Support Offices Meeting)では、RSOとしてのADRCの2010年における活動実績及び2011年の活動予定について発表し、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました。
(2011/2/14 19:20)
2011年2月1日~2日(タイ、バンコク)
アジア防災センターは、ASEAN地域の防災能力強化のための衛星データ利用に関する第一回リージョナルワークショップを、2月1、2日に、アジア工科大学の協力のもと、同大学のカンファレンスセンターで開催しました。
このリージョナルワークショップは、アジア防災センターが2008年からASEAN諸国を対象に実施する4つの防災能力開発事業の一つで、防災に携わる技術者や行政関係者を対象実施している、「衛星画像利用の防災利用についての講習や実習」の成果報告や、衛星画像の防災利用についての情報を関係者で共有することを目的として実施しました。
ASEAN諸国、ASEAN事務局、在タイ日本大使館、国際機関から、27名が出席し、衛星画像の利用推進のための活発な討議が行われました。
このリージョナルワークショップの討議のポイントは、以下の通りでした。
1) 宇宙関連機関と防災関係機関との緊密な関係
2) 有効な衛星情報利用と専門知識と技術の開発
3) 災害管理の能力を向上するための宇宙技術以外のICT技術の利用
4) 地域のシステムを通じた国家間での相互学習
アジア防災センターでは、引き続き、ASEAN地域の防災分野での衛星データの利用を推進してゆきます。
なお、このプロジェクトおよび、リージョナルショップの詳細な結果については、ADRCのウェブサイト(http://www.adrc.asia/top_j.php)をご覧ください。
2011/02/21 13:20
2011年1月17日~22日 (韓国済州島)
アジア防災センターは,国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP),世界気象機関(WMO)の第43回台風委員会に参加しました。

この委員会には、気象、水文、防災の3つのワーキンググループが設置されており、このうちADRCは防災のワーキンググループに参加しました。
会議では気候変動が台風等の発生に及ぼす影響、都市水害の危険性の増大等に関する議論が多くありました。ADRCは2010年の活動状況やGLIDEの活用事例、衛星を利用した被災地調査事例(センチネルアジア)を参加メンバーに紹介するなど積極的な活動を行いました。詳しくは、http://typhooncommittee.org/session.htmを参照下さい。
(2011/1/28 11:30)
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2010年10月25日~28日(韓国 インチョン)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)とアジア防災センター(ADRC)は、災害に強い復興を進めるにあたって、防災の取組に気候変動対応をいかに取り入れていくかを議論するため、『よりよい復興に向けた手法"復興における気候変動対応に関するガイダンスノートの紹介"』をテーマとしたサイドイベントを10月27日、韓国インチョンのソンドゥ・コンベンシアにて開催しました。
人々の意識付けや人材育成において、防災に気候変動を取り入れる取組は重要な課題であり、こうした観点から、兵庫県やネパール、モルディブ、フィリピンより、復興における課題やギャップを指摘するなかから得られた教訓や考え方が示されました。このなかではとくに、コンピュータグラフィクスを使ったハザードマップ作成や気候変動に対応したインフラ整備、ヒマラヤの生態系における危機の状況、気候変動対応を中心とした法体系の整備といった新たな取組が発表されたところです。
このサイドイベントを通じ、以下の2つの提言が参加者によってまとめられました。1つには、防災に気候変動を取り入れる取組には様々な手法を用いることが可能であり、こうした手法をより広く普及させることで政府やコミュニティの災害対応能力が向上すること、2つには、防災と気候変動対応、復興を取り入れる観点からの人材育成によって、こうした手法が一層普及されること。
また、参加者の間からは、政府やコミュニティにおける復興の対応能力向上の必要性が繰り返し強調されたほか、復興手法の活用に向けた財政的支援の検討が必要であることが指摘されるなど、活発な議論が進められました。
(2010/11/22 14:20)
2010年10月25日~28日(韓国・インチョン)

「気候変動適応と防災」をテーマに、セッション1:「気候変動と防災に関する意識啓発と能力開発」、セッション2:「気候及び災害リスク管理に関する情報、技術、優良事例、教訓の共有」、セッション3:「気候変動適応策と防災対策での環境配慮の促進」といった3つの主要テーマのもとに議論が行われました。
ADRCはテクニカル・セッション1の議長及びハイレベルラウンドテーブル1(HLRT1)の共同議長としてモルティヴ及びブータンともに務めました。
ADRCが議長を務めたテクニカル・セッション1では、政府関係者及び市民社会団体両者へのトレーニングの必要性、そしてリスクの管理について地域社会の人々及びそこに根ざした知識から学ぶ必要性・意識啓発の取り組みを支援する重要性が主要成果として取り上げられました。この点において、防災と気候変動適応は地方及び国家開発計画内に組みこまれるべきであるとの提案もなされました。
HLRT1では、各国の大臣が意識啓発と能力強化に関する問題点について発表を行い、国ごとに問題が異なったものであること、そして解決策は各国に対応したものでなければならないことについて確認されました。そして共に協力し、専門知識を共有するよう各国の代表団に呼びかけられました。
