ベトナム 

カントリーレポート

1999

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

目  次

 

T.序論

U.洪水

1.Red河 デルタ

2.中央部の県

3.Mekongデルタ

4.高地

5.海岸災害

6.集水管理

V.台風

W.ベトナムにおける洪水や台風に対する対応の歴史

1.植林:

2.川底除去:

3.洪水放水:

4.上流貯水池:

5.堤防監視及び修理:

X.ベトナムにおける災害緩和分野での政策及び法律

Y.ベトナムにおける災害緩和戦略及び実行計画

Z.洪水及び暴風管理中央委員会による緩和策

[.勧告

 

 

 

 


T.序論

ベトナムは、年間降雨量約2000mmの東南アジアモンスーン気候にある熱帯の国である。この降雨量の80%が夏(5月‐10月)に降り、河川をいっぱいにして流れる。

同時に、ベトナムの北部及び中央部は、平均年間4回から6回の台風に見舞われる。この台風による強い雨が、河川のモンスーンの流れに加わると、洪水が起こる。大体、5年に一度、大きな台風が山岳地帯を越えてメコン盆地の低地帯に達し、非常に厳しい洪水をラオス、カンボジア及びベトナム南部に起こす。この非常に強い雨は、また、山岳地帯に鉄砲水、地すべり及び泥流を起こし、川底に侵食やシルト化を発生させ、更に下流に浸水構造(water-retaining structure)をもたらす。この台風は、また、高波を起こし海面を持ち上げ、港、居住地及び海岸沿いの農業地帯を海水で水浸しにする。

我が国の水による災害損失は大きい。毎年、何百人もの人が死亡し、財産に対する損害は、数億ドルに達している。

 

U.洪水

不規則な降雨分布が河川の洪水の主な原因である。ベトナムの河川網は合計25,000kmの長さを持ち、3つのかなりはっきりした河川網に集約される;すなわち、北部のThai Binh河水系、中央部の海岸河川水系及び南部のMekong-Dong Nai河水系である。

各地域の異なった地形により、それぞれの河川網は別々の特徴を持っている。

南部の河川は緩やかで、北部の河川はかなり急流であり、中央部の河川は短く非常に急流である。北部のRed river や南部のMekong river のような大河の一部は、源流が隣国にあり、ベトナムを通って海に注いでいる。雨季には、その年によって厳しさの差はあるが、全ての河が氾濫する。

 

1.Red河 デルタ

今世紀だけを取っても、Red 河 とThai 河 システムでは、26回の大きな洪水があり、最も大きかったのは、1971年の大洪水である。その前までは、1945年の洪水が歴史的に最大と考えられていた。この洪水の規模を正しく評価するためには、1971年の洪水の水位が、堤防内の田畑のレベルより5−10m高かった、という事に着目すればよい。45年間(1900〜1945年)に、堤防が決壊した年が18年あり、平均2年ないし3年毎に、作物に損害を与える堤防の決壊が一回あった。1945年の洪水では、79ヶ所で堤防システムが決壊し、312,000ヘクタールの耕地を有する11の県を水浸しにし、約400万人が被災した。1971年の洪水は、3つの大きな区域で堤防決壊を起こし、250,000ヘクタールを水浸しにし、270万人に重大な影響を与えた。ごく最近の大きな洪水は1986年に発生し、今世紀5番目の大きさであった。Red 河 に沿った堤防の一部が破壊され、Can 河 の下の水門が崩壊した。地元住民の的確な応急対策活動がなかったら、損害は実際よりはるかに大きくなっていたであろう。

 

2.中央部の県

中央部の県では、例年決まって洪水がある。Quang Tri-Thua Thua Thien 地区の1960年の大洪水、1962年のQuang Nam の大洪水、1932年のBinh Dinh の大洪水、1983年のHueの大洪水、1952年の南部東側の県での大洪水、及び1964年の中央部の大多数の県に起こった大洪水などが、悲惨だったものの一部である。

 

3.Mekongデルタ

Mekongデルタの洪水は世界中に良く知られている。近年の大きな洪水(1961、1966、1978、1984、1991、1995、1996年)を例にとれば、数百万ヘクタールの作物が破壊された。

