ADRC活動報告: テーマ・課題 >> 防災行政
2020年12月1~2日(オンライン)
2006年以降、台風委員会(ESCAPとWMOの支援の下、アジア太平洋地域の14の加盟国で構成される政府間組織)は、気象、水文、防災の3分野にかかる「統合ワークショップ」(IWS)を毎年開催しています。IWSの主な目的は、現在および新たに発生している台風関連の問題/テーマについて話し合うことです。 本年の台風委員会第15回IWSは、「緊急事態における台風関連の災害リスク軽減のための革新的な戦略と対策」をテーマに掲げ、2020年12月1日から2日にかけオンラインで実施されました。
ADRCは、「コロナ禍の災害対応:最近の台風からの教訓」というタイトルの基調講演を行いました。発表では新型コロナウイルス感染症の大流行に加え、最近の台風災害への対応におけるフィリピン、インド、韓国の防災機関の活動に焦点が当てられました。

人々の移動の制限、社会的距離、マスク、フェイスシールドなどの顔面保護等の感染防止対策の必要性を鑑み、防災機関は新しい対応策を導入しました。例えば (i)より多くの避難所の指定(ii)新型コロナ感染症に感染した避難者をスクリーニングおよび隔離するために別個の措置 (iii)意思決定サポートのためのデジタルテクノロジー(モバイルアプリや災害ダッシュボードなど)の利用等。
ADRCからは2名が防災作業部会等に参加し、2021年の年間運用計画(AOP)の最終化に関する議論に加わりました。2020年のAOPのほとんどは新型コロナウイルス感染により実施できなかったため、2021年は、AOPの活動はオンライン活用も含め継続される予定です。
(2020/12/11 14:40)
ADRCは2020年12月1日から2日にわたりオンラインで開催された国連防災機関(UNDRR)アジア・太平洋防災パートナーシップ(Asia-Pacific Partnership for Disaster Risk Reduction)フォーラムに参加しました。
会合は新型コロナウィルスの感染拡大を受け、オンラインで実施されましたが、1日目、2日目ともにアジア各国政府および関係機関の代表150人以上が参加し、意見の交換が行われました。
12月1日の会合では、まず、国連事務総長特別代表(防災担当)の水鳥真美氏より本フォーラムへの期待が述べられました。また、COVID-19の各国への影響は大きいが、2004年の津波がアジアの防災体制を強化したように、この経験をさらなる防災強化の機会へとしていこうと呼びかけられました。続いて、来年開催予定のアジア・太平洋防災閣僚会合(APMCDRR: Asia-Pacific Ministerial Conference on DRR)のホスト国オーストラリアの代表より、COVID-19の影響で延期になっていたAPMCDRRを2021年4月~6月に開催する調整を進めていることについて紹介がありました。また、昨年の大規模な森林火災を受けオーストラリア取り組んできた防災体制強化について説明がありました。続いてフィジーの保健医療大臣より、COVID-19下でのサイクロン対応について紹介がありました。
引き続いて、UNDRRより、アジアにおける災害発生の傾向、仙台防災枠組み(SFDRR)の実施モニタリングの結果について報告がありました。想定外の災害や同時多発的な災害に対応するために、より多くの関係者の相互協力体制を整備すること、災害被害データの収集・分析がまだまだ不十分であることなどが述べられました。
パネルディスカッションでは、オーストラリア災害強靭化研究所所長がモデレータをつとめ、今般のCOVID-19を受け重要性の認識がより深まった国や地方自治体におけるリスクガバナンスをテーマとし、議論が行われました。インド政府、フィリピン地方自治体、バヌアツの障害者支援グループ、医療分野の研究者がそれぞれの立場から発表を行いました。COVID-19の対応経験を受け、さまざまな関係者の協力・パートナーシップ体制の構築、保健セクターと防災セクターの永続的な協力・協働システムの構築、同時発生災害への事前の計画づくりについて、共通して重要なポイントとして提言されました。
12月2日の会合では、APMCDRRのテーマの一つにもなる財政的リスクマネージメントについて国際通貨基金(IMF)の大浦博子氏より基調講演がありました。COVID-19が世界に与えた財政リスクはかつてないものであったこと、未曾有の災害のリスクの把握や、気候変動の予測には不確実性要素がさまざまにあり、分析は難しいこと、一方、このような前提のもとにリスクマネジメントをしていく必要があることが説明されました。また、COVID-19による世界的な社会活動の制限は二酸化炭素排出量削減に貢献したものの、一時的なものに終わったこと、むしろ企業の財政状況悪化により企業の環境活動が低下したことによる影響が大きかったことの説明がありました。
続いて、オーストラリア政府より来年実施されるAPMDRRの構成について説明があり、多くの関係者の積極的な関与が呼びかけられました。会議後半では、22の国及び団体の代表からそれぞれの取組みや今後の展望について言及がありました。SFDRRの実施推進のために制度整備を行ったこと、COVID-19の経験を受け、同時発生する災害への対応に向けた調整、制度・体制の見直しを行ったことなどが紹介されました。
最後に、UNDRRよりAPMDRRに向けた準備プロセスについて説明があり、今後関係者とのテーマ別の協議の場、地域別の協議の場を設けて議論を行っていくことが紹介されました。アジア防災センターでもこうしたプロセスに積極的に関わっていく予定です。

2017年3月9日~11日(イラン、マシュハド)
アジア防災センター(ADRC)及び国際復興支援プラットフォーム(IRP)を代表して派遣された復興専門官は、2017年3月9日~11日に、イラン、マシュハド市で開催された「地域レベルの仙台防災枠組の実行に関するワークショップ」において、UNISDRの国際防災教育研修所(GETI)とともに共同ファシリテーターを務めました。ワークショップは、マシュハド災害対策局が、マシュハド市当局の災害に対する強靱性を確保することを支援するために主催し、マシュハド市及びシーラーズ市から100名を越える自治体政府職員が参加しました。
マシュハド市は、テヘラン市に次いで、人口、経済、産業の面において、イランで第二の重要な都市であるだけでなく、二番目に災害リスクに曝された都市でもあります。マシュハド市当局は、主に地震と洪水のリスクに曝されていることから、そうした災害リスク軽減のための施策を実行する必要性を認識しています。また、同市当局は、同市の持続可能な開発の実現を目指して、防災や災害リスク管理を推進するための重要な政策と法整備に、積極的に取り組んでいます。さらに、災害復興過程における「Build Back Better」への備えの観点から、防災を都市開発プロセスに組み込むことや、妥当なレベルのリスク軽減を行う取組を推進しています。加えて、同市当局は、UNISDRが進める「世界防災キャンペーン『災害に強い都市の構築(MCR: Making Cities Resilient)』」へ積極的に参加をしています。このキャンペーンは、災害に強いまちづくりを目的に、「災害に強い都市の構築のための10の必須項目」に基づく「都市強靱化アクションプラン」を策定・実行することを中心に、地域レベルの専門家や政府職員の能力開発を支援しています。ADRC及びIRPを代表した復興専門官は、「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」に沿って、世界における災害の経験や優良実践事例を共有しました。
今後の展開として、マシュハド市当局は、この地域において今回のワークショップを受け入れた先駆的な地方自治体政府の一つとして、次の二つの主要な活動を進めていくことを表明しました。一つ目は、ワークショップでの議論を継続し、計画策定へと推進していくためのチームを結成して、今後8ヶ月の間に、「都市強靱化アクションプラン」の草案作成と、その策定・実行へ向けた準備を進めることです。二つ目は、マシュハド災害対策局が、マシュハド市にイランにおける都市防災教育研修センターを設置する計画の実現に向けた調整を推進することです。
(2017/03/17 14:40)
2016年11月28日~29日(フィリピン、イリガ市)

この会合は、イリガ市長のマデレーヌ・ヨローブ・アルフェロ氏が、インド、ニューデリで開催されたアジア防災閣僚級会合の成果から着想を得て、仙台防災枠組の実行において、とりわけ、地域レベルの首長や市長の重要な役割について議論するために、着手・開催されました。イリガ市での会期中に、アルフェロ市長は、なぜ、このビコル地域の全ての首長や市長が集まる必要性があったのか、二つの理由を挙げました。一つは、地方自治体(LGUs)が、台風、洪水、火山噴火、地震などのハザードによってもたらされるリスクに対処する準備状況について表明することです。もう一つは、「世界防災キャンペーン『災害に強い都市の構築(MCR: Making Cities Resilient)』」によって提示された「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」の適用を通じてコミュニティの強靱化を促進することを目的とした、地方自治体の首長のより一層の取組を引き出すことです。
約85名の市長と各地方自治体の災害対策局(DRRMO: Disaster Risk Reduction Management Office)から120名を越える職員がこの会合に参加し、UNISDRの国際防災教育研修所(GETI)並びにアジア防災センター(ADRC)及び国際復興支援プラットフォーム(IRP)を代表した復興専門官がファシリテーター役を務めた2日間のワークショップを通して、「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」とその適用について学びました。この「十題必須項目」は、地方自治体が自らの防災計画を強化するために適用することが出来ます。この中の二つ、9番目と10番目の項目は「Build Back Better」に関連していて、この観点から、ADRC/ IRPを代表した復興専門官は、世界における災害の経験や優良実践事例を共有しました。過去の教訓から学ぶことによって、地方自治体は災害対策における弱点を明らかにし、それに対処することが出来ます。
今回のワークショップで取りまとめられた今後に向けた提言としては、ビコル地方の全地域の災害対策局の職員が、知識や経験を共有するためのプラットフォームの組織化を計画することです。次回会合では、各災害対策局は、今回のイリガ市におけるワークショップで明記され、確認された優先行動を実行に移す方法について議論します。
(2016/11/30 14:40)
2016年11月25日(フィリピン、マカティ市)