このようなテクニカル・セッション1とHLRT1の提案は、会議の成果文書である「インチョン宣言」、そして気候変動に適応した防災システム構築のための今後5年間の「インチョン・ロードマップ(Incheon REMAP)」及び「インチョン行動計画」にも反映されました。これら成果文書は地域、国家、コミュニティレベルでの持続的な開発に寄与するものと期待されています。
またその他に、ADRCはUNOOSAと共同開催した「防災及び気候変動適応への宇宙技術の活用」、「アジア防災映像展」、IRPとの共催の「よりよい復興のためのツール:気候変動適応と復興に関するガイダンスノートの紹介」のサイドイベントも開催しました。
2012年の閣僚会議はインドネシアで開催予定となっており、ロードマップの進捗状況のレビューも行われる予定です。ADRCが実施したセッションなどの本会議の詳細については、今後のハイライトでお知らせいたします。
(2010/10/25 16:50)
2010年10月5日(米国、ワシントンDC)
国連、EC、世界銀行が共催する「災害復興と復興計画に関する国際会議」が、各国政府、地域団体、国連関係団体などの参加を得て、ワシントンDCで開催され、アジア防災センターからも参加しました。会議では、災害後のニーズ評価(PDNA: Post Disaster Needs Assessment)を被災地の再建と持続的な発展にどのようにつなげていくかを主なテーマとして議論が行われ、PDNAを実施した被災国からの経験報告に引き続いて、PDNAの利用に関して、①災害の社会経済的インパクト、②復興と再建の計画づくり、③長期開発戦略への減災思想の組み入れ、の3つのサブテーマに分かれたグループディスカッションが行われました。
またこの会議においては、アジア防災センターが支援する国際復興支援プラットフォームによる、PDNAワークスペースの運用開始報告も行われました。
(2010/10/12 14:00)
2010年9月28日~10月2日(インドネシア、パダン)
インドネシア、特にスマトラ島周辺では、海溝型巨大地震が近年繰り返し発生してきたが、西スマトラのパダン沖が残された空白地域となっており、今後30年以内に巨大地震が発生する確率は高いとされている。
このような大規模地震への備えのため地震早期警報・伝達システムの構築や建築物の耐震性の向上が急務となっている西スマトラにおいて、昨年9月のパダン地震から1年を経過した9月29日・30日の2日間にかけて、今後の必要な対策及びそれを実施するための方法等を検討するためのワークショップを開催した。このワークショップには、日本側からは政策研究大学院大学、防災科学技術研究所、アジア防災センターが、インドネシア側からは気象庁(BMKG)、バンドン工科大学(ITB)、アンダラス大学 (UNAND)、KOGAMI(NGO)等が参加しました。
検討の結果、今後、地震早期警報・予測、建物による地震被害のための技術開発、行政や住民が中心となった地震・津波対策を中心とした協力を進めていくことが確認されました。
(2010/10/4 13:10)

2010年9月22-23日、中国成都市で「5・12汶川大地震復興と大災害管理に関する国際シンポジウム」(四川省、陕西省、甘肃省、国家行政学院主催)が開催されました。ADRCはこのシンポジウムに招待され、日本の災害対応・復興支援施策について発表しました。
シンポジウムには、UNICEF、UNISDR やUNDPなどの国連機関、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ等の欧米各国、日本、インド、イラン、スリランカ、パキスタン、フィリピン、ネパール、ミャンマー、モンゴル等アジア各国及び中国各省の政府関係者や学識経験者等30カ国・機関から約130名が参加しました。
参加者は、まず第1日には、汶川県の映秀鎮、水磨鎮、都江堰市を訪れ、その復興状況を視察し、第2日に「科学的復興、調和の取れた開発」をテーマとして、被災地での救急活動や復旧・復興の事例紹介、研究成果の発表を行いました。
(2010/9/22 19:20)
2010年9月16日(中国、南京)
2010年9月16日、中国南京市において、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)主催の「Preparatory Meeting for the High-level Expert Group Meeting towards Developing a Roadmap to Reduce Flood Disaster Risks in Pakistan」に参加しました。
準備会議は同時に開催されている「Stakeholder Meeting on the Regional Cooperative Mechanism on Disaster Monitoring and Early Warning, Particularly Drought」の会議場で開会式が行われ、最初に7月および8月のパキスタン洪水および中国土砂災害の犠牲者に対して黙祷が捧げられました。引き続き、Xuan Zenpei 部長(ESCAO情報通信技術災害リスク軽減事業部(IDD))より、Noeleen Heyzer事務局長の声明が紹介された。
準備会議に於いては、最初にAhmed Amjad Ali(ESCAPパキスタン代表部副代表)より、パキスタンの洪水被害の概要が紹介された。今回の洪水被害はパキスタン全土のおよぶこれまでに例のない未曾有の災害であり、特にカイバル・パクトゥワン、パンジャブおよびシンドの各州に最大限の被害を与えた。また、本洪水による被災者数は2千万人以上で、2005年パキスタン大震災、2005年ハリケーン・カトリーナ、2004年インド洋津波、2008年サイクロン・ナグリスさらに2010年ハイチ地震を被災者数を全て併せたものを凌いでいる。
引き続き、準備会議参加機関代表全員より、各々の機関におけるパキスタンの洪水災害軽減に対しての支援についての発表と活発な意見交換が行われた。
