2014年6月16日~17日(フィリピン、マニラ)
SMプライムが主催し、IRP/ADRCの協力、UNISDRのグローバル教育研修機関(GETI)の実施による「ビジネス防災ワークショップ」が、6月16日~17日にかけて、マニラのアジア・モール、SMXコンベンション・センターで開催されました。
今回のワークショップは、貿易、金融市場、サプライチェーンが益々相互に結びつきを強め、世界経済や政治が急速に変化しつつあるという認識のもと開催されました。ビジネスは、特に災害時において、従来よりもよりリスクの高い状況に直面します。例えば、2011年の東日本大震災、バンコクの洪水では、企業が大きな被害を受けましたが、世界的企業は災害から企業を守り、災害後もビジネスを継続しなくてはなりません。ワークショップでは、(1)民間セクターのリスク・マネジメントに係る能力や戦略を強化する、(2)投資の妥当性及び持続性を確保し、全てのリスクの可視化を促進する、(3)政府に対し、民間セクターと協力し、防災への投資をより強化するよう働きかけることを目的としました。
民間企業、政府、学術関係者60名以上が参加し、より災害に強いビジネスの実現のために今後どのような戦略、活動が必要なのか等について議論を行いました。IRP/ADRCとして、中小企業の防災についての世界の事例を紹介し、参加者がそれぞれの事業継続計画(BCP)を策定するためのガイダンスや幅広い選択肢を提供しました。
また、ハンス・サイ氏(SMプライム会長)、アレクサンダー・パマ氏(NDRRMCエグゼクティブ・ディレクター)、レナト・ソリダム氏(フィリピン火山・地震学研究所ディレクター)、ホセ・カディズ氏(マリキナ市副市長)、アルフレド・アーキラノJr.(前セブ州サンフランシスコ市長)が地元であるフィリピンの事例について報告されました。
ワークショップでは、防災に関する知識のギャップをなくすこと、また企業オーナーは官民のより緊密な連携によって従来のBCPの枠を超えなければならず、さらには、企業は災害リスクに対応した商品によって市場に新たな価値を創造することを考慮すべきとの提言がありました。
(2014/6/30 14:30)