 

4.高地

ベトナム高地のほとんどの土地は洪水レベルよりかなり高いが、住民は土地が農業生産に向いていると見なしているため、氾濫原(floodplains)での開発がなお盛んである。世界のどこでも同じだが、このため、住民はそこに住むようになってしまう。

困った事に、近年、高地においても洪水が増えているように思われる;例えばLang Son and Cao Bang での洪水(1986年);Lai Chau,Dak Lac and Bac Thai での洪水(1990年)、及びSon La and Lai Chau での洪水(1991、1994、1996年)、Ha Giang Kon Tum の洪水(1996年)などである。1990年と1991年の洪水はLai Cha 及びSon La という2つの地方都市の人口密集地域に影響を及ぼし、都市基盤の大部分に損害を与えた。

 

5.海岸災害

我が国は、世界で最も貧しい国のひとつに分類されている。このため、我々の中で最も貧しい人々は、どこに住むか、どこで食料を作ることできるかについての選択肢をほとんど持っていない。

我々の海岸線の一部は、山から堆積物がもたらされるのにつれて、海の方に向かって張りだしており、住民は、新たな土地が浮かび上がるのを見て、入植しようとしている。しばらくすれば、住民は、この土地を海から守るよう求めるし、その土地は経済的に生産力があるので、これを否定するのが難しくなる。小さな海岸堤防が造られるかもしれないが、もし、この堤防が聳え立つと、更に高くて強い物を望むようになる。

我々は、これに賛成すべきであろうか?経済的検討によれば、このような海岸堤防の多くは価値のあるものとされている。しかし、高くすればするほど、人々は安全だと感じ、彼等の土地を更に生産力のあるものにするため更に投資をするようになる。いつかそうなることは分っているが、この海の堤防が再度上げられた場合、損害も以前より更に大きくなる。

堆積物の供給が遮断されてきた他の海岸では、海岸線が後退している。このために移住させられた住民に対する衝撃は恐るべきものである。堆積物は、時には、自然の作用で遮断されるし、時には、灌漑のように水を他の経済的使用に向ける事業似よっても遮断される。

どちらの問題を先に取り上げたら良いのか?実際に、灌漑か、あるいは海岸の防衛か?

我が国の海岸の多くには、波のエネルギーを減らすのに大変有効であったマングローブがあった。しかし、現在は、このマングローブのほとんどが切り倒されてしまっている、一方、やはり保護手段になる多くのサンゴ礁も破壊されている。

 

6.集水管理

多くの先進国や発展途上国と同様に、我々を取り巻いている社会的経済的状況のもとでは、森林が短期的利益をほとんど提供しないので、その価値を認めさせるのが難しくなっている。

その結果、燃料や木材を得るために、あるいは、農業生産用の場所を造るため、樹木が切り倒されている。この結果による山林伐採が流出を増やし、侵食の度合いを更に大きくしている。これが、先に述べた、鉄砲水、地すべり、泥水、シルト化を招いている。

この山林伐採を矯正するには、それが複雑な性格のものなので、時間がかかる。これには、多くの政府機関の国、県、地区レベルでの協力と、同時に地方コミュニテイとの協力を必要とする。これは、経済活動の変更や、場合によっては、文化的慣習の変更を必要とするものになるであろう。

 

V.台風

1954年以来、212の台風がベトナムに上陸したり、直接的影響を与えた。平均して、1年に約30の台風が西太平洋で発生し、そのうち約10が南シナ海で生まれている。これらの中で、平均4から6がベトナムを襲い影響を与えている。少なくとも10個の台風がベトナムに到達した年が多い;最近のケースは、1964(18台風)、1973年(12)、1978(12)、及び1989(10)、1996(10)である。

台風によって最も影響を受けた地域は北部の海岸の県及び中央部地区である。しかしながら、南部の台風も、数の上ではそれほど頻繁ではないが、なお非常に危険なものになる恐れがある。

人口の約62%及び全土の44%が頻繁に台風の影響を受けており、毎年平均250人が死亡する。今世紀最悪だったのは、1904年の南部での台風で、5,000人が死亡あるいは負傷し、また、Binh Tri Thien Province の1985年の台風で、900人が死亡した。

