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ADRCの活動
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ADRC活動報告: 地域・国名 >> その他

2023年8月2日(米国、シアトル)
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FEMAのディーン・クリスウェル長官が議長を務める第16回APEC上級防災担当者フォーラム(SDMOF)が、2023年8月2日に米国シアトルで開催されました。このフォーラムは、森林火事、洪水、ハリケーン、台風、地震など、APEC加盟エコノミーが複雑化する災害情勢に対応するため、集団行動を強化せざるを得なくなったことを背景に開催されました。

本フォーラムは適応管理に関するラウンドテーブルで幕を開け、各大臣や代表団が3分間のスピーチを行いました。このラウンドテーブルでは、日本の谷公一防災担当大臣がビデオメッセージで発表を行いました。谷防災担当大臣は、適応性、柔軟性、意味のある変化という原則を取り入れることで、強靭な地域社会を築き上げることができると述べました。フォーラムには、オーストラリア、カナダ、チリ、中国、インドネシア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、フィリピン、チャイニーズ・タイペイ、タイ、米国、ベトナムといったエコノミーを含むすべての代表団長が出席し、スピーチを行いました。
 
SDMOFは、災害リスク管理者の重要な役割を強調し、緊急かつ決定的な行動を起こすために、次の4つの分野について議論を行いました。
1)包括的で参加型の災害リスク軽減:意思決定プロセスへのコミュニティ全体の統合の促進、
2)災害復興住宅への気候の影響:アジア太平洋地域において災害前の復興計画作成を優先する、 
3)自然を基盤とした解決策(NbS):災害に強いインフラ基盤の強化、
4) 危機管理における女性のリーダーシップ:APEC地域の公平な未来の実現。

総括の中で、テーマ別セッション2のモデレーターを務めたジェリー・ポトゥタン氏(ADRC主任研究員)は、本フォーラムから得られた重要な成果を次のように総括しました。
「講演者から学んだように、災害復興住宅における最大の課題はロジスティクスである。例えば、災害復興住宅を建設する場所や時期についての許可を得ること、建築資材を輸送する際の手順を守ること、資金を送金する際の政府の規制を遵守することなどが挙げられる。こうしたロジスティクスの課題が災害復興住宅を複雑なものにしており、住宅の完全な再建には長い時間がかかる。時間がかかればかかるほど、損失は大きくなる。しかし、こうした物流の問題は、事前合意や災害前の復興計画によって、今から対処することができる。そのため、災害が発生した際には、事前に合意された物流の手配が有効になる。」
(2023/8/9 15:00)

2023年8月1日 (米国、シアトル)
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米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、2023年8月1日、米国シアトルにおいて第19回アジア太平洋経済協力(APEC)緊急事態の備え作業部会会合(EPWG)を開催しました。ADRCからは鈴木弘二プロジェクト・ディレクター(EPWG共同議長)、ジェリー・ポトゥタン主任研究員(EPWG共同議長補佐)が参加しました。

本会合では、加盟エコノミーと民間セクター、学界、産業界の代表者が、複合的な緊急事態や災害がAPEC地域のサプライチェーンに与える影響について議論し、サプライチェーン管理における災害リスク軽減を促進する方策を探りました。また、リスク管理を強化し、万人のための災害リスク軽減を推進する強固な早期警報システムの実施を加速するため、APEC地域における早期警報システムの多様なアプローチを掘り下げました。効果的な早期警報システムの重要な基準として、農村地域にも届くタイムリーで正確な警報の伝達を含む通信システムが挙げられました。

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午後のセッションで進行役を務めた鈴木EPWG共同議長は、1)EPWG作業計画2023の承認、2)APEC 防災枠組の改定、3)APEC防災枠組に関する行動計画の改定を発表しました。また、現EPWG共同議長の任期は2023年12月31日までであることを述べました。そのため、事務局は今後、EPWG共同議長の指名プロセスを開始する予定となっています。
  
その後、FEMAがホスト役を務めたAPEC-EPWGイベントの一環として、参加者は2023年8月3日に開催された「レジリエント・コミュニティ・フィールドツアー」に参加する機会がありました。このフィールドツアーでは、参加者はワシントン州の地域社会と交流する機会を得ることができました。マウントバーノン市では、地元、州、連邦政府の投資を活用して洪水壁を建設し、商業地域での持続的な洪水に終止符を打つことができました。この洪水壁は、安全性を高め、地域経済を活性化させるための長期計画の一環となっています。参加者はまた、スターバックス本社とシアトル緊急オペレーションセンター(EOC)を訪問しました。スターバックスでは、世界的企業がサプライチェーンやオペレーションをどのように災害に備えているかを実演し、気候変動への回復力を高めるための官民パートナーシップのモデルを紹介しました。シアトルEOCでは、地元の緊急管理担当者が変化する災害情勢に備えるため、どのように常に適応しているかについて紹介しました。
(2023/8/8 15:00)

2023年5月3日~4日(ドイツ、ボン)

2023年5月3日から4日にわたり、開発中の新災害損失追跡システムの検証ワークショップがドイツ、ボンで開催され、ADRCも参加しました。このワークショップは、UNDRR、UNDP、WMOが主催するもので、新システムのプロトタイプ案について、実務家、専門家、その他のデータ関係者からフィードバックを集めることを目的としています。2日間のワークショップでは、80名以上の参加者が、新システムの機能性、データ分析、視覚化、管理をテーマに、対面及び一部オンラインで意見を交わしました。新システムにより、総合災害・気候リスク管理、リスクに基づく持続可能な開発の政策決定や投資判断のために、データ活用が実現することが期待されています。
(2023/05/10 15:00)
2022年12月12日~24日 (日本、神戸)

ADRCは、JICA課題別研修「防災主流化の促進コース」をJICA関西と協力して、2022年12月12日から24日に実施しました。本研修には、バングラデシュ、インドネシア、メキシコの3ヶ国から5名の中央・地方政府防災担当幹部職員が参加しました。

本プログラムは、防災主流化の概念、開発政策への防災の統合、政策レベルでの防災主流化の促進手法、日本の様々な知見等について共有し、参加国の防災戦略を検討することを目的としています。

研修員は2週間のプログラムで、各種災害対策に関する講義、視察、討論演習に積極的に参加しました。研修後には、自国の防災対策を改善し、自然災害から人命や経済の損失を削減していくために活躍することが期待されています。

当研修実施にあたり、御講義いただきました各関係機関・大学の皆様に厚く御礼申し上げます。今後とも引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
(2023/01/05 15:00)
2022年9月19日~22日(オーストラリア、ブリスベン)
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アジア防災センター(ADRC)は、2022年9月19日から22日にかけてオーストラリアのブリスベンで開催されたアジア太平洋防災閣僚会議(APMCDRR2022)に参加しました。

ADRCは、児玉美樹研究部次長をモデレーターとし、9月21日に「『誰も置き去りにしない』に焦点を当てた主体的な行動のための防災リテラシーへの投資による災害に強いコミュニティの構築」と題したパートナーイベントを開催しました。イベントでは、幅広い分野の関係者から「誰も置き去りにしない」ための行動として防災リテラシーへの投資を含む災害に強いコミュニティを構築するための革新的な実践例が紹介されました。イベントにおける協議を通して、1)人々の防災リテラシーを高めるためには、防災文化を構築し、様々な人々が積極的に防災活動に参加することが効果的であること、2)特に若い世代を対象とすることが次世代のリーダー育成につながること、3)地域レベルにおいて、平時の日常生活、福祉や社会的保護の活動と緊急時の防災を持続可能な形で結びつけることが重要であること、などについて確認しました。また、こうした活動を持続的に行っていくためには、コミュニティ防災活動に対する政策的・財政的なバックアップが重要であることを再確認しました。まとめとして、防災を特別な対策として扱うのではなく、コミュニティの政策立案や計画策定における重要な課題の一つとすることが大切であることを提言しました。これは、APMCDRRの共同議長声明の中で述べられている「コミュニティの優先事項と地域機関を支援する社会全体のアプローチによって、我々の努力は最も成功する可能性が高い」にも結び付く提言です。イベントの詳細については、https://www.adrc.asia/acdr/2022apmcdrr.php をご覧ください。
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また、ADRCは「日本防災チーム」の一員として、会議のマーケットプレイスで最近の活動を紹介するポスターを2枚展示しました。「準天頂衛星システム(QZSS)による早期警報メッセージプラットフォーム」や「宇宙技術と情報通信技術の活用による防災力強化」など最近特に力を入れている活動について会議参加者に紹介しました。

さらに、ADRCは下記などのさまざまな会議のイベントに参加しました。(1)全体会合「リスク情報を活用した投資と災害リスク軽減のための資金調達の拡大」(9月20日)、(2) ワーキングセッション:災害に強いインフラサービスのためのガバナンスと関係者の関与 (9月20日)、(3)イグナイトステージ:仙台市におけるコミュニティ防災を支援する人材能力構築(9月21日)。 

また、ADRC笹原顕雄所長は、アジア太平洋地域においてさらに災害に強いコミュニティを構築していくために、ADRCが行う取組みの紹介と、共に学んでいくことを呼びかける公式ステートメントを発表しました。

ステートメントの全文は、https://bit.ly/APMCDRR2022ADRC でご覧いただけます。
(2022/09/26 15:00)

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2020年11月24日(オンライン)

アジア防災センターは、2020年11月24日(火)に第1回オンライン津波セミナーを開催しまし
た。東北大学災害科学研究所所長今村文彦教授の特別講演に続き、サッパシー・アナワット准教
授より講演が行われました。
詳細につきましては下記のサイトをご覧ください。
https://www.adrc.asia/acdr/2020tsunami.php

(2020/11/24 09:50)


2020年11月11日(日本)

2020年11月11日、アジア防災センターは国際災害チャーター(IDC)のボードミーティングに参加しました。この会議はオンラインシステムによって開催され、IDCのメンバーから多くの宇宙関係機関が参加しました。
ADRCはこのIDCの枠組みの、地域支援事務所として役割を果たしています。例えば、センチネルアジアの活動において災害時の要請を受けた際、リクエスターの希望に応じてIDCへの展開をしています。センチネルアジアはアジア各国で発生した災害時における支援活動ですが、IDCは全世界を活動の対象としています。2011年の活動以降、これまで49件のIDC展開を実施してきました。
また本会議においては、ADRCから「より強固なネットワークの構築」を提案しました。ADRCとしましては、今後、宇宙機関や防災担当機関をつなぐ橋渡し役として、積極的な活動を行っていきます。


2020年7月21日(オンライン)

2020年7月21日、ADRCは第16回APEC緊急緊急事態の備え作業部会(EPWG)会合に参加しました。APEC加盟エコノミーはEPWGで実施中の事業報告に加え、新型コロナウイルス感染症対策について発表を行いました。ADRCはその事例として、日本の新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営のポイントや、人の移動の監視に役立つソフトウェア、また日本とフィリピンの対策の比較について発表を行いました。詳細につきましてはこちらhttps://www.apec-epwg.org/our-work/epwg-meetings-events/2020-16th-apec-emergency-preparedness-working-group-meeting/をご覧ください。

(2020/07/21 17:40)
2020年6月10日(オンライン)

2020年6月10日、ADRCは第52回台風委員会に参加しました。本会議は中国香港が主催するもので、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインでの実施となりました。会議では、台風委員会事務局、メンバー国から事業報告が行われ、日本からは気象庁が地区特別気象センター(Regional Specialized Meteorological Center: RSMC)の活動状況について報告されました。また会議では、前年の台風被害を受け、当該台風の名称を差し替えについても議論されました。最後に、新型コロナウイルス感染症拡大の拡大を考慮しつつ、本年の事業、会議を実施していくことを確認し、会議は終了しました。

(2020/06/10 17:40)
2019年8月20~22日(チリ、プエルトバラス)

アジア防災センター(ADRC)は2019年8月20日から22日にわたり、チリのプエルトバラスで開催されたAPEC第13回防災担当上級事務レベル フォーラム(SDMOF)、第15回緊急事態の備え作業部会(EPWG)、関連ワークショップに参加しました。SDMOFはAPEC防災フレームワーク推 進に向けた取組みに焦点を当てており、ADRC鈴木所長はセンチネルアジアや宇宙技術の早期警戒情報への適用について発表を行いました。 また続いて開催されたEPWGでは事業計画や新しいイニシアティブが議題となり、新事業として承認されたコミュニティベースのハザードマッピングや 中小企業の支援に関するプロジェクトについてADRCは協力していくことを表明しました。   

2019年6月18~19日(オーストリア、ウィーン)

