2015年2月25日(フィリピン、マニラ)
2015年2月25日、カルロス・ロムロ財団やマニラ気象台などフィリピンにおける官民が一体となった「マニラ首都圏地震対策委員会」専門家会合が開催されました。会場には、フィリピン外務省や在マニラ日本大使館を含む政府関係者のほか、企業防災の関係者など90名以上の出席があり、ADRC研究部ならびに国際復興支援プラットフォーム(IRP)からは河内が参加しました。
会議冒頭では、主催者より今会合の趣旨について説明がなされました。続いて、フィリピン国立地震火山研究所のソリダム所長より、近い将来に発生が想定されているマニラ都市圏の断層型地震と海溝型地震について発表がありました。ADRC/IRPとしては、日本における地震への備え、かつての大規模地震後の応急・復旧・復興対策について、パワーポイントによる発表を行いました。2011年の東日本大震災以降、防災面における官民連携がさらに重要視され、政府や自治体、企業、大学などの学術機関、市民と地域団体が有機的に連携しながら、復興支援や防災協力を進めていることについて述べました。防災における官民連携については、昨年2014年1月、兵庫県神戸市で開催した「IRP国際復興フォーラム2014」に同国OCD副局長を日本に招聘、日本の防災関係者やメディアを通じて、広くその重要性について訴求したこと、また、その後も、ADRC・IRP共催による「フィリピン地方政府行政官向け人材育成ワークショップ」を同国の企業体や民間部門と連携しながら、企画運営したことを紹介しました。
日本の防災行政システムをモデルとして、法改正・体制強化に着実に取り組んできたフィリピンは、大規模災害発生後の国づくりにおける「ビルド・バック・ベター(Building Back Better)」の概念が普及しつつあり、また都市化が進む中での地震災害対策や、高層ビルにおける長周期振動対策など、中央政府、地方政府、NGO、地域コミュニティ、メディア、民間セクターといったマルチ・ステークホルダーが一体となって取組む重要性にも、日本と共通の理解を示しています。
IRPとしては、ソフト・ハード両面における技術移転事業や人材育成事業等の分野について、これまでもフィリピンへの防災協力を推し進めておりましたが、今後も引き続き、都市型地震に係る事前復興計画の策定など同国の防災力強化に向けた支援を続けていきたいと考えています。この件についてのお問合せは、河内(kouchi@receoveryplatform.org)までお願いします。
(2015/2/27 14:50)