UNISDRの国際防災教育研修所(GETI: Global Education and Training Institute)とともに、復興専門官は、業務継続計画のツールが、次の目的の達成に役立つことを発表しました。① 地方自治体政府が、あらゆる状況下で、その最も重要な機能を確実に果たすこと、② 生命及び財産の損失や被害を最小限に抑えること、③ 壊滅的な打撃によって行政機関がその権限や責任を担い遂行することが不可能となり、その機能や能力を失った場合に、付属機関への権限委譲が的確に発令され、それを実行すること、④ 壊滅的な状態を軽減・緩和し、業務を継続させること、そして、⑤ 壊滅的な状態であっても、地方自治体政府が、その最も重要な機能を果たすことが可能となる施設・設備を確保することです。
マカティ市政府の様々な部局を代表した約75名の職員が今回のワークショップに参加しました。業務継続計画のツールを補完するために、フィリピンの様々な地元の企業・団体から事業継続計画(BCP: Business Continuity Planning)の経験が発表されました。それらの発表の中には、メトロマニラ開発局(MMDA: Metro Manila Development Authority)、ネスレ・フィリピン(Nestle Philippines)、プライスウォーターハウスクーパース(PwC: PricewaterhouseCoopers)、サンファン市政府、フィリピン災害復興基金(PDRF: Philippine Disaster Resilience Foundation)フィリピン事業継続管理者協会(BCMAP: Business Continuity Managers Association of the Philippines)などの発表がありました。
様々な意見が出された後、参加者は、マカティ市政府の業務継続計画で定めるべき最優先事項が明らかになりました。その中には、マカティ市政府が、災害による壊滅的な打撃を受けた場合に、マカティ市政府の災害対策局(DRRMO: Disaster Risk Reduction Management Office)がその最も重要な機能を果たすことが可能となる、遠隔地の代替施設を整備することも含まれました。また、参加者は、行政の長が執行不能となった場合に、いつでも権限委譲が的確に発令され、それを実行する、決定的な手続の骨子をまとめることも、優先事項に挙げました。
今回のワークショップで、今後に向けた提言がまとまりました。マカティ市災害対策局の職員が市政府の全部局の代表とともに、進捗状況を検証し、マカティ市政府の業務継続計画の最終案作成に向けたより詳細な議論を進めるために、2017年3月に再開することになりました。
(2016/11/30 14:40)
2016年11月17日~18日(フィリピン、マニラ)

このフォーラムには、土地利用管理や災害リスク管理に関する専門知識を有した100名を越える政策決定者や専門家が参加しました。
日本やカナダ、インドネシア、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、タイから参加した主要なスピーカーは、震災復興に係る土地利用/空間計画の観点から、どのようにして防災に関する課題に対処するのかについて議論を深めました。
今回のフォーラムを通して、大規模災害が発生すると、それに伴って再建に向けた活動が大規模に実施されることから、多くの場合に空間構造変化がもたらされることが認識されました。このため、再建に続く復興過程では、既存の空間開発に関連した課題だけでなく新たな課題に対処できる機会が与えられます。被災後の段階における土地利用と住宅に関連した課題対応の取組として、(i) 新たな土地利用戦略の導入、(ii) ハザードを受けやすい地域を避けて建築することへのインセンティブの制度化と提供、(iii) 変化するハザードのパターンを要素として組み込んだ新たな空間的成長モデルの提案、(iv) 不動産名義と権利に関する課題への対処、(v) 社会的一体性を再構築し、向上させることを目指した一般参加型のアプローチの適用、(vi) 将来的な災害対策としてハードとソフトの投資を組み合わせた事業が紹介されました。
また、今回のフォーラムには、3つのテーマ別セッションが含まれ、重要なメッセージと推奨される取組が発表されました。
1つ目は、復興政策をテーマにしたセッションで、土地利用、リスク情報、自治体の対応力、資金調達、現場で必要とされるスピードを確保した施策の実行などに関連した課題への対応に着目した政策的措置が発表されました。
2つ目は、中央政府と地方政府間の関係など、水平的及び垂直的な組織間の調整の課題をテーマにしたセッションです。このセッションで提案されたのは、潜在する災害リスク要因を突き止め、それに対処することです。組織全般にわたるアプローチ(例えば核となる組織に着目した方法など)によって、復興対策をデザインすることは、組織間の水平的及び垂直的なつながりを強化することになり、課題対応への取組を容易にすることに役立ちます。
最後は、優良な実践事例や革新的なツールをテーマにしたセッションです。このセッションで、国際復興支援プラットフォーム(IRP)から国際的な経験をいくつか紹介しました。IRPが推奨したことは、① 「失敗の分析によって学ぶこと」や「Build Back Better(より良い復興)」を具体的に実行することによって過去の災害経験を検証すること、② 復興の課題や障害(土地利用や住宅供給の課題を含む。)に対処するために、世界各地の経験から得た戦略と取組を、状況に応じたオプションとしてメニューから選択できるようにすること、③土地利用計画の有効性(例:制度的な調整-政策、法令・規則、プログラム間の調整を強化すること。)を促進するため、事前復興計画(事前対策の調査、事前復興支援協定を含む。)を策定することの3つを発表しました。
(2016/11/21 14:40)
2016年11月4日(インド、ニューデリー)
アジア防災センターが設立当初から構成団体を務める国際復興支援プラットフォーム(IRP)は、第7回アジア防災閣僚級会合(2016年11月3~5日、インド・ニューデリー)でテーマ別セッションを開催しました。このセッションは「Build Back Betterへ向けた戦略と行動」と題して、11月4日午後1時~2時30分にビギャン・バワン会議場6番ホールにて、6名のハイレベル・スピーカーがそれぞれの経験と教訓について共有し、(i) 政策と戦略、(ii) 制度的な調整、(iii) 資金調達メカニズム、(iv) 実施上の調整と復興管理の4つのBuild Back Betterに関連する主要な要素の視点から発表が行われました。セッションには約150名が参加し、各スピーカーは、ガヴァナンス、ジェンダー、事前的投資、社会的包括、持続可能な開発の分野にわたって発表しました。
ウォンテー・アータカイワーワティー閣下、ASEAN (東南アジア諸国連合)事務総局次長は、「災害管理と緊急対応に関するASEAN合意(AADMER)」の復興に関する部分に基づいて、Build Back Betterへ向けた地域政策を推進していることを報告しました。この地域政策には、評価、復興計画策定、資源利用、調整、復興計画から開発計画への移行に関する手続と履行期限を定められていて、ASEAN加盟国はそれに沿った対応が求められています。AADMERの制定によって、ASEAN加盟国は復興時期のハードとソフトの対策をより安全なものへと改善しつつあります。その他の特徴的な地域的取組としては、サイクロン・ナルギスからのミャンマーにおける復興過程で「三者間コア・グループ(Tripartite Core Group)」に基づく協調関係や「復興ツールボックス(Recovery Toolbox)」、「災害復興ガイド(Disaster Recovery Guide)」などの手引書の開発が挙げられます。
スシル・ゲイバリー氏、ネパール政府復興庁の最高執行責任者は、「災害復興フレームワーク2016-2020」の主要な取組について発表しました。政策の観点からは、政治的利益の調整、地域社会の要望、Build Back Better原則の遵守、そして、これまでの人的資源を活かしながらも新たな視点により設立された復興庁の運営などが挙げられます。制度的な調整の観点からは、制度構築に対する軋轢への対処や、国際機関の専門家の人的支援によって政府の政策能力を補完する取組が紹介されました。また、資金調達メカニズムの観点からは、国際的な責務、資金調達、そして現実的な復興計画と実行を確実にしていったこと、また、復興管理の観点からは、地方政府を中心とした復興調整及び実行の堅固なメカニズムを構築したことや、地域社会優先の取組などが挙げられました。
オーステア・パナデロ氏、フィリピン政府内務・自治省次官は、災害対策や復興の取組において現実的な課題への対応に役立つ先進的な取組を発表しました。政策の観点からは、土地利用計画は、全ての計画の根本であり、地方政府と地域社会レベルのBuild Back Betterの基盤となること、さらに、企画計画予算制度や、災害リスク軽減及び気候変動適応の情報を活用したプロジェクト開発・評価の基準を通して、"災害に強い"公共投資政策が提唱されていることなどに言及しました。制度的な調整の観点からは、バランガイレベル(村レベル)の災害リスク軽減及び気候変動適応の基本的情報は地域において生み出されるとともに、世帯レベルにまで及ぶ能力強化活動を通して、地域社会は強化されていることを指摘しました。資金調達メカニズムの観点からは、Climate Change Expenditure Tagging (CCET)や防災準備監査による「良い地方統治」認証(the Seal of Good Local Governance)が導入されました。最後に、復興管理の観点からは、ビサヤ諸島における台風ハイエンの経験を活かした地方開発計画の円滑な運用や、フィリピン政府の国家災害リスク軽減管理評議会-市民防衛局のもとで"政府一丸となった"アプローチは、復興調整及び実行としての取組の中でも代表的な事例となります。
ヴィノード・メノン教授、カリタス・インディア(Caritas India)上級顧問は、「地域社会重視」の政策が重要であると指摘しました。Build Back Betterのための「地域社会を重視した危機管理」フレームワークを紹介し、社会的弱者や社会から取り残されたグループに特別な注意を払った「社会的包括」の復興を強調しました。そのフレームワークは、現実の政策課題に対処する解決策の一つとして提示され、(i) 災害リスク軽減、気候変動適応、持続可能な開発目標に関連した政策の一貫性及び収斂性、(ii) 全ての復興戦略の特質としての社会的弱者層の包括性、(iii) 民族紛争、社会的脆弱層に対する残虐行為、暴力的・複合的緊急事態に影響を受けた地域社会のレジリエンス構築に対する支援、三つの点を助けるものです。
アチュート・ルイテル氏、実践的行為ネパール(Practical Action Nepal)理事長は、2016年南アジア災害報告書を紹介し、ネパールにおけるBuild Back Betterへ向けた12の提案の概要を説明しました。それは、(1) 複層的かつマルチステークホルダーの政策方針の促進、(2) 政策、立法、規制文書の調和と標準化、(3) 段階的な計画・実行の廃止に向けた制度的限界線の設定、(4) 災害リスク軽減への対処による開発介入に対する制度上の責任、(5) 脆弱性が内包するさらなる脆弱性への重視、(6) 政策決定者としての女性の能力とポテンシャルの活用、(7) 所有者自らによる持ち家復興、(8) 子供達のための学校の安全性の向上、(9) 地方レベルの解決策の構築、(10) 現金移転からリスク移転への移行、(11) 零細企業の再建、(12) レジリエンスに向けた災害リスク情報を活用した開発の構築、の12の点です。
シェイラ・シャイード氏、ジェンダーと水連合バングラデシュ(Gender and Water Alliance Bangladesh)チームリーダーは、二つの政策行動を提案しました。(i) 社会的包括の促進と社会的意識の向上、バングラデシュの事例では、災害管理評議会、地方政府、ボランティア活動への女性参加と、経営体への女性の代表の参画のような行動、(ii) ジェンダー理解、男女間の社会的関係性の認識、そして、これらの関係性を社会的に構築し、女性に対してリーダーの役割を奨励することです。
以上の発表を受けた活発な議論の後、IRP運営委員会議長であり、このセッションの議長を務めたステファン・コーラー氏(UNOPSプログラム部門長)は、以下の3つの観点からセッション全体について総括しました。
① 復興フェーズは、Build Back Betterの機会であり、脆弱性を低減し、開発がより持続可能なものとなる点において重要であり、社会的弱者層と社会から取り残された層を包括することが出来れば、さらに成功したものとなるであろうこと
② 事前的投資は、Build Back Betterへ向けた重要な要素であり、開発の持続性を確実なものとすることができること(例えば、災害リスク情報を活用した土地利用計画)
③ ジェンダー、社会的に取り残された層に関して、社会意識、知識、能力開発を向上させることは、復旧・復興過程におけるBuild Back Betterに向けた効果的な準備を促す点において非常に重要であること
最後に、復興過程におけるBuild Back Betterは大規模な制度的、技術的な取組であり、全てのステークホルダー-政府、市民社会(civil society)、プライベートセクター-が協力して共に取り組むことを必要としており、それは、フィリピンにおける"政府一丸となった"アプローチに例えられというメッセージでセッションを締めくくりました。
(2016/11/04 14:40)
2016年5月17 - 18日(マレーシア、プトラジャヤ)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、マレーシア北大学(UUM)からの公式要請を受け、2016年5月17~18日の2日間、科学大学テナガ・ナショナル (UNITEN)キャンパスで開催された事前災害復興計画に関するオリエンテーション・ワークショップを支援しました。マレーシア北大学は、洪水対策に重点を置いた災害対策研究プロジェクトを実施しているマレーシア国内6大学のネットワークを代表する大学です。
この学術ネットワークは、マレーシア北大学(UUM)、マレーシア工科大学(UTM)、マラ工科大学(UiTM)、科学大学テナガ・ナショナル(UNITEN)、マレーシア科学大学(USM)、マレーシア・イスラム科学大学(USIM)の6つの大学から構成されており、次の3つを目的にしたオリエンテーション・ワークショップの開催についてIRP/ADRCへ要請がありました。① 洪水災害に対する事前災害復興計画を通じた「Build Back Better」への理解を深めるとともに、そこから得た理解を大学課程に取り入れる可能性について検討すること、② 大学の教授陣が、教員、学生、実務家を対象にした「Build Back Better」を目指した事前災害復興計画の研修を実施する能力を高めること、③ 洪水対策をより効果的に実施するために事前復興計画の応用について調査することの3つがその目的です。
約35名の大学教授、講師、マレーシア政府関係者らがワークショップに参加しましたが、その中には、学術ネットワークの構成メンバーである、マレーシア政府の市民防衛局(JPAM)、教育省(KPM)、消防局 (JBP)、ケママン地区、国際 NGO マーシー・マレーシアの代表者らも含まれていました。
今回のワークショップの趣旨を明確にするため、2つのキーノートスピーチが行われました。最初のスピーチは、トレンガヌ州ケママン地区の政府担当官、ロズマン・ロスラン氏から、洪水に対する事前災害復興計画の先進的取組について説明があり、特に、ケママン地区では、ホテルや病院との間に洪水時の協定を事前に取り交わすことを促進していることについて、述べられました。2つ目のスピーチは、マレーシア政府教育省のサイフル・エフェンディ氏から公立学校の防災対策に関するガイドライン案について述べられました。また、参加者によるグループ演習では、2つのことが成果としてまとまりました。一つは、マレーシアの事前災害復興計画に対するチェックリストであり、もう一つは、生活復興に対する戦略と行動をひとつに整理したものでした。
次なるステップとして、参加者は、実際に集まるかヴァーチャルに集まるかは別として、引き続き、今回の議論を行っていくことに賛同しました。次に取るべきフォローアップの行動としては、① ケママン地区の洪水からの復興事例を文書として取りまとめ、IRP/ADRCへ報告すること、② IRP/ADRCの事前災害復興計画に関する資料を調べて、大学課程に組み入れた講義摘要案の作成を検討すること、③実務家や政策決定者向けのハンドブックを含めて、洪水からの災害復興に関するナレッジプロダクトを開発することの3つが挙げられました。
今回のワークショップを主催した洪水対策研究プロジェクトのための学術ネットワークは、マレーシア政府の国家安全保障会議、気象庁、かんがい排水局らと密接に連携を取りながら、プロジェクトを進めていく予定です。
(2016/05/17 14:40)
国際復興支援プラットフォーム (IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、マニラ気象台の要請を受け、SMプライム(フィリピンの不動産開発大手企業)及びフィリピン災害復興基金と協力し、2016年4月29日にフィリピン、マカティ市のアジア経営大学院で開催された「事前災害復興計画に係るオリエンテーション・ワークショップ」の支援を行いました。
このワークショップには、市民社会(シビル・ソサエティ)や科学界、学術団体、マスメディア、地域社会の代表者など、官民セクターから約90名の参加者が集まり、事前復興計画の本質について学びました。参加者の構成が多様性に富んでいたため、効果的に事前復興計画の演習を実施することが出来、また、復興過程においてお互いの機能を補完的に支援することを促すことも出来ました。
今回のワークショップでは、世界中の災害復興の経験から得られた、戦略、行動、事例研究を含む現時点のツールや経験に基づいて、事前復興計画を策定するための様々なアプローチを探ることが出来ました。特に日本において、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、そして、熊本地震(2016年)の復旧・復興過程で活かされた事前の災害時応援協定や復興支援協定などの経験や教訓は注目を集めました。
また、フィリピンからの著名なスピーカー、とりわけ、マニラ気象台のアントニア・ロイザガ氏、SMプライムのリザ・シレリオ氏、フィリピン災害復興基金のギレルモ・ルーズ氏、フィリピン市民防衛局のアレキサンダー・パマ大将、そして、フィリピン経済開発局のレメディオス・エンデンチア氏から、事前復興計画の重要性について強調する発言が際立ちました。
ワークショップでの発表者は、総じて、事前復興計画が本質的であることを認識しており、さらに、政府関係機関や地域社会のセクターは、災害復興の過程において、同じような組織的、政策的な課題に直面することが、事前復興計画の重要性を高めていると考えていました。例えば、災害に対するガバナンスや財政管理、効果的運用の問題、被災地における再開発基準や輸送の問題、被災者の健康・生活面の問題などは、全てのセクターにおいて共通の課題として考えられます。したがって、事前復興計画をあらかじめ策定しなければ、社会全体で巨大な損失が連動して発生することとなるのです。
事前復興計画を策定することの利点として、まず、第一に、全てのステークホルダーが、分野横断的、学際的、省庁間・部局間が協力して、事前復興計画を策定することによって、復興の速度を速めることが出来ます。また、お互いに協力した計画策定と実行が促され、不明確さや、重複、ボトルネックとなる部分を最小限にすることが出来ます。第二に、全てのステークホルダー間のさらなる強力な関係を構築することが出来て、災害直後のストレス下での不適当な決断を避けることが出来ます。全てのステークホルダーが復興への全面的な参加・協力に備えることによって、自ら積極的に関与し、事前にリスクを知悉したうえで決断をすることが容易になります。最後に事前復興計画の策定は、復興過程を財政的に支援するための仕組み(例:事前復興支援協定や契約によるサービス提供など)をあらかじめ確立することが出来ます。
今回のワークショップでは、フィリピン火山地震研究所から提供されたメトロ・マニラ地域の地震シナリオを使用することによって、主に2つの成果を上げることが出来ました。一つは、「事前復興計画のためのチェックリスト」であり、もう一つは、「事前復興支援協定のひな型」です。今後、参加者は、フィリピン政府災害対策調整会議とともに、今回の議論をさらに前向きに進めていくことに同意し、災害復興過程における事前復興支援協定を実現するための選択肢を調査していくこととなりました。
(2016/04/29 14:40)
2014年12月9~10日(バングラデシュ、ダッカ)