アジア防災センター(ADRC)は、2019年6月18日と19日にオーストリアのウィーンで開催された、第9回UNSPIDER地域事務所に関する年次 会合へ参加しました。他の地域事務所からの参加者は、それぞれの活動(人材育成、啓発、情報共有など)について報告を行 いました。ADRCから参加した鈴木所長は、宇宙技術分野における早期警報システムのプラットフォーム構築に関する活動について報告を行いました。 また本会合において、ADRCは仙台行動枠組をより推進させるためのより積極的な防災活動と、宇宙技術分野に関するデータの利活用が重要な役割であることを述べました。 世界における多くの国々では、災害に関するデータや情報がまだ減災に効果的ではなかったころから、災害リスクを把握に努めてきています。 いまでは、人口衛星を用いたリモートセンシングデータおよび情報を用いた災害リスクの把握に尽力しています。 およそ10年前の2009年6月に、第52回国連宇宙空間平和利用委員会において、ADRCと国連宇宙部は、ADRCがアジア地域におけるUN-SPIDERの 地域事務所として位置付けられることを確認し、採択を行いました。以降、ADRCは防災分野における宇宙技術の利活用を目的としたセンチネル アジアについても積極的な参加をしてきました。 ADRCは、災害時におけるよりよい緊急対応や、宇宙技術に係る情報ツールの構築など、センチネルアジアとUN-SPIDERの地域事務所が密に連 携されることを期待しています。今後も、ADRCは国連宇宙部と他の地域事務所とより積極的にコミュニケーションを図っていきたいと思います。  

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2019年5月14日(スイス、ジュネーブ) 

2019年5月14日、スイス、ジューブにて、アジア防災センターはGLIDE関係機関を対象とした会議を開催しました。これは、20年近くにわたりGLIDEの運営に協力してきた機関が一堂に会し、現状の問題点と今後の刷新について意見交換することを目的としたものです。防災、災害データに携わる国連、国際機関、研究機関等から15名の参加があり、活発に意見を交わしました。現在の利用状況の把握、Steering Committeeの立ち上げの必要性等について意見が上がった他、引き続き議論を行うことに合意しました。GLIDEの今後の刷新に向けた第一歩となる場となりました。 
(2019/5/27 17:40)
2019年5月13日~17日 (スイス、ジュネーブ)

2019年5月13日~17日、スイスのジュネーブで開催された「第6回グローバル・プラットフォーム会合」での5つの主要なイベント(セッション)でのIRP/ADRCの活動を特集します。
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コミュニティ主導の復興
このセッションのパネリストの一人として、IRP事務局から参加し、世界の事例研究から収集したコミュニティ主導の復興の教訓について発表しました。プレゼンテーションでは、コミュニティ主導の復興には複雑なプロセスがあることを確認しました。しばしば住民からの抵抗を受け、土地保有、住宅設計、関係者の社会政治的な課題に直面している計画についてはコミュニティが運営する必要があります。良いこととして、これらの課題に対応するのを手助けする習慣、手段、技法があることです。インド、グジャラート州の「せつ」、神戸の「まちづくり」のような新しい取り組みは、コミュニティにとって解決策のほんの一部です。プレゼンテーションでは、コミュニティ主導の復興には標準的な手法はないことを強調しました。コミュニティにとって文化の観点から復興(事前契約、事前の災害軽減、事前復興計画)の準備をすることが不可欠です。
都市の復興における文化を通じての社会的包摂の促進
IRPの議長である世界銀行防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)のジョセフ・ライトマン氏と内閣府の佐谷節子氏がこのセッションを先導しました。モデレータとして、ライトマン氏は、文化が社会的包摂、リスク軽減、復興準備のために欠かせない要素になり得ると強調しました。この裏付けとして、佐谷氏は熊本城の復興がシンボルになっている2016年の熊本地震からの復興で、どのようにして文化が重要な役割を果たしているかを示しました。文化遺産として、全ての人が復興過程に貢献するために、人々は、城に対して強い関係と当事者意識を持っています。このセッションでは、社会的包摂とレジリエントな復興を促進するために、「人間中心のアプローチと地域に基づいたアプローチを統合した、都市の復興枠組みにおける文化」についても紹介しました。
Build Back Better(より良い復興)とWRCの成果
UNDRRと協力して、IRP/ADRCはよりインクルーシブな「Build Back Better(より良い復興)」の効果を達成するための経験、課題、教訓を引き出し、第4回世界復興会議の成果を報告するために、このワーキングセッションを共同開催しました。セッションでは、包摂が「Build Back Better(より良い復興)」にとって不可欠であり、多くの政治的手法が包摂的な課題を受け入れていますが、これらの手法が人間中心となるようにより一層の努力が必要とされることを議論しました。この観点から、パネリストは、エンパワーメントの機会の促進、脆弱な立場にある人々を含めた人々のための新しい技術や解決策の採用、人々を包摂し結びつけるための統合されたアプローチの適用、政策決定者が排除の道筋に対応するための新しいツールの活用によって、復興プログラムの中で包摂の課題を推進していくことにコミットしました。
UNDP総裁補兼危機管理局長の岡井朝子氏がこのセッションのモデレータをつとめ、パネリストとして、ハイチ政府、インドネシア政府、世界銀行、国際赤十字・赤新月社連盟、JICAから登壇しました。
運営委員会
IRPは第25回運営委員会をグローバル・プラットフォーム会合の機会を捉えて開催しました。IRPのメンバーは新しいナレッジプロダクト、戦略、新たな取り組みを発表する機会を持ちました。
以下の3つの新たな取り組みが発表されました。
1 UN-Habitatのナレッジプロダクト「災害後のより安全な住宅復興の支援」 
2 WHOの「緊急医療と災害リスク管理枠組戦略」
3 GFDRRの「レジリエントな住宅の課題」:建築家と技術者が災害のリスクを減少させ、災害からの急速な復興を可能にするレジリエントで持続可能な住宅の設計を求められています。
復旧・再建・復興における「Build Back Better(より良い復興)」の知識のプラットフォームとして、IRP/ADRCはこれらの資料のより幅広い普及を図るために、ウェブサイトに掲載します。
IRP/ADRCのサイドイベント
包摂的な「Build Back Better(より良い復興)」の効果の確保を手助けする活動の更なる見識を得るために、IRP/ADRCのサイドイベントでは、「生活再建」が排除の経路を取り除く復興プロセス中の最終の目標であるべきであると示しました。セッションでは、「復興プロセスが包摂的でなければ、好ましくない」ことを認識しました。パネリストは、包摂的な復興には、包摂的な組織の調整、心理社会的復興の人間中心のメカニズム、全てのステークホルダーが協力するための中立的なスペース、社会的復興への高い関心、文化に敏感な復興プログラムが必要であることを指摘しました。さらに、包摂的な復興のための手段として、住民の居住地と能力を考慮したコミュニティの事前復興計画と予算措置を統合させる必要があります。セッションでは、「Build Back Better(より良い復興)」の効果の確保を手助けするものとして、コミュニティ主導の住宅復興への分割補助金の採用、コミュニティの事前復興計画の社会的ネットワークへの関与、住宅所有者の住宅の改良の促進、復興プログラムの設計と実行のための村落と学術機関の協力モデルの活用を確認しました。

(2019/05/24 14:40)

2017年6月6日~8日(ベルギー、ブリュッセル)


WS000002.JPG国際復興支援プラットフォーム(IRP)は、2017年6月6日~8日にベルギー、ブリュッセルで開催された第3回世界復興会議に参加し、積極的な活動を展開しました。IRPは、次の5つの自主的なセッションにおいて、企画書の作成や開催運営に関する支援を行いました。
(i) 2017年防災グローバル・プラットフォーム会合からの最新情報
(ii) 生活復興と社会的保護(Social Protection)
(iii) 災害への備え・応急対応・復興における重要なパートナーとしてのプライベートセクター
(iv) 復興への備えと計画-制度及び組織の能力の強化
(v) 復興へ向けた政策及び制度間の調整。

これらのセッションにおける議論によって、仙台防災枠組の優先行動4で強調された「より良い復興(Build Back Better)」の概念が、どのようにしてリスクを減少し、強じん性を確立するという変革を伴う形で実行され得るのかが明らかにされました。また、その際には、次の災害は、以前とは違った性質の災害になるかもしれないという意識を持ちつつ「Build Back Better」が実行されることも示されています。
また、これらのセッションで共有された多くの経験に基づき、「Build Back Better」は、災害に強じんな建設技術でインフラ設備を改善するだけではなく、以前よりも、強化された統治システムや改善された基礎的行政サービス、多様化された人々の生活支援、貧困層や社会的弱者層の家族に対するより良い社会的保護のメカニズムを提供することだと、明確に提示されました。
WS000003.JPG「Build Back Better」を実現するためには、根本的な失敗の原因を理解するとともに、復興段階の機会を利用して、例えば、リスク情報を活用した土地利用計画や改正された建築基準とその執行を通じた、そうした失敗に対する措置を行うことが不可欠です。政府による「Build Back Better」への取組を成功へと導く多くの要因があり、それは、次の要素を高めることが挙げられます。
・ 状況に対応した制度的、政治的、法的な復興フレームワークを策定する能力
・ 復興のための介入を効率的、効果的に支援して、その介入が持続可能となる能力
・ 復興プログラムを実行するための財政的・技術的リソースをもたらし、支援する複数のステークホルダーと調整する能力

WRC3の全体テーマである「レジリエントな復興」の達成に寄与する要因の一つは、「復興への備え」がどの程度出来ているかということであることが、全体会議や個々のセッションにおいて支持されました。簡潔に言えば、「復興への備え」とは、綿密な計画や十分な資金に裏付けされた制度的、財政的なシステムを作り上げたインドや日本、米国、ニュージーランド等の国々で推進されているように、災害に先立って、次のようなツールを整備することになります。
・ 復興に関する制度、政策、法律
・ 復興のための財政的メカニズム
・ 復興に特化した人材やリソース

WS000004.JPGWRC3の最終日において、次の論点について討論されました:復興をレジリエントなものにするには、何をすればよいのか?復興は複雑で総合的なプロセスであることから、明らかに、一般的な解決策は不可能です。過去の経験に基づいて既に分かっているのは、復興をレジリエントなものにするためには、様々な要因が考慮されることが必要となります。
(i) 復興への備えが出来て、すぐに復興に取り組むことが出来るかどうか

(ii) 状況把握とそれに対応する能力があるかどうか
(iii) システムや制度が整備されているかどうか
(iv) 地域の実情に対応できるかどうか
(v) 包括性、もしくは、「all of us(我々皆)」的な施策が実行できるかどうか

復興過程は複雑なゆえに、レジリエントな復興に向けては、特定の状況に応じた戦略やアクションが求められるかもしれません。例えば、世界銀行(World Bank)は、都市のレジリエンスの文脈で、市町や都市部のコミュニティにとって復興がレジリエントなものになるためには、次のアクションが提示されました。
・ コミュニティに備えさせる(例:コミュニティの関心を高め、災害訓練を実施する。)
・ 行政機関を設置する(例:復興庁や復興部局を設置する。)
・ 財政システムを策定する(例:災害復興融資制度を整備する。)
・ 復興へ投資する(例:災害軽減策に取り組む。)
・ 社会的保護(Social Protection)を実行する(例:全過程における社会的弱者グループの包括性を保持する。)

今後の取組みとして、WRC3の参加者は、次の3つのキーアクションポイントを推奨した人道的支援及び危機に関する欧州委員会委員のメッセージからヒントを得るかもしれません。
・ レジリエンスを強化する
・ リスクを理解する
・ プライベートセクターと協働する

(2017/06/14 14:40)

 

2017年5月23日~26日(メキシコ)

平成29年5月23日から26日に、第5回防災グローバル・プラットフォームが、カンクン(メキシコ)において、5月24日から26日の3日間開催されました。
防災グローバル・プラットフォームは、各国政府,国連システム,国際機関,地域機関,学術研究機関,市民社会,民間セクターなど防災関係者が一堂に会する機会として国連総会決議により設置され、2007年以降、隔年で開催されている。第5回目となる今回の会議は、UNISDR(国連国際防災戦略事務局)とメキシコ政府の共催により、初めてジュネーブ以外で開催されました。会合は24日朝の開会式に始まり、3日間を通じて多様なセッションが開催され、約180カ国が参加しました。
日本からは、羽深内閣府審議官をはじめ外務省、内閣府、国土交通省、気象庁等、さらに、平野達男参議院議員(元復興大臣,元防災担当大臣,UNISDR議連会長)が出席されました。
特別セッション(より良い復興と備え)においては、羽深内閣府審議官が共同議長を務め、過去の教訓を通して,「より良い復興」に向けた取組の状況と課題の検討及び,国や地方レベルにおいて,防災戦略がどのように構築されるべきか,などについてディスカッションが行われました。また、日本政府を代表して,羽深内閣府審議官がオフィシャル・ステートメントを行い、グローバル・ターゲット指標の達成に貢献するため防災基本計画等に従い,防災・減災・国土強靱化の取組を進めていくことなどを述べました。