ESCAP・パキスタン洪水対策専門家会議は2010年11月初旬にパキスタンで開催される予定である。
なお、本会議の概要は
http://www.unescap.org/idd/events/2010_Pakistan_Floods/ で公開。
(2010/09/16 17:30)
2010年9月15日~17日(シアトル、米国)
本ワークショップは、自然災害への備えと対応に関する経験や知識を日米の都市の担当者が共有・意見交換することを目的として、ピースウインズ・アメリカ(NGO)とシアトル市危機管理局の主催により、10月15日から17日の3日間にわたり、シアトル市の緊急センター(Emergency Operation Center)で開催されました。アジア防災センターは、主催者からの依頼により、本プログラムの準備段階では、特に日本側の参加団体等との調整を行うとともに、プログラムの実施段階では、日本の災害時の政府における調整の仕組み等についての発表及び全体のプログラムの円滑な実施に貢献しました
本プログラムへは、日本からは、防衛省、大阪府、大阪市、兵庫県、神戸市、広島県、広島市が参加し、他方、アメリカからは、FEMA(連邦危機管理庁)、サンフランシスコ市、シアトル市、キング郡(カウンティ)、ホノルル市、マイクロソフト社、ボーイング社等から危機管理・防災の担当者が多数参加し、過去の災害の経験や将来の災害への備えについて、現場に最も近い立場から実務に即した議論が活発に行われ、非常に意義深い交流が実施されました。特にアメリカ側の事例発表では、地方公共団体、民間企業、NGO等が協働して将来の災害への備えのための計画・体制づくりに取り組んでいるということが日本からの参加者にとっては非常に印象深いものとなりました。
本交流プログラムは来年以降も継続することが企画されており、日米双方の地方公共団体にとってさらに有意義なものとなっていくことが期待されます。
(2010/09/18)
2010年8月30日~9月1日(東京)
ADRCはASEANの協力機関として東京で開催されたASEAN+3防災に関する国際会議に参加しました。(注1)
ASEAN+3防災に関する国際会議は、日本政府(外務省)の主催のもと、内閣府、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)、国際協力機構(JICA)、アジア防災センター(ADRC)の緊密な協力により、ASEAN+3各国の政府関係者、学識者、オブザーバー国(オーストラリア及びインド)及び国際機関等の参加を得て、2010 年8 月30日~9 月1 日に東京で開催されました。
本会議において、兵庫行動枠組2005-2015中間レビューに貢献することを目的として、兵庫行動枠組2005-2015 の前半年におけるこの地域の進捗と課題を分析し、後半年の兵庫行動枠組の新たな課題を明確化するための議論がなされ、本会議の参加者は、国レベル及び地域レベルにおいて進捗があったことに賛同しました。また、気候変動への適応は、各国の防災政策と連携させ、防災面での地域協力を通じて推進するべきであることが指摘されました。
また、アジア地域の防災協力においてADRC が果たす重要な役割や、JICAによる日本の政府開発援助(ODA)を通じた二国間防災協力の貴重かつ意義深い活動について再認識がなされました。
(注1)ASEAN+3: ASEAN10カ国(ブルネイ,カンボジア,インドネシア,ラオス,マレーシア,ミャンマー,フィリピン,シンガポール,タイ,ヴェトナム),日本,中国,韓国
2010年8月13日(韓国、インチョン)
8月13日韓国のインチョン市で2010年度アジア防災センターのステアリングコミティを開催しました。メンバー国のうち19か国の代表が出席しました。
議長である日本国の永井内閣府参事官から、会議冒頭にパキスタン、中国、インドにおける直近の災害による犠牲者への追悼の言葉と被災国政府への支援意向がADRCを代表して述べられた後、新規加盟国としてモルディブ共和国が紹介されました。
続いてADRC事務局から2010年度の事業内容についての説明があり、これに基づいて今後のADRCの事業改善に係る議論が行われました。(2010/08/13 19:20)
2010年8月11日~13日(韓国、インチョン)

今回のIAP会議は、10月に韓国のインチョンの国際会議場Sondo ConvensiAで開催されるアジア防災閣僚会議(AMCDRR)に向けた最後の準備会合であるため、閣僚会議での議論のテーマや進め方、目指すべき会議の成果等を確認しつつ、検討を深めました。
アジア防災センターは、閣僚会議での三つのセッションのうち第一セッション「防災と気候変動適応に関する意識啓発と能力向上」のリード・エージェンシーに指名されており、このセッションでの検討テーマ、発表を行う機関等に関する調整を行うとともに、成果文書の素案作りにも積極的に関わってきています。併せて、閣僚会議中に、防災及び気候変動適応への宇宙技術の活用、IRP(International Recovery Platform)等の複数のサイドイベントを開催する準備を進めています。
今回の準備会合での議論を踏まえ、引き続き、担当するセッションやサイドイベント等のための準備を着実に進めていきます。
(2010/08/11 16:50)
2010年7月5日~8日 (フィリピン、マニラ)
2010年7月5から8日にフィリピンのマニラで、センチネルアジア・ジョイントプロジェクトチームの年次会合(JPTM)が開催され、アジア防災センターも参加しました。本会合は、JAXA、UNESCAPとフィリピン科学技術庁(DOST)との共催で開催され、22カ国の36メンバー機関と5国際機関から71人の参加がありました。
アジア防災センターは、災害発生時の緊急観測を担当しており、緊急観測の実施状況及び緊急観測データの利用状況調査の結果、氷河湖決壊洪水プロジェクトの進捗状況について報告を行いました。
なお、会議での議論のテーマは、次のとおりです。
