2000年度
アジア防災センター
年次報告書

2001年3月

 

年次報告書の発刊にあたって    


目次>

1 アジア防災センターの概要
1−1 設立の経緯
1−2 組織及び体制
1−3 活動方針とこれまでの活動内容

2 防災情報共有のためのネットワーク形成
2−1 人的ネットワークの形成
2−2 防災情報共有のためのネットワーク形成

3 防災情報の収集と提供
3−1 情報収集の方針と方法
3−2 防災体制に関する情報
3−3 災害対策事例
3−4 自然災害データベースの構築
3−5 人材情報
3−6 防災技術展
3−7 インターネットGISシステムの構築
3−8 危険度診断評価手法に関する情報の収集と発信
3−9 2000年の災害データ

4 ニーズとシーズの把握による防災協力の推進
4−1 パプアニューギニア津波防災啓発プロジェクト
4−2 ニーズとシーズの把握
4−3 協力プロジェクトの実施

5 災害発生時の各国の緊急援助に関する情報の把握
5−1 最新災害情報
5−2 事後情報の収集・分析

6 防災に関する知識の普及・意識の向上、資料の企画
6−1 課題把握の方針
6−2 ニーズの把握方法
6−3 防災知識の普及・意識の向上、資料の企画
6−3−1 PNG津波防災啓発プロジェクトへの取り組み
6−4 学会・国際会議等の情報収集
6−5 今後の方針

7 防災教育・訓練に関する課題の把握
7−1 アジア防災センターにおける防災教育・訓練の企画
7−2 短期研修の実施

8 アジア防災センターの対外・広報活動
8−1 マスコミへの広報活動
8−2 国際会議への貢献
8−3 各種防災フェア等への参加
8−4 講演会・シンポジウム
8−5 執筆

   

時の経過は早いもので、1998年7月にアジア防災センターが開設されて以来、ほぼ3年が経過しようとしている。

この間、アジア防災センターは、メンバー国・アドバイザー国を含む関係各位のご理解とご支援を得て、精力的に活動を行い、16カ国に及ぶメンバー国訪問のほか、3回の専門家会議を開催し各国防災関係者相互の交流を図ってきた。また最新災害・各国防災体制・防災専門家・防災技術・教育訓練・阪神淡路大震災などのデータベースをアジア防災センターのウェブサイト上に開設し、公開してきた。また、ニューズレター「ADRCハイライト」を通じた活動情報の提供も今年度より開始している。第1回専門家会議で合意された客員研究員受入れプログラムについては、既にメンバー国より7名の客員研究員を受け入れ、各国との交流と防災協力を行ってきた。

2000年度を振り返ったとき、最も大きな災害のひとつは、インド西部で起こったグジャラート地震である。2万人以上の人命が失われたほか、被災地ではまだ瓦礫の処理も手付かずの地域があり、多くの被災者は復旧の糸口を容易には見つけられない状況と伝えられている。来る2001年度には、このグジャラート地震について現地調査やワークショップなどの実施を通じ、積極的に活動を行っていく方針である。また、近年の地球温暖化など気候変動の影響を受けて、洪水、暴風雨あるいは干ばつなどの気象災害はますます大規模化する傾向にあり、中央アジアやインド、パキスタンなどにおける干ばつ被害の深刻化も懸念されているところである。

既に新しい世紀を迎えたが、このように自然災害に関しては必ずしも楽観できる状況にはない。しかしながら、アジア防災センターは、メンバー国をはじめ国際連合や地元兵庫県の期待と要請に応えて、積極的に自然災害被害の軽減のため、防災情報の共有化を含む必要な防災協力を展開し、地球規模での災害被害軽減のため努力していく所存である。

関係各位におかれては、アジア防災センターに対し一層のご理解とご支援をいただくようお願いすると共に、当センターをこれまで以上に積極的にご活用いただくことを期待している。

2001年3月
アジア防災センター
センター長  伊藤 滋

 

 

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