ADRCは、地域国際機関としてオフィシャル・ステートメントを行い、ADRC加盟国の優先的課題について、プーケットにおけるACDR2016の成果である3つのポイント、メガディザスターへの対応、防災に携わる国・地方の人材の教育、コミュニティ防災の高度化、の3点、さらに、気候変動へのさらなる配慮等熊本視察以降、各国から指摘を受けた事項に言及し報告しました。また、ACDR2017のアゼルバイジャン開催についてもこの機会に周知しました。

 また、ADRCは防災関係者が大勢集うこの機会に、加盟国間のネットワーキングと意見交換に資するため、5月25日に朝食会を開催しました。早朝の時間帯の会議で、短期間での呼びかけにも関わらず、元VRのネットワークの御蔭で、9か国18人の参加を得ました(写真)。
まず、ACDR2017開催に向けて、ホスト国のアゼルバイジャンから歓迎の意と会議への期待が示され、会議期間の冒頭にカスピ海諸国の防災訓練に参加国を招待する意向が示されたほか、防災の重要性に鑑み、ハイレベルの参加について各国に呼びかけがありましたた。

ADRCは昨年12月熊本地震被災地視察の際の運営委員会で、ADRCの将来的な活動の柱を議論するため、防災上の重要課題や国際協力の必要性のある事項等ついて、加盟国からの意見を求めたところ、回答があった国からの指摘事項を報告し、GP期間中及びそれ以降に、さらなる意見交換を呼びかけました。この後、出席者からのラウンドテーブルを行い、各国近況等を共有しました。
次回2019年のGPはスイス(ジュネーブ)で開催することが公表されました。

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(2017/5/31 12:30)

2017年5月22日~26日(メキシコ、カンクン)


国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、「仙台防災枠組の採択から実行へ」を全体テーマとした第5回防災グローバル・プラットフォームにおいて、(i) マーケットプレイスにおけるブース出展、(ii) イグナイト・ステージにおける発表、(iii) 仙台防災枠組の優先行動4に則したサイドイベントの開催などの活動を積極的に実施ました。
IRP/ADRCのイベントは、次の事項を推奨することを目的にしています。

・ 効果的な「より良い復興(Build Back Better)」の成果を促進することによって、防災に関連した開発パートナー、地域的な政府間組織、地域的な組織、地域的なプラットフォームとより緊密な連携を図ること。
・ 復旧・再建・復興における「Build Back Better」に対する経験と知識の情報共有と普及をより幅広く実施すること。

これらのイベントは議長総括に寄与し、その総括では、会議の中で取り上げられた優先的行動分野について言及されました。

マーケットプレイスにおけるIRP/ADRCのブース出展
ブースでは、「Build Back Better」やレジリエントな復興に関するガイダンスノートやツールなどのナレッジ・プロダクトを特徴にした展示を行い、それらのコンテンツは、IRPの構成団体やパートナーから集められました。今回の出展を通して、次の成果が達成できました。

WS000013.JPG・ 「Build Back Better」に関するケーススタディ、ツールやガイダンスノートを収録したCD-ROM、400枚以上の配布
・ IRPのパンフレットやその他復興に関するIRP構成団体のパンフレット・報告書類を含めて、500部以上の配布
・ 「Build Back Better」に関するビデオやIRP構成団体から提供を受けた関連するビデオの上映
・ 「Build Back Better」に関するIRP活動のキーメッセージを配したバナー広告のディスプレイ

イグナイト・ステージでのIRP/ADRCのプレゼンテーション
WS000000.JPGイグナイト・ステージでは、日本の事例を紹介することによってIRP復興ガイダンスノートの価値が高まることが明示され、そのガイダンスノートが「Build Back Better」に役に立つことが実証されました。
また、日本における復興に関するケーススタディの分析に基づいて、次の知見が紹介されました。一つ目は、日本における「復興への備え」です。例えば、南海トラフ地震への備えとして東京都が対策を講じているように、いくつかの事前復興計画の策定や災害時応援協定の事前締結の中で見て取ることが出来ます。二つ目は、日本では、復興段階において、政策やインフラ設備、社会システムにおける改善できる点を事細かに改善してきています。日本政府が災害後の対応として、建築基準法や関係法を改正していることが明確な証拠として挙げられます。最後に、日本では、人々の生活の中に復興への備えを取り入れることによって、絶え間なく「強じん性の文化」を促進しています。このことは、膨大な量の情報の普及や自覚の促し、また、定期的な災害訓練などを通して促進しています。

IRP/ADRCのサイドイベント
IRP/ADRCのサイドイベントは、JICAと共催で開催されました。このセッションでは、JICA、インド、グアテマラからのスピーカーが発表するという「Build Back Better」に関する革新的なプログラムになっていて、各スピーカーは、成功した施策の重要な要因として「復興過程における良き統治」を強調していました。これを達成するために必要なこととして、次の行動が特定されました。
WS000001.JPG一つ目は、復興過程のローカル・オーナーシップ(Local Ownership)を促進することが重要です。JICAが実施したハリケーン・ミッチ、インド洋津波、タイフーン・ハイエンにおける比較研究に基づく所見によると、復興過程におけるローカル・オーナーシップは「Build Back Better」を達成するための基礎的要因となることが明らかにされました。復興過程のオーナーシップを持つことによって、より断固とした責任ある決定がなされます。効果的に復興ビジョンを達成するということは、過去の経験から学ぶことを意味します。ローカル・オーナーシップが強ければ、より、国際的な活動機関の役割が少なくなることが議論されています。しかしながら、ローカル・オーナーシップは、必ずしも外部の支援や援助を必要としないことを意味するのではありません。
二つ目は、権限ある責任を確実に保持することが必要です。インドの経験から、権限ある責任には、強固に制度化されたシステムも必要とされます。そのシステムによって、政治力学と施策の継続性への対処がうまくなされる必要があるのです。また、専門家の利用やステークホルダーとの調整、コミュニティの関与、時宜にかなった政策決定、効果的な政策調整、過去の経験からの教訓の適用などの役割を委任できる権限も必要とされるのです。
最後に、国の災害復興フレームワークを策定することは有効です。このフレームワークは、復興プロトコル、ステークホルダーの役割、計画策定に利用されるツールを規定していることから、効果的な復興過程の統治を促進することに役に立ちます。グアテマラの事例では、2013年に政府が国の災害復興フレームワークを策定し、2014年に発生したサン・マルコ地震からの復興時期に、効果的に施行されました。そのときと同じ地方自治体は2012年に地震被害を受けていました。次の理由から、このフレームワークはより効果的な復興を促進します。(i) 事前に得られた知識と理解によって、公的セクターの機関間での役割共有がより調整された形で達成されます。(ii) 短期的及び中期的な段階において資源配分がより良い形でなされます。(iii) 情報格差を減少させます。グアテマラの経験と「Build Back Better」への備えによって、政府は、2016年4月に近隣国のエクアドルで発生した地震後の復興に対して技術支援を提供することが出来ました。

(2017/05/31 14:40)

2016年10月8~9日(ペルー)
  
   平成28年10月8-9日、イキトス(ペルー)において、APEC 第10回シニアレベル防災フォーラム(SDMOF)会合が開催されました。第10回シニアレベル防災フォーラム(SDMOF)会合は、ペルー国家防災庁(INDECI)が主催したもので、9月に就任したペルー国家防災庁A.ロサーダ長官、及び開催地マイナス市長により開会の挨拶がありました。これに先立つ、10月6-7日には、米国FEMA主催早期警戒に関するAPECワークショップとともに、アジア防災センターからは所長が防災作業部会共同議長して出席しました。
  今回の会合は、サプライチェーンの防災及び緊急時のフード・セキュリティをテーマに、非常事態の中で特に貧困層に食料を届けること、そのために必要な官民の連携、制度的な工夫等を主要テーマに、1日半にわたり4つのセッションが開かれました。開催地ペルーのほか、豪州、中国、日本、フィリピン、チャイニーズ・タイペイ、米国、ベトナム、さらにABAC等から発表がありました。日本からは、内閣府石井参与が出席し、熊本地震時における政府の対応、特にプッシュ型支援について、食糧支援の例にも触れた発表が行われました。
  また、防災作業部会(EPWG)では、昨年の主催エコノミー、フィリピンの提案で閣僚会議で承認されたAPEC防災枠組みに基づく行動計画案を検討しAPEC全体でも議論してきた中で、これを今秋閣僚会合等に報告することについて、SDMOF参加者にも了承されました。行動計画は「生きている文書」として今後も随時柔軟に議論されていくこととなりました。
  http://www.apec.org/Press/News-Releases/2016/1012_disasters.aspx
(2016/IMG_0653.JPG10/8 12:30)
2016年8月15~16日(ペルー)

   平成28年8月15日―16日に、リマ(ペルー)においてAPEC防災作業部会会合が開催され、アジア防災センターからは所長が共同議長して出席しました。この会議は2月の会議に続く2016年の2回目の会合です。
   主な議題としては、まず、10月に同じくペルーのイキトスで開催予定のシニアレベル防災フォーラム(SDMOF)の主要議題として、緊急時の食事提供や官民連携によるレジリエンス強化等に焦点を当てフード・セキュリティを取り上げることについて議論を深めました。また、昨年秋にAPECが承認した防災枠組みに基づく行動計画案についても議論しました。さらに、最近の災害と対応策についても、インドネシア、ベトナム、中国、米国、ロシア、チャイニーズ・タイペイ、フィリピン、韓国、タイなどから報告がありました。ADRCからは、熊本地震の概況と復旧の取組(http://www.adrc.asia/publications/201604_KumamotoEQ/ADRC_2016KumamotoEQ_Report_1.pdf)、来年に向けてベトナムと共同提案している地方のインフラの災害からの復興に関するプロジェクト等についても報告しました。
   同作業部会終了後16日午後には、ADRCはペルー国家防災庁(INDECI)の協力を得て、内閣府とともに津波防災ワークショップを開催しました。この中では、ペルー、日本のほか、米国、タイ、フィリピン、ベトナム、チャイニーズ・タイペイ、チリ等のエコノミー、ペルーの民間企業も参画し、総合的な津波対策、サプライチェーンを通じた世界的な経済への影響等について議論しました。JICA,ペルーの民間企業からも、耐津波の取組について発表がありました。大多数が津波被災地域であるAPECは津波対策の議論を深める上でも、また、民間との連携を深めていく上でもよい場です。東日本大震災のように津波は仮に直接的被害は一定の地域に限られたものであっても世界的なサプライチェーンを通じて、間接的に世界経済を脅かす可能性もあり、一方、インド洋津波のように広範な地域に直接的被害をもたらす場合もありえます。本ワークショップの成果も踏まえ、太平洋の両岸が連携して取り組んでいくことは極めて有用.と考えます。
  このほか、今回のペルー滞在の間、翌17日及び18日には、米国FEMA主催で的確な寄付に関するワークショップが開催され初日の議論に参加したほか、18日には、APEC主席科学顧問等会合において、防災に関わる科学的助言に関する議論が行われ、後日示された同会合勧告の中では、防災システムの核心としての科学的助言の重要性が指摘されました。

(2016/8/15 12:30)

2016年6月6日(オーストリア)

 アジア防災センター(ADRC)は、2009年6月に国際連合宇宙空間事務局(UNOOSA)とADRCの協力合意のもと、ADRCに国連災害管理・即時対応のための宇宙情報国連プラットフォーム地域支援事務局(UNSPIDER Regional Support Office)がADRC事務局内に設置されました。
 地域支援事務局は世界各地において20の事務局が設置され、今回はその活動の一環として、2016年6月6日からウィーン(オーストリア)において開催された国連防災緊急対応衛星情報プラットフォーム(UNSPIDER)プラス10記念会合にあわせて開催された第7回国連防災緊急対応衛星情報プラットフォーム年次会合に参加しました。この会合では、各地の地域支援事務所(RSO)から担当者が集まり、以下のサブテーマで積極的な討論が実施されました。

2015年における各地域支援事務所からの報告とレビュー
2016年における各地域支援事務所からの活動計画の説明
UNSPIDER技術支援に係る事業の実施と提案
2016年におけるアジア等地域単位の活動に関するグループ議論
上記に係る報告
ナレッジマネージメントを継続的に実施させるための連携に関する議論

