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ADRC活動報告

ぼうさいこくたい2022ワークショップ開催

2022年10月22日(日本、神戸)
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アジア防災センター(ADRC)は、2022年10月22日に「在日外国人が見た日本と外国の防災の違い:違いを理解することから始める防災協力」と題したワークショップを開催しました。このワークショップは、ぼうさいこくたい2022のサイドイベントとして開催され、外国人住民の防災活動への参加、リスクコミュニケーション、アジア諸国間の防災対策の違いを埋める方法など、さまざまな課題が取り上げられました。

最初の発表では、元大阪大学留学生のカエル・ニサ氏(インドネシア、アトマジャヤ大学ジョグジャカルタ校建築学修士課程主任)が、インドネシアと日本では災害時の留学生支援ネットワークが比較的異なることを指摘しました。日本では、留学生が自分たちで組織して支援体制を構築することができます。この留学生のネットワークは、多くの場合、国別でインフォーマルなものです。そのため、留学生が災害情報を入手したり、日本の自治体が行う訓練に参加したりすることは限られます。一方で、マスメディア、テレビ、インターネット、ラジオからの災害情報は、留学生にとって容易に入手できるものです。一方、インドネシアでは、政府機関が学生ネットワークを含むコミュニティ・ネットワークを構築し、災害時の強力な支援体制を構築しています。

次に、長野公一氏(兵庫県国際交流協会(HIA)企画調整部長)より、災害時の外国人支援に関するHIAの活動についての発表がありました。その中で、次のような活動を紹介されました。1)災害時の準備や避難誘導を示す「多言語指さしボード」、2)全外国人住民に配布している「子どもと親の防災ガイドブック」、3)9言語で避難の仕方を簡単に説明した「マイ避難カード」、など。長野氏は、HIAがこれらの活動を実施する上で、災害の情報や警報をSNSやインターネットを通じて多言語で効果的に外国人に伝える方法など、多くの課題に直面していることを指摘しました。

間宮啓太氏(滋賀県草津市総合政策部危機管理課主事)からは、草津市と国際交流協会が連携していることが紹介されました。草津市では、先駆的に「外国人で編成された機能別消防団員」を組織しています。この制度は、日本語と母国語に堪能で日本の生活文化に理解のある外国人を消防団員に任命するものです。平常時は、消防団員として訓練を受け、防災セミナーや講演会などの防災活動に参加します。また、緊急時には、SNSでの情報発信、安全な避難の支援、母国語での相談対応などを行っています。

ジェリー・ポトゥタン氏(ADRC主任研究員)は、外国人住民が感じる日本と諸外国の防災対策の違いについて、オンライン調査の結果を発表しました。その結果、外国人住民は、日本の防災活動(ハザードマップ配布、防災訓練、避難誘導、早期警報など)について、それぞれの出身国と比較して、概ね「優れている」と認識していることが明らかになりました。この「優れている」という評価は、効果的な防災プログラムの計画や設計において、日本が他国のベンチマークとなっていることを示唆しています。リスクコミュニケーションにおける主な課題については、ほとんどの回答者が「言葉の壁」を挙げました。この課題に対処するために、回答者は、視覚的なツール(例:画像、図、標識)の使用、災害対策として外国人住民に早期に働きかける(例:到着時や登録時)、多言語サービスの強化(例:多くの言語での翻訳や字幕)などを提案しました。

最後に、司会を務めた荒木田勝氏(ADRC研究部長)は、ワークショップのまとめとして、日本に住む外国人は多様な文化や背景を持っており、それぞれの国で行われている防災活動は日本とは異なっている部分があることを確認しました。このような状況は、日本の多くの自治体にとって、災害リスクを伝える上で困難なものである可能性があり、このワークショップで出てきた提案は、この課題に対処するためのヒントとなることを指摘しました。また、全てのプレゼンテーション資料はADRCのウェブサイトからアクセス可能であることを紹介し、ワークショップを終了しました。
(2022/10/27 15:00)
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