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ADRCの活動
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ADRC活動報告

2013年5月29~30日(韓国、ソウル)


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アジア防災センターは、国連アジア太平洋経済社会委員会、世界気象機関台風委員会および韓国消防防災庁が主催する台風委員会第8回防災作業部会に参加しました。
会合には主催者をはじめとして、中国、日本、マレーシア、フィリピン、韓国、ベトナム、および香港やマカオといった特別行政区から防災担当者など約30名が出席し、アジア防災センターも協力している「沿岸地域における早期警報システムのための標準実施要領協同事業」をはじめとする本年度の活動計画および国際協力の強化等について活発な議論が行われました。

なお、台風委員会にはこの防災作業部会の他に気象、水文の各作業部会が設置されています。

(2013/06/03 19:40)

2013年5月23日(スイス、ジュネーブ)


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 IRP事務局は、第4回防災グローバル・プラットフォームにおいて、内閣府との共催により、「巨大災害からの復興の教訓」をテーマにフォーラムを開催し、アジア防災センター等のIRPパートナー機関をはじめ、国際/地域機関、各国政府、NGOなどから124名の参加を得ました。このフォーラムは、2011年度よりIRPが内閣府、アジア防災センター、国連関係機関等とともに、4回にわたり開催してきた東日本大震災に係る専門家会合の最終回として実施され、また東北大学、神戸大学等と協力し、東日本大震災の経験と教訓をとりまとめた「東日本大震災復興状況報告書」の完成を披露する場ともなりました。
 亀岡偉民内閣府政務官の開会あいさつ、杉本明文兵庫県防災監による井戸敏三兵庫県知事からのメッセージ紹介に続いて、田中泰雄拉曼大学教授(神戸大学名誉教授)の進行によりパネルディスカッションが行われました。ニュージーランドのカンタベリー地震復興庁CEOのロジャー・サットン氏、立命館大学の塩崎賢明教授(神戸大学名誉教授)、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)のデヴィッド・トリッセル氏、パキスタン政府国家防災庁元長官のナディーム・アーメッド氏より、各国における復興の経験と優良事例について報告が行われました。
 ロジャー・サットン氏は、経済的損失を抑えるためには、復興活動においても意思決定においてもスピードが重要であると強調し、塩崎賢明教授は東日本大震災の復旧・復興の取組についての報告の中で、民間セクターが復興過程に関わることの重要性を指摘しました。デヴィッド・トリッセル氏は、米国は復興枠組を持つ国の一つであり、特にそれはハリケーン・サンディの時には有効であったとし、さらに、復興枠組の重要な原則の一つは、災害が起こる前に復興支援機能を明確にしておく「事前復興計画」であると指摘しました。また、ナディーム・アーメッド氏は、パキスタンでは復興枠組が復興に果たす有効性について評価実験が行われ、復興枠組が設定されていた災害と、復興枠組がなかった災害とを比較した結果、復興枠組が設定されていた災害の復興についてより効果的で災害に強いマネジメントがなされていたという結果が出たと報告しました。これは、復興枠組が復興の取組におけるガバナンスを大きく改善することを示しています。
 この後、モデレーター、出席者との間で討議が行われ、開発計画の中に復興の要素をいかに統合するか、効果的な復興戦略策定への取組についても言及されたほか、HFA2を見据えた、復興に係る戦略的提案についても議論されました。
 また、今回の防災グローバル・プラットフォームへの参加者向けに、IRP/ADRCはこの機会を捉え、マーケットプレイスにおいて、復興状況報告書及びガイダンスノート等の発行物や機関紹介等のパンフレットと共に、特に「東日本大震災復興状況報告書」の展示、配布を行いました。

(2013/05/23 14:30)

2013年5月21日~23日(スイス、ジュネーブ)

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会場のジュネーブ国際会議場
(UNISDRのHPより)

ADRC及びIRPは、5月21~23日(19及び20日にもプレイベントを実施)の間、スイス・ジュネーブ市国際会議場において開催された「第4回防災グローバル・プラットフォーム(GP)」に参加しました。同会議は、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が主催し、世界の防災関係者が一堂に会する2年に1回の機会です。今年は171の中央/地方政府の代表に加え、国際/地域機関、学会、民間セクター、女性/障がい者/高齢者/子ども等の安全に関する市民団体等から延べ約3,500名が参加しました。

今回のGPの大きなテーマは、こうした防災関係者の力を結集させる機会のほか、防災に関する世界的取組み指針である「兵庫行動枠組」(HFA)の目標年次を2015年に控え、HFAの進捗状況の確認と、それらを踏まえ、次の行動枠組み(HFA2)の在り方に関して議論することです。

GPの開会式は、21日の9:30から大会議場にて開催され、開催国スイス連邦のマウラー大統領、国連のエリアソン事務局次長をはじめ、ナミビア・ニュージーランド等各国の代表が挨拶を行いました。

