防災教育訓練について、アジア諸国でのこれらの課題に対するニーズの把握を行うとともに、各国が行っている防災教育訓練のためのプログラムや教材等の資料収集を行う。それらの結果をデータベースとして作成して、アジア防災センターのホームページを通じて、それらの情報の共有化を図る。
またアジア防災センターにおいても、防災教育・訓練を様々な方式で実施する。
アジア諸国における防災専門家のための防災教育及び訓練は、それぞれの国の中央省庁に限らず、地方自治体災害対策のためにも重要な課題である。アジア各国においてはどのような教育訓練を各国の防災担当部局は求めているのか、またどのような教育訓練のためのプログラムが提供されているのかを、
Country Report、Expert Meeting、Counterpartとの面談また防災の文献等により把握した上記の方法により把握したニーズとしては、次のようなことが挙げられた。
1998
年度においては、防災教育・訓練プログラムに関する資料の収集を行った。防災教育訓練プログラムに関する情報として本年度に収集した資料は、世界各国において実施されている防災教育訓練プログラム(防災研修コース)について悉皆調査を実施した。国際連合等の国際機関、国際的な防災機関、各国政府への問い合わせを行い、それぞれが実施している研修コースについての情報を得た。またそれらで用いられている研修テキストの収集については主に1999年度において行うこととしている。収集された防災研修コースについて以下に示している。これらはデータベースとしてアジア防災センターのホームページにおいて一般に提供する。研修コースの一覧表を表7-3-1に、また例示として研修コースのデータベースの一例を表7-3-2に示す。表
7-3-1 研修コースの一覧表(抜粋)組織名 |
略称 |
研修コース(1コースのみを表示) |
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Asian Disaster Preparedness Center |
ADPC |
First Regional Training Course on "Urban Flood Hazard Mitigation |
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Australian Emergency Management Institute |
AEMI |
Vulnerability Assessment |
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Canadian Center for Emergency Preparedness |
CCEP |
World Conference on Disaster Management |
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Cranfield Disaster Management Centre |
CDMC |
Disaster Management Training for the International Decade for Natural Disaster Reduction |
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Canadian Emergency Preparedness College |
CEPC |
Basic Emergency Preparedness |
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Crisis Management and Preparedness Organization |
CMPO |
Emergency Operations Center Simulation Training |
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Center of Excellence in Disaster Management & Humanitarian Assistance |
COE |
Combined Humanitarian Assistance Response Training |
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California Specialized Training Institute |
CSTI |
Emergency Management |
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Emergency Measures Organization Nova Scotia |
EMONS |
Basic Emergency Preparedness |
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Harvard School of Public Health |
HSPH |
Planning for Nuclear Emergencies |
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Indiana Public Safety Training Institute |
IPSTI |
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International Institute for Aerospace Surveys and Earth Science |
ITC
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Professional Master & Master of Science courses Application of Geoinformation to Natural hazard Studies 1999-2000 |
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Chiba Earthquake Countermeasure Section |
J101 |
Training for leaders of voluntary disaster prevention organizations |
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TMG Disaster Prevention Center |
J102 |
Disaster Prevention Citizens' University |
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Tokyo Red Cross |
J103 |
First Aid Disaster Relief Seminar |
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Metropolitan Fire Department |
J104 |
Volunteer for disaster support |
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Disaster Relief Volunteer Activity Promotion Committee |
J105 |
Safety Leader |
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Gifu Fire Fighting and Disaster Prevention Section |
J107 |
Gifu Disaster Prevention Intensive Seminar |
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Shizuoka Prefectural Government |
