2024年6月10日 (オンライン)
2024年6月10日 国連防災緊急対応衛星情報プラットフォーム (UN-SPIDER)の地域支援事務所(RSO)会議がオンラインで開催されました。UN-SPIDERは、宇宙空間ベースの技術の防災や緊急対応の場面での利活用を促進するための多国間のプラットフォームであり、国連宇宙部(UNOOSA, United Nations Office for Outer Space Affairs)が支援しているプログラムです。UNOOSAは、国際連合において宇宙に関する政策を担当する機関です。本部はオーストリアのウィーンにあります。
また、RSOは、UN-SPIDERのプログラムを支援する地域単位のサポートオフィスのことです。2009年6月4日に国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の第52回会議において、ADRCは、RSOの設立に関する協力合意文書にUNOOSAと共に署名し、以来RSOとして活動をしています。
6月10日のUN-SPIDERのRSOの会議では、内閣府宇宙戦略事務局がアジア大洋州地域の9カ国と連携して展開を検討している準天頂衛星の防災利用に関する事業の進捗状況について、ADRCのプロジェクト・ディレクターである鈴木弘二氏がプレゼンテーションを行いました。
この技術は、日本国が開発・運用しているGNSS(全球測位衛星システム)である準天頂衛星システム(日本名、みちびき)を利用して、防災関連情報を「みちびき」を介して伝達するものです。これは、通常の通信インフラが整備されていない地域や災害などの影響で通信インフラが途絶している状況下でも防災関連情報を提供することができる優れた技術であり、日本国内では2018年から一部運用が開始されています。この技術をアジア大洋州地域での社会実装を念頭にして、利用可能性についての調査やプロトタイプの受信機を現地に持ち込んでデモンストレーションを実施しているものです。
会議冒頭で、UN-SPIDERのプラットフォームで取り組まれてきた宇宙空間ベースの技術の防災利用の取り組みは、これまで光学衛星、SAR衛星関連のものであり、GNSS(QZSS、準天頂衛星)の技術の防災への活用の取り組みは極めてユニークであるという紹介がUN-SPIDERからありました。
(2024/06/17 15:00)