
ADRC活動報告: 地域・国名 >> フィリピン

2016年11月28日~29日(フィリピン、イリガ市)

この会合は、イリガ市長のマデレーヌ・ヨローブ・アルフェロ氏が、インド、ニューデリで開催されたアジア防災閣僚級会合の成果から着想を得て、仙台防災枠組の実行において、とりわけ、地域レベルの首長や市長の重要な役割について議論するために、着手・開催されました。イリガ市での会期中に、アルフェロ市長は、なぜ、このビコル地域の全ての首長や市長が集まる必要性があったのか、二つの理由を挙げました。一つは、地方自治体(LGUs)が、台風、洪水、火山噴火、地震などのハザードによってもたらされるリスクに対処する準備状況について表明することです。もう一つは、「世界防災キャンペーン『災害に強い都市の構築(MCR: Making Cities Resilient)』」によって提示された「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」の適用を通じてコミュニティの強靱化を促進することを目的とした、地方自治体の首長のより一層の取組を引き出すことです。
約85名の市長と各地方自治体の災害対策局(DRRMO: Disaster Risk Reduction Management Office)から120名を越える職員がこの会合に参加し、UNISDRの国際防災教育研修所(GETI)並びにアジア防災センター(ADRC)及び国際復興支援プラットフォーム(IRP)を代表した復興専門官がファシリテーター役を務めた2日間のワークショップを通して、「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」とその適用について学びました。この「十題必須項目」は、地方自治体が自らの防災計画を強化するために適用することが出来ます。この中の二つ、9番目と10番目の項目は「Build Back Better」に関連していて、この観点から、ADRC/ IRPを代表した復興専門官は、世界における災害の経験や優良実践事例を共有しました。過去の教訓から学ぶことによって、地方自治体は災害対策における弱点を明らかにし、それに対処することが出来ます。
今回のワークショップで取りまとめられた今後に向けた提言としては、ビコル地方の全地域の災害対策局の職員が、知識や経験を共有するためのプラットフォームの組織化を計画することです。次回会合では、各災害対策局は、今回のイリガ市におけるワークショップで明記され、確認された優先行動を実行に移す方法について議論します。
(2016/11/30 14:40)
2016年11月25日(フィリピン、マカティ市)

UNISDRの国際防災教育研修所(GETI: Global Education and Training Institute)とともに、復興専門官は、業務継続計画のツールが、次の目的の達成に役立つことを発表しました。① 地方自治体政府が、あらゆる状況下で、その最も重要な機能を確実に果たすこと、② 生命及び財産の損失や被害を最小限に抑えること、③ 壊滅的な打撃によって行政機関がその権限や責任を担い遂行することが不可能となり、その機能や能力を失った場合に、付属機関への権限委譲が的確に発令され、それを実行すること、④ 壊滅的な状態を軽減・緩和し、業務を継続させること、そして、⑤ 壊滅的な状態であっても、地方自治体政府が、その最も重要な機能を果たすことが可能となる施設・設備を確保することです。
マカティ市政府の様々な部局を代表した約75名の職員が今回のワークショップに参加しました。業務継続計画のツールを補完するために、フィリピンの様々な地元の企業・団体から事業継続計画(BCP: Business Continuity Planning)の経験が発表されました。それらの発表の中には、メトロマニラ開発局(MMDA: Metro Manila Development Authority)、ネスレ・フィリピン(Nestle Philippines)、プライスウォーターハウスクーパース(PwC: PricewaterhouseCoopers)、サンファン市政府、フィリピン災害復興基金(PDRF: Philippine Disaster Resilience Foundation)フィリピン事業継続管理者協会(BCMAP: Business Continuity Managers Association of the Philippines)などの発表がありました。
様々な意見が出された後、参加者は、マカティ市政府の業務継続計画で定めるべき最優先事項が明らかになりました。その中には、マカティ市政府が、災害による壊滅的な打撃を受けた場合に、マカティ市政府の災害対策局(DRRMO: Disaster Risk Reduction Management Office)がその最も重要な機能を果たすことが可能となる、遠隔地の代替施設を整備することも含まれました。また、参加者は、行政の長が執行不能となった場合に、いつでも権限委譲が的確に発令され、それを実行する、決定的な手続の骨子をまとめることも、優先事項に挙げました。
今回のワークショップで、今後に向けた提言がまとまりました。マカティ市災害対策局の職員が市政府の全部局の代表とともに、進捗状況を検証し、マカティ市政府の業務継続計画の最終案作成に向けたより詳細な議論を進めるために、2017年3月に再開することになりました。
(2016/11/30 14:40)
2016年11月17日~18日(フィリピン、マニラ)

このフォーラムには、土地利用管理や災害リスク管理に関する専門知識を有した100名を越える政策決定者や専門家が参加しました。
