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メンバー国防災情報
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フィリピンフィリピン

国の概要

フィリピンの地図 国名:フィリピン共和国(Republic of the Philippines)
フィリピンは、東南アジアに位置する主権国家であり、約7,641の島々から成る。総面積は30万平方キロメートル以上に及ぶ。地理的には、ルソン、ビサヤ、ミンダナオの3つの主要な島群に分かれている。
フィリピンは、高温、高湿度、季節的な降雨パターンを特徴とする熱帯海洋性気候である。年間の気候サイクルは、一般的に11月から2月までの涼しい季節、3月から5月までの暑く乾燥した季節、6月から10月までの雨季の3つの期間に分けられる。7月から9月にかけては、西太平洋の台風帯に位置することから、特に台風の活動が活発になる。
首都はマニラである。人口は1億1,272万7,776人(2024年国勢調査)である。フィリピン人の多くはマレー系で、その他中国系、アメリカ系、スペイン系、アラブ系および少数民族が存在する。

災害の傾向

フィリピンは、自然災害にさらされ、脆弱性が高いため、世界で最も災害が発生しやすい国の一つである。国土の約60%が様々な災害の危険にさらされており、人口の推定74%が、複数のリスクにさらされている。気候関連災害は、同国で最も頻繁に発生する災害である。毎年、台風、高潮、豪雨により、特に都市部で数百万人が影響を受け、経済活動に深刻な支障をきたしている。
さらに、フィリピンは「環太平洋火山帯」に位置しており、この地質学的に活発な地帯のため、群島では地震や火山活動が繰り返し発生している。
また、フィリピンの群島構造、広大な海岸線、険しい山岳地帯、そして数多くの低地沿岸地域の存在が、幅広い自然災害へのリスクを著しく高めている。これらの災害には、津波、海面上昇、高潮、地すべり、河川氾濫や鉄砲水、そして繰り返される干ばつなどが含まれる。

過去の主な災害

台風カルマエギ(ティノ)(2025年11月)

セブ地震からの復旧作業が続く中、台風カルマエギ(フィリピン名:ティノ)は急速に発達し、2025年11月2日にビサヤ諸島およびパラワンで複数回上陸した。この台風は強風、大雨、洪水、土砂崩れをもたらした。中部セブ、ミマロパ地域、ネグロス島地域、カラガ地方の一部では深刻な洪水が発生し、住宅や生計、インフラにさらなる被害をもたらした。この台風により、253人が死亡し、119人が行方不明となり、500万人以上が影響を受けた。

セブ地震(2025年9月)

2025年9月30日、セブ島北部のボゴ市沖でマグニチュード6.8の地震が発生した。この災害により79人が死亡し、約75万人が影響を受けた。また、住宅、建物、重要インフラおよび公共サービス施設に広範な被害が発生し、長期にわたるサービスの中断を引き起こした。

台風K–L–M–O–P(2024年10月~11月)

6つの熱帯低気圧(トラミ〈フィリピン名:クリスティン〉、コンレイ〈レオン〉、インシン〈マルセ〉、トラジ〈ニカ〉、ウサギ〈オフェル〉、マンニィ〈ペピト〉)が短期間に連続してフィリピンを襲った。これらにより、広範囲にわたる洪水、インフラの甚大な被害、そして複数地域における生計への深刻な影響が発生した。これらの台風により、175人が死亡し、26人が行方不明となり、約3,144,000世帯が被災した。また、約237,000棟の住宅が被害を受けた。

