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メンバー国防災情報
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ブータンブータン

国の概要

ブータンの地図 国名:ブータン王国(Kingdom of Bhutan)
ブータンは内陸国で、北と東に中国、西と南には中国と国境を接している。国土面積は38,364平方キロメートル。ヒマラヤ山脈の南斜面に位置し、標高差が南部の150メートルから北部の約7,000メートルと大きい。ブータンは数多くの氷河が溶けてできた河川があり、電力発電に利用されている。ブータンには四季があり、南部では亜熱帯気候、中部渓谷の寒い冬と暑い夏、北部の厳冬と涼しい夏と多岐にわたる。人口は、2014年の国勢調査によると745,153人。首都はティンプー。

災害の傾向

ブータンは、若いヒマラヤ山脈に位置し、世界で最も地震活動の活発な地域に位置していると考えられている。また過去の地震活動から分かる通り、地震は最も差し迫った問題となっている。地球温暖化により、氷河湖決壊洪水(GLOF)はブータンにとってもう一つの脅威となっている。気候変動が原因の季節性の強風はブータンにおけるハザードの一つとなっており、地方の家屋に深刻な被害を与えている。2011年と2013年には暴風が発生し、地方の家屋に被害がでた。他の災害で言えば、地すべり、鉄砲水、暴風、森林及び建造物火災が発生し、財産や人命に深刻な被害を与えている。

過去の主な災害

2011年9月 地震

2011年9月18日、マグニチュード6.9の地震が発生し、地震により引き起こされた地すべりにより1人が死亡し、14人が負傷、約2,450万米ドルにものぼる構造物への被害があった。

2013年6月 鉄砲水

2013年6月4日、断続的な大雨により鉄砲水が発生し、Punakha県の6つの村が被災した。数エーカーもの土地が土砂で埋まったり、流されたりした。排水渠一つも流された。

2013年12月 暴風

暴風により13の県、53の村、1つの特別市が被災した。979の住宅、12の学校50の寺院・修道院、3つの村役場と8つの診療所が被害を受けた。

防災体制

法制度

2006年に 国家防災枠組(NDRMF)が採択される以前には、防災に関する政策や指針といったものは存在しなかった。しかし国中で災害が増加したことを受けて、体系的な防災アプローチや災害対応の必要性が強く求められるようになった。そのため、防災法が2013年3月18日に制定された。

防災組織

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防災担当機関は、内務文化省防災局(Department of Disaster Management, Ministry of Home and Cultural Affairs)である。防災局は、国家防災委員会(National Disaster Management Authority, NDMA)の事務局を務める。NDMAは、2013年に制定された防災法第8項にあるとおり、ブータンにおける防災の最高意思決定機関である。

防災計画

-「防災計画指針」
2013年に制定された防災法により、県や防災関連機関を支援するための防災計画案が作成された。
-「防災危機管理計画指針」
-「学校防災計画指針」
学校教育局と協力し、学校防災計画の形成のための計画指針が作成及び配布された。
-「ブータン5カ年計画」
災害に対するレジリエンスや防災の主流化は、第11期5カ年計画(2013-2018)の中での国家優先エリア16項目のうちの一つとして取り上げられている。
-「2009年地震災害に関する国家復興再建計画」
-「ブータン国環境管理枠組」
-「非工学的建造物(石積み)のための適切な建設ガイドライン」
-「地震に強い学校に関する国家活動計画」
-「地震に強い医療施設に関する国家活動計画」

アジア防災センター協力機関