バングラデシュはこれまで災害に対して脆弱な国であったものの、災害復興はインフラやコミュニティ、国民生活を強化する絶好の機会であるという認識に基づき、防災・救護省を中心に、過去の復興における取組や政策、計画を見直し、減災に向けた「Build Back Better」に取り組もうとしています。
このような状況の中、今回、防災・救護省は、バングラデシュ災害復興戦略研究所(ISRSDRR )及びIRP/ADRCと共に、現地パートナーである国連開発計画(UNDP)等の協力も得ながら、ダッカにおいて「IRP復興ワークショップ」を開催しました。
ワークショップには関係機関の代表50名以上が参加し、「Build Back Better」の推進や持続可能な開発のための土台作りに向けた議論を行いました。
開会式では、IRP/ADRCによる災害復興の主要原則についての基調講演に続いて、防災・救護大臣、同省防災部長、国会防災委員会委員長がそれぞれ、防災の重要性についてのスピーチを行いました。
ワークショップでは最終的に、国及び地方政府における復興行政機能の制度化、政府機関における復興予算の確立、復興に係る協力のしくみづくり、といった提案がなされ、また今後、防災・救護省が関係機関と協議しながら、国の復興プラットフォーム設立に向けて取り組んでいくこととなっています。
(2014/12/17 14:40)
2014年11月11-12日(エルサルバドル、サンサルバドル)
ADRC/IRPは、中米防災センター(CEPREDENAC)と共に、UNISDR及びUNDPの協力を得ながら、復興ワークショップ及び復興プロセスに係る政府間協議をサンサルバドルで開催しました。今回のワークショップの目的は、政府機関や各都市が知識を共有するとともに、それぞれが持つプログラムを改善していくことであり、「国及び地方レベルで復興プロセスをいかに制度化してきたか」、「制度的、政策的にこれまでどのような対策がとられてきたか」等について議論を行いました。
ワークショップにはパラグアイ、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル等、中米各国の政府職員、また世界銀行やスイス開発委員会、UNISDRからの代表など40名以上が参加し、ADRC/IRPは復興ガイダンスノートなどのツールや日本をはじめとする世界各地の復興事例を紹介しました。
議論の中で、もっと優良事例や復興の教訓などを発信し、このワークショップの成果を他の国、地域と共有すべきであること、2015年以降の国際防災枠組における復興の問題を考える必要があること、などの意見がありました。さらに具体的な取組として、(1)災害が起こる前に、復興枠組・計画を準備、検討、決定する、(2)防災の主流化を図る、(3)復興計画の評価・モニタリングのためのしくみを作ることが提案されました。また、今回のワークショップでは、中米にはもっと世界と共有すべき復興の経験があると感じられました。
(2014/11/25 14:40)
2014年11月3~5日(フィリピン、マニラ)