 ADRCは本会議において、2015年におけるセンチネルアジアの活動実績および2016年における活動予定を発表するとともに、事務局および他のRSOとの意見交換を行いました。

(2016/6/20 18:30)

2016年2月20~21日(ペルー

APEC防災関連作業部会(EPWG)がペルーのリマで開催されました。かいかいに先立ち、2月に台湾南部で発生した地震他前回会合以降の災害による犠牲者に一分間の黙祷を捧げました。会合はホスト国ペルーNational Institute of Civil Defense, INDIECIの長、A.Murgueytio将軍の歓迎の辞に始まり、これに二人のベトナムと日本の共同議長の挨拶が続きました会合ではまず2016年のワークプランが議論され、2日目に合意されました。また、昨年高級実務者会議においては、より高い頻度、規模、範囲にも及ぶ自然災害に直面し、より適応性のある災害に強いエコノミー実現のため協働していくために、「APEC防災枠組み」が採択され首脳会議でも支持されましたが、これを推進してゆくための行動計画についても議論されました。会合では、さらに2015年の会期中の他WGとの連携による活動等についても議論されました。なお、2月29日には、各ワーキングの共同議長等からなる SOM Steering Committee on ECOTECH Committee of the Whole (SCE-COW)も開催されました。

(2016/2/20 12:30)

2015年10月28日(台湾


アジア防災センターは、2015年10月28日に台湾、台北にて開催されたビッグデータ及びオープンデータの防災への適用に関するAPEC/EPWGワークショップに、同ワーキング共同議長の一人として出席しました。会議には米国、チリ、インドネシア、韓国、マレーシア、ペルー、シンガポール、タイ、ベトナム、日本などAPEC加盟エコノミー、防災機関、大学等から約20人強の出席がありました。

ワークショップ初日には科学技術省次官の開会の辞の後、米国FEMA国家継続プログラムAssistant Administratorから、公共と民間の連携強化につながる警報システムのベストプラクテイスに関するキーノート・スピーチがありました。これに続いて、リーEPWG共同議長、国家科学技術センター事務局長から、国家的災害における地域におけるデジタルな防災、防災に関する意思決定への科学技術の適用に焦点を当てたキーノート・スピーチがありました。  
ADRCは最初の2つのセッションに参加しました。第一セッション「防災のためのビッグデータ」においては、デジタル面での防災に関する優良事例が取り上げられました。第二セッションでは、アジア地域におけるデジタル面での防災強化の取組に関するもので、ADRCからは、日本におけるビッグデータ、オープンデータに関する取組の概況を説明した後、発災時における関係省庁によるデータ共有・活用のための体制等について発表しました。この後、2日間を通じて、ビッグデータ・オープンデータの実際の活用、民間セクター都の連携等、及び新たなトレンドの課題の3つのセッションが行われました。

(2015/10/28 12:30)

2015年4月20-21日 (タンザニア、ダル・エス・サラーム)

 2015年4月20~21日、「環インド洋連盟(IORA: Indian Ocean Rim Association)」ならびにタンザニア政府の共催により、同国首都のダル・エス・サラームにて、防災専門家会合が開催されました。開催期間中は、タンザニア、ケニア、マダカスカル、モザンビーク、コモロ諸島といったアフリカ各国やインドネシア、スリランカ、バングラデシュといった東南・南アジア国など20各国以上の防災行政担当者が出席し、アジア防災センター(ADRC)ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)からは河内が参加しました。

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 また今回の会合が、2015年3月に宮城・仙台にて開催した「第3回国連防災世界会議」以降、多国間の防災行政担当者が初めて一堂に会した専門家会合だったこと、そして、日本における防災の取組みについて、環インド洋各国から高い注目を集めていたこともあり、在タンザニア日本大使館ならびに日本国際協力機構(JICA)タンザニア事務所も招聘されました。

 まず、全体会合の「災害に強い国づくりに向けて~日本の経験と教訓から~」と題した開会セッションでは、IORAが取り扱う専門家会合に初めて「防災」をテーマに設けて議論することを確認、その後、ADRC/IRPからは、基調報告として、日本近辺における近地津波・遠地津波に係る災害情報伝達、早期警戒体制の構築、事前予防・復旧の手順・事前復興計画の策定等について、人材育成や意識啓発の取組を交えて発表を行いました。

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 続く、各国担当者との意見交換の場では、2004年のインドネシア・スマトラ島沖大地震とインド洋大津波災害発生以降の復興段階において、日本の風水害にかかる早期警戒体制や地震津波防災に関する技術、経験、教訓が活用されていることを実感し、とくに2005年に兵庫県で開催された国連防災世界会議以降は、環インド洋各国にて防災体制の強化と防災文化の醸成が進んでいる旨を述べました。

 ADRC及びIRPでは、政府職員向けに多種多様な人材育成プログラムを実施しておりますが、とりわけ、ADRCメンバー国政府職員を客員研究員(VR:Visiting Researchers)として数か月もの間に受け入れる制度は、大変有意義なものであるとADRCメンバー国から評価を受けており、今回は、IRPが復興行政担当官向けに開発・編纂を行った復興教材「分野別IRPガイダンスノート」とともに、参加者に紹介しました。

 2011年の東日本大震災や2013年のフィリピンでの台風ハイエン以降、防災面における官民連携がさらに重要視され、政府や自治体、企業、大学などの学術機関、市民と地域団体が有機的に連携しながら、復興支援や防災協力を進める必要性が国際会議などで随所に確認されてきているところですが、こうした意味においても、IORA加盟国の一つ、バングラデシュにて、2015年5月下旬に実施予定のIRP人材育成事業「IRP復興ワークショップ」は、今回のIORA専門家会合同様、意義深いものと考えられます。

  1960年5月に発生したチリ地震津波では、23時間かけて津波が日本に到達し、岩手県大船渡市などで142名の方々が犠牲となりました。他方、2004年12月のスマトラ沖地震による大津波は、18時間かけてタンザニアを含む東アフリカ沿岸に到達、ソマリアでは100名以上が命を失ったとされる中、IRPとしては、リスク・コミュニケーションや災害情報の伝達、早期警戒体制の強化などを念頭に、今後も引き続き、「Build Back Better」のコンセプトでインド洋沿岸各国の防災力強化に向けた支援を行っていきたいと考えています。

この件についてのお問合せは、河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。


2015年4月17日~28日(タルカワノ、チリ)

アジア防災センター(ADRC)は、2013年からSATREPSチリプロジェクト(津波に強い地域づくり技術の向上に関する研究)において研究機関のひとつとして参画しています。今回は、2010年に発生したチリ地震により、死者800人以上と甚大な被害を受けたタルカワノ市を訪問しました。
今回の活動は、タルカワノ市の住民の方々を対象としたDisaster Imagination Game (DIG) の実施と、津波防災意識の調査を目的としました。
本活動においては、現地のタルカワノ市役所が主として運営を担当しました。期間中は約100名住民が活動に参加し、タルカワノ市役所が用意した津波浸水域などの地図などの情報を元に、住民、行政、専門家が協議を行い、実際の津波災害時を想定し、より良い防災および減災のために、活発な意見交換が行われました。
チリにおいては将来的にも大規模な地震及び津波発生が危惧されています。大規模な津波被害を経験したタルカワノ市の活発な防災活動を優良事例として、同国内で本活動が展開されることが期待されます。

(2015/05/25 18:30)
2015年02月09日 (オーストリア、ウィーン)

IMG_1430.JPGのサムネール画像アジア防災センター(ADRC)はウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第52会期における日本国主催のセミナー及びレセプションに参加しました。開催されたセミナーは2月9日午前のCOPUOSセッション終了後に同じ会場で実施され、[災害リスク軽減における宇宙技術が果たす役割」をテーマにADRCの他に他の4つの機関(国連宇宙局、地球観測に関する政府間会合、フィリピン火山地震研究所、インド宇宙研究機関)による発表とその後の質疑応答が行われました。ADRCは宇宙技術が自然災害被害を軽減、予防する取組であるセンチネルアジアの実績および課題について発表しました。そのほか、衛星画像を利用して作成された洪水や火山のハザードマップの事例、今年の3月に開催される世界防災会議での宇宙技術の利活用に向けての提言等の発表が実施されました。
(2015/02/09 13:50)


2015年2月5~6日(オーストリア、ウィーン)

アジア防災センター(AKIMG0007.jpgDRC)はウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第52会期にあわせて開催された第6回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合に参加しました。

2月5日と6日の2日間に開催されたUNSPIDER RSO会合では、世界各地の地域支援事務所から30名以上が集まりました。同会議では、以下のサブテーマで積極的な討論が実施されました。


①2014年の活動報告
②2015年の活動計画
③UNSPIDER作成のブックレットおよびポータルサイトの紹介
④途上国への技術指導のあり方や衛星利用の課題に関する議論
⑤途上国への技術指導についての優良事例の紹介
⑥津波干ばつ、洪水等のワーキンググループからの活動状況の報告とそれに対する議論

 ADRCはUNSPIDER RSO会合において、2014年におけるセンチネルアジアの活動実績および2015年における活動予定を発表するとともに、事務局および他のRSOとの意見交換を行いました。
(2015/02/05 13:50)

2014年11月11-12日(エルサルバドル、サンサルバドル)el salvador.JPG

 

  ADRC/IRPは、中米防災センター(CEPREDENAC)と共に、UNISDR及びUNDPの協力を得ながら、復興ワークショップ及び復興プロセスに係る政府間協議をサンサルバドルで開催しました。今回のワークショップの目的は、政府機関や各都市が知識を共有するとともに、それぞれが持つプログラムを改善していくことであり、「国及び地方レベルで復興プロセスをいかに制度化してきたか」、「制度的、政策的にこれまでどのような対策がとられてきたか」等について議論を行いました。

   ワークショップにはパラグアイ、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル等、中米各国の政府職員、また世界銀行やスイス開発委員会、UNISDRからの代表など40名以上が参加し、ADRC/IRPは復興ガイダンスノートなどのツールや日本をはじめとする世界各地の復興事例を紹介しました。

    議論の中で、もっと優良事例や復興の教訓などを発信し、このワークショップの成果を他の国、地域と共有すべきであること、2015年以降の国際防災枠組における復興の問題を考える必要があること、などの意見がありました。さらに具体的な取組として、(1)災害が起こる前に、復興枠組・計画を準備、検討、決定する、(2)防災の主流化を図る、(3)復興計画の評価・モニタリングのためのしくみを作ることが提案されました。また、今回のワークショップでは、中米にはもっと世界と共有すべき復興の経験があると感じられました。

(2014/11/25 14:40)

2014年10月27~31日(photo_Taiwan.jpg台北)


ADRCは、台北市において、10月27日から31日にかけ、「防災に関する国際ワークショップ」に参加しました。同ワークショップは、台湾の防災科学技術院(NCDR)が主宰するもので、本年は世界各国の大災害からの「よりよい復興 build back better」の経験を共有することを目的として開催されました。

ADRCからは、関東大震災、阪神・淡路大震災及び東日本大震災という我が国の過去の巨大災害を中心に、災害を教訓とした防災システムの改善、復興の経緯と課題を紹介するとともに、「よりよい復興のためのツールとガイダンス」について紹介しました。

この他に、アジア・太平洋及びラテンアメリカ諸国の出席者から、大災害からの復興に関する事例の紹介があり、貴重な情報と知識を共有する機会となりました。

(2014/11/7 14:40)

2014年9月10~12日(米国、ワシントンDC)


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全体会合では内閣府齊藤参事官が登壇

9月10日から12日の3日間、米国・ワシントンDCの世界銀行本部にて、、世界銀行防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、国連開発計画(UNDP)、欧州連合(EU)の共催により、第2回世界復興会議が開催されました。

本会議では、災害後の復旧・復興に焦点をあて、防災面での国際協力の重要性、脆弱な地域におけるハード・ソフト両インフラの整備と技術革新、国の開発目標を踏まえたレジリエントな復興など、幅広いテーマについて議論が行われ、期間中は、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)といった地元政府をはじめ、各国の政府、国際・国連機関、民間セクター、NGO、学術関係者、防災専門家等のべ1,000名以上の参加があり、アジア防災センター(ADRC)からは研究部の河内、赤松、ポトゥタン、グリザールの4名が参加しました。

本会議は、2015年3月に我が国で開催予定の「第3回国連防災世界会議」へとつながるプレ国際会議と位置付けられており、また日本における大規模災害からの教訓と知見を会議参加者に共有することを目的としていたこともあって、日本から多くの防災ステークホルダーが参集、「世界各国における大規模災害からの復興」、「東日本大震災からの教訓」、「事前復興計画~阪神・淡路大震災後の復興をもとに~」、「災害復興における官民連携」といった様々な切り口によるテーマ別セッションに参画しました。