日本やカナダ、インドネシア、ミャンマー、ニュージーランド、フィリピン、タイから参加した主要なスピーカーは、震災復興に係る土地利用/空間計画の観点から、どのようにして防災に関する課題に対処するのかについて議論を深めました。
今回のフォーラムを通して、大規模災害が発生すると、それに伴って再建に向けた活動が大規模に実施されることから、多くの場合に空間構造変化がもたらされることが認識されました。このため、再建に続く復興過程では、既存の空間開発に関連した課題だけでなく新たな課題に対処できる機会が与えられます。被災後の段階における土地利用と住宅に関連した課題対応の取組として、(i) 新たな土地利用戦略の導入、(ii) ハザードを受けやすい地域を避けて建築することへのインセンティブの制度化と提供、(iii) 変化するハザードのパターンを要素として組み込んだ新たな空間的成長モデルの提案、(iv) 不動産名義と権利に関する課題への対処、(v) 社会的一体性を再構築し、向上させることを目指した一般参加型のアプローチの適用、(vi) 将来的な災害対策としてハードとソフトの投資を組み合わせた事業が紹介されました。
また、今回のフォーラムには、3つのテーマ別セッションが含まれ、重要なメッセージと推奨される取組が発表されました。
1つ目は、復興政策をテーマにしたセッションで、土地利用、リスク情報、自治体の対応力、資金調達、現場で必要とされるスピードを確保した施策の実行などに関連した課題への対応に着目した政策的措置が発表されました。
2つ目は、中央政府と地方政府間の関係など、水平的及び垂直的な組織間の調整の課題をテーマにしたセッションです。このセッションで提案されたのは、潜在する災害リスク要因を突き止め、それに対処することです。組織全般にわたるアプローチ(例えば核となる組織に着目した方法など)によって、復興対策をデザインすることは、組織間の水平的及び垂直的なつながりを強化することになり、課題対応への取組を容易にすることに役立ちます。
最後は、優良な実践事例や革新的なツールをテーマにしたセッションです。このセッションで、国際復興支援プラットフォーム(IRP)から国際的な経験をいくつか紹介しました。IRPが推奨したことは、① 「失敗の分析によって学ぶこと」や「Build Back Better(より良い復興)」を具体的に実行することによって過去の災害経験を検証すること、② 復興の課題や障害(土地利用や住宅供給の課題を含む。)に対処するために、世界各地の経験から得た戦略と取組を、状況に応じたオプションとしてメニューから選択できるようにすること、③土地利用計画の有効性(例:制度的な調整-政策、法令・規則、プログラム間の調整を強化すること。)を促進するため、事前復興計画(事前対策の調査、事前復興支援協定を含む。)を策定することの3つを発表しました。
(2016/11/21 14:40)
2016年10月24~26日(セブ市、フィリピン)
アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP: United Nations Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)、世界気象機関台風委員会(WMO/TC: World Meteorological Organization / Typhoon Committee)が主催し、フィリピン大気地球物理天文局(Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration)とセブ州の現地組織委員会(Local Organizing Committee)が後援する台風委員会第11回統合ワークショップ(IWS : Integrated Workshop)に参加しました。
当センターは上田研究員が代表として25日の防災分科会に出席、午前の会議でメンバー報告を行い、午後は防災部会(WGDRR : Working Group on Disaster Risk Reduction)による年次事業計画(AOP : Annual Operation Plan)の当年度進捗状況と次年度に向けた取組み方針及び予算に関する協議に参加しました。
メンバー報告では、中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国、中国香港特別行政区、日本、ラオス人民民主共和国、マレーシア、タイ王国、大韓民国、アメリカ合衆国、ヴェトナム社会主義共和国の10か国が、2016年における台風を中心とした災害の概況、台風員会関連事業の進捗状況や防災への取組みを紹介しました。
当センターの上田研究員は、本年度我が国に上陸した台風の特徴を述べ、太平洋側から関東、東北地方と北海道を襲ったことにより、台風の経験が少ないそれら地域に大きな被害をもたらしたことを報告するとともに、これら災害の特徴や被害の内容を分析可能なデータセットとして蓄積する取組みを進める必要があることを示唆しました。
午後の年次事業計画に関する協議では、中国代表が同国が実施国となっている本年度の第4事業である「台風災害の予防と準備にかかる便益評価(Benefit evaluation of Typhoon disaster prevention and preparedness)」に関して、台風の進路予測等の誤差を低減することにより相当の経済損失を抑制できるとする有意義な報告を行いました。
今回は非常に短い滞在でしたが、後援くださった現地組織委員会のご尽力により、たいへん円滑で快適な旅行ができました。この報告の最後に会合の開催に尽力された皆様に改めて深い感謝の意を表したいと思います。
(2016/10/24 19:30)