・センチネルアジアステップ-2の進行状況
・JPTメンバーの活動状況
・森林火災ワーキンググループ活動
・洪水ワーキンググループ活動
・氷河湖決壊洪水ワーキンググループ活動
・インターナショナル災害チャーターとセンチネルアジアとの連携
ADRCアジア防災センターとしては今後とも、センチネルアジア事務局と連携しつつ、アジア地域の防災への衛星利用を推進していきます。なお、この会議の詳細については、センチネルアジアウェブサイトを参照下さい。
2010/08/02 13:20
2010年7月1日~2日 (タイ、バンコク)
7月1日~2日の2日間にわたり、タイのバンコクにて、「防災と気候変動適応についての地域協力を促進するための地域ロードマップ」を検討するための専門家会合が、UNISDRのバンコクオフィス、ESCAP、韓国の消防防災庁NEMA及びアジア防災センターの共催で開催されました。当ロードマップは本年10月に開催される第4回アジア防災閣僚会合の主なアウトプットとなる予定です。
本専門家会合には、国連等の国際機関、各国政府の防災関係機関、国際的なNGO等から約50名にものぼる参加があり、アジア防災センターからは是澤とフィ・グェンが参加するとともに、日本の専門家としてJICA及び気象研究所からの参加を得ることができました。
本専門家会合では、ロードマップの全体の枠組み、目的及び盛り込まれるべき主な事項等について幅広く議論が行われました。今後は、UNISDRその他関係機関において、今回の専門家会合での議論を踏まえつつ、ロードマップの原案を策定し、8月11日から13日にかけて韓国のインチョンで開催される予定のISDRアジアパートナーシップ会合等を通じてさらに議論を深めていくことになります。
アジア防災センターでは、第4回アジア防災閣僚会合におけるリード機関の一つとして位置づけられており、引き続きその準備過程に積極的に参加していくこととしています。
(2010/07/05 13:10)
2009年5月20日 (マカティ、フィリピン)
本会議は、ASEAN Committee on Disaster Management (ACDM)が主催し、同委員会の現議長国であるフィリピン政府がホストしたものです。

紹介されたFlagship Projectsの中には、ADRCとASEANで既に協力しているもの、ADRCが他の国々でこれまで実施してきたものなどが含まれていますので、このような経験を生かしつつ、今後のASEANに対するADRCとしての協力のあり方を検討していく予定です。
(2010/05/31 13:10)
2010年5月17、18日(ラオス、ビエンチャン)
平成22年5月17、18日に、ラオス国、ビエンチャンで開催された、第21回アセアン宇宙技術利用小委員会(SCOSA)会議へ出席しました。
この会議では、アセアン各国の宇宙技術に関係する機関が出席し、SCOSAで実施しているプロジェクトや新しいプロジェクト、そして、宇宙技術の利用に関する課題が話し合われました。
アジア防災センターは、現在、日本アセアン統合基金による、「災害管理における衛星画像の防災利用」プロジェクトを、アジア工科大学の協力のもとに実施しており、この会議で、プロジェクトの実施状況を報告しました。
このプロジェクトは、シンガポール及びマレーシアを除くアセアン8ヶ国を対象として、防災分野への衛星画像利用を促進するものであり、講習と実習を各国で実施する予定です。
現在、講習と実習で使用する教材を作製しており、平成22年7月から、講習会と実習を各国で順次実施する予定です。
なお、プロジェクトの概要および実施状況は、http://www.geoinfo.ait.ac.th/adrc/index.htmで公開しています。
(2010/5/26 13:20)
2010年5月5日~6日 (シンガポール)
本会議は、CAG, CSIS及びAPEC共催によるものであり、非伝統的安全保障分野における地域協力、特にエネルギー安全保障、気候変動および自然災害対応に関するCSISの研究活動の一環であり、主催の3機関の専門家に加えて、アジア各国からエネルギー安全保障、気候変動、自然災害対応の専門家が数多く参加しました。

今回の会議での討議を踏まえCSISで年内にもレポートを作成する予定ですが、防災が非伝統的安全保障の分野の一つとして重要性を増している一方で、数多くの防災機関が類似の会議・活動を行っており、一部に重複感が認められるため、相互の連携を一層図ることなどにより、それぞれの機関や活動の質を向上等の合理化が求められている実態が明らかになったと思われます。
アジア防災センターでは、アジアの諸機関との連携を図りつつ、各国にとって真に役に立つ活動に一層注力していきたいと思います。
(2010/05/11 13:10)
2010年4月27日(カザフスタン、アルマティ)
中央アジアでは、地震、洪水、地滑り、雪崩、旱魃等の頻発する自然災害への対応能力を向上することが喫緊の課題となっています。そのような取組みの一環として、2005年1月に神戸市で開催された国連世界防災会議において中央アジア災害予防・対応地域センター(Regional Disaster Preparedness and Response Coordination Centre)(以下「中央アジアセンター」)の設立が提起され、それ以降検討を重ねてきています。

アジア防災センターでは、アジア全体にわたる防災に関する国際協力を推進してきたこれまでの知見を中央アジアセンター設立の準備のために活用してもらうべく関連情報を提供していくとともに、研修等を活用して中央アジアセンター設立を支援していきたいと思います。
(2010/05/10 13:10)

2010年3月11~12日(シンガポール)
ADRCは、ASEANの協力機関として、シンガポールで開催された第15回ASEAN防災委員会(ACDM)会議および第4回ACDM+3高級実務者会合(SOM)に参加しました。
