2014年2月17-18日(中国・寧波市)
APECはアジア太平洋地域の21の国と地域が参加する経済協力の枠組みであり、アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄に向け、貿易・投資の自由化、人間の安全保障、経済・技術協力等の活動を行っています。

図 1 APECの組織図
EPWGはもともと2004年12月に発生したインド洋地震・津波への対応として,2005年に設立された緊急事態の備えバーチャル・タスク・フォースですが、相次ぐアジア太平洋地域の災害への対処に効果的と判断されたことから、2010年広島で開催された第1回高級実務者会議(SOM1)で正式に作業部会に格上げされました。EPWGは、1)緊急事態及び災害の被害を最小限とし、予防、緊急対応、復旧の全ての段階にかかるAPECエコノミーの人材育成と、2)APEC域内の緊急事態及び災害に対する備えに関する調整と協力を目的としています。特に最近は、2011年の東日本大震災やタイ大洪水に伴うサプライチェーンの寸断が世界的規模で経済に影響を与えたこと等を背景として、民間企業、特に中小企業の事業継続計画(BCP)の普及に取り組んでいます。
一方、ACRCにおいても、アジアの経済成長に伴いBCPの重要性が高まっているとの認識のもと、過去、APECの委託を受けて、中小企業におけるBCPの普及状況や、啓発パンフレットの作成を行ってきました。
2014年のAPEC SOMと併せて、6回目のEPWG会合が2月17-18日に中国・寧波市にて開催され、ADRCから所長が参加しました。
会議冒頭、空席になっていた共同議長について、これまでのADRCの貢献が評価され、ADRC所長が選出された。
続いて、議長団及び各国より2013年のEPWGの活動の報告が行われた後、2014年の行動計画の提案があり、中小企業におけるBCPの普及やサプライチェーンの強靭化について引き続き取り組むとともに、新規事業として日本国政府から「宇宙・情報技術を活用したBCPの高度化とサプライチェーンの強靭化」プロジェクトについての提案がありました。
会議においては、民間セクターの防災力向上と併せ、宇宙技術の活用について高い関心が示されました。ADRCとしては、従前よりJAXAと協力して、衛星画像を活用した国際協力プロジェクト「センチネル・アジア」を推進してきたところです。これらの蓄積を生かして、共同座長としてAPEC EPWGの事業に貢献したいと考えております。
(2014/02/25 13:00)