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カンボジアカンボジア

国の概要

カンボジアの地図 正式名称:カンボジア王国
地理的位置:カンボジアは東南アジアに位置し、東はベトナム、西はタイ、北はラオスと国境を接している。南はタイ湾に面する。
国土面積:約181,035平方キロメートル。国土の約500キロメートルをメコン川が流れ、中西部にはカンボジアを代表するトンレサップ湖がある。
人口: WorldOmeterの最新データによると、カンボジアの人口は約1,700万人で、東南アジアで最も人口の多い国のひとつである。人口はクメール人(90%)と、チャム族、中国系、ベトナム系、山岳先住民族などの少数民族が大半を占める。
行政区分:首都はプノンペンで、政治、社会経済、文化の中心地となっている。
気候:カンボジアはモンスーンに支配される熱帯性気候である。特に5月から10月にかけてのモンスーンシーズンは、カンボジアの気候パターンに重要な役割を果たしている。モンスーンの季節に、カンボジアは年間降水量のかなりの部分を受け、国の総降水量の75%近くを占める。11月から4月にかけての乾季は、大雨から解放され、さまざまなアウトドア活動や農業活動に適した条件が整う。

災害の傾向

カンボジアが洪水、干ばつ、暴風雨などの自然災害に見舞われやすいのは、内戦から立ち直った国という独特の歴史的背景がある。さらに、農耕経済が主体であるため、自然災害に関する課題や脆弱性がある。
カンボジアは、その能力、インフラ、制度的な制約に関連する課題に直面しており、これが複合的に重なると、気候の変動や変化に対する脆弱性が高まる。このような状況の中で、カンボジアにとって暴風雨が大きな脅威であり、災害リスクの複雑さを増していることに注意することが重要である。 過去10年間、カンボジアは干ばつ、洪水、暴風雨などの自然災害の再発に悩まされてきている。
(出典:Climate Change Knowledge Portal, World Bank)

過去の主な災害

2022年 洪水

2022年5月に発生した大洪水により大きな被害が発生した。 9月1日から10月11日にかけて、14県で約85,482世帯が被災し、避難、死傷者、家屋、インフラ、農地への被害が発生した。大洪水のリスクは10月末まで続いた。

2011年9-10月 洪水

洪水により被災者35万世帯(150万人以上)が被災し、52,000世帯が避難した。24州のうち18州が被災、メコン川及びトンレ・サップ湖沿いにある4州の被害は深刻であった。250人が死亡し、23人が負傷した。43.1万ヘクタールの田植が終わった水田が被災し、26.7万ヘクタールの水田が被害を受けた。925キロメートルもの国道、州道、都市道路が被害を受け、その他360キロメートルの道路が被害を受けた。経済被害は6億3,000万米ドルに及んだ。

2011-12年 干ばつ

2011年、干ばつにより3,804ヘクタールの水田が被害を受けた。2012年にも干ばつが発生し、14,190ヘクターの水田及び3,151ヘクタールの作物が被害を受けた。

防災体制

法制度

カンボジアは包括的な防災法(Law on Disaster Management)を2015年に制定し、災害への備え、対応、復興のための強固な法的枠組みを提供している。
防災法 (出典:IFRC、英語版)

防災組織

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首相を長とする国家防災委員会(NCDM)が中央調整機関として機能する。 NCDM事務局は、国家レベルでの防災活動を指揮・調整する。 災害管理は、州防災委員会(Provincial Committees for Disaster Management: PCDM)、郡防災委員会(District Committees for Disaster Management: DCDM)、コミューン防災委員会(Commune Committees for Disaster Management: CCDM)を通じて地方分権化されている。村落防災グループ(VDMG)は草の根レベルで活動し、地域の防災活動に積極的に参加している。

防災計画

カンボジアの災害管理システムは、災害への備え、対応、軽減策を強化することを強調している。政府機関、人道支援団体、開発パートナー間の効果的な連携は、カンボジアの防災努力に不可欠である。
防災にかかわる計画としては、 「国家戦略開発計画(NSDP)2009-2013」、「国家防災戦略行動計画(SNAP)2008-2013」)、「国家防災行動計画2014-2018」(2014年に草案作成及び採択)、「国家総合鳥及びヒトインフルエンザ計画」(多分野間でのパンデミック予防及び対応計画)、「コミュニティ防災計画」、「国家洪水・旱魃緊急事態計画」(改訂中)がある。

アジア防災センター協力機関