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  世界銀行東京事務所による「事前復興計画」のセッション

ADRCとしては、日本政府(内閣府)および国際復興支援プラットフォーム(IRP)との共催により、テーマ別セッションを3つ企画・運営したほか、世界銀行「東京防災ハブ」と連携し事前復興計画に係るセッション等に登壇しました。

日本からの機関として、具体には、日本政府から内閣府と国土交通省のほか、国際復興支援プラットフォーム(IRP)、国際協力機構(JICA)、東京都庁、兵庫県防災局、関西大学、東北からも日本政策投資銀行東北支店、東北大学、仙台市が参加しました。

所属機関こそ異なるものの、各々の参加者が「より良い復興(Build Back Better)」、「防災への事前投資」、「中央政府における防災プラットフォームの強化と地方との連携」、「有機的かつ横断的な連携プラットフォーム:東北復興連合会議」、「災害統計や被害後ニーズ評価」、「次世代につなげる人材育成」、「災害復興における官民連携」、「大規模津波災害に対する備え」等における重要性や必要性について、全体会合・テーマ別セッションを問わず、諸外国からの参加者に対してプレゼンテーションを行い、災害対策と国づくりを同時に進めてきた日本だからこそなしえる国際貢献と防災協力の取組姿勢に、高い注目が集まりました。

IMG_0998_2.JPG また、こうした取組姿勢が、現在策定中の「兵庫行動枠組」の後継枠組へのインプットと方向付けに係る各国の周知・理解の深化へとつながり、ひいては、内閣府を中心として鋭意準備が進められている「第3回国連防災世界会議」の成功へと導かれていくものと考えられます。

                             

なお、この件に関する問合わせは、河内(kouchi@recoveryplatform.org)までお願いします。

 (2014/9/26 14:50)

2014年8月11日~8月12日 (北京、中国)

8月に開催された本年の第3回APEC高級実務者会議に合わせ、第8回APEC防災高級実務者会議が8月11-12日において開催され、日本政府(内閣府防災)を含むAPECのメンバーエコノミーの代表の他、関係する国際機関等約50名が出席しました。ADRCからは、APECの防災関連WG(EPWG)の共同議長を務めるADRC所長が参加しました。その模様について報告します。

今回の実務者会議は「防災に関する科学技術の活用」をテーマとし、①災害予防、②発災時の応急対応、及び③災害復旧・復興における科学技術の活用事例とともに、④当該分野に関する国際協力の事例に関するセッションが開催され、各メンバーエコノミー及び国際機関における取組みについての紹介がありました。

最終日に「APECリーダー」に対する「科学技術が災害予防から応急対応、災害復旧・復興に至る防災の全ての局面で科学技術の活用が重要であること」が政策提言としてとりまとめられました。

(2014/11/04 13:00)
2014年6月30日~7月2日(トゥールーズ、フランス)

 ADRCは2014年6月30日から7月2日にかけてフランスのトゥールーズで開催されたToulouse Space Showに参加しました。本会議は、フランス国立宇宙研究センター(CNES)が主催し、欧州地域における宇宙関連機関及び企業が会場に展示物や活動を紹介していました。また、通信や政策の分野における宇宙技術の有効的利活用に関する討論会が設けられ、ADRCはそのうちのひとつ、「予防、緊急対応、再興のための危機管理」という討論会において壇上に立ち、東日本大震災時における宇宙技術の利活用の実例について紹介しました。本討論会においては、その他、ドイツ宇宙センター(DLR)や国際連合宇宙局(UNOOSA)なども議論に加わり、各国の防災分野における最新の取り組みや、国や地域を越えた協力体制の必要性について説明されました。

(2014/07/22 18:30)

2014年6月4~5日 (アゼルバイジャン、ギャバラ)

IMG_2584.JPGADRCは2014年6月4-5日にかけてアゼルバイジャンのギャバラで開催された第7回ECO(経済協力機構)国際防災会議に参加しました。アゼルバイジャンの非常事態省が主催し、ECO事務局が協力して開催された本会議には、ECOメンバー国の代表団及び国連や国際機関、学術・科学機関からの専門家が参加し、ECOメンバー地域におけるよりより防災協力を推進するため、様々な防災活動や経験について情報交換を行いました。ECOメンバー国には、アゼルバイジャン、イラン、カザフスタン、キルギス、パキスタン、タジキスタン、ウズベキスタンといったADRCのメンバー国が加盟しています。

各国代表団による発表及びスピーチに続き、UNOCHA、UNESCAP、GIZ、中央アジア応用地球科学機関(CAIAG)、ADPCといった機関からの専門家が、ECO地域における防災への取り組みついて紹介を行いました。ADRCからは、ADRCのアジア地域における役割とともに、中央アジア・コーカサス地域からのメンバー国が参加できる客員研究員プログラム、JICA「中央アジア・コーカサス地域総合防災行政」コース、ピアレビュープロジェクトを中心に紹介しました。

本会議の最後には、政策及び実務レベル、科学関係者間での総合的なアプローチが、本地域におけるよりよい、そしてより効果的な防災に寄与するとの認識で一致しました。このことは、ECO地域のみならず、他のADRCメンバー国にも重要な課題だと考えられます。

(2014/06/17 16:50)

2014年5月12日~14日 (カタール、ドーハ)


0 Qatar group.JPGカタール内務省の常設緊急事態委員会からの要請により、災害時に政府の開発活動が即座に平常に復帰できることを目的として、復興ワークショップを開催しました。カタールは災害が少ない国である一方、政府は近隣国での災害、例えばサウジアラビアでの洪水や湾岸諸国での紛争などを想定して、防災システムを強化したいと考えており、さらに、2022年のサッカー・ワールドカップ大会など、国際的なイベントを開催する時に、システムが有効に機能することを目指しています。
IRP/ADRCは、アラブ地域のUNISDR及び国際訓練教育機関(GETI)と協力し、5月12~14日、カタール・ドーハにおいてワークショップを開催しました。ワークショップの第一の目的は、政府職員に対して災害後の復興活動のコンセプトを理解させること、また民間防衛局が構想しているカタール復興枠組の策定準備を行うことです。
IRP/ADRCは、東日本大震災や阪神・淡路大震災の教訓など、防災・復興と持続可能な開発を結びつける事例となった世界各国の災害復興の経験をドーハの専門家と共有し、さらには政府の防災担当職員の知識を強化し、またその知識をいかに長期開発計画に有効に統合していくのかを示しました。
 カタール政府職員及び民間セクターから約55名がワークショップに参加し、復興枠組のための戦略や活動のあり方について探り、またUNISDR及びGETI関係者、またカタール市民防衛局関係者も議論に参加して知識、経験を共有しました。開会式には、内務省高官の他、常設緊急事態委員会事務局長のハマド・オスマン・N・アルデハイミ准将が参加され、防災・復興に関する知識の強化等、ワークショップへの期待を表明されました。参加者は、カタール政府の既存の活動を強化するため、世界中の経験から得られた様々なコンセプト、戦略、活動を学びました。
 今後に向け、カタール政府は現在、復興枠組案作成のためのフォーローアップ・ワークショップの実施を検討しています。

(2014/05/21 14:30)

2013年11月5~7日(タイ・バンコク)


2015年に日本・仙台市で開催予定の国連世界防災会議においては、防災に関する現行の世界的指針「兵庫行動枠組」の後継(以下、「HFA2」)が採択される予定ですが、その内容については、アジア・アフリカといった世界の地域/女性・高齢者・子どもといったステイクホルダーごとに議論が重ねられています。アジア太平洋地域においては、来年6月タイにおいて開催される「第6回アジア防災閣僚会議」(以下、「AMCDRR」)において、HFA2に向けたアジア太平洋地域の提言のとりまとめが行われる予定です。当該会議の内容を検討するため、関係する各国政府、国連/地域機関及びNGO等が自主的に参集する二回目の会合が11/5-7にバンコクで開催され、ADRCも関係機関として参加しました。

同会議においては、国連防災戦略事務局・タイ国政府より、AMCDRRの準備状況について説明されるとともに、「ローカルレベルの防災強化」「災害に対する潜在的脆弱性の低減」及び「民間セクターへのインセンティブ」といった「重要分野」ごとに今後の議論の方向について紹介が行われました。ADRCとしては、災害に関する統計データや人工衛星画像の分析を通じた脆弱性の把握、民間企業の事業継続計画といった蓄積を生かすとともに、主宰する「アジア防災会議」の場をHFA2に向けた協議の場として活用したい旨発言しました。

(2013/11/15 13:00)

2013年10月23日~25日(レバノン、ベイルート)


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 国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、10月23日~25日、レバノンのベイルートにおいて、EC及びUNDPレバノンの協力を得て復興ワークショップを実施し、レバノン政府の様々な部門から約25名の職員が参加しました。

 ワークショップでは、復興計画について様々な議論がなされ、特に、災害及び紛争後の「よりよい復興」について、地域又は世界各地の事例を参考にしながら理解を深めました。IRP/ADRCがとりまとめた世界各地の復興の教訓が既存の取組に新たに組み込まれ、また、ワークショップの成果として、災害及び紛争後の復興枠組についての戦略的提言をとりまとめました。(詳細は英語版参照)

(2013/11/18 14:30)

2013年9月25日~27日(南スーダン、ジュバ)


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 2011年7月に独立した新しい国、南スーダンにおける防災制度の確立という重要な局面に貢献するため、国際復興支援プラットフォーム(IRP)とアジア防災センター(ADRC)は、9月25日~27日、域内協力機関である政府間開発機構(IGAD)の協力を得て、南スーダンの首都・ジュバ市内において同国政府職員向けの復興ワークショップを開催しました。また、ワークショップには日本から講師として内閣府(防災担当)も参加されるなど、多様な防災関係者が集いました。
 ワークショップには南スーダン政府の様々な省庁から25名のハイレベル政府職員が参加し、講義やグループワークを通じて、干ばつ・洪水等の自然災害や紛争からの復興計画について統合的・戦略的な提言の作成等を行いました。(詳細は英語版参照)

 (2013/10/3 14:30)

2013年9月8~9日(サウジアラビア、リヤド)

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 アジア防災センターは、サウジアラビアのイマーム大学が主催する「第1回 サウジ危機・防災管理国際会議」に参加しました。この会議は災害が世界的な関心事になる中、サウジアラビア政府の「いかなる災害からも国民を守らなければならない」とする方針を受け、イマーム大学が各国から専門家を招き、危機・防災管理の方策や効果についての知見などを得るべく開催されたものです。

会議には主催者をはじめとして、アメリカ、エジプト、オーストラリア、クウェート、ドイツ、日本、マレーシアなどから出席した危機管理、防災管理の専門家など約40名が、政府関係者や学生など2日間で延べ約500名の聴講者に対し「危機管理の最新技術」や「サウジアラビアにおける災害脆弱性」などのテーマで講演しました。

この会議のなかで、アジア防災センターは「東日本大震災による教訓」と題して、主に防災教育の効果と、それに関わるセンターの取組について発表し、会場からはサウジアラビアにおける防災啓発や防災教育の強化を希望する声が聞かれるなど多くの関心を集めました。

 (2013/09/13 19:40)   

2013年7月29日~8月3日(エチオピア、アディスアベバ)


 政府間開発機構(IGAD)の協力を得て、国際復興支援プラットフォーム(IRP)及びアジア防災センター(ADRC)は、エチオピアのビショトゥフのドリームランド・ホテルにおいてエチオピア政府職員を対象に(2013年7月29~30日)、またアディスアベバのパノラマ・ホテルにおいてソマリア政府職員を対象に(2013年8月1~3日)災害復興計画ワークショップを連続して開催した。このワークショップは、欧州委員会(EC)のファンドにより、IRPを通じて国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が実施している「地域に於ける災害復興計画作成能力強化」プロジェクトとして、アフリカの角地域で予定されている3つのワークショップの一環であり、3つ目のワークショップは2013年9月25~27日に南スーダンで開催されることとなっている。これらのワークショップの目的は、地域において復興専門家を養成し、またIGADにおける待機能力を構築することであり、この目的を達成することにより、災害復興計画作成に係る技術的支援を望む地域の全ての国が支援を受けることが可能となる。