公共事業にも大きな関わりを持つボニファシオ地所サービス社(BESC)からの依頼により、ADRC/IRPはUNISDRのグローバル教育トレーニングセンター(GETI)と協力し、ボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)の防災行動計画策定を目的とするワークショップを開催しました。
ワークショップにはBGCの6つの地区から地方政府関係者、民間ディベロッパー等70名以上が参加し、災害時の復旧・復興についての経験発表や意見交換を行い、最終的にBGCの防災行動計画における戦略・方策をとりまとめました。また、次の段階として、今後以下のことに取り組むこととしています。
・今回のワークショップの結果を基に、他の関係者・専門家、地方政府関係者等と協議を行い、策定委員会やコンサルタントの協力を得ながら提案をとりまとめる。
・防災行動計画策定においては、地域の他の既存の防災計画、開発計画や国家災害リスク削減委員会(NDRRMC)の枠組に統合又はリンクさせるため、行動計画案を既存の計画と照らし合わせながら検討し、また各関係機関に意見照会を行う。
・BESCはBGCから防災行動計画の承認を得る。当ワークショップ参加者は計画の担当者として、それぞれのトップに計画策定の方向性を示し、また住民に情報を周知させる。
今後、BESC内に公式に防災行動計画の調整・実施のための組織が作られ、リスク評価や情報伝達、行動計画のシミュレーション等を行うこととなります。また、行動計画を維持していくには、継続的なモニタリング・評価、訓練の定期的な実施、住民の協力、そして計画をうまく運用し、防災サミットを開催することなどが必要であると考えられます。
(2014/11/07 14:40)
2014年5月12日~14日 (カタール、ドーハ)
カタール内務省の常設緊急事態委員会からの要請により、災害時に政府の開発活動が即座に平常に復帰できることを目的として、復興ワークショップを開催しました。カタールは災害が少ない国である一方、政府は近隣国での災害、例えばサウジアラビアでの洪水や湾岸諸国での紛争などを想定して、防災システムを強化したいと考えており、さらに、2022年のサッカー・ワールドカップ大会など、国際的なイベントを開催する時に、システムが有効に機能することを目指しています。
IRP/ADRCは、アラブ地域のUNISDR及び国際訓練教育機関(GETI)と協力し、5月12~14日、カタール・ドーハにおいてワークショップを開催しました。ワークショップの第一の目的は、政府職員に対して災害後の復興活動のコンセプトを理解させること、また民間防衛局が構想しているカタール復興枠組の策定準備を行うことです。
IRP/ADRCは、東日本大震災や阪神・淡路大震災の教訓など、防災・復興と持続可能な開発を結びつける事例となった世界各国の災害復興の経験をドーハの専門家と共有し、さらには政府の防災担当職員の知識を強化し、またその知識をいかに長期開発計画に有効に統合していくのかを示しました。
カタール政府職員及び民間セクターから約55名がワークショップに参加し、復興枠組のための戦略や活動のあり方について探り、またUNISDR及びGETI関係者、またカタール市民防衛局関係者も議論に参加して知識、経験を共有しました。開会式には、内務省高官の他、常設緊急事態委員会事務局長のハマド・オスマン・N・アルデハイミ准将が参加され、防災・復興に関する知識の強化等、ワークショップへの期待を表明されました。参加者は、カタール政府の既存の活動を強化するため、世界中の経験から得られた様々なコンセプト、戦略、活動を学びました。
今後に向け、カタール政府は現在、復興枠組案作成のためのフォーローアップ・ワークショップの実施を検討しています。
(2014/05/21 14:30)
2014年2月19~21日(フィリピン、セブ市)

IRP/ADRCは2014年2月19~21日、フィリピン・セブ市内において台風「ハイエン」後の復興計画ならびに次なる災害に備えるための「フィリピン地方行政官向け人材育成・復興計画ワークショップ」を開催しました。ワークショップ期間中は、フィリピン中部を襲った超大型台風「ハイエン」で被災した自治体への復興計画策定に係る専門的アドバイスを行うとともに、被災自治体の担当者が、防災・復興と持続可能な開発をリンクさせながら業務を推進できるように災害復興に係る世界各国の経験と教訓の提供を行いました。このように、IRP/ADRCでは、長期的な観点により、地方自治体における防災行政能力の向上ならびに、気候変動対応策としての防災の推進、災害復興計画・長期的開発計画への防災の要素の取り込みなどを推進しているところです。
参加者は、セブ州、レイテ州、サマール州、タクロバン市、パロ市、バゼイ市など台風被災地の州・市から50名を超える地方政府職員により構成され、大規模災害からの復旧、復興の方針について、議論を行うとともに、UNISDR-GETI(韓国にある国連ISDRグローバル教育・研修所)やフィリピン国防省市民防衛局、GIZフィリピン事務所の代表者とも意見交換し、中央・地方レベルを問わず、国内外での知識と経験を共有しました。とりわけ、国防省市民防衛局副局長のロメオ・ファハルド氏、同省市民防衛局第7地区長のディナ・モランテ氏、セブ州知事のマーク・トレンティーノ氏などから国レベルの復興政策についての解説により、参加者は一様に大いに刺激を受けたようで、IRPの推進する「よりよい復興」の概念や「復興ガイダンスノート」に掲載されている多様な戦略・取組とともに、各自治体の状況に合わせた復興の重要性を確認したところです。
今回のワークショップの成功を受けて、今後、各参加者が所属する地方自治体では、防災関係者、特にコミュニティと共に復興計画がさらに練り上げられることとなり、ワークショップ参加者が中心となってワーキング・グループの立ち上げや、修正案の作成、他部局への意見照会などを経て、最終的には、各地方自治体の委員会において採択されたのち、台風ハイエン復興に係る大統領補佐官パンフィーロ・ラクソン氏あてに提出され、予算化実現のための一助になることが期待されています。
(2014/3/3 14:30)
2013年10月23日~25日(レバノン、ベイルート)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、10月23日~25日、レバノンのベイルートにおいて、EC及びUNDPレバノンの協力を得て復興ワークショップを実施し、レバノン政府の様々な部門から約25名の職員が参加しました。
ワークショップでは、復興計画について様々な議論がなされ、特に、災害及び紛争後の「よりよい復興」について、地域又は世界各地の事例を参考にしながら理解を深めました。IRP/ADRCがとりまとめた世界各地の復興の教訓が既存の取組に新たに組み込まれ、また、ワークショップの成果として、災害及び紛争後の復興枠組についての戦略的提言をとりまとめました。(詳細は英語版参照)
(2013/11/18 14:30)
2013年10月15日~17日(フィリピン、マカティ市)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、10月15日~17日、フィリピンのマカティ市からの要請により、災害復興枠組の作成にかかるワークショップを開催しました。マカティ市は経済の中心地に位置することから、今回は特にマカティ市長の希望により、BCPを組み込んだ内容としました。

市の様々な部門の職員約50名が参加し、IRP/ADRCがとりまとめた「ガイダンス・ノート」や世界各地の復興の教訓を参考にワークショップに取り組み、その成果を「マカティ市復興枠組」の素案としてとりまとめました。今後、ワーキング・グループが結成され、市各部門の意見照会を行った後に復興枠組案を作成、今年12月に市議会に提出される予定となっています。(詳細は英語版参照)
(2013/11/18 14:30)
2013年9月25日~27日(南スーダン、ジュバ)

