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ADRC活動報告

アジア防災会議2022:開会式、特別セッション

2023年3月10日~12日(日本、仙台 オンライン同時開催)

2023年3月10日から12日にアジア防災会議2022(ACDR2022)が宮城県仙台市の仙台国際センターで開催されました。今回は、メンバー国や関係者など幅広く参加が出来るよう、オンラインでも参加が可能なハイブリッド形式で対応されました。最終的に、ACDR2022には、メンバー国、国際機関、民間企業、研究・学術機関などから、現地参加として84人、オンライン参加として121人、合計205人が参加しました。

会議冒頭の開会式の様子と、特別セッションについて報告いたします。

<開会式>
20230310_1図1.png

開会の挨拶では、まず谷公一内閣府特命担当大臣(防災)がACDR2022開会に際し、東日本大震災およびトルコ及びシリアで発生した大規模地震災害について哀悼の意を表され、2003年より開催されている本会議の重要性について述べました。次に濱田政則ADRCセンター長は、ADRCは1998年の設立以来、災害リスク削減に向けた、多国間協力、支援を進めてきたが、世界およびアジア地域において、災害リスクは増加傾向にあり、加盟国が協力や連携を深め、安心安全な社会づくりに寄与できると強く信じていると述べました。最後に郡和子仙台市長は、冒頭にトルコ及びシリアで発生した大規模地震災害について哀悼の意を表され、東日本大震災の経験も踏まえながら、多発する地震や津波、激甚化する風水害などのリスクに備えるため、参加者がそれぞれの想いや知見を共有し、繋がることが大切なことであると述べました。また、今回現地参加できなかったトルコのカウンターパートである内務省災害危機管理庁(AFAD)長官からのメッセージを、笹原顕雄ADRC所長が代読しました。

<特別セッション>
20230310_1図2.png

特別セッションは、3つのパートで構成されました。最初に、発生から100年を迎える1923年の関東地震の教訓とその後の対策、続いて1995年の阪神・淡路大震災と2011年の東日本大震災での新たな知見と残された課題、最後に災害が多いアジア地域の被害軽減のために活かすべき教訓や技術について議論や提言が行われました。

ADRC会長の伊藤氏は、安全な街づくりや現代の都市デザインは、関東大震災の復興に触発されていることを紹介しました。また、関東大震災をきっかけとして建築や都市開発が大きくステップアップし、従来、外壁が下見板張りで木がむき出しだった集合住宅はコンクリートの活用が進み、公共建築が充実していったことを説明しました。
ADRCセンター長の濱田氏は、関東大震災は日本の地震工学の始まりであるとし、関東大震災では、木造家屋だけでなく、明治維新以来、海外から技術移入されて建設されてきた近代的な建物も被害を受け、これにより建物や構造物の耐震設計が行われるようになったと紹介しました。
早稲田大学理工学術員名誉教授の長谷見氏は、第一次世界大戦期の人口急増で木造密集市街地が拡がり、震災時に同時多発的に火災が発生し、多くの家屋が焼失したこと、その経験から、大都市圏では防火対策が導入されていることを紹介されました。
常葉大学社会環境学部教授の重川氏は、防災教育の推進と災害リテラシーの向上による「人づくり」の重要性に言及しました。そして、日本は、アジア地域で適用可能と思われるさまざまな経験や教訓を蓄積してきていると述べました。
最後に、モデレーターである吉村氏は、パネリストの協議を通して、関東大震災以降、様々な被害の様態に対応できるよう、構造的および非構造的な災害対策が開発・検討・改善されてきたこと、最悪の事態の際の被害を想定して事前防災投資を行うようになったことが明らかになった、と述べました。
(2023/03/21 15:00)
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