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Total Disaster Risk Management
- 優良事例集 2008 -

はじめに
これまでの報告によれば2007 年において世界中で数多くの自然災害が発生していることが報告されています。
中越沖地震はマグニチュード6.6 の地震で、7 月16 日に日本で起こりました。 死者11 名、負傷者1000 名以上、また300 以上の建物が全壊したと報告されています。その後、マグニチュード8.0
のペルー地震が太平洋沖ペルーで8 月15 日に起こり、死者500 名以上の犠牲を出しました。そして、巨大サイクロン「シドル(Sidr)」が11
月15 日にバングラデシュを襲い、死者約3,200 名、行方不明者約800 名、負傷者約35,000 名にのぼり、また、700 万人以上の人がその影響を受けました。これらの大災害から、その被害を軽減するために学ぶことが我々には多くあります。
「兵庫行動枠組み(2005 〜 2015)」の進捗状況を検証していく中で、防災教育が社会の継続的発展には不可欠であるという点については、広く意見が一致しています。「兵庫行動枠組み優先事項」に対応することによって、情報が共有されるようになり、また、コミュニティレベルでの災害リスク軽減に関する教育が効果的なものとならねばなりません。
進行中の「兵庫行動枠組み(HFA)」において、アジア防災センター(ADRC)は、災害に対する科学的能力の開発支援に貢献するばかりでなく、情報の共有と防災教育にも注意を向けていくつもりです。
ADRCには、神戸国際連合災害救済調整官事務所(UN-OCHA)、国際防災復興機構(IRP)との協力的立場にあり、また、ADRC はアジアの多くの関係者と密接に連携して働いています。ADRC
とこれらの協力機関は、総合防災政策(TDRM)として知られている災害リスク軽減に対する総対的アプローチを策定しました。
「総合防災政策:優良事例集」は、TDRM の概念とその優良事例を記載した利用し易いハンドブックで、神戸で2005 年1 月18 日? 22
日に開催された国連防災世界会議用として発行されました。これに記載の「優良事例2008」には関係者が情報を共有し、世界の災害リスク軽減に貢献できるよう、ADRC
メンバーの国々から提示された優良事例が記載されています。
みなさんから今後も幅広く優良事例をお教え頂く事は我々の非常な喜びとなります。この刊行物が
TDRM のアプローチをさらに推進し、より安全な世界を創り上げるのに貢献できることを願っています。
序文 
目次 
1 アルメニア 
演劇“Terra non Firma(安全でない大地)”
アルメニアの幼稚園児・小学生が地震を学ぶためのツール
2 インド 
インド内政省 国連開発計画 災害リスク管理計画 (2002-2007)
3 インドネシア
インドネシアにおける地滑り危険軽減プログラム
危険軽減プログラムにおける地域社会住民の役割:メラピ火山への適用
インドネシアでの火山噴火災害時における早期対応チームの役割
4 日本 
榛名山町社家町地区の避難訓練
「住民みずからが状況を察知して避難計画を立てる」(群馬県高崎市)
「災害と女性」情報ネットワーク〜兵庫県の民間団体によるホームページ開設〜
5 ミャンマー 
ミャンマーにおける水害防止対策成功例
6 ネパール 
土石流および地滑り抑制のための砂防技術応用:
ムグリン・ナラヤンガート道路における事例
7 シンガポール 
シンガポールにおける有害化学物質輸送車両安全管理システム
8 スリランカ 
スリランカにおける津波被害を最小限に軽減するための
地域住民啓発プログラム:スリランカ防災センター(DMC)
地域住民への災害時安全対策周知 地滑りにおける安全対策の事例
9 タイ 
コミュニティベースの地滑り監視ネットワーク
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