Group Ethiopia.JPGエチオピアからは約25名、ソマリアからは約20名の政府職員がそれぞれのワークショップに参加した。各参加者は災害危機管理及び長期復興に係る知識・経験を持つ、様々な省庁出身の高官であり、さらに、当ワークショップが当該地域特有の知識、域内の経験や国際的な専門知識を提供できるものとするため、国連開発計画(UNDP)、国際労働機関(ILO)、世界保健機関(WHO)、JICA及びアフリカ災害危機管理センター(ACDRM)といった国際機関の代表も参加した。ワークショップの開催地となったエチオピアからは、アト・ミティク・カッサ防災担当大臣が両ワークショップの開会に参加され、またサイド・ユスフ・ノア在エチオピア・ソマリア大使/アフリカ連合常駐代表が初日のソマリア政府職員対象ワークショップを訪問された。

Group Somalia.JPGワークショップでは、復興計画作成の様々な面について議論されたが、特に長期の干ばつや大洪水後の復興過程の中で予想される課題に対応するための、「よりよい復興」の手法、戦略について深く検討された。IRP/ADRCは主にファシリテーターの役割を担い、WHO、ILO、UNDPのパートナー機関の参加者からは、地域におけるそれぞれの活動に基づく専門知識や経験を提供いただいた。議論の中からは、以下のことが明らかになった。まず第一に、地域における災害対応について、「危機管理」から「リスク管理」へと災害対応にパラダイムシフトが起こっており、新しいパラダイムは事前復興計画の重要性を包含し、災害管理をより広い、包括的な視点から捉えているということ。第二に、政府が率先している災害リスク管理活動は兵庫行動枠組(HFA)に沿ったものであり、言い換えるならば、各政府はHFAに示されている優先行動に従って現地化、最新化を図っているということ。最後に、政府が災害復興計画を災害リスク管理や持続可能な開発に統合しようという動きがあることである。その一つの例がエチオピア政府の災害リスク管理戦略プログラム及び投資枠組(DRM-SPIF)であり、これは災害リスク管理政策を全面的に実現するための投資を定め、優先するもので、多くの優先分野の中の一つとして、コミュニティが「よりよい復興」を実現し、将来の災害に対してより強くなるための「災害復興計画づくり」が位置づけられている。IRP/ADRCが世界中の様々な経験から取りまとめた復興の教訓が、既存の政府の活動にさらに加わり、干ばつ及び洪水の復興計画に対して統合的な戦略提言を行ったことが、ワークショップの大きな成果となった。 

(2013/8/12 14:30)

2013年5月23日(スイス、ジュネーブ)


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 IRP事務局は、第4回防災グローバル・プラットフォームにおいて、内閣府との共催により、「巨大災害からの復興の教訓」をテーマにフォーラムを開催し、アジア防災センター等のIRPパートナー機関をはじめ、国際/地域機関、各国政府、NGOなどから124名の参加を得ました。このフォーラムは、2011年度よりIRPが内閣府、アジア防災センター、国連関係機関等とともに、4回にわたり開催してきた東日本大震災に係る専門家会合の最終回として実施され、また東北大学、神戸大学等と協力し、東日本大震災の経験と教訓をとりまとめた「東日本大震災復興状況報告書」の完成を披露する場ともなりました。
 亀岡偉民内閣府政務官の開会あいさつ、杉本明文兵庫県防災監による井戸敏三兵庫県知事からのメッセージ紹介に続いて、田中泰雄拉曼大学教授(神戸大学名誉教授)の進行によりパネルディスカッションが行われました。ニュージーランドのカンタベリー地震復興庁CEOのロジャー・サットン氏、立命館大学の塩崎賢明教授(神戸大学名誉教授)、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)のデヴィッド・トリッセル氏、パキスタン政府国家防災庁元長官のナディーム・アーメッド氏より、各国における復興の経験と優良事例について報告が行われました。
 ロジャー・サットン氏は、経済的損失を抑えるためには、復興活動においても意思決定においてもスピードが重要であると強調し、塩崎賢明教授は東日本大震災の復旧・復興の取組についての報告の中で、民間セクターが復興過程に関わることの重要性を指摘しました。デヴィッド・トリッセル氏は、米国は復興枠組を持つ国の一つであり、特にそれはハリケーン・サンディの時には有効であったとし、さらに、復興枠組の重要な原則の一つは、災害が起こる前に復興支援機能を明確にしておく「事前復興計画」であると指摘しました。また、ナディーム・アーメッド氏は、パキスタンでは復興枠組が復興に果たす有効性について評価実験が行われ、復興枠組が設定されていた災害と、復興枠組がなかった災害とを比較した結果、復興枠組が設定されていた災害の復興についてより効果的で災害に強いマネジメントがなされていたという結果が出たと報告しました。これは、復興枠組が復興の取組におけるガバナンスを大きく改善することを示しています。
 この後、モデレーター、出席者との間で討議が行われ、開発計画の中に復興の要素をいかに統合するか、効果的な復興戦略策定への取組についても言及されたほか、HFA2を見据えた、復興に係る戦略的提案についても議論されました。
 また、今回の防災グローバル・プラットフォームへの参加者向けに、IRP/ADRCはこの機会を捉え、マーケットプレイスにおいて、復興状況報告書及びガイダンスノート等の発行物や機関紹介等のパンフレットと共に、特に「東日本大震災復興状況報告書」の展示、配布を行いました。

(2013/05/23 14:30)

2013年5月21日~23日(スイス、ジュネーブ)

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会場のジュネーブ国際会議場
(UNISDRのHPより)

ADRC及びIRPは、5月21~23日(19及び20日にもプレイベントを実施)の間、スイス・ジュネーブ市国際会議場において開催された「第4回防災グローバル・プラットフォーム(GP)」に参加しました。同会議は、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が主催し、世界の防災関係者が一堂に会する2年に1回の機会です。今年は171の中央/地方政府の代表に加え、国際/地域機関、学会、民間セクター、女性/障がい者/高齢者/子ども等の安全に関する市民団体等から延べ約3,500名が参加しました。

今回のGPの大きなテーマは、こうした防災関係者の力を結集させる機会のほか、防災に関する世界的取組み指針である「兵庫行動枠組」(HFA)の目標年次を2015年に控え、HFAの進捗状況の確認と、それらを踏まえ、次の行動枠組み(HFA2)の在り方に関して議論することです。

GPの開会式は、21日の9:30から大会議場にて開催され、開催国スイス連邦のマウラー大統領、国連のエリアソン事務局次長をはじめ、ナミビア・ニュージーランド等各国の代表が挨拶を行いました。

この後、10以上の会議室に分かれて、参加国等からの公式ステートメント、参加機関の事業内容や研究成果等を紹介する延べ170のイベントが開催されました。

ADRCは、21日の14:45から16:15の間、アジア災害予防センター(ADPC)、アジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN)と共催して、「アジア地域における防災協力~技術革新と協働による災害レジリエンス構築」と題する会合を開催しました。同会議においては、中央政府レベルの防災協力のネットワークのハブであるADRC、アジア工科大学を母体とし特に東南アジア地域において高度な技術協力プロジェクトを行っているADPC及び防災に関するアジアのNPOのネットワークであるADRRNがそれぞれの業務における地域内協力の特長を紹介しました。ADRCからは、中央政府レベルの国際防災協力のgood practiceとして、日本の宇宙航空研究開発機構等各国の宇宙開発機関と連携して実施している「センチネル・アジア」の取組みについて紹介しました。この後討議が行われ、アジアには既に域内協力機関が重層的に存在しており、各機関がその特徴を生かして積極的に協力関係を深めるべき等の意見が出されました。

この会合と前後しますが、当日14:00からJICAと国連開発計画との主催で「防災の経済学-防災投資を通じた持続的開発の推進」が開催されましたが、これは、JICAが昨年度実施した(ADRCは委員として参画)、防災投資が後の経済成長に与える貢献の定量的把握手法の紹介であり、多くの国際機関等から参加がありました。

こういった行事以外にも、期間中には各国・機関間の情報交換等の場が持たれました。22日、ADRCは、昨年12月に新たにメンバー国となったイラン・イスラム共和国の防災組織の高官(ガダミ内務省次官兼防災庁長官)と会談の機会を持ちました。次官からは同国の防災力向上に向けADRCの協力を仰ぎたい由の発言があり、当方からは客員研究員招聘等ADRCの事業の展開により同国の意向に沿いたい旨回答しました。なお、この会談の概要は後日イラン防災庁のHPでも紹介されました。

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イラン防災庁ガダミ長官(左)と会談するADRC名執所長
(イラン防災庁HPより)


最終日となる23日には国際防災復興協力機構(IRP)の主催するフォーラムが開催されました。内容の詳細は次の記事をご覧ください。

同日16:30から大会議場において閉会式が開催されました。まず議長(ダニデン・スイス開発協力機構会長)から議長サマリーの案が提示されました。ワルストロムUNISDR特別代表から参加者への謝辞が述べられた後、日本国政府代表の亀岡偉民 内閣府大臣政務官(防災担当)から、日本での開催が決定している次期国連防災世界会議について、2015年3月に仙台市で開催することを表明して3日間の会期を終了しました。

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閉会式において次期防災世界会議の仙台開催を発表する亀岡大臣政務官
(画面中央)



(2013/06/13 13:00)

2013年4月29日(サウジアラビア、リアド)


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国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、4月29日~5月1日、サウジアラビアのリアドにおいて復興計画作成ワークショップを開催しました。

本ワークショップは、IRP/ADRCのほか、世界銀行やUNISDRの協力を得て実施され、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦から政府高官等約50名が参加しました。今回のワークショップは地域における復興の専門家養成の第一段階であり、地域内の各国をサポートする予備能力を養うことを目的に開催され、また今後、フォーローアップのためのワークショップを実施すること、各メンバー国がそれぞれ防災・復興に係る事例研究を行うこと、リスク評価に係るワークショップを実施することが確認されました。(詳細は英語版参照)


(2013/05/10 14:30)

2013年2月18日~20日(アルジェリア、アルジェ)


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国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、2月18日~20日、アルジェリアのアルジェにおいて復興計画作成ワークショップを開催しました。本ワークショップは、IRP/ADRCのほか、アルジェリア政府、UNISDR、ECとの共催で実施され、政府各省、地方政府、国際機関等から40名以上の参加者がありました。
今回のワークショップでは、復興計画に係る戦略的提言の作成、ワークショップ・モジュールのアラブ諸国における現地化プランの作成等を行いました。(詳細は英語版参照)

 

(2013/03/12 14:30)

2013年2月11-13日(オーストリア、ウィーン)


ADRCはウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第50会期及びこれに併せて開かれた第4回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合に参加しました。COPUOSの本会議では、「発展途上国への能力開発訓練」「宇宙科学および宇宙技術とそれらの応用」「技術支援と地域間協力」などの様々な問題について、各国間で議論が行われました。2月11日12日の2日間に開かれたUNSPIDER RSO会合では、世界各地の地域支援事務所より30名以上が集まりました。同会議では、以下のサブテーマで積極的な議論が行われました。

①2012年の活動報告

②2013-2014年の活動計画

③進行中のプロジェクトの詳細レビュー

④緊急時の衛星画像ニーズに関する議論

⑤途上国に向けての技術支援のあり方に関する議論

⑥水害、干ばつ、火災等のグループに分かれての活動のあり方に関する議論


ADRCは、UNSPIDER RSO会合において、2011年における活動実績及び2012年の活動予定について発表するとともに、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました。

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(2013/2/20 13:40)

2012年11月26日~28日(セルビア、ベオグラード)


DSC_0747.JPG 国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、11月26日~28日、セルビアのベルグラードにおいて復興計画作成ワークショップを開催しました。本ワークショップは、IRP/ADRCのほか、セルビア内務省、UNDP、UNISDR、ECとの共催で実施され、中央、地方政府、国連機関等から40名以上の参加者がありました。
本ワークショップは、2011年4月に実施したワークショップのフォローアップ事業として実施され、セルビアの中央及び地方政府に対する災害復興計画に係る戦略的提言の作成等を行いました。(詳細は英語版参照)

 

(2012/12/10 14:30)

2012年9月24日~26日(パナマ、パナマ・シティ)


3.JPG国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、9月24日~26日、パナマのパナマ・シティにおいて復興計画作成ワークショップを開催しました。本ワークショップは、IRP/ADRCのほか、中米地域防災統合システム(SICA)、中米防災センター(CEPREDENAC)、パナマ政府、ECの協力により実施されました。
ワークショップには中央政府、地方政府、その他関係機関から30名以上が参加し、災害復興計画づくりを政府の防災計画や国連開発支援枠組(UNDAF)、その他の計画に取り入れることについて知識、理解を深めました。(詳細は英語版参照)

(2012/11/20 14:30)

2012年8月30日(タイ、バンコク)