3月11日に開催されたACDM会議では、最初に議長の選出が行われ、フィリピンが議長として選出されました。
今回のACDM会議の主要な議題として、AADMER行動計画2010-2015およびASEAN防災人道支援調整センター(AHAセンター)の立ち上げ・運用が討議されました。
3月12日に開催されたACDM+3SOP会議では、日本政府代表より、ASEANの防災への取り組みに対する日本の協力として、日・ASEAN統合基金を通じた事業等が紹介され、その中で、①大規模災害に対するAADMERに基づく緊急支援能力の強化、②AHAセンターの防災応力向上および衛星を利用した防災情報通信網の構築、および③現在ADRCにより以下のASEAN4事業を実施していることが紹介されました。
• 学校における防災教育の推進
• 防災に対する地方行政官の能力向上
• 防災への衛星画像の利用
• ASEAN諸国におけるGLIDEを活用した災害情報データベースの構築
ADRCはACDM+3SOMで、上記ASEAN4事業の進捗状況について発表するとともに、前記の日・ASEAN統合基金の協力を今後も支援していくことを表明しました。
(2010/03/23 17:30)
2010年2月8日-19日(オーストリア、ウィーン)
ウィーン(オーストリア)において2009年2月8日-19日に開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第47会期及びこれに併せて開かれた第1回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合にADRCが参加しました。(出席会議は9-11日)
COPUOSの小委員会では、ADRCがセンチネルアジアの枠組みの中で、衛星画像の防災利用のために災害発生時の緊急観測の窓口として活動している内容や実績とADRCメンバー国に対する人材育成事業などを、テクニカルプレゼンテーションとして発表し、また、地域支援事務所(RSO)会合(Regional Support Offices Meeting)では、RSOとしてのADRCの活動実績及び今後の活動予定について発表し、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました。
(2010/02/20 19:20)
第42回ESCAP/WMO台風委員会
2010年1月25日~29日 (シンガポール)
第42回ESCAP/WMO台風委員会(於シンガポール)に参加しました。台風委員会は、気候、水門、防災の3つのワーキンググループが設置されており、このうちADRCは防災のワーキンググループに所属しており、これまでも議論に積極的に参加してきました。
今回の委員会では、気候変動の変化が台風等の発生に及ぼす影響、都市水害の危険性の増大等に関する議論が多くありました。詳しくは、http://www.typhooncommittee.org/tc.htmを参照下さい。
第16回アジア太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)
2010年1月26日~29日(バンコク、タイ)

ADRCは、28日のSentinel Asiaに関するセッションにおいて、自然災害の現状・傾向、防災分野の国際的な指針である兵庫行動計画2005-2015の進捗状況、センチネルアジアやUNSPIDERなどの宇宙技術の防災への活用状況等について概要を報告しました。また、緊急観測が実施されたベトナムとフィリピンから現地の状況についての報告もありました。詳しくは、http://www.aprsaf.org/text/ap16_info.htmlを参照下さい。
(2010/02/01 13:10)
2009年12月13~14日(ダッカ、バングラデシュ)

バングラデシュではサイクロン、洪水、高潮等の災害に脆弱であることが知られていますが、1996年にタンガイル地方で発生した竜巻では約700人の死者を出すなど竜巻による被害も甚大であるにもかかわらず、その対策はほとんどなされていないのが現状です。このような状況に鑑みて、今回のフォーラムは、竜巻等の局地的な災害に関する意識啓発を行うとともに、そのような災害に対する戦略を策定するなどにより、災害リスクの軽減を図っていくことなどを目指したものです。
ADRCの発表では、南アジア地域連合諸国における兵庫行動枠組の進捗状況や諸課題、災害に関する意識啓発・教育の意義及びバングラデシュでした実施した防災教育の事例等について説明を行いました。詳しくは、http://www.iawe.org/WRDRR_Bangladesh/を参照下さい。
(2009/12/14 13:10)
2009年11月3-5日(インドネシア)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)とアジア防災センター(ADRC)及びガジャマダ大学建築計画学部(DAP/UGM)は、"災害後の復興における効果的手法の確立に向けたステークホルダーによる取組"をテーマとして、2009年11月3日から5日まで、インドネシア・ジョグジャカルタのガジャマダ大学にてIRPリージョナルワークショップを開催しました。
詳細レポートは以下をご覧ください。
(2009/11/5 14:20)
2009年10月28-30日 (中国、北京)
2009年10月28日から30日まで、中国民生部の主催により、「大規模災害における社会動員と防災法・規定の制定」をテーマに北京で国際会議が開催されました。
会議には、東アジア首脳会議参加国を初め、国際機関、アメリカ、イギリス、カナダ、および中国の中央・地方政府機関、研究機関、NGOなどから130人の参加があり、日本からはADRCがこの会議に参加しました。
会議では、参加各国の代表より防災緊急対応における政府の役割,防災対策法、災害緊急出動などについて、また中国側参加者より汶川地震等の大規模災害におけるにおけるボランティアなどの社会動員とその活動についての発表がありました。ADRCは「大規模災害の社会動員に対する政府の役割と法制度」のセッションで「日本の災害制度・対策の歩みと災害応急対策」について発表を行いました。