2011年7月に独立した新しい国、南スーダンにおける防災制度の確立という重要な局面に貢献するため、国際復興支援プラットフォーム(IRP)とアジア防災センター(ADRC)は、9月25日~27日、域内協力機関である政府間開発機構(IGAD)の協力を得て、南スーダンの首都・ジュバ市内において同国政府職員向けの復興ワークショップを開催しました。また、ワークショップには日本から講師として内閣府(防災担当)も参加されるなど、多様な防災関係者が集いました。
ワークショップには南スーダン政府の様々な省庁から25名のハイレベル政府職員が参加し、講義やグループワークを通じて、干ばつ・洪水等の自然災害や紛争からの復興計画について統合的・戦略的な提言の作成等を行いました。(詳細は英語版参照)
(2013/10/3 14:30)
2013年7月29日~8月3日(エチオピア、アディスアベバ)
政府間開発機構(IGAD)の協力を得て、国際復興支援プラットフォーム(IRP)及びアジア防災センター(ADRC)は、エチオピアのビショトゥフのドリームランド・ホテルにおいてエチオピア政府職員を対象に(2013年7月29~30日)、またアディスアベバのパノラマ・ホテルにおいてソマリア政府職員を対象に(2013年8月1~3日)災害復興計画ワークショップを連続して開催した。このワークショップは、欧州委員会(EC)のファンドにより、IRPを通じて国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が実施している「地域に於ける災害復興計画作成能力強化」プロジェクトとして、アフリカの角地域で予定されている3つのワークショップの一環であり、3つ目のワークショップは2013年9月25~27日に南スーダンで開催されることとなっている。これらのワークショップの目的は、地域において復興専門家を養成し、またIGADにおける待機能力を構築することであり、この目的を達成することにより、災害復興計画作成に係る技術的支援を望む地域の全ての国が支援を受けることが可能となる。
エチオピアからは約25名、ソマリアからは約20名の政府職員がそれぞれのワークショップに参加した。各参加者は災害危機管理及び長期復興に係る知識・経験を持つ、様々な省庁出身の高官であり、さらに、当ワークショップが当該地域特有の知識、域内の経験や国際的な専門知識を提供できるものとするため、国連開発計画(UNDP)、国際労働機関(ILO)、世界保健機関(WHO)、JICA及びアフリカ災害危機管理センター(ACDRM)といった国際機関の代表も参加した。ワークショップの開催地となったエチオピアからは、アト・ミティク・カッサ防災担当大臣が両ワークショップの開会に参加され、またサイド・ユスフ・ノア在エチオピア・ソマリア大使/アフリカ連合常駐代表が初日のソマリア政府職員対象ワークショップを訪問された。
ワークショップでは、復興計画作成の様々な面について議論されたが、特に長期の干ばつや大洪水後の復興過程の中で予想される課題に対応するための、「よりよい復興」の手法、戦略について深く検討された。IRP/ADRCは主にファシリテーターの役割を担い、WHO、ILO、UNDPのパートナー機関の参加者からは、地域におけるそれぞれの活動に基づく専門知識や経験を提供いただいた。議論の中からは、以下のことが明らかになった。まず第一に、地域における災害対応について、「危機管理」から「リスク管理」へと災害対応にパラダイムシフトが起こっており、新しいパラダイムは事前復興計画の重要性を包含し、災害管理をより広い、包括的な視点から捉えているということ。第二に、政府が率先している災害リスク管理活動は兵庫行動枠組(HFA)に沿ったものであり、言い換えるならば、各政府はHFAに示されている優先行動に従って現地化、最新化を図っているということ。最後に、政府が災害復興計画を災害リスク管理や持続可能な開発に統合しようという動きがあることである。その一つの例がエチオピア政府の災害リスク管理戦略プログラム及び投資枠組(DRM-SPIF)であり、これは災害リスク管理政策を全面的に実現するための投資を定め、優先するもので、多くの優先分野の中の一つとして、コミュニティが「よりよい復興」を実現し、将来の災害に対してより強くなるための「災害復興計画づくり」が位置づけられている。IRP/ADRCが世界中の様々な経験から取りまとめた復興の教訓が、既存の政府の活動にさらに加わり、干ばつ及び洪水の復興計画に対して統合的な戦略提言を行ったことが、ワークショップの大きな成果となった。
(2013/8/12 14:30)
2013年5月21日~23日(スイス、ジュネーブ)
今回のGPの大きなテーマは、こうした防災関係者の力を結集させる機会のほか、防災に関する世界的取組み指針である「兵庫行動枠組」(HFA)の目標年次を2015年に控え、HFAの進捗状況の確認と、それらを踏まえ、次の行動枠組み(HFA2)の在り方に関して議論することです。
GPの開会式は、21日の9:30から大会議場にて開催され、開催国スイス連邦のマウラー大統領、国連のエリアソン事務局次長をはじめ、ナミビア・ニュージーランド等各国の代表が挨拶を行いました。
この後、10以上の会議室に分かれて、参加国等からの公式ステートメント、参加機関の事業内容や研究成果等を紹介する延べ170のイベントが開催されました。
ADRCは、21日の14:45から16:15の間、アジア災害予防センター(ADPC)、アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)と共催して、「アジア地域における防災協力~技術革新と協働による災害レジリエンス構築」と題する会合を開催しました。同会議においては、中央政府レベルの防災協力のネットワークのハブであるADRC、アジア工科大学を母体とし特に東南アジア地域において高度な技術協力プロジェクトを行っているADPC及び防災に関するアジアのNPOのネットワークであるADRRNがそれぞれの業務における地域内協力の特長を紹介しました。ADRCからは、中央政府レベルの国際防災協力のgood practiceとして、日本の宇宙航空研究開発機構等各国の宇宙開発機関と連携して実施している「センチネル・アジア」の取組みについて紹介しました。この後討議が行われ、アジアには既に域内協力機関が重層的に存在しており、各機関がその特徴を生かして積極的に協力関係を深めるべき等の意見が出されました。
この会合と前後しますが、当日14:00からJICAと国連開発計画との主催で「防災の経済学-防災投資を通じた持続的開発の推進」が開催されましたが、これは、JICAが昨年度実施した(ADRCは委員として参画)、防災投資が後の経済成長に与える貢献の定量的把握手法の紹介であり、多くの国際機関等から参加がありました。
こういった行事以外にも、期間中には各国・機関間の情報交換等の場が持たれました。22日、ADRCは、昨年12月に新たにメンバー国となったイラン・イスラム共和国の防災組織の高官(ガダミ内務省次官兼防災庁長官)と会談の機会を持ちました。次官からは同国の防災力向上に向けADRCの協力を仰ぎたい由の発言があり、当方からは客員研究員招聘等ADRCの事業の展開により同国の意向に沿いたい旨回答しました。なお、この会談の概要は後日イラン防災庁のHPでも紹介されました。
イラン防災庁ガダミ長官(左)と会談するADRC名執所長
(イラン防災庁HPより)
最終日となる23日には国際防災復興協力機構(IRP)の主催するフォーラムが開催されました。内容の詳細は次の記事をご覧ください。
同日16:30から大会議場において閉会式が開催されました。まず議長(ダニデン・スイス開発協力機構会長)から議長サマリーの案が提示されました。ワルストロムUNISDR特別代表から参加者への謝辞が述べられた後、日本国政府代表の亀岡偉民 内閣府大臣政務官(防災担当)から、日本での開催が決定している次期国連防災世界会議について、2015年3月に仙台市で開催することを表明して3日間の会期を終了しました。
閉会式において次期防災世界会議の仙台開催を発表する亀岡大臣政務官
(画面中央)
(2013/06/13 13:00)
2012年2月14日-16日(マレーシア、クアラルンプール)
アジア防災センター(ADRC)は2012年2月14日から16日に亘り、マレーシア・クアラルンプールにて地方行政官を対象とした防災能力の強化研修を実施しました。これは2009年よりマレーシア国家安全保障会議(NSC)とADRCが準備を進めてきたものです。マレーシア全国の防災担当地方行政官にNSC、関連省庁を加え約80人が参加しました。
本研修は2010年に実施した講師育成研修(TOT)に続くもので、TOTに参加したNSC、気象局(MMD)、関連省庁の職員が今回講師を務めました。今回の研修に参加した地方行政官はコミュニティ防災の担い手としても期待されており、研修プログラムにおいては、NSC指令(Directive)、洪水対策、早期警戒、日本及びマレーシアでの津波からの復興に関する講義と、コミュニティ防災をテーマにしたグループディスカッションを扱いました。参加者の関心は非常に高く、講義、グループディスカッションでは活発に意見が交換されました。
本研修をもって、同国での研修事業は終了となりますが、これを機に各地で地方行政官及びコミュニティを対象とした研修が展開され、同国の災害対応能力強化につながることが期待されます。
(2012/2/27 17:40)
2012年1月27日~29日(インドネシア・ジャカルタ)
アジア防災センター(ADRC)は2012年1月27日から29日にかけ、インドネシア・ジャカルタにて、防災担当行政官に対する研修を実施しました。これは2008年からADRCが実施するアセアン諸国を対象とした防災対応能力強化事業の一部で、今回はインドネシア国家防災庁(BNPB)と協力し、同庁の職員を対象に講師育成研修(TOT)を実施しました。
プログラムは、災害からの復興、コミュニティの意識啓発のありかたなど、災害リスク管理に関する講義と、より効果的な研修手法の習得に関するものに分かれ、3日間という短期間ではあったものの、夜遅くまで発表準備を行うなど、集中した研修となりました。参加した行政官20名はグループに分かれ各自の専門分野に関して発表を行い、議論や評価を通じて理解を深め、研修技術の向上を確認することができました。
今後、インドネシア各地で地方行政官・コミュニティを対象とした研修が予定されておりますが、その際には今回受講した職員らが講師役を務めることになります。受講者の今後の活躍が期待されます。
(2012/2/8 17:40)

2011年11月10日 (インチョン、韓国)
韓国の法制処(Ministry of Government Legislation)(日本の内閣法制局に相当)が主催する国際会議The Asian Forum of Legislative Information Affairs(AFOLIA)の中の一つの会議として、法制処と危機管理庁(NEMA)の共催によりInternational Conference on Disaster Risk Reduction Legislation and Policyが開催され、アジア防災センターも招待され参加しました。