この後、10以上の会議室に分かれて、参加国等からの公式ステートメント、参加機関の事業内容や研究成果等を紹介する延べ170のイベントが開催されました。

ADRCは、21日の14:45から16:15の間、アジア災害予防センター(ADPC)、アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)と共催して、「アジア地域における防災協力~技術革新と協働による災害レジリエンス構築」と題する会合を開催しました。同会議においては、中央政府レベルの防災協力のネットワークのハブであるADRC、アジア工科大学を母体とし特に東南アジア地域において高度な技術協力プロジェクトを行っているADPC及び防災に関するアジアのNPOのネットワークであるADRRNがそれぞれの業務における地域内協力の特長を紹介しました。ADRCからは、中央政府レベルの国際防災協力のgood practiceとして、日本の宇宙航空研究開発機構等各国の宇宙開発機関と連携して実施している「センチネル・アジア」の取組みについて紹介しました。この後討議が行われ、アジアには既に域内協力機関が重層的に存在しており、各機関がその特徴を生かして積極的に協力関係を深めるべき等の意見が出されました。

この会合と前後しますが、当日14:00からJICAと国連開発計画との主催で「防災の経済学-防災投資を通じた持続的開発の推進」が開催されましたが、これは、JICAが昨年度実施した(ADRCは委員として参画)、防災投資が後の経済成長に与える貢献の定量的把握手法の紹介であり、多くの国際機関等から参加がありました。

こういった行事以外にも、期間中には各国・機関間の情報交換等の場が持たれました。22日、ADRCは、昨年12月に新たにメンバー国となったイラン・イスラム共和国の防災組織の高官(ガダミ内務省次官兼防災庁長官)と会談の機会を持ちました。次官からは同国の防災力向上に向けADRCの協力を仰ぎたい由の発言があり、当方からは客員研究員招聘等ADRCの事業の展開により同国の意向に沿いたい旨回答しました。なお、この会談の概要は後日イラン防災庁のHPでも紹介されました。

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イラン防災庁ガダミ長官(左)と会談するADRC名執所長
(イラン防災庁HPより)


最終日となる23日には国際防災復興協力機構(IRP)の主催するフォーラムが開催されました。内容の詳細は次の記事をご覧ください。

同日16:30から大会議場において閉会式が開催されました。まず議長(ダニデン・スイス開発協力機構会長)から議長サマリーの案が提示されました。ワルストロムUNISDR特別代表から参加者への謝辞が述べられた後、日本国政府代表の亀岡偉民 内閣府大臣政務官(防災担当)から、日本での開催が決定している次期国連防災世界会議について、2015年3月に仙台市で開催することを表明して3日間の会期を終了しました。

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閉会式において次期防災世界会議の仙台開催を発表する亀岡大臣政務官
(画面中央)



(2013/06/13 13:00)
2013年5月8日~9日(バンコク、タイ)

ADRCは2013年5月8日と9日にバンコクで開催された、「沿岸地域における早期警報システムのための標準実施要領に関するワークショップ」(主催:国連アジア太平洋経済社会委員会台風委員会)に参加しました。ADRCは冒頭キーノートのセッションにおいて、兵庫県および神戸市が公開している地域防災計画について説明し、関連する様々なコミュニティレベルの防災活動についても紹介しました。また、本会議のメンバー国から、各国の早期警報システムの紹介や、既存の標準実施要領について報告しました。その後行われた参加者によるディスカッションのセッションの結果、下記のような課題が明らかになりました。

・防災分野における標準実施要領の定義を明らかにすること
・各国における早期警報システムの設計の相違
・人材育成等の実施

今後、メンバー国間におけるさらなる活発な意見交換が期待されます。

(2013/04/16 18:30)

2013年5月8~11日(中国、成都)


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2013年5月8日から10日まで、中国四川大学ならびに香港理工大学の主催により、成都市の四川大学で「四川大地震5周年国際防災フォーラム」が開催されました。当日は中国国内から防災の実務関係者や学術機関関係者など300名以上の出席があり、アジア防災センター(ADRC)研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)事務局の河内が参加しました。

まず、フォーラムの基調講演において、2008年5月の四川省大地震発生以降の復旧・復興段階において、日本の地震防災に関する技術、経験、教訓が活用されていることを実感し、ここ5年間における中国の防災体制の強化、防災文化の醸成が進んでいる旨を述べました。また、巨大災害の発生時には、行政の対応に加えて、地域住民が平時から防災の備えをしておくことの重要性を述べました。そして、住民の防災への参画意識を高め、災害発生時に的確な防災行動を取れるようにしておくための手法として、さまざまな防災教育や意識啓発プログラムが有効であることを紹介しました。4月20日の四川省雅安市での地震は、こうした意味において、近年の中国における防災上の速い進展が確認できるものとなっています。

また、このたびのフォーラムを契機として、「四川大学・香港理工大学災害復興管理学院(IDMR)」の開設記念式典が開催されました。アジア防災センター(ADRC)とIRPは、防災上の取組を一層推し進めるため、このIDMRとの協力文書に調印しました。これは、具体的な協力分野として、災害発生前の予防段階および災害発生後の復興段階における①人材交流、②共同研究、③各々の研究結果の情報共有と知見の交換、を行うというものです。

ADRCとして、IDMRとともに、今後とも被災地の復興や地域の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。

翌5月11日には、2008年四川大地震の震源地近くの徳陽市綿竹にて開催された、「漢旺論壇」という国際防災会議に出席しました。当日は四川省徳陽市人民政府など防災行政実務者の他、海外からはドイツやスイスの関係者など100名以上の参加がありました。この会議においては、四川大学IDMRの顧教授がモデレーターを務める全体会合のセッションに、世界銀行の石渡専門官とともに登壇し、阪神・淡路大震災後の都市部の復興事例などについて発言を行いました。

(2013/06/11 14:50)

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