(2009/10/30 17:30)
ECOは、1985年にイラン、パキスタン、トルコの3カ国が経済、技術、文化における協力を推進するために設立した機関で、1992年にアフガニスタン、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの7カ国を新たにメンバーにむかえ、現在さらなる地域経済発展を目的に活動を行っています。
今回の防災会議へは、アフガニスタン、イラン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの6カ国と関連機関から参加があり、各国の防災対策(特にナショナル・プラットフォームの設置と気候変動適応対策)や今後推進すべき点などについての協議が行われ、ECO地域の今後の戦略が提案されました。
ADRCは地域協力の重要性について協議するセッションで発表を行い、今後も中央アジア・コーカサス地域の協力について支援をしていくことを表明しました。
2009年10月5-8日(バングラデシュ・ダッカ)
「南アジアにおける地震防災対策計画(ERRP)」の第4回ワークショップが12月10~12日の間、バングラデシュのダッカで開催されることになりました。ワークショップでは、これまでのERRPの成果発表が各国よりなされるとともに、専門家による耐震改修、危険度評価、ハザード・マッピング、地域防災計画・危機管理計画等をテーマとした報告・講演が行われる予定です。ADRCでは10月5日~8日の間スタッフを派遣し、バングラデシュ政府食糧・防災管理省、国連開発計画(UNDP)とワークショップの開催について協議し、日本からの専門家派遣等について意見交換を行いました。プログラムの詳細が決まりましたら、またADRCのホームページにおいてお知らせいたします。
(2009/10/19 14:00)
2009年9月14日~15日(中国、四川省、綿陽市、北川チャン族自治県)
ADRCは中国四川省綿陽市で開催された「汶川大地震の山村都市の復興に関するワークショップ」に参加しました。本ワークショップは、神戸大学都市安全研究センター(RCUSS)が2009年より2011年にかけて実施する、文部科学省特別教育研究費・連携融合事業「都市災害軽減のための国際教育・支援システムの構築」の一環として、中国の精華大学都市計画設計院・北川復興防災安全研究所と連携して実施されたものです。北川復興防災研究所は、甚大かつ壊滅的な被害を被った旧北川の南東約35kmに建設されている新北川に、今後の北川復興防災研究上の拠点となるべく設けられたものです。
ワークショップでは、中国側参加者より、汶川大地震による北川チャン族自治県の被災状、復興状況およびNGOの活動状況が、日本側参加者である、神戸大学、名古屋工業大学、兵庫県、神戸市、JICA中国事務所および専門家、ADRCより、阪神・淡路大地震からの復興・教訓、JICAの活動状況、サテライト情報の活用等が発表され、活発な質疑応答や意見交換が行われました。
(2009/09/15 17:30)
2009年8月17~18日(バンコク、タイ)
タイ国内務省防災局の支援により、「ASEAN災害対策における地方行政官能力強化プロジェクト・ワークショップ」が、8月17日および18日に開催されました。
ADRCは2008年8月より、日本・ASEAN統合基金(JAIF)プロジェクトの1つである「災害対策における地方行政官能力強化プロジェクト」を実施しています。本プロジェクトは全ASEAN加盟国を対象とするもので、実施開始年度ごとに以下の3グループに分けて実施しています。
第1開始年Gr(実施期間;2008年8月~2010年3月):カンボジア、ラオス、ベトナム
第2開始年Gr(実施期間:2009年3月~20010年12月):ブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイ
第3開始年Gr(実施期間:2010年2月~2011年9月):インドネシア、ミャンマー、シンガポール
本ワークショップの目的は以下のとおりです。
(1) ASEANにおける本プロジェクトの基本理念と方向性の再確認
(2) 本プロジェクトに関する情報の共有
(3) 本プロジェクトの向上への貢献
最初のセッションにおいて、ASEAN事務局より「日本・ASEAN統合基金プロジェクト」の概要が、ADRCより本プロジェクト(行政官能力強化プロジェクト)の実施状況が説明されました。引き続いて、開始年グループ毎に各国代表者よりプロジェクトの進捗状況、関連トピックスなどが発表され、活発な質疑応答や意見交換が行われました。
(2009/08/18 17:30)
2009年8月13~14日(韓国、インチョン)
ADRCは2009年8月13~14日、韓国のインチョンで開催された2009年第2回ISDR Asia Partnership会合に参加しました。会議では2009年6月16日から19日に実施された第2回防災グローバル・プラットフォーム会合のフォローアップや、クアラルンプール行動計画、そして2010年10月25~28日にインチョンで予定されている第4回アジア防災閣僚会議の準備等について議論されました。
韓国消防防災庁(NEMA)のYeon-Soo Park氏から第4回アジア防災閣僚会議に関する発表があり、各国政府、国際機関等に対し、会議開催にあたり積極的な参加を求めました。
続いて、参加者は兵庫行動枠組(HFA)中間報告、クアラルンプール行動計画等の取り組みについて意見交換が行われました。ADRC是澤所長はADRCの現在及び今後の活動について紹介し、特に2009年1月17日~19日に神戸で開催されるアジア防災会議2010(ACDR2010)及びIRPフォーラム等について言及しました。なお同会議については、今後、ADRCのウェブサイトにて逐次情報提供を行います。
