2015年8月19日~21日(フィリピン、マニラ)
国際復興支援プラットフォーム(IRP)/アジア防災センター(ADRC)は、8月19日~21日に、フィリピン、パシッグ市のディスカバリー・スイートで開催された「災害リスク軽減及び気候変動適応を政策立案・計画策定に向けて推進するワークショップ」へ復興専門官のジェラルド・ポトゥタン氏をプレゼンターとして派遣し、その開催を支援しました。
このワークショップは、フィリピンの「国家災害リスク軽減管理評議会」が率先し、ADRCと同じくIRPの構成団体の一つである国連国際防災戦略事務局(UNISDR)の国際防災教育研修所(GETI)の支援を受けて開催されました。
フィリピン政府高官や現地NGOの代表者など25名が参加し、第3回国連防災世界会議で採択された「仙台枠組(SFDRR)」を踏まえて、世界的にこれに沿った活動がどの程度なされているのか、その進捗度合いを評価する指標(案)を検討する機会となりました。
また、フィリピン政府にとっては、現行の「国家防災枠組(2011-2028年計画)」を「仙台枠組」の優先行動に沿った形に見直すための絶好の機会ともなりました。
IRP/ADRCは、そうした優先行動について、さらなる理解を促進するため、世界における実践事例の中でも、特に、次の観点の事例を重点的に提供しました。
(a) 災害リスク管理のための政策および実践(脆弱性、対応能力、災害の危険にさらされている人口・資産、災害の特徴、環境優先度のあらゆる側面から)
(b)
国家、地域、地球規模レベルにおける「災害リスクガバナンス」
(c)
災害リスク防止・軽減に対する官民共同出資:経済的、社会的、保健的、文化的な強靱性を高めるための構造的・非構造的な施策
(d) 効果的な応急対応に向けた備えの強化と「より良い復興(ビルド・バック・ベター)」
このワークショップの成果として、次の2点が挙げられました。
(a)
「国家災害リスク軽減管理評議会」から「仙台枠組」を踏まえた活動の進捗度合いを評価する指標の開発過程に対する勧告
(b) 現行の「国家防災枠組(2011-2028年計画)」を「仙台枠組」の優先行動に沿った形にするための「国家災害リスク軽減管理評議会」の行動計画
現行の指標は、政策や法的枠組の評価に重点を置いていると認められ、それゆえ、「仙台枠組」の4つの優先行動に沿った既存のプログラム、スキーム、活動を捉え得る指標とすることが勧告されました。さらに、参加者からは、「より良い復興(ビルド・バック・ベター)」に対するプログラム、財政的支援や活動などを現行の「国家防災枠組(2011-2028年計画)」に組み入れることが提案されました。
(2015/08/24
14:40)