2024年5月13日 (ペルー、リマ)
2024年のホストエコノミーであるペルーは今年、一連のAPEC高級実務者会合(SOM)を開催しています。第2回高級実務者会合(SOM2)の開催期間中の2024年5月13日、防災作業部会(EPWG)は、ペルー・リマにあるセロ・ジュリ・コンベンション・センターにおいて第17回APEC防災担当高級防災実務者会合(SDMOF-17)を開催しました。本会合は、「持続可能な成長と健全な開発のための緊急事態への備えと包括的かつコミュニティアプローチ」というテーマで開催されました。
2020年から2023年までEPWGの共同議長を務めたADRCの鈴木弘二プロジェクト・ディレクターが日本代表団の団長を務め、SDMOFのセッションのひとつで「AI技術を活用した意思決定支援システムのための官民パートナーシップ」プロジェクトを紹介しました。この共同プロジェクトは、衛星ビッグデータと空間人工知能(AI)を活用し、災害リスク軽減・管理に関する意思決定プロセスをモデル化するものです。鈴木氏は特に、1)リモートセンシング技術、AIデータ解析科学、デジタル・ツインニングなどの科学的イノベーションの応用における社会的要因の統合、2)科学的事実に基づく意思決定のための判断基準のモデル化、官民連携によるテスト結果の検証、3)ビッグデータ解析と研究予測に基づく被害状況のリアルタイム把握、といったプロジェクトの特徴について説明を行いました。
SDMOFの参加者は、意思決定のための情報システムの相互運用性に焦点を当て、対応力を向上させるための官民連携による協力の重要性について見識を深めることができました。本プロジェクトは千葉大学環境リモートセンシング研究センターを主幹機関として、ADRC、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、名古屋工業大学(NITech)、オリエンタルコンサルタントグローバル(OCG)、株式会社ウェザーニューズ、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が参画している他、イタリアの宇宙機関であるイタリア航空宇宙研究センター(CIRA)とも提携して実施される予定です。
(2024/05/20 15:00)