インドネシア 

カントリーレポート

1999

 

 


 

目  次

 

T.災害

1.インドネシアの主な災害

2. 災害時の海外からの救援物資

U.災害対策

1. 法と規定

2. 組織

3. 災害管理計画

V.アジア諸国間の防災協力

W.災害教育

 


T.災害

1.インドネシアの主な災害

インドネシアは以下のような理由により、人的災害と同様に、様々な自然災害が発生しやすい。

ü       洪水、干ばつ、地滑り

ü       地質学的災害(地震, 津波, 火山噴火)

ü       森林火災/もや(かすみ)

ü       技術的被害による災害

ü       政情不安

 

インドネシアは17000以上の島からなる諸島国であり、5500以上の河川が国中に点在している。
人口増加の非調整や開発の際の管理ミス、河川管理の失敗などにより、ほぼ毎年、国の何ヶ所かで雨季には洪水が、乾燥期には干ばつが起こり、何ヶ所かでは地すべりが起きる。

地震帯がSumatra、Java、Bali、NusaTenggra、Maluku、SulawesiやIrian Jaya地域といったインドネシア全体を通っている。Sumatraでは、マグニチュード5.0以上の、震源地が浅く被害の大きな地震が、過去100年間に約15回発生している。

    インドネシアには、129の活火山があり、そのうち70が危険であり、500は死火山である。居住地は、危険地域や危険地域の近くにある。土壌が肥沃なため、火山のある地域において、人口密度が高くなるからである。

世界第2位の熱帯森林国であるインドネシアでは、森林火災は起こる可能性の高い災害である。森林火災は環境破壊だけでなくもやを引き起こし、人々の生活活動に影響を与える。1997年と1998年に起きた森林火災では、インドネシアだけでなくいくつかのアジア諸国にももやをもたらした。

上記の4つの災害パターン以外に、別のタイプの災害として政情不安が挙げられる。1998年末から1999年にかけて、インドネシアの多くの場所で発生した政情不安と東ティモール紛争により、多数の死者、負傷者、物的損害(家屋、事務所、教会、モスクが焼かれた)が発生し、現在までのところ、±500,000人が国内避難民であり、うち±200,000人が東ティモール紛争による避難民である。

2. 災害時の海外からの救援物資

政府によるーディネートと監督のもと、他国や国連加盟国、国際NGOや外国の民間からのからの人的支援が、ほぼ全ての自然災害や特に大きな人的災害に参加している。

1999年9月から現在に至るまで、東ティモール紛争により284,000人が国内避難民となり、政府からばかりでなく他国や特に国連事務局の人道調整局(UN OCHA)により調整された国連加盟国のもとでの人道的援助に関する国際機構によって、食糧や薬、シェルター等の救援物資が送られた。

 


U.災害対策

1. 法と規定

国の自然災害対策として整備された制度は、1996年、自然災害管理諮問委員会の設立をもって、はじめられたが、その活動は未だ、被災者へ緊急救援に重点が置かれたものである。

1997年に、Bakornas PBA (Penanggulangan Bencana Alam) という国家自然災害管理調整委員会が創設された。

この名前が示すとおり、その活動は依然として自然災害に重点がおかれているものの、災害抑制復興活動(災害の最中やその後)においてもその役割を果たしている。

Bakornas PBSは、1990年に改訂され、Bakornas PBとなり、実際には次のような事項に関与している。

       管理がまた、人的災害を含み、災害の間だけでなく災害後も救援活動が行われるようにすること。

       自然災害と同様、人的災害に関しても、その発生発生期間中発生後に、防止、緩和、救出、復興、再建といった側面についての管理を行うこと。

 

大統領令 43番/1990の拡大と実施として、1995年にBakornas PBの議長は、Bakornas PBの組織、任務、機能と詳細な業務について、次のように定める法令を発行した。

       統一され、調整され、維持された災害管理の総括的な政策と行動計画を策定すること。

       災害の発生前、中、後の、防止、緩和、救出、復興、再建といった側面による災害管理の計画を調整すること。

       統一され、調整された災害管理の実施に関するガイドラインを準備し、作成すること。

       災害管理の指導、統括、監視と評価を調整すること。国や国際的な政府、非政府組織間を、防災管理において調整すること。

       災害管理への支援の受領、分配と使用を調整すること。

       その他の大統領が指揮する災害管理に関する事項

1988年、福祉及び貧困緩和調整大臣(The Coordinating Minister of Peoples Welfare and Poverty Alleviation)は、災害活動をこの省の主要業務のひとつに拡張した。それは、全ての災害管理活動の戦略と政策がこの省に帰することを意味している。