なお、8月11日にはUNISDR 北東アジアサブ地域事務所及びUNISDR防災研修院の開所式と、防災分野における地方政府の連携に関する会議(ISDR、インチョン市共催)が開催され、ADRCは出席の機会を得ました。
(2009/08/25 17:40)
2009年7月29日~31日、インド・ニューデリーに於いて、地震防災リージョナル・カンファレンスが、地震防災対策に係る経験の発信、情報の共有、技術協力の推進等を目的に開催されました。この会議は、ADRCのほか、国際復興支援プラットフォーム(IRP)、国連防災計画(UNDP)、インド防災庁(NDMA)、南アジア地域協力連合災害管理センター(SAARC DMC)の共催により開催されました。当日は、日本のODAで実施しているERRP(地震防災対策計画)対象5ヵ国の政府関係者のほか、専門家、実務者等、延べ200名に及ぶ参加者を得ました。
開会式での挨拶で、是澤優ADRC所長は、過去2回のERRPワークショップ(ネパール・パキスタン)に言及し、そこでの議論を通して、対象国への支援の方向性が定まりつつあるとの認識を示しました。さらに、今回の会議を通じて、その支援の具体的内容を固めたいとの意向を明らかにしました。また、是澤所長は、ERRPのプログラム推進に向け、構造的リスク削減の技術的・法的枠組、耐震技術の普及促進手法、公共建築物の安全性確保などに関し、この会議で議論が行われ、必要な取組が提起されることを期待する旨の発言を行いました。
ERRPの事業実施主体の一つとして、ADRCは今回5人の日本人専門家-城譲内閣府防災担当補佐、岡崎健司政策研究大学院大学教授、金子史夫OYOインターナショナル(株)技師長、渡部弘之東京海上日動リスクコンサルティング(株)、楢府龍雄(財)建築情報センター部長-を会議に招聘しました。これら専門家は、会議のなかで報告者、パネル・ディスカッションの議長等の役割を果たすとともに、関係国の専門家・実務者と様々な場で緊密な意見交換を行いました。
ADRCでは、この会議での議論、意見交換等を踏まえ、今後各国での地震防災対策の実施に必要な専門的な技術支援を進め、ERRPプログラム全体の推進に積極的貢献していくつもりです。ERRPの進捗については、またこのページにて機会あるごとに報告を行っていく予定です。
2009年7月15日~17日(インドネシア)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球観測衛星を利用したアジア地域における災害管理システムの構築を目的に、現在センチネルアジアプロジェクトを実施しています。このプロジェクトにおいて、最新の活動情報を共有するため毎年国際会議が設けられ、今年度はインドネシア共和国のバリで本会議が開催されました。
今回の会議には、ADRCを含んだ、アジア地域各国の防災機関を中心としたセンチネルアジアプロジェクトに関わる43の組織から117名が出席しました。会議では、衛星の活用に関わる事例紹介と、新たな衛星の有効利用に関する協議が行われました。
ADRCは、発災時における緊急観測に関連する活動と、衛星などの宇宙技術を用いて防災事業を行うUNSPIDERの地域支援事務所設置について報告しました。また、慶応大学、ADRC、そして山岳地の総合的防災事業を行うICIMODによって、新しく氷河湖決壊洪水(GLOF)ワーキンググループの設置の提案をしました。さらに、ADRCはこのワーキングの活動のひとつとして、ブータンにおける氷河湖決壊に関するハザードマップ作成と、行政及びコミュニティレベルでの情報共有を目的としたプロジェクトの紹介を行いました。
(2009/07/27 18:30)

ADRCは会議のプレイベントやスペシャルイベントなどを主催・共催し、中央アジアの協力推進や、宇宙技術の防災への利用に関するUN-SPIDERプログラム、風災害に関するグループの立ち上げ、地域住民が古くから持つ防災に関する知恵の有効利用などについて、協議する機会を提供しました。また、多くの参加者が会する機会を利用し、関係機関からの参加者とさらに協力を進めていくための非公式の会談などを行いました。
また、会議のマーケット・プレース(展示場)で、最近の主な活動やサービスなどについて紹介を行いました。
グローバル・プラットフォームに関するさらに詳しい情報(英語)は下記ウェブサイトよりご参照いただけます。
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2009/
2009年6月3日~12日 国連ウィーン本部
第52回国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の開催に併せ、6月4日にUN-SPIDER(国連災害管理・緊急対応のための宇宙情報プラットフォーム)の地域支援事務所(RSO)設置に関して、UNOOSA(国連宇宙局)とADRCとの調印が行われた。合わせて、第52回国連宇宙空間平和利用委員会(COPOUS)技術小委員会において、ADRCが、RSOの設置に関する調印を行ったことを報告し、ADRCの活動についてのプレゼンテーションを行った。
また、COPUOSと同時に開催された、UNSPIDERワークショップに出席し、ADRCが、RSOの設置に関した調印を行ったことを報告するとともに、ADRCの活動について、特に衛星の防災利用に関するプレゼンを行った。
2009年5月28日から29日まで、中国民政部及び同外交部の主催により、「災害救援力向上に向けた国際協力」をテーマに四川省成都でASEMワークショップが開かれました。
ワークショップには、ASEM加盟30か国、9国際機関から160人の参加があり、日本からはADRCがこの会議に参加しました。

ワークショップの冒頭で中国政府民政部長 李学挙氏が登壇し、アジアには長年にわたる災害の経験が蓄積されており、欧州には防災技術の蓄積があるので、互いの協力で双方が向上できることを強く期待するとの挨拶を行いました。