防災の会議では、ポストHFAへの関心が徐々に広がり、また、国際災害対応法(IDRL)の必要性が議論されている最近の状況において、このような法制度に的を絞った議論は意義が高いものと思料され、今後の展開が期待されます。
(2011/11/12 13:10)
2011年10月31日~11月1日 (ジャカルタ、インドネシア)
本シンポジウムはインドネシア政府、ERIA(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia、在ジャカルタ)、ハーバード大学がASEAN事務局との協力で開催したものであり、ASEAN事務局長Dr. Surin Pitsuwanも開会式、閉会式に参加しました。
2015年の創設を目指すASEAN共同体に関係する幅広い議論が行われた。主要テーマに沿って、Session 1: Moving the ASEAN Economic Community Forward into 2015 and Beyond:Engendering a Competitive, Equitable, Innovative and Sustainable ASEAN、Session 2: Moving the ASEAN Community Forward through Strengthening of Regional Corporation: Engendering a Resilient and Harmonious ASEAN、Session 3: Achieving an Outward Looking ASEAN Community: Political and Economic Perspectiveの3つのセッションが設けられ、アジア防災センターは主催者からの要請により、Session 2において「Strengthening regional cooperation in times of disaster」という発表及び議論を行いました。なお、同セッションではニュージーランドからもクライストチャーチの地震に関連した報告もありました。
会議の成果文書であるJakarta Framework on Moving ASEAN Community Forward into 2015 and Beyondでは、災害対策も食糧やエネルギーとともに重要な課題であることが述べられることとなりました。
(2011/11/2 13:10)
2011年10月3日~21日(パプアニューギニア、サモア)
アジア防災センターは2011年10月、大洋州のパプアニューギニア、サモアを訪問し、防災関係機関、過去の災害被災地にて災害リスク管理体制や取り組みについて聞き取り調査を行いました。両国ともに火山、地震・津波、サイクロン等、多様な災害リスクを有しており、リスク評価や早期警戒、住民への啓発等の取り組みが重要視されていました。
また10月11日、パプアニューギニアでは国連国際防災の日のイベントに参加しました。この啓発活動はアジア防災センターのカウンターパートである国家防災センター(NDC)とISDR、UNDPが主催したもので、関係機関、NGOからの出展があり、小中学生を含む約500人を集め、大変な盛況でした。サモアでも2009年の津波災害を受け、コミュニティを対象とした活動が活発に行われていました。
(2011/12/15 17:40)
2011年8月29日~9月1日 (ハノイ・フエ・ホーチミン、ベトナム)
防災分野におけるICTの活用方策に関する調査の一環として、8月29日から9月1日の4日間にわたり、ベトナムのハノイ、フエ、ホーチミンを訪問し、ベトナム政府の農業・地方開発省や天然資源・環境省などの政府機関及びJICA関係者に対するインタビュー及び関連資料の収集を実施しました。
ベトナムにおける防災分野におけるICTの活用は、気象予測・観測、リスクアセスメントやリスクマッピング、コミュニティや住民への早期警戒報等において着実に進展しています。一部には最先端のICT技術も観測基地を結ぶブロードバンドの導入や携帯電話による自動的な観測などが見られますが、その多くは実験的なものに限られます。
台風や洪水などの典型的な気候・水関連災害に対する準備は比較的良く進展している一方で、地滑り、土砂災害、地震や火山などへの準備は必ずしも十分とは言えない状況です。例えば、津波の警報システム(警報タワー)が近年ベトナム中部のダナン市で整備され始めたが、まだ十分ではなく、今後の更なる整備が必要です。また、災害対応能力の更なる向上のためには、様々な機関が情報を共有できるシステム、リモーとセンシング、画像情報システム、リアルタイム計測センサーなどの活用が考えられます。
なお、本調査の結果は今後の協力案件の形成に活用される予定です。
(2011/09/02 13:10)
2011年6月27日~29日(タイ、バンコク)
2011年6月27日~29日、バンコクの国連コンフェレンスセンターにて、アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)の主催により、Expert Group Meeting on Regional Knowledge and Cooperation for Comprehensive Multi-Hazard Risk management in Asia and the Pacificが開催され、要請によりアジア防災センターは参加しました。この会合には、各国の代表、国連機関等からの参加があり、①Asia Pacific Gateway on Disaster Risk Reduction and Development、②Data for Disaster Risk Reduction and Assessment、③Regional Cooperative Mechanism on Disaster Monitoring and Early Warning, Particularly Drought、④Asia Pacific Disaster Reportに関し、現在の課題や今後の必要な取り組みについての議論が行われました。アジア防災センターとしては、災害に関するデータ整備の重要性、アジア防災センターが普及している世界災害共通番号(GLIDE)の活用、東日本大震災をはじめとして具体の災害に関する経験の共有の必要性等について説明を行いました。
また、6月29日~7月1日の日程でUNESCAP防災委員会が開催され、その初日アジア防災センターもオブザーバーとして参加しました。アジア太平洋地域における防災協力に関しアジア防災センターがその実施機関として貢献していることに関し複数の国の代表から言及があり、アジア防災センターとしても引き続き諸活動を通じて各国と協力を推進していくこととしました。
(2011/07/04 13:10)
2011年3月14~17日(ミャンマー・ヤンゴン)
2011年3月14日から17日にかけ、ミャンマー社会福祉省救援定住局(RRD)とADRCは地方行政官能力強化プロジェクトにおける講師育成研修をヤンゴンにて実施しました。これは2008年からADRCがアセアン各国で実施しているプロジェクトの一部で、ミャンマーとは2010年から準備を進めてきました。本研修にはヤンゴン、マンダレー、エヤワディ地区からの行政官、防災関連省庁、NGOから専門家、RRD、ADRCスタッフを含む約30名の参加があり、早期警報、被害・ニーズ評価、地震・津波、気象災害等の講義と、フィールドでの活動としてヤンゴン郊外でタウンウォッチング、ハザードマッピングが行われました。今後、上記3地区で地方行政官を対象とした研修が予定されており、本研修に参加した行政官が講師を務めることになっています。
研修開始の前、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の犠牲者に対して黙とうがささげられました。
(2011/03/28 17:40)
2011年3月1日~4日(パキスタン、イスラマバード)
パキスタンにおける水関係災害に対する防災対応能力の向上、宇宙技術や洪水リスク管理による気候変動適応の改善を目的として、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、パキスタン政府気象庁(PMD)、パキスタン宇宙情報センター(SUPARCO)が共催により本ワークショップは開催されました。
ワークショップでは、パキスタンやタイの洪水において宇宙技術(衛星画像)が有効に活用された事例など、宇宙技術の活用は防災において一層重要な役割を果たしてきています。アジア防災センターは、主催者の要請に基づき、センチネルアジアを中心に宇宙技術の防災への活用の促進及びスリランカでのコミュニティ防災の活動についてのプレゼンテーションを行いました。
多くの参加者が、センチネルアジア他の宇宙技術の防災への活用のためのプログラムに対する高い関心を示しました。また、コミュニティ防災の活動はパキスタンでは不十分であるという見解も示されました。
センチネルアジアによる緊急観測の窓口であり、災害管理・即時対応のための宇宙情報関連プラットフォーム(UNSPIDER)のアジアでの地域支援事務所(RSO)でもあるアジア防災センターとしては、この分野のなお一層の進展に引き続き貢献してまいります。
(2011/03/04 13:10)
内閣府は、日本が持つ過去の災害の教訓と対策をアジア各国の防災力強化に役立てる取組みを推進しており、2010年度はモンゴルとインドネシアを対象としたパイロットプロジェクトを実施することになりました。
<モンゴル>
モンゴルにおいては、2010年12月の事前調査、2011年1月の現地ワークショップの実施機関である国家危機管理庁(NEMA)の職員を招聘した本邦研修に引き続き、2011年2月13~19日にかけて、地震防災教育の推進のための現地ワークショップを実施しました。ワークショップは日本政府およびアジア防災センターの協力のもと、日本の技術や知識を活用しながら、NEMAによって実施されました。ワークショップは、NEMAの職員を対象とした研修、学校職員研修、多くの人が参加できるよう工夫をこらした防災訓練の取組みについて学ぶワークショップ、学校の生徒への授業、2つの学校を対象とした防災訓練などのさまざまな活動によって構成されるものでした。

これらの活動を通して、NEMAをはじめ関連機関や教育関係者は、モンゴルで地震防災教育を推進していくためのさまざまな知識、技術、ツールなどについて学ぶことができました。今後モンゴルでさらに地震防災の取組みが進んでいくことが期待されます。
2011年1月7日ミャンマー、ネーピードー
2011年1月7日、ミャンマー社会福祉省救済再定住局(RRD)とADRCは、同国ネーピードーにて、アセアン地方行政官能力強化事業における講師育成研修実施に向けた準備会合を実施しました。RRD、防災関連省庁、NGOから約20名の専門家が出席し、効果的かつ円滑な講師育成研修実施に向け、研修内容や運営方法について議論しました。講師育成研修では総合的な災害リスク管理、早期警戒システム、緊急対応等を中心に講義が行われる予定で、今後、RRDとADRCは担当機関と連携しながら、実施に向けた準備を進めていきます。
(2011/01/12 17:40)
2010年12月2日~5日(スリランカ、コロンボ)
アジア防災センターでは、スリランカ政府防災省(Ministry of Disaster Management)と今後の協力、
特に、2011年にスリランカで開催予定のアジア防災会議(ACDR)に関する検討等を行いました。スリランカも他の多くのアジア諸国と同様に、多種多様の自然災害に晒されています。今から6年前の2004年12月のインド洋津波では、35,399人が死亡、23,176人が負傷、100万人以上が被災したとされており、インドネシアに次いで2番目の大きさの人的被害を被ったことは記憶に新しいところです。また、頻発する洪水や土砂災害等による人的・物的被害の程度も増大しています。最近では、去る11月10日にも南部地方、特に首都コロンボで鉄砲水が発生し、多くの方々が被災したところです。
過去の災害の被災地の現状等も視察した中では、ゴール地域の列車の転覆場所近くに立地する津波写真ミュージアムが興味深いところです。災害の経験を伝えていくことの重要性がいわれますが、この津波写真ミュージアムは完全に民間ベースで(寄付により)運営されており、建物は粗末ながら、津波に関する貴重な写真やメッセージ等の重要なコンテンツを有しています。
(2010/12/7 13:10)
2010年9月28日~10月2日(インドネシア、パダン)
インドネシア、特にスマトラ島周辺では、海溝型巨大地震が近年繰り返し発生してきたが、西スマトラのパダン沖が残された空白地域となっており、今後30年以内に巨大地震が発生する確率は高いとされている。
このような大規模地震への備えのため地震早期警報・伝達システムの構築や建築物の耐震性の向上が急務となっている西スマトラにおいて、昨年9月のパダン地震から1年を経過した9月29日・30日の2日間にかけて、今後の必要な対策及びそれを実施するための方法等を検討するためのワークショップを開催した。このワークショップには、日本側からは政策研究大学院大学、防災科学技術研究所、アジア防災センターが、インドネシア側からは気象庁(BMKG)、バンドン工科大学(ITB)、アンダラス大学 (UNAND)、KOGAMI(NGO)等が参加しました。
検討の結果、今後、地震早期警報・予測、建物による地震被害のための技術開発、行政や住民が中心となった地震・津波対策を中心とした協力を進めていくことが確認されました。
(2010/10/4 13:10)
2010年9月21日~23日(マレーシア、クアラルンプール)
2010年9月21日から3日間にわたり、マレーシア、クアラルンプールにてコミュニティの災害リスク管理に関する研修が実施されました。アジア防災センター(ADRC)、国家安全保障会議(NSC)、防災関連省庁、地方自治体の防災部門などから約50人が参加しました。
研修はNSCのダトゥク・モハメド次官、オグ・サリム災害局局長の開会の辞で始まり、本研修を通じたコミュニティの災害対応能力強化に対する高い期待が述べられました。続く講義では、ADRC、NSC、関連省庁、NGOの専門家が、総合災害リスク管理、同国の防災政策、メカニズム、さまざまな防災の取り組みなどに関する講義を行いました。また、マレーシア気象局及び灌漑排水局を視察し、気象、河川のモニタリングシステムの実際を学びました。
参加者は熱心に研修に取り組み、さまざまな分野からの講義に対し、活発な質疑応答、議論がなされました。今後同国で予定されている地方自治体、コミュニティレベルでの研修では、今回の参加者が講師となり、講義を担当することになっています。
NSCとADRCは同国で2009年から地方行政官能力強化プロジェクトを進めており、本研修のようにコミュニティ防災活動との相乗効果が期待されます。
(2010/10/15 17:40)
2010年9月~10月(フィリピン、セブ、ダバオ、マニラ)
2010年9月から10月にかけ、フィリピン民間防衛室(OCD)/ 国家防災会議(NDCC)とアジア防災センター(ADRC)は同国セブ、ダバオ、マニラにて、地方行政官を対象とした研修を実施しました。
OCD/NDCCとADRCは2009年から地方行政官の能力強化を目的としたプログラムを進めており、今年3月には本研修の前段階として、講師を育成するための研修(TOT)を行いました。TOTに参加した10名の行政官が今回の研修で講師を務めています。
セブ(9月16-17日)、ダバオ(9月27-28日)、マニラ(10月7-8日)で行われた本研修には全体で120名を超える地方行政官が参加し、同国で多発する地震・津波、台風対策に加え、新防災法の枠組み、災害対策、危機管理システムなどの講義、そしてハザードマッピングの演習と発表が行われました。
これらのトピックに対する参加者の関心が非常に高く、活発な議論が繰り広げられました。また、災害高リスク地域での街歩きを通じて、地方行政官及び住民への意識啓発の重要性が再認識されていました。
本プロジェクトの経験が、今後の同国での地方行政官の能力強化に活用されることが期待されます。
(2010/10/15 17:40)
2010年9月15日~17日(シアトル、米国)
本ワークショップは、自然災害への備えと対応に関する経験や知識を日米の都市の担当者が共有・意見交換することを目的として、ピースウインズ・アメリカ(NGO)とシアトル市危機管理局の主催により、10月15日から17日の3日間にわたり、シアトル市の緊急センター(Emergency Operation Center)で開催されました。アジア防災センターは、主催者からの依頼により、本プログラムの準備段階では、特に日本側の参加団体等との調整を行うとともに、プログラムの実施段階では、日本の災害時の政府における調整の仕組み等についての発表及び全体のプログラムの円滑な実施に貢献しました
本プログラムへは、日本からは、防衛省、大阪府、大阪市、兵庫県、神戸市、広島県、広島市が参加し、他方、アメリカからは、FEMA(連邦危機管理庁)、サンフランシスコ市、シアトル市、キング郡(カウンティ)、ホノルル市、マイクロソフト社、ボーイング社等から危機管理・防災の担当者が多数参加し、過去の災害の経験や将来の災害への備えについて、現場に最も近い立場から実務に即した議論が活発に行われ、非常に意義深い交流が実施されました。特にアメリカ側の事例発表では、地方公共団体、民間企業、NGO等が協働して将来の災害への備えのための計画・体制づくりに取り組んでいるということが日本からの参加者にとっては非常に印象深いものとなりました。
本交流プログラムは来年以降も継続することが企画されており、日米双方の地方公共団体にとってさらに有意義なものとなっていくことが期待されます。
(2010/09/18)

