2016年11月28日~29日(フィリピン、イリガ市)
自然ハザード(台風、洪水、地滑りなど)がもたらすリスクを認知した上で、ビコル地方全地域の地方自治体(LGUs: Local Government Units)の州知事及び市長並びに各災害対策局の職員が、2016年11月28日~29日、イリガ市のイリガ・コンベンションセンターに一同に会して、防災と災害リスク管理のために、地方レベルにおけるアプローチと方策について詳細に検討しました。ビコル地方はフィリピンの中でも最も台風が多い地域で、仙台防災枠組の地域レベルでの実行を推進することによって、より一層、防災への取組を進めることが求められています。この会合は、イリガ市長のマデレーヌ・ヨローブ・アルフェロ氏が、インド、ニューデリで開催されたアジア防災閣僚級会合の成果から着想を得て、仙台防災枠組の実行において、とりわけ、地域レベルの首長や市長の重要な役割について議論するために、着手・開催されました。イリガ市での会期中に、アルフェロ市長は、なぜ、このビコル地域の全ての首長や市長が集まる必要性があったのか、二つの理由を挙げました。一つは、地方自治体(LGUs)が、台風、洪水、火山噴火、地震などのハザードによってもたらされるリスクに対処する準備状況について表明することです。もう一つは、「世界防災キャンペーン『災害に強い都市の構築(MCR: Making Cities Resilient)』」によって提示された「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」の適用を通じてコミュニティの強靱化を促進することを目的とした、地方自治体の首長のより一層の取組を引き出すことです。
約85名の市長と各地方自治体の災害対策局(DRRMO: Disaster Risk Reduction Management Office)から120名を越える職員がこの会合に参加し、UNISDRの国際防災教育研修所(GETI)並びにアジア防災センター(ADRC)及び国際復興支援プラットフォーム(IRP)を代表した復興専門官がファシリテーター役を務めた2日間のワークショップを通して、「災害に強い都市の構築のための十題必須項目」とその適用について学びました。この「十題必須項目」は、地方自治体が自らの防災計画を強化するために適用することが出来ます。この中の二つ、9番目と10番目の項目は「Build Back Better」に関連していて、この観点から、ADRC/ IRPを代表した復興専門官は、世界における災害の経験や優良実践事例を共有しました。過去の教訓から学ぶことによって、地方自治体は災害対策における弱点を明らかにし、それに対処することが出来ます。
今回のワークショップで取りまとめられた今後に向けた提言としては、ビコル地方の全地域の災害対策局の職員が、知識や経験を共有するためのプラットフォームの組織化を計画することです。次回会合では、各災害対策局は、今回のイリガ市におけるワークショップで明記され、確認された優先行動を実行に移す方法について議論します。
(2016/11/30 14:40)