J108 |
Comprehensive Disaster Prevention Course |
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Hiroshima Disaster Prevention Center |
J109 |
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Miyazaki Fire Fighting and Disaster Prevention Section |
J110 |
Citizens' Disaster Prevention Course |
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Massachusetts Emergency Management Agency |
MEMA |
Advanced Operations Course |
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New Zealand National Civil Defence School |
NZNCDS |
Emergency Planning |
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Victoria State Emergency Service |
VICSES |
Emergency Management Planning |
表
7-3-2 研修コースデータベースの一例
7−4 アジア防災センターにおける防災教育・訓練の実施・支援
アジア防災センターにおいては、防災教育・訓練プログラムの開発及び研修プログラムの企画等を将来において実施することとしているが、
1998年度においても、実体的にはいくつかの教育・訓練プログラムを実施、あるいは支援してきたところである。一例としては、兵庫県が受け入れている兵庫県海外技術研修員(中国海南省地震局副局長沈氏)を、1ヶ月にわたり当センターに受け入れ、インターネットによる防災情報提供に関する防災研修を実施した。同氏は、中国帰国後、インターネットを通じたアジア防災センターと中国との防災情報ネットワークの構築に寄与するものと期待される。
また表7-4-1、表7-4-2に示すように、関連機関が行う教育訓練・研修プログラムを支援し、アジア防災センターにおいて一日、半日の短期プログラムを実施した。対象は地方自治体の防災職員、消防職員、海外の防災専門家、マスコミ等多岐にわたるが、国際防災協力、日本における防災対策の現状、防災情報ネットワーク等に関する研修を行った。
表7-4-1
短期防災研修(外国人)
日 時
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場 所
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国 名
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主な出席者・出席人数
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内 容
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98/10/13 |
ADRC |
ボツワナ、エチオピア、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニア、ザンビア |
フォーリンプレスセンター アフリカ英語圏記者研修 参加者一行8名 |
国際防災の10年、世界の自然災害数・損害額、阪神・淡路大震災、国際防災協力、ADRC活動概要他
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98/11/18 |
同上 |
中国、インドネシア、メキシコ、オマーン、フィリピン、サウジアラビア、スリランカ、タイ |
JICA集団研修・救難 防災コース研修員一行11名
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98/11/19 |
同上 |
中国
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中国科学技術協会 地域開発計画 訪日視察団一行13名 |
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98/12/16 |
同上 |
中国 |
海南省情報・防災視察団一行11名 |
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98/12/16 |
同上 |
中国 |
中国都市地震防災考察団 一行8名 |
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99/02/12
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同上 |
中国 |
中国建設部・日本の地下空間開発考察団一行10名 |
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99/02/19
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同上 |
バングラデシュ、クック諸島、インドネシア、ヨルダン、レソト、マレーシア、メキシコ、ネパール、パキスタン、ペルー、ソロモン諸島、スリランカ、タイ、トルコ |
防災行政管理者セミナー 研修員14名 |
表7-4-2
短期防災研修(日本人)
日 時
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場 所
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主な出席者・出席人数
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内 容
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98/11/13 |
ひょうご国際プラザ |
姫路工業大学環境人間学部学生50名 |
同 上 |
98/11/26 |
ADRC |
近畿2府7県防災所管課担当者一行20名 |
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98/11/27 |
ひょうご国際プラザ |
兵庫県、市町防災専門家養成講座参加者一行42名 |
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99/01/13 |
ADRC |
防災まちづくり研究会一行10名 |
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99/02/22 |
同上 |
神戸市消防学校教育訓練参加者3名 |
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99/03/04 |
同上 |
酒田市消防署3名 |
本年度においては、本課題についての第一段階として防災教育・訓練の現状把握を主として行ったところである。研修コースについての現状把握の段階において明らかになったこととして、次の点が挙げられる。
本年度における研修コースの把握はこの分野の第一段階であり、本年度における現状把握での制約と次年度からの方向を以下に示す。
そこで、第2段階としての平成11年度においては、メンバー国を中心として各国の防災担当者への直接の現状把握依頼を行って、各国の内部で実施されているコースの把握を行うこととした。
このような方針で現状把握を進めていくことで教育・訓練プログラムのデータの充足を図るとともに、教育・訓練プログラムのカリキュラム、テキストの収集を図ることとし、現状把握に基づく分析から、アジア防災センターにおいても、防災教育・訓練プログラムの開発を検討する。