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Asian Disaster Reduction Center(ADRC)
メンバー国防災情報
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中華人民共和国中華人民共和国

国の概要

中華人民共和国の地図 国名:中華人民共和国(People’s Republic of China)
中国はユーラシア大陸東部に位置し、面積は約960万平方キロメートルで、ロシア、カナダに次いで世界で3番目に広い。隣接国は、東に北朝鮮、北にモンゴル、北東にロシア、北西にカザフスタン、キルギス、タジキスタン、西および南西にインド、ネパール、ブータン、南にミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接している。
中国はその国土の広さと地理的位置から、多様な景観および気候を有し、例えば、高い山脈、肥沃な平原、広大な砂漠、高原、大河、広大な海岸線、極端な気候のチベットの高地などである。また、気候帯は北部の亜寒帯から南部の熱帯まで多様である。
首都は北京で、約14億人という世界最大の人口を誇る。多民族国家であり、人口の約90%が漢民族である。

災害の傾向

広大で地理的に多様な国である中国は、国民、インフラ、経済に深刻な影響を与えるさまざまな自然災害に直面している。地震、洪水、台風、地すべり、干ばつ、砂漠化、雪崩、雹、山火事、竜巻、時には津波などである。その中でも最も頻度の高い災害は、モンスーン気候の影響や気象災害、地域的・局地的な干ばつ、地震、丘陵地や山岳地帯での土砂崩れ、地すべり、土石流、森林火災や草原火災などがあげられる。

過去の主な災害

豪雨(2020年7月)

中国南西部の重慶市で豪雨が発生し、地元当局によると死者11人、住民21,500人が避難を余儀なくされた。この豪雨により、31の地区・県で約55万人の住民が被害を受けた。さらに、23,000ヘクタールの農作物が被害を受け、1,000棟以上の家屋が倒壊したという。連日の豪雨で長江と呉江の水位が上昇した。同市の治水・渇水対策本部の発表によると、長江の主要支流である呉江沿いの水文観測所の水位は5.55メートル上昇し、225.03メートルという驚異的な数値となった。

台風ニパルタック(2016年7月)

台風ニパルタックは大雨や洪水を引き起こし、20の州にわたり2億4300万人に影響を与えた。2016年7月28日現在、洪水による死者は417人にのぼり、162人が行方不明となっている。少なくとも41,000棟の家屋が倒壊した。また雨の影響により295,200ヘクタールの農作物が壊滅的な被害を受けた。洪水や地すべりは通信や電気設備にも影響を及ぼし、一部の地域では交通が停止したり遅れたりした。

四川大地震(2008年5月)

2008年5月12日、四川省で発生したマグニチュード8.0の大地震は、69,227人(行方不明者17,923人)の命を奪い、さらに壊滅的な被害をもたらした。この壊滅的な災害により、直接的な経済損失は1兆530億元(2018年の価値で1590億米ドルに相当)に達した。

防災体制

法制度

防災に関して30以上の法律や規則が発布施行されているが、その中には水土保持法、地震防災と災害軽減に関する法律、消防法、気象法、安全生産管理法などがある。

防災組織

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1989年に設立された「中国IDNDR(国際防災の10年)委員会」(CNCIDNDR)は、2000年に中国国際防災委員会へと改称し、さらに2005年1月には、国務院副総理を委員長として中国国家防災委員会(NCDR、National Commission for Disaster Reduction)に改称した。NCDRは関係省庁や社会団体を含め、34の省や部局で構成されている。同委員会は、国務院の下で政府機関相互の調整役を果たしており、防災に関わる方針、政策、計画の検討や策定、重大な災害対応活動の調整、防災活動に関する地方政府への指導、そして国際交流・協力の促進に当たっている。

防災計画

1998年4月「中華人民共和国国家自然災害軽減計画(1998-2010)」(NDRP)が策定された。NDRPは、「第9次国家経済社会発展5ヵ年計画と2010年長期目標綱要」に従って策定された中国初の国家レベルの防災計画である。同計画には、防災を国家の経済的社会的発展の観点から十分に検討すること、防災を災害に対する耐久力や災害救援と併せて重要な優先課題とすること、科学、技術、教育の果たす役割を防災に盛り込むこと、社会全体が防災に取り組むこと、そして国際交流を強化することが盛り込まれた。

アジア防災センター協力機関