国際復興支援プラットフォーム (IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、マニラ気象台の要請を受け、SMプライム(フィリピンの不動産開発大手企業)及びフィリピン災害復興基金と協力し、2016年4月29日にフィリピン、マカティ市のアジア経営大学院で開催された「事前災害復興計画に係るオリエンテーション・ワークショップ」の支援を行いました。
このワークショップには、市民社会(シビル・ソサエティ)や科学界、学術団体、マスメディア、地域社会の代表者など、官民セクターから約90名の参加者が集まり、事前復興計画の本質について学びました。参加者の構成が多様性に富んでいたため、効果的に事前復興計画の演習を実施することが出来、また、復興過程においてお互いの機能を補完的に支援することを促すことも出来ました。
今回のワークショップでは、世界中の災害復興の経験から得られた、戦略、行動、事例研究を含む現時点のツールや経験に基づいて、事前復興計画を策定するための様々なアプローチを探ることが出来ました。特に日本において、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、そして、熊本地震(2016年)の復旧・復興過程で活かされた事前の災害時応援協定や復興支援協定などの経験や教訓は注目を集めました。
また、フィリピンからの著名なスピーカー、とりわけ、マニラ気象台のアントニア・ロイザガ氏、SMプライムのリザ・シレリオ氏、フィリピン災害復興基金のギレルモ・ルーズ氏、フィリピン市民防衛局のアレキサンダー・パマ大将、そして、フィリピン経済開発局のレメディオス・エンデンチア氏から、事前復興計画の重要性について強調する発言が際立ちました。
ワークショップでの発表者は、総じて、事前復興計画が本質的であることを認識しており、さらに、政府関係機関や地域社会のセクターは、災害復興の過程において、同じような組織的、政策的な課題に直面することが、事前復興計画の重要性を高めていると考えていました。例えば、災害に対するガバナンスや財政管理、効果的運用の問題、被災地における再開発基準や輸送の問題、被災者の健康・生活面の問題などは、全てのセクターにおいて共通の課題として考えられます。したがって、事前復興計画をあらかじめ策定しなければ、社会全体で巨大な損失が連動して発生することとなるのです。
事前復興計画を策定することの利点として、まず、第一に、全てのステークホルダーが、分野横断的、学際的、省庁間・部局間が協力して、事前復興計画を策定することによって、復興の速度を速めることが出来ます。また、お互いに協力した計画策定と実行が促され、不明確さや、重複、ボトルネックとなる部分を最小限にすることが出来ます。第二に、全てのステークホルダー間のさらなる強力な関係を構築することが出来て、災害直後のストレス下での不適当な決断を避けることが出来ます。全てのステークホルダーが復興への全面的な参加・協力に備えることによって、自ら積極的に関与し、事前にリスクを知悉したうえで決断をすることが容易になります。最後に事前復興計画の策定は、復興過程を財政的に支援するための仕組み(例:事前復興支援協定や契約によるサービス提供など)をあらかじめ確立することが出来ます。
今回のワークショップでは、フィリピン火山地震研究所から提供されたメトロ・マニラ地域の地震シナリオを使用することによって、主に2つの成果を上げることが出来ました。一つは、「事前復興計画のためのチェックリスト」であり、もう一つは、「事前復興支援協定のひな型」です。今後、参加者は、フィリピン政府災害対策調整会議とともに、今回の議論をさらに前向きに進めていくことに同意し、災害復興過程における事前復興支援協定を実現するための選択肢を調査していくこととなりました。
(2016/04/29 14:40)


2015年9月22~23日(フィリピン)
ADRCは、フィリピンのイロイロ市で9月22-23日に開催された、APEC 第9回シニアレベル防災フォーラムに参加しました。この会議は、フィリピンNDRRMC及びOCDが主催したもので、APECエコノミー、民間セクター、非政府組織等が参加しました。会合は、防災に関する多様な議題を扱い、APECにおけるベスト・プラクティスの共有に資するものでした。日本からは内閣府(防災担当)審議官が出席し「災害から経済利益を守る」と題し、主に東日本大震災による経済被害とそれからの復興等に関する発表が行われました。フォーラムの成果として、APEC加盟エコノミーが直面するであろう災害と、新たな現実、「ニューノーマル」に立ち向かっていくための、「APEC防災枠組み(案)」が議論され、会合終了後、10月中旬に合意され、その後、11月にはAPEC閣僚共同声明においても支持され、首脳宣言においても採択されました。
(2015/09/22 12:30)
2015年8月19日~21日(フィリピン、マニラ)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、8月19日~21日に、フィリピン、パシッグ市のディスカバリー・スイートで開催された「災害リスク軽減及び気候変動適応を政策立案・計画策定に向けて推進するワークショップ」へ復興専門官のジェラルド・ポトゥタン氏をプレゼンターとして派遣し、その開催を支援しました。

このワークショップは、フィリピンの「国家災害リスク軽減管理評議会」が率先し、ADRCと同じくIRPの構成団体の一つである国連国際防災戦略事務局(UNISDR)の国際防災教育研修所(GETI)の支援を受けて開催されました。
フィリピン政府高官や現地NGOの代表者など25名が参加し、第3回国連防災世界会議で採択された「仙台枠組(SFDRR)」を踏まえて、世界的にこれに沿った活動がどの程度なされているのか、その進捗度合いを評価する指標(案)を検討する機会となりました。
