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ADRC活動報告

2021年度オンライン津波セミナー

2022年3月9日(オンライン)
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ADRCは、「世界津波の日」普及啓発イベントとして、今年度もオンライン津波セミナーを2022年3月9日に開催しました。今回のセミナーは、津波頻発国であるチリのバルパライソ大学(チリ)からマウリシオ・ライス・ガラルド准教授を招き、「チリにおける津波防災の経験」と題して講演いただきました。

はじめに、チリの概要について、スペインの植民地化から現代に至るまでの歴史的経緯、人口動態の変化と都市化の進展、地震や津波の多い地理・地形などが紹介されました。そして、災害リスクについて、チリはマルチハザードの国であり、その中でも最も顕著なハザードが地震と津波であり、例として1960年、2007年、2010年、2015年等に発生した津波を挙げ、これらの経験は津波リスク管理を強化する契機になったと述べました。

具体的には、第一に、日本のツールの採用などによる津波早期警報システムの技術的な改善や、津波現象の監視と研究の継続的な取組みが促進されました。第二に、国家建築基準法および耐震補強基準の策定と採択を導きました。第三に、「国家津波警報システム」(SNAM)と「津波予測・警報統合システム」(SIPAT)が適用され、人々に津波の危険性を周知させるとともに、安全な避難行動を促すようになりました。しかし、津波リスク管理は改善されたものの、チリでは都市計画の欠如、社会的・経済的・文化的な複雑さ、教育不足、テクノロジーの活用不足、インフラの整備不良などの要因から、依然として津波に脆弱であり、複雑な津波リスクの中で更なるシステムを構築していくためには、リスクガバナンスが重要であると強調しました。

最後に、ADRCの中川雅章所長が、講師と参加者への謝辞を述べるとともに、2022年1月に発生したトンガの火山噴火とその後の津波は、多くの国に津波の危険性があることを改めて認識させたとし、今後も日本や他の国で得られた経験や教訓を共有することで、ADRCは津波防災を推進していくと締め括りました。

本セミナーの講演資料など詳細につきましては、下記のサイトからご覧ください。
2021年度オンライン津波セミナー:https://www.adrc.asia/acdr/2021tsunami

(2022/5/2 15:00)
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