2017年3月9日~11日(イラン、マシュハド)
アジア防災センター(ADRC)及び国際復興支援プラットフォーム(IRP)を代表して派遣された復興専門官は、2017年3月9日~11日に、イラン、マシュハド市で開催された「地域レベルの仙台防災枠組の実行に関するワークショップ」において、UNISDRの国際防災教育研修所(GETI)とともに共同ファシリテーターを務めました。ワークショップは、マシュハド災害対策局が、マシュハド市当局の災害に対する強靱性を確保することを支援するために主催し、マシュハド市及びシーラーズ市から100名を越える自治体政府職員が参加しました。
マシュハド市は、テヘラン市に次いで、人口、経済、産業の面において、イランで第二の重要な都市であるだけでなく、二番目に災害リスクに曝された都市でもあります。マシュハド市当局は、主に地震と洪水のリスクに曝されていることから、そうした災害リスク軽減のための施策を実行する必要性を認識しています。また、同市当局は、同市の持続可能な開発の実現を目指して、防災や災害リスク管理を推進するための重要な政策と法整備に、積極的に取り組んでいます。さらに、災害復興過程における「Build Back Better」への備えの観点から、防災を都市開発プロセスに組み込むことや、妥当なレベルのリスク軽減を行う取組を推進しています。加えて、同市当局は、UNISDRが進める「世界防災キャンペーン『災害に強い都市の構築(MCR: Making Cities Resilient)』」へ積極的に参加をしています。このキャンペーンは、災害に強いまちづくりを目的に、「災害に強い都市の構築のための10の必須項目」に基づく「都市強靱化アクションプラン」を策定・実行することを中心に、地域レベルの専門家や政府職員の能力開発を支援しています。ADRC及びIRPを代表した復興専門官は、「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」に沿って、世界における災害の経験や優良実践事例を共有しました。
今後の展開として、マシュハド市当局は、この地域において今回のワークショップを受け入れた先駆的な地方自治体政府の一つとして、次の二つの主要な活動を進めていくことを表明しました。一つ目は、ワークショップでの議論を継続し、計画策定へと推進していくためのチームを結成して、今後8ヶ月の間に、「都市強靱化アクションプラン」の草案作成と、その策定・実行へ向けた準備を進めることです。二つ目は、マシュハド災害対策局が、マシュハド市にイランにおける都市防災教育研修センターを設置する計画の実現に向けた調整を推進することです。
(2017/03/17 14:40)