研修には、コンケン県の行政官41人が集まり、災害リスク管理、各種災害対策に関する講義を受け、実際に災害リスクの高い地域を訪れ、ハザードマップを作成しました。参加した行政官は積極的に研修を受講し、住民の意識高揚など今後の防災への取り組みの重要性を再認識していました。
本研修では、DDPMとADRCの研修モジュールを元に、防災に関する指導経験を積んだ行政官自身が講義を担当しました。本プログラム3回目の研修でもあり、講師の指導も大変スムーズに実施され、今後、タイ各県で同様のプログラムを実施していくことが期待されます。

2010年7月19~20日、ソンクラー防災アカデミーに同県の行政官30人が集まり、災害リスク管理、各種災害対策に関する講義を受け、実際に災害リスクの高い地域を訪れ、ハザードマップを作成しました。
本研修では、DDPMとADRCの研修モジュールを元に、防災に関する指導経験を積んだ行政官自身が講義を担当しました。参加した行政官は積極的に研修を受講し、インフラの整備に加え、住民の意識高揚など、ハード、ソフト両面での取り組みの重要性を再認識していました。
本研修は、アセアン諸国を対象とした地方行政官能力強化事業の一環として、DDPMとADRCが昨年より取り組んでいるもので、今後、同様の研修が同国北部、東北部で計画されています。
(2010/08/05 17:40)
2010年7月1日~2日 (タイ、バンコク)
7月1日~2日の2日間にわたり、タイのバンコクにて、「防災と気候変動適応についての地域協力を促進するための地域ロードマップ」を検討するための専門家会合が、UNISDRのバンコクオフィス、ESCAP、韓国の消防防災庁NEMA及びアジア防災センターの共催で開催されました。当ロードマップは本年10月に開催される第4回アジア防災閣僚会合の主なアウトプットとなる予定です。
本専門家会合には、国連等の国際機関、各国政府の防災関係機関、国際的なNGO等から約50名にものぼる参加があり、アジア防災センターからは是澤とフィ・グェンが参加するとともに、日本の専門家としてJICA及び気象研究所からの参加を得ることができました。
本専門家会合では、ロードマップの全体の枠組み、目的及び盛り込まれるべき主な事項等について幅広く議論が行われました。今後は、UNISDRその他関係機関において、今回の専門家会合での議論を踏まえつつ、ロードマップの原案を策定し、8月11日から13日にかけて韓国のインチョンで開催される予定のISDRアジアパートナーシップ会合等を通じてさらに議論を深めていくことになります。
アジア防災センターでは、第4回アジア防災閣僚会合におけるリード機関の一つとして位置づけられており、引き続きその準備過程に積極的に参加していくこととしています。
(2010/07/05 13:10)
2010年6月23日~24日(ミャンマー、ネーピードー)
ミャンマー福祉省救済再定住局(Relief and Resettlement Department, RRD)とアジア防災センター(ADRC)は、同国の地方行政官の防災能力強化を目指すプログラムに着手しました。
これはADRCが2008年からASEAN10カ国を対象に実施する4つの防災能力開発事業の一つです。地方行政官の能力強化プログラムの他に、防災教育の促進、衛星画像の活用、GLIDE災害データベース構築の分野で実施されています。
2010年6月23日~24日、ネーピードーで、RRDとADRCは会合を開き、本プログラム実施に向け議論しました。2008年にはサイクロンナルギスにより甚大な被害を受けた同国は、暴風、洪水、地すべり、地震、津波、干ばつ、火災等、さまざまな災害リスクにさらされており、防災を担う行政官の育成は喫緊の課題です。
今後、RRDとADRCは教材開発の専門家チームを設立するなど、研修実施に向けて事業を展開していく予定です。
(2010/06/30 17:40)

カンポンアイールという水上集落を対象とし、行政官、地域のリーダーや子どもを含む住人約90人が参加しました。まず初日に地域の災害リスク、緊急避難計画などの基礎知識に関する講義を受け、その後、実際に街歩きをして、翌日、ハザードマップの作成及び報告を行いました。また同時にCPRなどの応急手当や消火器の訓練なども行われました。
暴風、洪水、火災などに多く見舞われるこの地域に暮らす参加者は、熱心にプログラムに参加し、定期的な開催を求める声も上がりました。
今回で4回目となる本プログラムは、昨年11月にNDMCとADRCが実施した、講師育成のための研修(TOT)を受講した行政官が講師を務めています。今回をもって本プログラムは終了となりますが、研修の経験が他の地域に共有されていくことが期待されます。
本プログラムはアセアン地方行政官能力強化プロジェクトの活動の一つであり、各国の行政官の災害対応能力の強化を目指しています。これまでカンボジア、ラオス、ベトナムで実施されており、今後はマレーシア、フィリピン、タイ、インドネシア、ミャンマー、シンガポールで、同様の研修を予定しています。
(2010/06/18 17:40)
2009年5月20日 (マカティ、フィリピン)
本会議は、ASEAN Committee on Disaster Management (ACDM)が主催し、同委員会の現議長国であるフィリピン政府がホストしたものです。

紹介されたFlagship Projectsの中には、ADRCとASEANで既に協力しているもの、ADRCが他の国々でこれまで実施してきたものなどが含まれていますので、このような経験を生かしつつ、今後のASEANに対するADRCとしての協力のあり方を検討していく予定です。
(2010/05/31 13:10)
2010年5月5日~6日 (シンガポール)
本会議は、CAG, CSIS及びAPEC共催によるものであり、非伝統的安全保障分野における地域協力、特にエネルギー安全保障、気候変動および自然災害対応に関するCSISの研究活動の一環であり、主催の3機関の専門家に加えて、アジア各国からエネルギー安全保障、気候変動、自然災害対応の専門家が数多く参加しました。

今回の会議での討議を踏まえCSISで年内にもレポートを作成する予定ですが、防災が非伝統的安全保障の分野の一つとして重要性を増している一方で、数多くの防災機関が類似の会議・活動を行っており、一部に重複感が認められるため、相互の連携を一層図ることなどにより、それぞれの機関や活動の質を向上等の合理化が求められている実態が明らかになったと思われます。
アジア防災センターでは、アジアの諸機関との連携を図りつつ、各国にとって真に役に立つ活動に一層注力していきたいと思います。
(2010/05/11 13:10)
2010年3月25~26日(ベトナム、フエ)
2010年3月25日~25日、ベトナム中央暴風洪水管理委員会(CCFSC)とアジア防災センターは同国フエ省にて、地方行政官を対象としたワークショップを開催し、同省の防災担当行政官と、CCFSC、ADRCから合計35名が参加しました。
このワークショップはASEAN地方行政官能力強化プロジェクトの一部であり、ベトナムラオスで実施されるものとしてはティエンジアン省、ラオカイ省に続く、3回目のワークショップとなるものです。
ワークショップでは、同省の防災体制、法制度、早期警戒システムなどの講義と、ハザードマッピング・タウンウォッチングが行われました。2009年6月に本プロジェクトで実施した講師育成のための研修(TOT)の参加者が、今回講師を務めました。参加者は意欲的で、各セッションで活発に質疑、議論が繰り広げられました。
ベトナムでの本プロジェクトは本研修をもって終了となりますが、その成果が他の省にも共有され、同国の地方行政官能力強化プログラムに反映されることが期待されます。
今後2010年度はブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイで同様の研修が予定されています。
(2010/03/31 17:40)
2010年2月~3月(タイ、フィリピン)
2010年2月下旬及び3月上旬、タイ防災局(DDPM)、フィリピン民間防衛室(OCD)及び国家防災会議(NDCC)とアジア防災センター(ADRC)は、それぞれバンコク、マニラにて防災担当の行政官に向けた研修を実施しました。
これはアセアン地方行政官能力強化プロジェクトの一部であり、アセアン各国の防災機関とADRCは、各国で行政官を講師として育成し、次いでその行政官が地方行政官を対象に研修を実施するものです。
(写真:研修の様子。上からタイ、フィリピン)