また、フィリピン政府にとっては、現行の「国家防災枠組(2011-2028年計画)」を「仙台枠組」の優先行動に沿った形に見直すための絶好の機会ともなりました。
IRP/ADRCは、そうした優先行動について、さらなる理解を促進するため、世界における実践事例の中でも、特に、次の観点の事例を重点的に提供しました。
(a) 災害リスク管理のための政策および実践(脆弱性、対応能力、災害の危険にさらされている人口・資産、災害の特徴、環境優先度のあらゆる側面から)
(b)
国家、地域、地球規模レベルにおける「災害リスクガバナンス」
(c)
災害リスク防止・軽減に対する官民共同出資:経済的、社会的、保健的、文化的な強靱性を高めるための構造的・非構造的な施策
(d) 効果的な応急対応に向けた備えの強化と「より良い復興(ビルド・バック・ベター)」
このワークショップの成果として、次の2点が挙げられました。
(a)
「国家災害リスク軽減管理評議会」から「仙台枠組」を踏まえた活動の進捗度合いを評価する指標の開発過程に対する勧告
(b) 現行の「国家防災枠組(2011-2028年計画)」を「仙台枠組」の優先行動に沿った形にするための「国家災害リスク軽減管理評議会」の行動計画
現行の指標は、政策や法的枠組の評価に重点を置いていると認められ、それゆえ、「仙台枠組」の4つの優先行動に沿った既存のプログラム、スキーム、活動を捉え得る指標とすることが勧告されました。さらに、参加者からは、「より良い復興(ビルド・バック・ベター)」に対するプログラム、財政的支援や活動などを現行の「国家防災枠組(2011-2028年計画)」に組み入れることが提案されました。
(2015/08/24
14:40)
プロジェクトでは、OCDの防災計画策定に関する活動、DRRM情報管理の標準化、DRRM教育訓練システムの強化、コミュニティDRRM活動支援システムの強化に対し技術的な支援を行いました。
アジア防災センターは、このうちDRRM教育訓練システムの強化に関して活動をおこない、優先的な研修プログラムとして国家・地方行政官および民間企業向けの研修プログラムを含む国家DRRM教育研修計画の策定や、OCDの職員向けの市民防衛教育研修プログラムの策定を支援しました。
本プロジェクトに関するさらに詳しい情報は、下記の最終報告書をご参照ください。
http://libopac.jica.go.jp/images/report/12231437.pdf
(pdf, 4.29MB, JICA Library)
2015年2月25日(フィリピン、マニラ)
2015年2月25日、カルロス・ロムロ財団やマニラ気象台などフィリピンにおける官民が一体となった「マニラ首都圏地震対策委員会」専門家会合が開催されました。会場には、フィリピン外務省や在マニラ日本大使館を含む政府関係者のほか、企業防災の関係者など90名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)からは河内が参加しました。
会議冒頭では、主催者より今会合の趣旨について説明がなされました。続いて、フィリピン国立地震火山研究所のソリダム所長より、近い将来に発生が想定されているマニラ都市圏の断層型地震と海溝型地震について発表がありました。ADRC/IRPとしては、日本における地震への備え、かつての大規模地震後の応急・復旧・復興対策について、パワーポイントによる発表を行いました。2011年の東日本大震災以降、防災面における官民連携がさらに重要視され、政府や自治体、企業、大学などの学術機関、市民と地域団体が有機的に連携しながら、復興支援や防災協力を進めていることについて述べました。防災における官民連携については、昨年2014年1月、兵庫県神戸市で開催した「IRP国際復興フォーラム2014」に同国OCD副局長を日本に招聘、日本の防災関係者やメディアを通じて、広くその重要性について訴求したこと、また、その後も、ADRC・IRP共催による「フィリピン地方政府行政官向け人材育成ワークショップ」を同国の企業体や民間部門と連携しながら、企画運営したことを紹介しました。
日本の防災行政システムをモデルとして、法改正・体制強化に着実に取り組んできたフィリピンは、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念が普及しつつあり、また都市化が進む中での地震災害対策や、高層ビルにおける長周期振動対策など、中央政府、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクターといったマルチ・ステークホルダーが一体となって取組む重要性にも、日本と共通の理解を示しています。
IRPとしては、ソフト・ハード両面における技術移転事業や人材育成事業等の分野について、これまでもフィリピンへの防災協力を推し進めておりましたが、今後も引き続き、都市型地震に係る事前復興計画の策定など同国の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問合せは、河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。
(2015/2/27 14:50)
2014年11月3~5日(フィリピン、マニラ)

公共事業にも大きな関わりを持つボニファシオ地所サービス社(BESC)からの依頼により、ADRC/IRPはUNISDRのグローバル教育トレーニングセンター(GETI)と協力し、ボニファシオ・グローバル・シティー(BGC)の防災行動計画策定を目的とするワークショップを開催しました。