この政策を指揮するため、通常は、国家災害管理調整局(BAKORNAS PB)の局長として災害管理補佐官が大臣に代わって活動する。

『機能的機関』としてのBAKORNAS PBは、運営調整主体として依然として存在する。1999年9月2日、大統領令 106番/1999により、BAKORNAS PB はその責務を『政情不安』などの人的災害にまで拡張した。

 

2. 組織

非組織的機関である国家災害管理調整局 (BAKORNAS PB) は、大統領に対して直接応えるThe Coordinating Minister for Peoples Welfare and Poverty Alleviation (Menko Kesra dan Taskin)によって管理されている。

この局の局長はこの省の災害管理補佐官である。

国家レベルでは、ほとんど全ての内閣大臣がBAKORNAS のメンバーである。

Bakornas PBの後、地区レベルのSatlak PB(地区災害管理調整部)と州レベルのSatkorlak PB(州災害管理調整部)という災害に対応する機関を設置した。地区では最前線の組織として、住民組織を含んだ、地区、副地区、村レベルのそれぞれの関連機関を動員する。

3. 災害管理計画

予防・緩和活動の様々な側面における戦略と政策調整は、BAKORNAS PB議長/国民福祉及び貧困緩和調整大臣によって扱われる。この活動を履行するために、各大臣はそれぞれ関連する業務を行う。

災害中には、救助・救出活動の各側面について、地区レベルではSATLAK PBによって、州のレベルはSATKORLAK PBによって、全国レベルではBAKORNAS PBによって直接指揮される。

災害後には、復旧活動の各側面について、政府の調整の下で、各省機関との連携のもとで、SATLAK PBもしくはSATKORLAK PBによって直接指揮される。

上記の全てのマニュアルにおける調整システムにおいて、ハザードマップや危険度査定はそれらのタスクに関連する各省によって直接指揮される。

 


V.アジア諸国間の防災協力

インドネシア共和国政府とマレーシア政府は、1997年12月11日にクアラルンプールで、災害協力と支援に関する覚書を交わした。両者は、協力の維持と促進に合意し、相互協力の精神のもとに、いかなる災害の発生に際しても支援を求めてよい。

 

災害協力と支援に関する共同委員会は1998年7月にジャカルタにおいて、1999年5月にクアラルンプールにおいて会合を開き、災害に関する技術的、科学的情報や、訓練や専門家の交換といった活動について議論した。

 

1999年9月23日、BAKORNAS PB及びアジア防災センター(ADPC)は、異常気象事象(ECE)を理解するためのプログラムに関するMOUに署名した。

1997〜1998年のエル・ニーニョ現象、1998〜1999年のラ・ニーニャ現象の管理経験によって、広域的気象予想情報を局地的レベルに直接適用することがミクロな地理的条件の中でそれらを関係づけることをも含めた不確実性によって運用上の制約を免れることが明らかになった。

様々な側面においてこのプログラムはそれらの事象と分野別の影響との間の相関性があるかどうかを明らかにすることが目的である。

 


W.災害教育

全てのBAKORNASのメンバーは、職員訓練、市民参加の訓練あるいは公衆の意識啓発といった教育活動によって組織づけられる

洪水、干ばつ及び地すべりに関する教育活動は、公共事業局の州/地区レベルのスタッフや大学などの他機関によって行われる。

地質学の災害教育は、エネルギー・鉱山省、気象学及び地球物理学委員会、大学等によって行われる。

山林火災/もやに関する教育は、応急活動関連については林野省によって、モニタリングと初期検地及び移送手続きについては、大学と連携して環境庁によって行われる。

1999年、BAKORNAS事務局は、山火事啓発キャンペーン(Forest Fire Awareness Campaign)と「即答チーム(Quick Response Team)」(QRT)の訓練を組織する。

QRTの責務は、災害発生直後から、必要評価(Need Assessment)を公式化し、捜索・救助チームとして活動することである。