防災体制

法制度

2010年5月27日、フィリピン国の「災害リスク軽減・管理法」(Disaster Risk Reduction and Management Act)が制定され、「災害リスク削減及び管理を適用すること、つまりは気候変動を含む災害の社会経済的、環境的な負の影響を減らすための総合的なアプローチを採用し、全てのセクターや関係者、そして様々なレベル、特にコミュニティからの関与と参加を推進する」必要があるとしてる。
本法では、良い統治、リスク評価、早期警報、知識の構築、意識向上、潜在的なリスク要因の削減、効果的な対応や早期復興を含む防災全般に関係した政策や計画の作成及び活動や対策の実施を策定することと定められている。
RA10212に従って、NDRRMCは2011年6月に国家防災枠組(National Disaster Risk Reduction and Management Framework, NDRRMF)を採択した。本枠組は、「持続可能な開発へ向けたよりより安全で、適応性のある、災害に強いコミュニティ」を作ることを目的としている。
本枠組は、災害への対応から、積極的な予防のアプローチへの転換を示すものである。そして、その概念は、災害予防、軽減、備え、気候変動適応へのリソースの投資は、目標達成のためにより効果的であると強調している。また、本枠組は、現存する災害や気候リスクの影響を軽減し、ハザードや災害になるような小さな危機を予防し、災害へ備えることは、持続的に人命の損失や社会的、経済的、環境的財産への被害を減少させることを示す。また、災害時、災害直後において、人命を救い、より脆弱な人々を保護するために、効果的で、調整の取れた人道支援や災害対応の必要性についても取り上げている。

防災組織

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災害リスクの影響を軽減する必要性を背景として、フィリピン政府は2010年に災害リスク軽減・管理法を制定し、同国の災害ガバナンスへの取り組みを抜本的に改革した。この法律は、災害リスク軽減・管理(DRRM)のための包括的な法的および制度的枠組みを確立するとともに、国家災害リスク軽減管理評議会(National Disaster Risk Reduction and Management Council, NDRRMC)を設置し、国および地方政府機関、市民社会組織、民間部門、その他主要なDRRM関係者の役割と責任を明確に定めた。
同法に基づき、NDRRMCは政府機関、非政府組織(NGO)、市民社会、および民間部門の代表者によって構成されるマルチステークホルダー機関として設立された。同機関は、国防省の下にある 市民防衛局(Office of Civil Defense, OCD)によって運営されている。
NDRRMCは、災害リスク軽減・管理に関する政策の策定を行うとともに、DRRM活動全体の調整、統合、監督、モニタリング、および評価を実施する権限を有している。さらに、災害やその他の緊急事態の発生前・発生中・発生後において、人々の保護、安全、および福祉を確保する責任を担っている。

防災計画

OCDは、NDRRMCによって採択された「国家災害リスク軽減・管理計画(NDRRMP)2011–2028」の策定を主導し、国家防災枠組(NDRRMF)の運用化を推進した。NDRRMPは、NDRRMFの理念を具体的な行動へと転換するための戦略的ロードマップとして位置づけられており、14の目標、24の成果、56のアウトプット、および93の対応する活動から構成される体系的な成果フレームワークを提示している。これにより、国および地方レベルにおける災害リスク軽減・管理(DRRM)の実施を指導することを目的としている。
さらに、NDRRMPは、その活動の実施順序を明確にするため、3つの実施期間を設定している。すなわち、2011年から2013年までの短期段階、2014年から2016年までの中期段階、そして2017年から2028年までの長期段階である。これらの時間枠は、計画の戦略的目標を達成するために、段階的かつ整合的で持続的なアプローチを確保することを目的としている。
NDRRMFの改訂を受け、更新版のNDRRMP 2020–2030は、いくつかの重要な方針に基づいて策定されている。まず、4つのテーマ別分野は維持されているものの、それぞれの成果目標、成果物、および実施活動は、過去8年間の実施経験から得られた教訓を踏まえて見直された。次に、各テーマ分野は引き続きNDRRMCの各副議長機関が主導している。また、優先活動は仙台防災枠組(SFDRR)の4つの優先行動に沿って整理されている。さらに、実施期間はフィリピン開発計画(PDP)の計画期間と整合が図られ、すべての活動に共通する実施スケジュールが採用されている。加えて、PDPで設定された防災・災害リスク軽減管理(DRRM)と気候変動適応(CCA)の目標を反映するとともに、新たな災害リスクの発生防止、既存リスクの軽減、および経済・社会・保健・環境分野におけるレジリエンスの強化を目的として、時間軸や地域特性に応じたリスク軽減戦略と行動が、明確な目標、指標、および実施期間の下で策定されている。さらに、成果間およびテーマ分野間の縦断的・横断的な連携を強化するための取り組みが盛り込まれている。最後に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経験を踏まえ、DRRM施策の中で保健と経済的福祉を統合的に推進し、すべてのフィリピン国民の健康への投資を重視することが強調されている。

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