ワークショップにはBGCの6つの地区から地方政府関係者、民間ディベロッパー等70名以上が参加し、災害時の復旧・復興についての経験発表や意見交換を行い、最終的にBGCの防災行動計画における戦略・方策をとりまとめました。また、次の段階として、今後以下のことに取り組むこととしています。
・今回のワークショップの結果を基に、他の関係者・専門家、地方政府関係者等と協議を行い、策定委員会やコンサルタントの協力を得ながら提案をとりまとめる。
・防災行動計画策定においては、地域の他の既存の防災計画、開発計画や国家災害リスク削減委員会(NDRRMC)の枠組に統合又はリンクさせるため、行動計画案を既存の計画と照らし合わせながら検討し、また各関係機関に意見照会を行う。
・BESCはBGCから防災行動計画の承認を得る。当ワークショップ参加者は計画の担当者として、それぞれのトップに計画策定の方向性を示し、また住民に情報を周知させる。
今後、BESC内に公式に防災行動計画の調整・実施のための組織が作られ、リスク評価や情報伝達、行動計画のシミュレーション等を行うこととなります。また、行動計画を維持していくには、継続的なモニタリング・評価、訓練の定期的な実施、住民の協力、そして計画をうまく運用し、防災サミットを開催することなどが必要であると考えられます。
(2014/11/07 14:40)
2014年8月14日(フィリピン、マニラ)
2014年8月14日、フィリピン政府の主催およびASEAN事務局の共催により、同国マニラ市で「台風ハイエン(現地名:ヨランダ)被災地復興支援に係るASEANハイベル会議」が開催されました。会場には、フィリピンを含むアジア防災センター(ADRC)メンバー国から防災関係者の代表など200名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局からは河内が参加しました。
会議冒頭では、台風による被害発生後の復興状況についてフィリピン政府から説明がなされました。続いて、ASEAN各国や国連・国際機関による復興支援の取組実績ならびに今後の方向性について発表がありました。ADRC/IRPとしても、この場でステートメント形式による発表を行い、ADRCは、カウンターパートである同国国防省市民防衛局(OCD)をはじめとする防災関連機関と有機的連携しながら、復興支援や防災協力を進めていることについて述べました。具体的には、台風発生翌月の2013年12月に被災地調査を実施したこと、その調査結果を受けて、翌2014年1月、兵庫県神戸市で開催した「IRP国際復興フォーラム2014」に同国OCD副局長を日本に招聘、日本の防災関係者やメディアを通じて、広く災害復興の重要性について訴求したこと、また、その翌月2014年2月には、ADRC・IRP・内閣府共催による「フィリピン地方政府行政官向け人材育成ワークショップ」を同国中部で企画運営したことを紹介しました。
日本の防災行政システムをモデルとして、法改正・体制強化に着実に取り組んできたフィリピンは、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念が普及しつつあり、また災害対策全般における中央政府、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクターといったマルチ・ステークホルダーの役割と重要性にも、日本と共通の理解を示しています。
ADRC及びIRPとしては、技術移転事業や人材育成事業等の分野について、これまでもフィリピンへの防災協力を推し進めておりましたが、今後も引き続き、台風「ハイエン」後の復興やアジア地域の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問合せは、アジア防災センター河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。
(2014/8/29 14:50)
2014年6月16日~17日(フィリピン、マニラ)
SMプライムが主催し、IRP/ADRCの協力、UNISDRのグローバル教育研修機関(GETI)の実施による「ビジネス防災ワークショップ」が、6月16日~17日にかけて、マニラのアジア・モール、SMXコンベンション・センターで開催されました。
今回のワークショップは、貿易、金融市場、サプライチェーンが益々相互に結びつきを強め、世界経済や政治が急速に変化しつつあるという認識のもと開催されました。ビジネスは、特に災害時において、従来よりもよりリスクの高い状況に直面します。例えば、2011年の東日本大震災、バンコクの洪水では、企業が大きな被害を受けましたが、世界的企業は災害から企業を守り、災害後もビジネスを継続しなくてはなりません。ワークショップでは、(1)民間セクターのリスク・マネジメントに係る能力や戦略を強化する、(2)投資の妥当性及び持続性を確保し、全てのリスクの可視化を促進する、(3)政府に対し、民間セクターと協力し、防災への投資をより強化するよう働きかけることを目的としました。
民間企業、政府、学術関係者60名以上が参加し、より災害に強いビジネスの実現のために今後どのような戦略、活動が必要なのか等について議論を行いました。IRP/ADRCとして、中小企業の防災についての世界の事例を紹介し、参加者がそれぞれの事業継続計画(BCP)を策定するためのガイダンスや幅広い選択肢を提供しました。
また、ハンス・サイ氏(SMプライム会長)、アレクサンダー・パマ氏(NDRRMCエグゼクティブ・ディレクター)、レナト・ソリダム氏(フィリピン火山・地震学研究所ディレクター)、ホセ・カディズ氏(マリキナ市副市長)、アルフレド・アーキラノJr.(前セブ州サンフランシスコ市長)が地元であるフィリピンの事例について報告されました。