(2010/03/08 17:40)
2010年1~2月(カンボジア)
2010年1月下旬から2月上旬にかけ、カンボジア国家防災委員会(NCDM)とアジア防災センター(ADRC)は、同国コンポンチュナン(1月25-26日)、ポーサット(1月28-29日)、コンポントム州(2月1-2日)にて、地方行政官を対象としたワークショップを開催しました。各州の防災委員会に所属する部局から約30名、3州より計90名の地方行政官が参加しました。

ワークショップでは同国の防災システム、災害リスク、総合防災などの講義に続き、タウンウォッチング・ハザードマッピングを実施し、参加者は防災リスク削減や、住民の防災意識啓発に関する手法を学びました。
参加者の関心も高く、活発な議論が繰り広げられました。NCDM、各州の協力を受け、ワークショップは成功裡に終わりました。今後、本ワークショップの成果が他の地域でも共有されることが期待されます。
(2010/01/25 17:40)
2009年12月21~22日(ラオス、ルアンナムタ)
2009年12月21日~22日、ラオス国家防災室(NDMO)とアジア防災センターは同国ルアンナムタ県にて、地方行政官を対象としたワークショップを開催し、同県の防災担当行政官約30名と、NDMOから3名、ADRCから1名が参加しました。
このワークショップはASEAN地方行政官能力強化プロジェクトの一部であり、ラオスで実施されるものとしてはビエンチャン県、ボリカムサイ県に続く、3回目のワークショップとなるものです。
期間中、参加した地方行政官は、災害と、リスク、中央・地方の防災法制度、リスク評価、洪水対策などの講義を受講しました。講義は2009年6月に本プロジェクトで実施した講師育成のための研修(TOT)を元に進められ、TOTの参加者が今回の研修で講師を務めています。NDMO、同県の行政官のサポートを受け、活発な議論が繰り広げられ、実りあるものとなりました。
この研修の成果が他の県にも共有され、同国の地方行政官能力強化の一助となることが期待されます。
今後2010年前半には、本プロジェクトの1年目対象国カンボジア、ベトナムにおいても、同様の地方行政官を対象とした研修が計画されています。
(2010/01/04 17:40)
2009年12月13~14日(ダッカ、バングラデシュ)

バングラデシュではサイクロン、洪水、高潮等の災害に脆弱であることが知られていますが、1996年にタンガイル地方で発生した竜巻では約700人の死者を出すなど竜巻による被害も甚大であるにもかかわらず、その対策はほとんどなされていないのが現状です。このような状況に鑑みて、今回のフォーラムは、竜巻等の局地的な災害に関する意識啓発を行うとともに、そのような災害に対する戦略を策定するなどにより、災害リスクの軽減を図っていくことなどを目指したものです。
ADRCの発表では、南アジア地域連合諸国における兵庫行動枠組の進捗状況や諸課題、災害に関する意識啓発・教育の意義及びバングラデシュでした実施した防災教育の事例等について説明を行いました。詳しくは、http://www.iawe.org/WRDRR_Bangladesh/を参照下さい。
(2009/12/14 13:10)



今回の研修は講師育成を目的としており、防災担当官、関連省庁、消防関係者などから約20名が参加しました。研修第一日目、二日目に、ブルネイ及び日本の防災対策、兵庫行動枠組(HFA)、個別の災害に対する対策などの講義があり、参加者は防災に対する知識を深めました。第三日目はフィールドワークとしてTutong地区にてタウンウォッチングを実施した後、コミュニティベースのマルチハザードマップを作成し、コミュニティの意識啓発について議論しました。今後同国では、地方行政官を対象とした研修を実施し、本研修の参加者が講師を務める予定です。また各国で、TOT、地方行政官への研修が順次展開されていきます。
(2009/12/15 17:40)
2009年9月9日~11日(ブータン王国)
このプロジェクトは、公共建築物等の耐震化を中心として、地震発生時の被害の軽減および復興のための拠点の確保と的確で迅速な復興活動を可能にする、安全で安心なコミュニティおよび地域を創出することを目的としている。
今回のワークショップでは、ブータン王国政府で作成した地震防災および耐震設計に関するガイドライン等を日本側で再検討し、その再検討の結果をブータン側の技術者に対して説明するとともに、意見交換を行うことであった。
ワークショップには首都ティンプー及びその周辺地域から18名の技術者が参加し、ブータン側が作成したガイドライン等に関して、日本の専門家からそれに対する評価や他の事例との比較結果等について説明を行い、ブータン側の出席者との間で活発な質疑応答や意見交換が行われた。
(2009/9/16/13:20)

ADRCは会議のプレイベントやスペシャルイベントなどを主催・共催し、中央アジアの協力推進や、宇宙技術の防災への利用に関するUN-SPIDERプログラム、風災害に関するグループの立ち上げ、地域住民が古くから持つ防災に関する知恵の有効利用などについて、協議する機会を提供しました。また、多くの参加者が会する機会を利用し、関係機関からの参加者とさらに協力を進めていくための非公式の会談などを行いました。
また、会議のマーケット・プレース(展示場)で、最近の主な活動やサービスなどについて紹介を行いました。
グローバル・プラットフォームに関するさらに詳しい情報(英語)は下記ウェブサイトよりご参照いただけます。
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2009/
ASEAN地方行政官能力強化プロジェクト
2009年6月10~12日(ベトナム)、6月16~18日(カンボジア)、6月23~25日(ラオス)
2009年6月、ADRCはベトナム、カンボジア、ラオスで各国の防災機関と、ASEAN地方行政官能力強化プロジェクトにおける講師を育成するための研修を実施しました。本プロジェクトは防災を担当する地方行政官の能力強化を目指しており、ASEAN各国で各10人講師を育成し、その講師が地方行政官(各90人)を対象とした研修を行うというものです。
2009年6月10~12日、ベトナム防災センター(DMC)とADRCはハノイにて、トゥアティエンフエ省、ラオカイ省、ティエンジアン省及びDMCの参加者を得て、研修を実施しました。ADRC、DMC、ベトナム赤十字からの専門家が、リスク評価、洪水対策、トレーニングスキルなどの講義を実施し、最終日にハノイ市内でタウンウォッチングを行い、コミュニティレベルのハザードマップを作成しました。
2009年6月16~18日、プノンペンで実施した研修には、コンポントム州、ポーサット州、コンポンチュナン州の防災担当者が参加し、カンボジア国家防災委員会(NCDM)とADRCが講師を務め、総合的な防災対策、同国の防災対策とその現状、防災と開発計画などの講義を行いました。最終日にはカンダール州でタウンウォッチング、コミュニティレベルのハザードマップ作成を実施しました。
2009年6月23~25日、ラオス、ビエンチャン県で同国国家防災室(NDMO)とADRCは研修を実施しました。ビエンチャン県、ボリカムサイ県、ルアンアムタ県からの行政官が、ADRC、NDMO、UNICEF、ラオス教育省、気象庁の専門家から緊急災害対策、都市計画と防災、早期警戒システム、災害時迅速評価などの講義を受けました。また県別にハザードマップを作成し、リスク評価を行いました。
それぞれの研修で、出席した地方行政官はさまざまなトピックスに関し知見を深め、今後の地方行政官研修に向け、活発な議論を繰り広げました。さらにハザードマップ作成では研修で学んだ知識を活かして、当該地のリスクを評価し、各セクターのとるべき対策について討議し、住民の災害リスク軽減に対する意識向上の重要性について認識しました。
本研修の結果を踏まえ、各国とADRCは今回の研修生が講師を務める地方行政官を対象とした研修を今後随時展開していく予定です。
(2009/07/02 17:40)
2009年5月21日~22日(ブルネイ)、5月27日~28日(マレーシア)
2009年5月、ASEAN地方行政官能力強化プロジェクトが、ブルネイ、マレーシアにて始動しました。本事業はASEAN各国における防災担当の地方行政官の能力強化を目指すもので、第2年目となる本年度は、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイの各国を対象としており、今回のブルネイ、マレーシアに先立ち、4月にはフィリピンとタイで開始しています。
5月21日~22日、ブルネイ、バンダルスリブガワンにてブルネイ国家防災センター(NDMC)と、5月27日~28日はマレーシア、クアラルンプールでマレーシア国家安全保障会議(NSC)とADRCはそれぞれキックオフミーティングを開催しました。ADRCから本事業の概要を説明した後、NDMC、NSC各自の防災体制、行政官に対する研修体制についての発表がありました。両国の研修ニーズを踏まえ、研修の時期、トピックス、対象地域などについて協議しました。今後、研修教材を開発した後、講師を育成するための研修、それに続き、地方行政官への研修が実施される予定です。
(2009/06/29 17:40)

2009年4月、ASEAN地方行政官能力強化プロジェクトの第2年目がフィリピン及びタイで始動しました。本事業はASEAN各国における防災担当の地方行政官の能力強化を目指すもので、第2年目となる本年度は、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイの各国を対象としています。
4月22日~23日フィリピン、マニラ、4月27日~28日はタイ、バンコクで、ADRCはそれぞれの防災機関であるNDCC、DDPMと本事業のキックオフミーティングを開催しました。会議では各自の防災体制、防災行政官への研修の実績を踏まえ、研修ニーズを確認し、本プロジェクトでの研修トピックス、講義を行う専門家、講師を育成するための研修及び、続いて実施される地方行政官に対する研修の詳細、教材開発などについて協議しました。また両国で防災研修施設NDCP、DMPAを視察しました。
(2009/05/25 17:40)
2009年4月7~9日(成都市、中国)
2009年4月7日から9日まで、中国四川省建設庁、広東省建設庁、アバ州人民政府、中国建築科学研究院の主催により、成都市で「映秀復旧復興国際フォーラム」が開催されました。アジア防災センターは、このフォーラムの共催機関の一つとして参加し、詳細については、下記ファイルを参照。
Forum_Report_j.pdf