2025年5月25日~29日
アジア防災センター(ADRC)メンバー国であるベトナムの ![]()
カウンターパート機関であるベトナム堤防管理・防災局
(VDDMA)の幹部ら6名が、日本の防災の取組みを学ぶために来日し、5日間
のプログラムを実施しました。ADRCはVDDMAからの要請を受けて、プログラム
の全体の策定に関する助言や訪問先との調整を行うとともに、訪問に同行しま
した。
ベトナムは、アジア太平洋地域の中でも特に自然災害のリスクが高い国の一つであり、全長約3,260kmに及ぶ東部海岸線は、台風、豪雨、洪水、地すべり、高潮などの水文・気象災害に常にさらされています。2024年9月には、台風ヤギによって約300人の命が失われるなど、深刻な被害が発生しました。
こうした状況に対してVDDMAは様々な防災対策を講じてきましたが、依然として多くの課題が残されています。特に、遠隔地や災害リスクの高い地域では、地域住民の防災意識や備えが不十分であり、科学的知見に基づく地域レベルでの取組みが十分に機能していません。また、鉄砲水や地すべりなどの突発的な災害への早期警報システムも、地域住民が実際に利用できる形では整備されていないのが現状です。
こうした課題を踏まえ、日本の災害リスク管理における実践的な知見から学ぶことを目的に、本プログラムが実施されました。
今回の訪問プログラムでは、内閣府およびADRCによる講義に加え、人と防災未来センター、そなエリア東京、京都市市民防災センターなどを視察し、日本の防災啓発についての理解を深めました。また建設技術展示館やウェザーニューズを訪問し、地圏環境テクノロジーによる講義を通して、日本のさまざまな防災技術についての知見も広げました。
(左)京都市市民防災センターでの防災研修体験 (右)人と防災未来センターでのワークショップ
(2025/07/30 15:40)