ワークショップでは、防災に関する知識のギャップをなくすこと、また企業オーナーは官民のより緊密な連携によって従来のBCPの枠を超えなければならず、さらには、企業は災害リスクに対応した商品によって市場に新たな価値を創造することを考慮すべきとの提言がありました。
(2014/6/30 14:30)
2014年6月4日~6日(フィリピン、マニラ)
2014年6月4日から6日まで、フィリピン政府の主催および日本と欧州連合(EU)の共催により、同国マニラ市でASEM会合(災害リスク削減及び管理に係るマニラ会議)が開催されました。会議開催期間中は、フィリピンを含むアジア防災センター(ADRC)メンバー国から防災関係者やEUメンバー国の代表など280名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局の河内が参加・発表を行いました。
全体会合に続いて実施された4つの分科会のうち、ADRC/IRPは、フィリピン政府の内務自治省が議長、国防省市民防衛局が副議長をそれぞれ務めた第二分科会「災害対策における関係主体の役割-国、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクター(災害対応と調整における政府と他の関係主体の役割の強化)」に参加、発表と議論を行いました。
発表の中では、最新の日本での取組事例の紹介を交えながら、防災は日本政府の最も重要な政策の一つであり、緊急対応時のみならず平常時から災害に強い国づくりを進めていることに言及し、災害発生後における迅速な対応(Response)ならびに効果的な復興推進(Reconstruction)は、災害予防など他のフェーズ(Prevention, Mitigation, Preparedness)と密接にリンクしていることを説明しました。
ADRC及びIRPとしては、フィリピンへの防災協力を推し進めており、同国においては最近、防災関連法の整備と強化、政府や企業、国民等が一体となった防災意識の高まり、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念の普及など、着実な成果が確認されたています。今後とも台風「ハイエン」後の復興やアジア地域の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問い合わせは、アジア防災センター河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。

2014年2月19~21日(フィリピン、セブ市)

IRP/ADRCは2014年2月19~21日、フィリピン・セブ市内において台風「ハイエン」後の復興計画ならびに次なる災害に備えるための「フィリピン地方行政官向け人材育成・復興計画ワークショップ」を開催しました。ワークショップ期間中は、フィリピン中部を襲った超大型台風「ハイエン」で被災した自治体への復興計画策定に係る専門的アドバイスを行うとともに、被災自治体の担当者が、防災・復興と持続可能な開発をリンクさせながら業務を推進できるように災害復興に係る世界各国の経験と教訓の提供を行いました。このように、IRP/ADRCでは、長期的な観点により、地方自治体における防災行政能力の向上ならびに、気候変動対応策としての防災の推進、災害復興計画・長期的開発計画への防災の要素の取り込みなどを推進しているところです。
参加者は、セブ州、レイテ州、サマール州、タクロバン市、パロ市、バゼイ市など台風被災地の州・市から50名を超える地方政府職員により構成され、大規模災害からの復旧、復興の方針について、議論を行うとともに、UNISDR-GETI(韓国にある国連ISDRグローバル教育・研修所)やフィリピン国防省市民防衛局、GIZフィリピン事務所の代表者とも意見交換し、中央・地方レベルを問わず、国内外での知識と経験を共有しました。とりわけ、国防省市民防衛局副局長のロメオ・ファハルド氏、同省市民防衛局第7地区長のディナ・モランテ氏、セブ州知事のマーク・トレンティーノ氏などから国レベルの復興政策についての解説により、参加者は一様に大いに刺激を受けたようで、IRPの推進する「よりよい復興」の概念や「復興ガイダンスノート」に掲載されている多様な戦略・取組とともに、各自治体の状況に合わせた復興の重要性を確認したところです。
今回のワークショップの成功を受けて、今後、各参加者が所属する地方自治体では、防災関係者、特にコミュニティと共に復興計画がさらに練り上げられることとなり、ワークショップ参加者が中心となってワーキング・グループの立ち上げや、修正案の作成、他部局への意見照会などを経て、最終的には、各地方自治体の委員会において採択されたのち、台風ハイエン復興に係る大統領補佐官パンフィーロ・ラクソン氏あてに提出され、予算化実現のための一助になることが期待されています。
(2014/3/3 14:30)
2013年10月15日~17日(フィリピン、マカティ市)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、10月15日~17日、フィリピンのマカティ市からの要請により、災害復興枠組の作成にかかるワークショップを開催しました。マカティ市は経済の中心地に位置することから、今回は特にマカティ市長の希望により、BCPを組み込んだ内容としました。

市の様々な部門の職員約50名が参加し、IRP/ADRCがとりまとめた「ガイダンス・ノート」や世界各地の復興の教訓を参考にワークショップに取り組み、その成果を「マカティ市復興枠組」の素案としてとりまとめました。今後、ワーキング・グループが結成され、市各部門の意見照会を行った後に復興枠組案を作成、今年12月に市議会に提出される予定となっています。(詳細は英語版参照)