アジア太平洋地域の自然災害監視を目的とした国際協力プロジェクトである「センチネル・アジア」は、監視活動開始から7年目を迎えました。アジア防災センターは、センチネル・アジアの発足当初より、大規模災害の発災時に、各国の防災担当機関からの観測要望を元に、各国の宇宙機関に緊急観測を依頼する役割を果たしています。
当初より、このプロジェクトは以下の3つの段階を踏んで整備を進めることとしていますが、今年はちょうどステップ2の最終年にあたります。
・ステップ1:基幹となる情報共有・配信システム導入(平成18~19年)
・ステップ2:新しい衛星コミュニケーションシステムによる情報通信の拡大(平成20~24年)
・ステップ3:総合的な「アジア太平洋地域災害管理・支援システム」の確立(平成25年~)
去る8月30日、タイ国バンコク市内において、センチネル・アジア ステップ3の在り方を検討するデータプロバイダノード(Data Provider Node: 災害に関する衛星観測データを提供する宇宙機関)の会合が開催されました。アジア防災センターは、防災担当機関の声を代表する形で会議に出席し、衛星観測データの利用状況やデータに対する要望などをとりまとめて宇宙機関に伝達しました。
この後、センチネル・アジア ステップ3の在り方に関する議論が行われ、1)発災直後の応急対応だけでなく、災害予報から復旧・復興に至る防災の各プロセスにおいて衛星観測データの活用を図る必要があること、2)そのためにもALOS2などによる衛星観測データの一層の精度向上が必要なこと、3)その過程において、防災と衛星観測データの両方の分野の知識を有した人材が不可欠であり、人材育成を促進すべきこと 等の議論が行われました。引き続きステップ3に向けその具体化につき話し合う予定です。

*センチネル(Sentinel)は「見張り」の意味。

(2012/08/30 13:00)

2012年5月7日-9日(ホンジュラス、テグシガルパ)


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国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、各国政府の復興計画作成を支援することにより、災害復興推進能力の向上をめざしています。こうした取り組みの一環として、5月7日-9日、ホンジュラスのテグシガルパ市(会場:マヤホテル)において、復興計画作成ワークショップが開催されました。本ワークショップは、IRP/ADRCのほか、ホンジュラス危機管理常任委員会(COPECO)、中米防災調整センター(CEPREDENAC)、地域災害対策中米統合システム(SICA)、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)、国連開発計画(UNDP)、欧州委員会(EC)との共催で実施されました。
ワークショップには、エルサルバドル防災大臣、サンタテクラ市長ほか6名の市長を含む政府及び開発関連団体の政策リーダーたち40名以上が参加し、復興計画作成のプログラムに積極的に取り組みました。
ワークショップ後、参加者は、復興計画を国連開発支援計画(UNDAF)や防災計画などの関連計画に位置づけるため、必要な知識を習得できたとしています。今後もこうしたトレーニングを、他の政府機関も含めスケールアップし、実施していくことを検討しています。このワークショップはホンジュラスのテレビ、ラジオ、新聞でも報道されました。

(2012/05/29 14:00)

2012年2月13日~17日(オーストリア・ウィーン)


国際復興支援プラットフォーム(IRP)のスタッフ(ADRCより派遣)は、世界銀行防災グローバル・ファシリティ、国連開発グループ(UNDG)、世界銀行ジョイント・ウィーン・インスティチュートの主催による、5日間にわたる災害後ニーズ評価(PDNA)に関する指導者研修に参加しました。この研修では、被害と損失の評価や復旧・復興におけるニーズの特定、災害に強い国やコミュニティの構築の手法がテーマとなりました。

また、この研修は、災害頻発国における将来の災害リスク低減に向けた支援にあたり、国連や欧州連合、世界銀行、ドナー機関との連携による復興計画策定の能力開発プログラムの推進について、IRP・ADRCのパートナーとの連携強化を図る機会となりました。また、PDNAの実施や、各国・関係機関の要請に応じて行う復興トレーニングを行うにあたってのIRPスタッフの能力向上も図られました。

講義とグループ演習、討論からなる研修内容は、PDNAからの情報を元に行われる復興計画策定にあたっても大変有益であり、とくにPDNA業務の構成、復興枠組みの開発、PDNA実施後の対応策のフォローアップにおいて、参加者の資質が高められる結果となりました。

(2012/02/29 14:20)

2012年2月6日~7日(ウィーン・オーストリア)

ウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第49会期及びこれに併せて開かれた第3回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合にADRCが参加しました。

2月6日7日の2日間に開かれたUNSPIDER RSO会合では、世界各地の地域支援事務所より30名以上が集まりました。
会議では、以下のサブテーマで積極的な議論が行われました。
①2011年の活動報告
②2012-2013年の活動計画
③活動協力についての議論(アジア、アフリカ、中南米の各ワークセッション)
④知識ポータルとナレッジマネジメント
⑤既存の機会活用

地域支援事務所(RSO)会合では、RSOとしてのADRCの2011年における活動実績及び2012年の活動予定について発表し、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました。

(2012/02/06   13:40)

2011年11月15日(カタール・ドーハ)

 2011年11月14日~16日の三日間にわたり、カタール、ドーハにおいて第三回民間防衛展覧会及び会議がカタール政府主催で開催され、そのサイドイベントとして第二回安全会議(フォーラム)が行われました。フォーラムには、同国及び海外から防災にかかわる行政関係者及び専門家7名が講師として招かれ、アジア防災センターも参加しました。
 フォーラムでは、アジア防災センターが東日本大震災概要及び教訓についての講演を行ったほか、気候変動、高層ビルの災害に関する課題、情報伝達などを含む人為災害、自然災害に関する広範な話題の講義が行われました。
 フォーラムには、200名を超えるカタールの政府関係者、専門家、マスコミ関係者が参加し活発な意見交換が行われ、防災に対する関心の高さがうかがわれました。

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(2011/11/17 19:50)

 

2011年10月3-7日(台湾、台北)

2011年10月3-7日に第32回アジアリモートセンシング会議(ACRS2011)が台湾の台北市で開催されました。
ACRS2011は、アジア地域のリモートセンシング分野の国際学術大会であり、アジアを中心とする世界28ヶ国と地域から854名の専門家が参加しました。
ADRCは2日目のセンチネルアジアスペシャルセッションで、東日本大震災の被害の概要と、衛星リモートセンシング技術を使ったセンチネルアジアの取組みによる被害の把握とその後の対応に果たした役割について紹介するとともに、今後の調査計画を発表しました。
東日本大震災に対する各国の関心は高く、特に台湾の出席者からは、東日本大震災の発生直後から行なってきた被災者支援の様子をまとめたビデオが紹介されました。
(2011/10/03 16:40)

 

2011年10月3日~21日(パプアニューギニア、サモア)


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アジア防災センターは2011年10月、大洋州のパプアニューギニア、サモアを訪問し、防災関係機関、過去の災害被災地にて災害リスク管理体制や取り組みについて聞き取り調査を行いました。両国ともに火山、地震・津波、サイクロン等、多様な災害リスクを有しており、リスク評価や早期警戒、住民への啓発等の取り組みが重要視されていました。

また10月11日、パプアニューギニアでは国連国際防災の日のイベントに参加しました。この啓発活動はアジア防災センターのカウンターパートである国家防災センター(NDC)とISDR、UNDPが主催したもので、関係機関、NGOからの出展があり、小中学生を含む約500人を集め、大変な盛況でした。サモアでも2009年の津波災害を受け、コミュニティを対象とした活動が活発に行われていました。


(2011/12/15 17:40)

2011年5月26日~6月4日(ブルネイ、バンダルセリベガワン)


アジア防災センターは、衛星画像の防災利用のための人材育成プログラムを、アジア工科大学(AIT)と協力して、2011年5月26日~6月4日にブルネイ国のバンダルセリベガワンで実施しました。
このプログラムは、講習(1日間)と実習(5日間)が含まれており、ブルネイ国測量局と協力して、プログラムを実施しました。なお、本プロジェクトは、ADRCが2008年から実施しているASEAN10カ国を対象にした4つの防災能力開発事業のうちの一つです。
ブルネイ国では、防災分野での衛星データの利用が進められていますが、衛星データを十分に使いこなせる技術者が不足しており、技術者の育成が課題です。
本プロジェクトでは、防災に携わる技術者や行政担当者を対象に、衛星データ利用のために必要なリモートセンシング技術やGIS、GPSに関する講習及び実習を行いました。
ブルネイ国では、洪水をケーススタディのテーマとし、洪水発生前と洪水発生後の衛星画像の比較をして、洪水氾濫区域の抽出をしました。
本プロジェクトを通して、各国の防災分野での衛星データの利用が更に推進されることが期待されます。
アジア防災センターでは、引き続き、ブルネイ国における防災分野での衛星データの利用を推進してゆきます。本プロジェクトの詳細については、ADRCのウェブサイトを参照下さい(http://www.adrc.asia/top_j.php)。

2011/6/2 13;20

2011年5月8日~13日 (ジュネーブ) 

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2011年5月8日~13日にスイスのジュネーブで国連が主催する第3回防災グローバル・プラットフォームが開催されました。本会合は世界銀行が主催する第1回世界復興会議と 同時並行で開催され、「より安全な明日のために今こそ防災投資を-ローカルレベルでの防災投資の促進」のテーマで議論が行われました。 ADRCは「アジアにおける早期警戒システムを活用した沿岸海洋リスクマネジメントのサイドイベント」、「宇宙技術を活用した防災リスク軽減のサイドイベント」において東本大震災の被害の概要や政府の対応、衛星 画像や航空写真等によるリモートセンシング技術の活用状況等について説明を行い、参加者からは大きな関心が寄せられました。 

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マーケットプレイスでは、ADRCは日本政府とともに、展示を行い、東日本大震災に関するポスター(2枚)を提示するとともに、現地調査の報告書の配布等を行い、加えて、過去取り組んだ津波防災の教科書「稲むらの火」を展示し、多くの参加者から高い関心が示されました。 

一方、IRPはマーケットプレイスにおいて独自のブースを設置し、IRPの成果物や事業概要をポスターや展示によって広報しました。参加者からは復興ガイダンスノートや政府 職員向けの復興トレーニングに、特に大きな関心が寄せられました。さらにIRPはADRCと共同で、イグナイト・ステージにおいて「東日本大震災:安全な明日に向けての防災 投資の再考」と題する発表を行いました。
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 (2011/5/16 11:30)

2011年3月7日(米国 ワシントンDC)


アジア防災センターは,アジア太平洋経済協力APECの防災ワーキンググループに参加しました。
同ワーキンググループは豪州とインドネシアが共同議長を務め、今回は豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、インドネシア、韓国、マレーシア、ペルー、パプアニューギニア、フィリピン、シンガポール(APEC事務局)、ロシア、台湾、米国、ベトナムの計16地域、合計約40名が参加しました。
会議では主に自然災害に起因する経済的被害軽減の方策に関する議論が多くありました。
ADRCはBCPを活用した経済的被害軽減の効果、衛星を利用した被災地調査事例(センチネルアジア)を参加メンバーに紹介するなど積極的な活動を行いました。    (2011/03/08 11:30)

2011年2月7日-10日(オーストリア、ウィーン)


RSO_Meeting.jpgウィーン(オーストリア)において開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第48会期及びこれに併せて開かれた第2回UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合にADRCが参加しました。


COPUOSの小委員会では、ADRCがセンチネルアジアの枠組みの中で、衛星画像の防災利用のために災害発生時の緊急観測の窓口として活動している内容や実績が紹介されました。また、地域支援事務所(RSO)会合(Regional Support Offices Meeting)では、RSOとしてのADRCの2010年における活動実績及び2011年の活動予定について発表し、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました。

                                                          (2011/2/14 19:20)

  2011年2月1日~2日(タイ、バンコク)


  アジア防災センターは、ASEAN地域の防災能力強化のための衛星データ利用に関する第一回リージョナルワークショップを、2月1、2日に、アジア工科大学の協力のもと、同大学のカンファレンスセンターで開催しました。
  このリージョナルワークショップは、アジア防災センターが2008年からASEAN諸国を対象に実施する4つの防災能力開発事業の一つで、防災に携わる技術者や行政関係者を対象実施している、「衛星画像利用の防災利用についての講習や実習」の成果報告や、衛星画像の防災利用についての情報を関係者で共有することを目的として実施しました。
 ASEAN諸国、ASEAN事務局、在タイ日本大使館、国際機関から、27名が出席し、衛星画像の利用推進のための活発な討議が行われました。
  このリージョナルワークショップの討議のポイントは、以下の通りでした。
    1) 宇宙関連機関と防災関係機関との緊密な関係
    2) 有効な衛星情報利用と専門知識と技術の開発
    3) 災害管理の能力を向上するための宇宙技術以外のICT技術の利用
    4) 地域のシステムを通じた国家間での相互学習
 
