2014年10月26日~11月2日(バンダアチェ・スカブミ、インドネシア)
近年、日本とインドネシアおいては大規模な地震及び津波被害が頻発しています。両国は、地理的にも類似点が多く災害の発生リスクが高くなっています。そこで、将来的な災害リスクの軽減を目的に、両国における住民の津波防災意識を調査し、最適な防災対策を検討し、今後に備えることが重要です。そこで、今回はインドネシアにおいて将来的に地震及び津波発生が危惧されるジャワ島西部に位置するスカブミと、2004年にスマトラ島沖地震で被害を受けたバンダアチェにおいて、住民の津波防災意識の調査を実施しました。
まず、スカブミにおいては市街地のペラブハンラト地区を中心に、100人の住民アンケート調査を実施しました。アンケートの印象としては、同地域に於いては過去の震災の経験の少なさから、住民の防災意識は全体的に不足していているようでした。また、避難訓練等の災害対策の実施も少なく、今後はより積極的な防災意識向上に努めることが必要だとわかりました。
次に、2004年にスマトラ島沖地震を経験しているバンダアチェでも同様に、100人の住民アンケートと市街地調査を実施しました。この地域では、津波避難ビルの建設や定期的な防災訓練の実施など、積極的な防災対策が進められていることがわかりました。住民の方の防災意識は比較的高いのですが、スマトラ島沖地震から10年が経過し、防災関係予算が年々減少していることにより、各種研究機関が縮小していることがわかりました。
両地域においては、防災対策や住民の防災意識についてギャップはあるものの、災害リスクの軽減を目的に、継続的かつ積極的な防災活動が必要であることがわかりました。詳細なアンケート調査の集計結果については、結果を取りまとめ次第公開する予定です。
なお、本調査は「公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構」の助成金により実施しています。
(2014/11/18 18:30)