(2013/11/18 14:30)
2011年5月9日-10日(カンボジア、シエムリアップ)
平成23年5月9、10日にカンボジア国、シエムリアップで開催された、第22回アセアン宇宙技術利用小委員会(SCOSA)会議へ出席しました。
この会議では、アセアン各国の宇宙技術に関係する機関が出席し、SCOSAで実施しているプロジェクトや新しいプロジェクト、そして、宇宙技術の利用に関する課題が話し合われました。
アジア防災センターは、現在、日本アセアン統合基金による、「災害管理における衛星画像の防災利用」プロジェクトを、アジア工科大学の協力のもとに実施しており、この会議で、プロジェクトの実施状況を報告しました。
このプロジェクトは、シンガポール及びマレーシアを除くアセアン8ヶ国を対象として、防災分野への衛星画像利用を促進するものであり、講習と実習を各国で実施しています。
なお、プロジェクトの概要および実施状況は、http://www.geoinfo.ait.ac.th/adrc/index.htmで公開しています。
2011/6/2 13;20
2010年11月30日~12月9日(ベトナム、フィリピン)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)は、ベトナムとフィリピンにおいて、災害後の回復力ある復興に向けて、政府職員を対象に、100名の参加を得てトレーニングを実施しました。
ベトナム・ハノイでのトレーニングは11月30日から12月3日に実施され、様々な省庁から38名の職員が参加し、続く12月6日から9日のフィリピン・マカティでのトレーニングには38名の政府職員が参加しました。また、インドネシア災害管理庁職員と、ミャンマー、インドネシア、カンボジアの各国から来日していたADRC客員研究員もビデオ会議システムを通じ、参加しました。
4日間にわたるトレーニングは、現地視察や事例研究のプレゼンテーション、グループ討議により構成され、IRPが作成した9分野の復興ガイダンスノートと被災後のシナリオが主要な教材として用いられました。事例研究では、世界各地の復興における実例に基づく様々な手法の選択肢が示されたほか、グループ討議においては参加者が復興戦略やアプローチに着目して復興計画策定の実習に取り組みました。
トレーニング参加者による評価や、事業実施にあたったスタッフや現地政府職員による連携を通じ、次の3点の有益なフィードバックが得られました。トレーニングは、政府や関係者にとって非常に興味深いものであったこと、トレーニングで用いられたアプローチの手法や資料によって、知識のギャップが明らかとなるとともに、政府による復興の構想が一層強化されたこと、政府主導によるトレーニング実施が重要であること。また、地方政府や現場レベルの職員へのさらなるトレーニングの必要性や国内での最小限の訓練された職員の必要性が指摘されました。今後、トレーニングは、2011年2月にパキスタンとスリランカでも実施される予定です。
(2010/12/09 14:20)
2010年9月~10月(フィリピン、セブ、ダバオ、マニラ)
2010年9月から10月にかけ、フィリピン民間防衛室(OCD)/ 国家防災会議(NDCC)とアジア防災センター(ADRC)は同国セブ、ダバオ、マニラにて、地方行政官を対象とした研修を実施しました。
OCD/NDCCとADRCは2009年から地方行政官の能力強化を目的としたプログラムを進めており、今年3月には本研修の前段階として、講師を育成するための研修(TOT)を行いました。TOTに参加した10名の行政官が今回の研修で講師を務めています。
セブ(9月16-17日)、ダバオ(9月27-28日)、マニラ(10月7-8日)で行われた本研修には全体で120名を超える地方行政官が参加し、同国で多発する地震・津波、台風対策に加え、新防災法の枠組み、災害対策、危機管理システムなどの講義、そしてハザードマッピングの演習と発表が行われました。
これらのトピックに対する参加者の関心が非常に高く、活発な議論が繰り広げられました。また、災害高リスク地域での街歩きを通じて、地方行政官及び住民への意識啓発の重要性が再認識されていました。
本プロジェクトの経験が、今後の同国での地方行政官の能力強化に活用されることが期待されます。
(2010/10/15 17:40)
2010年8月11日~20日,タイ,バンコク
2010年8月27日~9月3日,フィリピン,マニラ
2010年9月10日~17日,ミャンマー,ネピドー
アジア防災センターは、衛星画像の防災利用のための人材育成プログラムを、アジア工科大学(AIT)と協力して、2010年8月11日~20日にタイのバンコクで、2010年8月27日から9月3日にフィリピンのマニラで、2010年9月10日から17日にミャンマーのネピドーでの各国で実施しました。
このプログラムは、講習(1日間)と実習(5日間)が含まれており、タイ地理情報技術協会(GISTDA)、フィリピン火山地震研究所(PIVOLCS)、ミャンマー科学技術省(MOST)と協力して、プログラムを実施しました。なお、本プロジェクトは、ADRCが2008年から実施しているASEAN10カ国を対象にした4つの防災能力開発事業のうちの一つです。
タイやフィリピン、ミャンマーでは、防災分野での衛星データの利用が進められていますが、衛星データを十分に使いこなせる技術者が不足しており、技術者の育成が課題です。
本プロジェクトでは、防災に携わる技術者や行政担当者を対象に、衛星データ利用のために必要なリモートセンシング技術やGIS、GPSに関する講習及び実習を行ったところです。本プロジェクトを通して、各国の防災分野での衛星データの利用が更に推進されることが期待されます。