その後、参加者は「災害への備えと緊急救助」、「復旧と復興」、「災害救援に係る官民協力」、「減災と危機管理」の4つの分科会に分かれ、それぞれの機関の災害対応に係る経験や成功事例に関する情報を交換しました。ADRCは「復旧と復興」分科会でADRCとIRPの活動を紹介する発表を行いました。
翌29日、ワークショップ参加者は、都江堰市における復興状況の視察のため、花渓農民新村、棋盤村の恒久住宅を訪れました。これら2つの村は、山間部の農民のために作られた居住区で、以前の村落を修復するのではなく、全く新たに山林を切り開いて造成した村落に住み替えるという発想で行われている住宅の復興である点が印象的でした。
アジア防災センターは、アセアン防災・緊急対応協定(以下、AADMER)の具体化を支援するための今後の協力・支援分野についての議論を行うワークショップに参加をしました。AADMERは、2005年7月にアセアン全メンバー国によって署名された防災・緊急対応に関する包括的な協定であり、アセアン諸国が連携して緊急対応を行う意思だけではなく、地域における災害リスク低減をより効率的に行うことを表明しています。また、AADMERは、アセアンの防災に関する地域協力の枠組を定めるものであり、兵庫行動枠組の具体化へのアセアンとしての取組という位置づけにあります。
ワークショップでは、アジア防災センターによるAADMER具体化のための今後実施される予定の3つの事業(アセアン防災人道支援調整センターに関するフィージビリティ調査、通信衛星を活用したアセアン防災情報ネットワークシステム整備事業、アセアン人道支援物資備蓄に関するフィージビリティ調査)について紹介をしました。

Mission Report
2009年4月28~29日(韓国,ソウル)
アジア防災センターは,国連アジア太平洋経済社会委員会,世界気象機関台風委員会および韓国消防防災庁が主催する台風委員会第4回防災分科会に参加しました.
会合には,台風委員会事務局,国連アジア太平洋経済社会委員会,国連国際防災戦略事務局をはじめとして,中国,日本,ラオス,マレーシア,フィリピン,韓国,タイ,ベトナム,アメリカ,および香港やマカオといった特別行政区から防災担当者22人が出席しました.
会合では,台風委員会災害情報システム(TCDIS)のアップグレードをはじめとする本年度の活動計画について活発な議論が行われました.アジア防災センターからは,各機関が持つ災害データに付けられた「世界災害共通番号(GLIDE)」の役割を説明するとともに,本年度のTCDISへの貢献提案を行いました.次回の会合は,台風委員会の合同分科会として9月第3週にフィリピンで開催される予定です.
なお,台風委員会にはこの防災分科会の他に気象分科会,水文分科会が設置されています。
(2009/05/13 12:20)
2009年4月21日 インドネシアバンドン工科大学
JICA(独立行政法人国際協力機構)とJST(独立行政法人日本科学技術振興機構)による地球規模課題対応国際科学技術協力事業http://www.jst.go.jp/global/index.html)の20年度事業として採択されたインドネシアに対する防災分野の事業「インドネシアにおける地震火山の総合防災策のキックオフ会議(http://www.soi.asia/event/20090421-disastermng/)が4月21日インドネシアのバンドン工科大学と東京大学を結んで開催されました。これは、衛星通信によるインターネット基盤を活用して進められているSOI(School on Internet) Asia プロジェクトの全面的な協力のもとに実施されたものです。
会議は、インドネシア科学院地球科学会議ハルヨノ副議長、東京大学地震研究所佐竹教授からの挨拶の後、この事業を構成する6つのグループの各グループリーダーをファシリテーターとして今後の取組などについて議論を交わしました。
アジア防災センターは、グループ6のリーダー機関として、インドネシア国の防災分野における官と学の連携のためのプラットフォームについての調査研究を行うことになっており、グループ6のセッションでは、ADRC所長の鈴木と研究技術省パリアトモノ数学・自然科学推進担当次官補がファシリテーターとして、グループ6の調査目的を説明した後、各グループリーダーなどから官と学の防災分野での連携の事例を報告していただきました。
(2009/04/21 13:10)
2009年4月15日~16日(カザフスタン国アルマティ)
アジア防災センターは、カザフスタン政府と国連人道問題調整事務所(UN OCHA)が2009年4月15~16日に開催した第2回中央アジア災害予防・対応地域センター設立に関する協議に参加しました。
会議では、カザフスタン、キルギス、タジキスタン政府の代表者を含む参加者が、これまでに中央アジアで防災に関する相互協力をすすめるために開催してきた会合を通して合意した地域センターの設立について具体的な条件や定義などについて協議が行われました。
参加各国代表は熱心に協議に参加し、センターの設立に関する文書の条項ひとつひとつについて合意が得られるまで検討が行われました。また、センターの名称は、センターが防災についても重要な役割を果たすことが期待されることから「中央アジア地域防災センター(the Central Asia Coordination Centre on Disaster Response and Risk Reduction)」とすることとなりました。
(2009/04/20 10:40)
2008年11月3日~5日(ネパール・カトマンズ)
NGO アジア防災・災害救援ネットワーク (ADRRN)の2008年の年次会合が2008年11月3~5日、ネパール・カトマンズで開催されました。会議は「ネットワークから、ネットワークを通じて学ぶ」と題され、NGO及び国際機関、ADRCから約40人の出席者が、災害リスク軽減を目指す自身の組織とADRRNの活動強化を目的に、活発に意見を交わしました。
(2008/11/03 17:40)