  アジア防災センターでは、引き続き、ASEAN地域の防災分野での衛星データの利用を推進してゆきます。
なお、このプロジェクトおよび、リージョナルショップの詳細な結果については、ADRCのウェブサイト(http://www.adrc.asia/top_j.php)をご覧ください。

2011/02/21 13:20

2010年10月5日(米国、ワシントンDC)


P1060883.JPG

国連、EC、世界銀行が共催する「災害復興と復興計画に関する国際会議」が、各国政府、地域団体、国連関係団体などの参加を得て、ワシントンDCで開催され、アジア防災センターからも参加しました。会議では、災害後のニーズ評価(PDNA: Post Disaster Needs Assessment)を被災地の再建と持続的な発展にどのようにつなげていくかを主なテーマとして議論が行われ、PDNAを実施した被災国からの経験報告に引き続いて、PDNAの利用に関して、①災害の社会経済的インパクト、②復興と再建の計画づくり、③長期開発戦略への減災思想の組み入れ、の3つのサブテーマに分かれたグループディスカッションが行われました。

またこの会議においては、アジア防災センターが支援する国際復興支援プラットフォームによる、PDNAワークスペースの運用開始報告も行われました。

(2010/10/12 14:00)

2010年9月15日~17日(シアトル、米国)


本ワークショップは、自然災害への備えと対応に関する経験や知識を日米の都市の担当者が共有・意見交換することを目的として、ピースウインズ・アメリカ(NGO)とシアトル市危機管理局の主催により、10月15日から17日の3日間にわたり、シアトル市の緊急センター(Emergency Operation Center)で開催されました。
2010.09.23 008.JPGアジア防災センターは、主催者からの依頼により、本プログラムの準備段階では、特に日本側の参加団体等との調整を行うとともに、プログラムの実施段階では、日本の災害時の政府における調整の仕組み等についての発表及び全体のプログラムの円滑な実施に貢献しました

本プログラムへは、日本からは、防衛省、大阪府、大阪市、兵庫県、神戸市、広島県、広島市が参加し、他方、アメリカからは、FEMA(連邦危機管理庁)、サンフランシスコ市、シアトル市、キング郡(カウンティ)、ホノルル市、マイクロソフト社、ボーイング社等から危機管理・防災の担当者が多数参加し、過去の災害の経験や将来の災害への備えについて、現場に最も近い立場から実務に即した議論が活発に行われ、非常に意義深い交流が実施されました。特にアメリカ側の事例発表では、地方公共団体、民間企業、NGO等が協働して将来の災害への備えのための計画・体制づくりに取り組んでいるということが日本からの参加者にとっては非常に印象深いものとなりました。
本交流プログラムは来年以降も継続することが企画されており、日米双方の地方公共団体にとってさらに有意義なものとなっていくことが期待されます。

(2010/09/18) 

2010年7月5日~8日 (フィリピン、マニラ)


 2010年7月5から8日にフィリピンのマニラで、センチネルアジア・ジョイントプロジェクトチームの年次会合(JPTM)が開催され、アジア防災センターも参加しました。本会合は、JAXA、UNESCAPとフィリピン科学技術庁(DOST)との共催で開催され、22カ国の36メンバー機関と5国際機関から71人の参加がありました。
 アジア防災センターは、災害発生時の緊急観測を担当しており、緊急観測の実施状況及び緊急観測データの利用状況調査の結果、氷河湖決壊洪水プロジェクトの進捗状況について報告を行いました。
 なお、会議での議論のテーマは、次のとおりです。
        ・センチネルアジアステップ-2の進行状況
        ・JPTメンバーの活動状況
        ・森林火災ワーキンググループ活動
        ・洪水ワーキンググループ活動
        ・氷河湖決壊洪水ワーキンググループ活動
        ・インターナショナル災害チャーターとセンチネルアジアとの連携
 ADRCアジア防災センターとしては今後とも、センチネルアジア事務局と連携しつつ、アジア地域の防災への衛星利用を推進していきます。なお、この会議の詳細については、センチネルアジアウェブサイトを参照下さい。

2010/08/02 13:20

2010年6月7日~8日(ブルネイ、バンダルスリブガワン)


photo_brunei.jpg2010年6月7日~8日、ブルネイ国家防災センター(NDMC)とアジア防災センター(ADRC)は、バンダルスリブガワンにて、コミュニティの防災能力強化を目的とした研修を実施しました。

カンポンアイールという水上集落を対象とし、行政官、地域のリーダーや子どもを含む住人約90人が参加しました。まず初日に地域の災害リスク、緊急避難計画などの基礎知識に関する講義を受け、その後、実際に街歩きをして、翌日、ハザードマップの作成及び報告を行いました。また同時にCPRなどの応急手当や消火器の訓練なども行われました。

暴風、洪水、火災などに多く見舞われるこの地域に暮らす参加者は、熱心にプログラムに参加し、定期的な開催を求める声も上がりました。

今回で4回目となる本プログラムは、昨年11月にNDMCとADRCが実施した、講師育成のための研修(TOT)を受講した行政官が講師を務めています。今回をもって本プログラムは終了となりますが、研修の経験が他の地域に共有されていくことが期待されます。

本プログラムはアセアン地方行政官能力強化プロジェクトの活動の一つであり、各国の行政官の災害対応能力の強化を目指しています。これまでカンボジア、ラオス、ベトナムで実施されており、今後はマレーシア、フィリピン、タイ、インドネシア、ミャンマー、シンガポールで、同様の研修を予定しています。

 (2010/06/18 17:40)

2010年2月28日~3月12日(エルサルバドル、ニカラグア、グアテマラ)

JICAが2000年より中米六カ国を対象に実施している中米防災研修が10年を経過し、帰国研修員のフォローアップ調査を実施しました。中米はADRCのメンバー国ではありませんが、類似の研修コースの企画運営をしていることからADRCから一名参加し、本邦研修に対する評価やその後の活動状況について調査を行いました。

多くの帰国研修員が指摘したことは日本における防災の文化や精神を学んだことでした。災害発生時の対応だけでなく予防に力を入れていること、学校教育に防災が含まれていること、コミュニティや個人が防災を意識していること、災害を忘れずに次の世代に伝える努力がなされていること、それら全てを日本における防災文化や防災の精神として捉え、帰国後にそれらを意識した活動に取り組んでいるとのことでした。
一方で課題として挙げられていたことは、①阪神・淡路大震災の話題に偏っていること、
②地震以外の災害種の扱いが少ないこと、③一方的な講義が多いこと、④十分な質疑の時間がとられていないこと、⑤コミュニティの現場経験が少ないこと、⑥研修員が自国の経験を発表することや日本で学んでいることについて議論しあう時間が少ないこと、⑦配布資料がスペイン語化されていないものがあること、⑧講義が日本語のため通訳の時間が長いこと、⑨研修スケジュールが平準化されていないこと、等でした。
さらに今後の中米防災研修に対する要望としては、①兵庫行動枠組みや中米防災長期計画とリンクした単元目標にすること、②研修員選定段階や事前補完研修で帰国研修員との十分で適切なコミュニケーションが図られること、③具体的で実施可能なアクションプランを作成すること、④帰国後すぐに関係者に対するアクションプラン発表会を行うこと、
資料は全てデジタル化して配布すること、⑥帰国後の情報交換や経験交流の場ができること、⑦帰国後一定期間活動した帰国研修員に対して第二フェイズの研修を実施すること、等があげられていました。

帰国研修員に対するインタビュー調査結果を含む調査報告書は JICAから公開される予定です。

(2010/3/25 16:40)
 

2010年2月8日-19日(オーストリア、ウィーン)

 

ウィーン(オーストリア)において200928日-19日に開催された国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第47会期及びこれに併せて開かれた第1UNSPIDER RSO(地域支援事務所)会合にADRCが参加しました。(出席会議は9-11日)

COPUOSの小委員会では、ADRCがセンチネルアジアの枠組みの中で、衛星画像の防災利用のために災害発生時の緊急観測の窓口として活動している内容や実績とADRCメンバー国に対する人材育成事業などを、テクニカルプレゼンテーションとして発表し、また、地域支援事務所(RSO)会合Regional Support Offices Meeting)では、RSOとしてのADRCの活動実績及び今後の活動予定について発表し、事務局及び他のRSOとの意見交換を行いました


(2010/02/20 19:20)

2009年11月17~19日(バンダルスリブガワン)


brunei.JPG2009年11月17日~19日、アジア防災センター(ADRC)は、ブルネイ、バンダルスリブガワンにて、同国の防災機関、国家防災センター(NDMC)と行政官を対象とした研修を実施しました。これは2008年から始動した防災を担当する地方行政官の能力強化を目指す、アセアン地方行政官能力強化プロジェクトの一部で、ADRCとアセアン各国の防災機関が協力し、それぞれの国で地方行政官を対象とした研修を行うものです。

今回の研修は講師育成を目的としており、防災担当官、関連省庁、消防関係者などから約20名が参加しました。研修第一日目、二日目に、ブルネイ及び日本の防災対策、兵庫行動枠組(HFA)、個別の災害に対する対策などの講義があり、参加者は防災に対する知識を深めました。第三日目はフィールドワークとしてTutong地区にてタウンウォッチングを実施した後、コミュニティベースのマルチハザードマップを作成し、コミュニティの意識啓発について議論しました。今後同国では、地方行政官を対象とした研修を実施し、本研修の参加者が講師を務める予定です。また各国で、TOT、地方行政官への研修が順次展開されていきます。


 (2009/12/15 17:40)

2009年6月15~19日(ジュネーブ、スイス)

gp2nd_01.jpgADRCは2009年6月15日~19日にスイスのジュネーブで開催された第2回防災グローバル・プラットフォームへ参加しました。会議には世界各国から約300の政府機関や組織、地域機関などが参加し、政治指導者に対し、2015年までに自然災害による死者数を半減させるための対策を取るよう呼びかけて終了しました。

ADRCは会議のプレイベントやスペシャルイベントなどを主催・共催し、中央アジアの協力推進や、宇宙技術の防災への利用に関するUN-SPIDERプログラム、風災害に関するグループの立ち上げ、地域住民が古くから持つ防災に関する知恵の有効利用などについて、協議する機会を提供しました。また、多くの参加者が会する機会を利用し、関係機関からの参加者とさらに協力を進めていくための非公式の会談などを行いました。

また、会議のマーケット・プレース(展示場)で、最近の主な活動やサービスなどについて紹介を行いました。

グローバル・プラットフォームに関するさらに詳しい情報(英語)は下記ウェブサイトよりご参照いただけます。
http://www.preventionweb.net/globalplatform/2009/

(2009/06/22 10:40)

2009年6月3日~12日 国連ウィーン本部


Wien.JPG

第52回国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の開催に併せ、6月4日にUN-SPIDER(国連災害管理・緊急対応のための宇宙情報プラットフォーム)の地域支援事務所(RSO)設置に関して、UNOOSA(国連宇宙局)とADRCとの調印が行われた。合わせて、第52回国連宇宙空間平和利用委員会(COPOUS)技術小委員会において、ADRCが、RSOの設置に関する調印を行ったことを報告し、ADRCの活動についてのプレゼンテーションを行った。

 また、COPUOSと同時に開催された、UNSPIDERワークショップに出席し、ADRCが、RSOの設置に関した調印を行ったことを報告するとともに、ADRCの活動について、特に衛星の防災利用に関するプレゼンを行った。


(2009/06/16 13:20)


2009年5月21日~22日(ブルネイ)、5月27日~28日(マレーシア)

2009年5月、ASEAN地方行政官能力強化プロジェクトが、ブルネイ、マレーシアにて始動しました。本事業はASEAN各国における防災担当の地方行政官の能力強化を目指すもので、第2年目となる本年度は、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイの各国を対象としており、今回のブルネイ、マレーシアに先立ち、4月にはフィリピンとタイで開始しています。

5月21日~22日、ブルネイ、バンダルスリブガワンにてブルネイ国家防災センター(NDMC)と、5月27日~28日はマレーシア、クアラルンプールでマレーシア国家安全保障会議(NSC)とADRCはそれぞれキックオフミーティングを開催しました。ADRCから本事業の概要を説明した後、NDMC、NSC各自の防災体制、行政官に対する研修体制についての発表がありました。両国の研修ニーズを踏まえ、研修の時期、トピックス、対象地域などについて協議しました。今後、研修教材を開発した後、講師を育成するための研修、それに続き、地方行政官への研修が実施される予定です。


(2009/06/29 17:40)

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