アジア防災センターでは、引き続き、タイ、フィリピン、ミャンマーにおける防災分野での衛星データの利用を推進していくとともに、本プロジェクトをASEANの他の国々に順次展開していく予定です。本プロジェクトの詳細については、ADRCのウェブサイトを参照下さい(http://www.adrc.asia/top_j.php)。
2010/10/06 13:20
2010年4月15日(マニラ) IRPはフィリピン大学防災センター(CDP)及びフィリピン政府防災委員会(NDCC)と共同で、2006年に発生したレイテ島地滑りの復興状況を調査し、その教訓を報告書として取りまとめることになりました。 IRPは4月15日、フィリピン、ケソン市にあるフィリピン大学社会福祉・コミュニティ学部(CSWCD)内のCDPを訪れ、レイテ島地滑り復興状況調査に向けた調整会議を開催しました。IRPは調査実施の意義や復興課程における先進的な実践・工夫などに焦点を当てた報告書作成の重要性について説明を行い、CDPと調査実施の契約を締結しました。
IRPは引き続きフィリピン政府防災委員会(NDCC)を訪れ、当該調査への政府としての参加協力を求めるとともに、調査報告書が意思決定者や実践者により役立つものとなるよう様々な視点から意見を述べてもらうよう要請しました。NDCCは当該調査へのサポートを表明するとともに、2010年11月に予定されている利害関係者を集めた「ナショナルコンサルテーション会議」にも参加し意見を述べることを了承しました。
作成された報告書のエッセンスは、IRPが現在作成中の「復興ガイダンスノート」に取り入れられ、世界各国の中央政府や地方政府が「よりよい復興」を実現するために活用されることとなります。
(2010/04/27 14:00)
2010年2月~3月(タイ、フィリピン)
2010年2月下旬及び3月上旬、タイ防災局(DDPM)、フィリピン民間防衛室(OCD)及び国家防災会議(NDCC)とアジア防災センター(ADRC)は、それぞれバンコク、マニラにて防災担当の行政官に向けた研修を実施しました。
これはアセアン地方行政官能力強化プロジェクトの一部であり、アセアン各国の防災機関とADRCは、各国で行政官を講師として育成し、次いでその行政官が地方行政官を対象に研修を実施するものです。
(写真:研修の様子。上からタイ、フィリピン)

(2010/03/08 17:40)
2009年12月1~3日(マニラ、フィリピン)
アジア防災センター(ADRC)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協力し、衛星画像データを活用した防災事業をアジア地域において推進しています。
9月26日にフィリピンのルソン島中部をおそった台風16号(Ketsana)は首都圏のメトロマニラ地域に記録的な大雨を降らし、それにより甚大な洪水被害がもたらされました。ADRCはフィリピン地震火山研究所(PHIVOLCS)の要求を受けて緊急衛星観測を要請し、地球観測衛星による緊急観測データがセンチネルアジアよりPHIVOLCSに提供されています。
ADRCはこの災害緊急衛星観測のフォローアップ調査として、フィリピンのリーモートセンシングおよび防災の専門的な機関である、PHIVOLCS、民間防衛室(OCD)、国家防災センター、鉱山・地質科学局等の担当者に直接当たり、提供データの利用状況の聞き取り調査を行いました。また、マニラ市内で現地調査を実施し、観測された衛星画像データと現地の被災状況との対比を行いました。
(2009/12/07 17:30)

2009年4月、ASEAN地方行政官能力強化プロジェクトの第2年目がフィリピン及びタイで始動しました。本事業はASEAN各国における防災担当の地方行政官の能力強化を目指すもので、第2年目となる本年度は、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイの各国を対象としています。
4月22日~23日フィリピン、マニラ、4月27日~28日はタイ、バンコクで、ADRCはそれぞれの防災機関であるNDCC、DDPMと本事業のキックオフミーティングを開催しました。会議では各自の防災体制、防災行政官への研修の実績を踏まえ、研修ニーズを確認し、本プロジェクトでの研修トピックス、講義を行う専門家、講師を育成するための研修及び、続いて実施される地方行政官に対する研修の詳細、教材開発などについて協議しました。また両国で防災研修施設NDCP、DMPAを視察しました。
(2009/05/25 17:40)
2009年3月22日
ADRCでは、アジア工科大学の協力を得て、日本アセアン統合基金による災害対策のための衛星画像利用に関するプロジェクトを実施しています。
このプロジェクトは、シンガポール及びマレーシアを除くアセアン8ヶ国を対象として、防災分野への衛星画像利用を促進するものであり、講習と実習を各国で実施する予定です。
このプロジェクトの実施について、対象各国で、具体的な実施に向けた関係者の連絡・調整のための第1回目の協議会を以下の通りに開催しました。
今後、これらの会議の結果を受けて、講習会・実習ための、資料を作成する予定です。
http://www.geoinfo.ait.ac.th/adrc/index.htm
・2009年3月22日、インドネシア国立航空宇宙研究所
・2009年3月25日、フィリピン国火山地震研究所
・2009年4月23日、ラオス国リモートセンシングセンター
・2009年5月12日、ミャンマー国科学技術省
・2009年6月8日、タイ地理情報・宇宙技術開発協会
・2009年7月10日、ベトナム国立リモートセンシングセンター
・2009年7月27日、カンボジア国地理局
・2010年3月22日、ブルネイ国測量局
(2010/03/30 13:20)