年次報告書の発刊にあたって 

2000年3月
アジア防災センター
センター長  伊 藤   滋

 

 本報告書はアジア防災センターの1999年度年次報告書である。

 アジア防災センターは、アジア地域における災害低減のため、防災情報の共有を通じて国際協力を進めるためのセンターとして1998年7月に設立された。

 アジア防災センターに求められている機能を充分に発揮できるセンターをつくりあげることは容易ではないことを承知しつつ、着々と努力を積み上げることを認識しつつ、組織づくりに取り組んでいる。

 アジア防災センターは設立以来ほぼ2年を経過したところであるが、22カ国に及ぶメンバー国とのネットワークを構築し、最近の災害や20世紀に起きた過去の災害情報、災害に関する法体系・災害対策組織・具体的防災対策などの防災情報、防災専門家のリスト、防災に関する研修コースなどのデータベースを整備して、インターネットにより提供している。また本年度からはメンバー国からの研究員の受け入れを開始し、韓国、ネパール、ベトナムの研究員が研究に携わった。引き続きスリランカ、バングラデッシュからの研究員を予定している。

 阪神・淡路大震災から5年を経過し、その記憶も人々の脳裏から薄らいでいく時期を迎えつつある。だからこそ5年前に現代都市を襲った災害の経験と教訓をアジアに、そして世界に発信していくことがアジア防災センターに求められている。

 しかしながら、アジア防災センターの活動の主体である災害や防災に関する情報の提供も、アジア防災センターとそのホームページの存在が知られなければ人々の役に立つことはないところから、来年度はアジア防災センターのニュースレターを頻度高く発行し、また様々なメディアを用いた広報活動に努めることとしている。

 アジア防災センターは小さな組織であるが、その姿を徐々に形づくっているところである。アジア地域における災害低減のため、防災情報の共有を通じて国際協力を進めるために更なる努力をしていく所存であるので、関係各位の暖かい励ましと協力をお願いするところである。