2024年10月14日~18日 (フィリピン、マニラ)
準天頂衛星システム(QZSS:Quasi Zenith Satellite Systems)は測位・通信の機能がそれと似ていることから「日本のGPS」と呼ばれています。2024年10月14日~18日にフィリピンのマニラで開催されたアジア太平洋防災閣僚級会議(APMCDRR)にて、ADRCは国際協力機構(JICA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や関係協力機関と共同でパートナーイベントを開催し、ジェラルド・ポトゥタン主任研究員が早期警報システムの向上におけるQZSSの貢献について発表しました。
QZSSの貢献として一つ目に、山岳地帯や離島といったWi-Fiやインターネット、モバイルネットワークのアクセスが限られている地域にも早期警報メッセージを送信することができるため、そのような地域での早期警報システムを改善することができます。二つ目に、地上通信網が災害で被災した場合に、QZSSは災害リスクのある地域に警報メッセージを送信するためのバックアップシステムとして機能します。また、QZSSは衛星測位システムでもあるため、警報メッセージは特定の被災地域に限定して送信することができます。
このパートナーイベントの詳細については、こちらのリンクをご参照ください。
APMCDRRでは、ADRCはパートナーイベントのほか、活動紹介のポスター展示を行いました。1) 災害リスクマネジメントのための衛星観測とメッセージ送信サービスの促進、2) ICT(情報通信技術)を活用したコミュニティ防災、3) 防災力向上のための人材育成プログラムの実施について紹介しました。
最終日には、ADRCはJICAの協力プロジェクト「パッシグ・マリキナ川河川改修事業」の現場視察に参加し、マリキナ市、パシッグ市を訪問しました。同事業ではマニラ首都圏の洪水被害をさらに軽減するための河川拡幅等を実施してお、現場視察を通じて事業の取り組みについて理解を深めました。
(2024/10/25 15:00)