台風には、普通暴風津波が伴って起こる。過去30年間で、半数の台風が1mを超える、30%の台風が1.5mを超える、そして11%の台風2.5mを超える暴風津波を引き起こした。このような台風と暴風津波は、しばしば盛り上がり、海岸地域の低地を水浸しにし、頻繁に海岸堤防を破壊してきた。

ベトナムにおいては、世界の他の国々と同じように、洪水や台風によって引き起こされる損失が、だんだん増えているように思われる。例えば、1985年から1989年の間の期間に年間約540人が台風や洪水で死亡した。ところが1976年から1979年の間のその数字は225であった。

 

W.ベトナムにおける洪水や台風に対する対応の歴史

洪水と台風は、ベトナムの人々にとって絶えることのない脅威であり、この避けられない出来事に備えるための闘いは、数千年のベトナム国の歴史において重要な位置を占めてきた。ベトナムの最初の堤防は、1世紀、Hai Ba Trung 王朝時代に見られる。11世紀の初め、Ly王朝時代にRed river からDai La 王の町(後に、Ha Noiと命名された)を守るために、堤防が建設された。13世紀、Tran王朝時代に、Viet Tri(Ha Noiの上流)から海に至る堤防システムが造られ、海岸堤防の建設も始まった。

その時以来、堤防の能力は、加速度的割合で広げたり高くしたりする事によって、常に強化されてきた。1884年から1945年までに、ベトナムの国民は、8,700万立方メートルのearthfillを配置し、1945年以来、255,000万立方メートルのearthfillと420万立方メートルの護岸用の岩石を使用した。1971年の歴史的洪水以来、ベトナム政府は、次のような6つの短期的及び長期的洪水管理のための全般的対策を適用してきた。

植林と分水界保護

上流地域における中規模及び大規模貯水池の建設

堤防システムの強化

必要な場合の洪水放水

河川浚渫及び洪水放水路の清掃

堤防監視及び修理

下記に見られるように、これらの戦略の成果は期待したものになっていない。

 

1.植林:

過去数年の間、植林を促進してきたにもかかわらず、森林面積は1年あたり約100,000ヘクタール減っている。山林伐採が増加すれば、集水の降雨流出特性に大きな影響を与え、土地を浸食し、洪水の流れを早くし、そして乾季には、減水を引き起こしている。

 

2.川底除去:

10年(1971‐1981)にかけて、堤防の外側に住んでいる人々の45%が移住させられた。約700万立方メートルの土が高い河川の土手から取り除かれ、多くの落下した橋や沈没船が取り除かれた。

しかしながら、近年、状況は再び悪化した。建設資材が航路に投げ込まれ、新しい住居地が河川敷に建設され、河沿いや河口の砂州は資金不足のため、浚渫されていない。

 

3.洪水放水:

水路容量増強による洪水放水及び洪水用貯水の事業が実施されてきたが、それらは設計能力以上には機能していない。

例えば、Day河の堤防を危険にさらさないでRed 河から溢れた水を放水するDay 河水路が計画された。Day河放水余水吐の設計放水量は毎秒5,000立方メートルであるが、およそ毎秒3,000立方メートルの能力しか発揮できていない。これは、最後の洪水以来、氾濫原の一部が長期間に亘って農業用地として定着しているためである。Day河の洪水放水で最も難しいのは、あまりにも多くの住民(ほぼ500,000人)を移住させなければならず、200kmに及ぶ堤防の修理をより頻繁に行わなければならないということである。

 

4.上流貯水池:

1971年の洪水では、Thac Ba貯水池のおかげで、Red河の水位を0.10から0.15m下げることができた。そのとき以来、1971年の洪水が再来したとしても新しいHoa Binh貯水池によりHanoi市での洪水は1.2から1.4m下げることができると信じられている。一方では、堆積物の蓄積によりHoa Binh貯水池が下流盆地の浸食を促し、洪水期間を長引かせているということもある。前者の問題は堤防への危害を増大し、後者は洪水期間中の堤防管理及び修理チームという人的資源の使用を引き伸ばすことになり、特に、継続的に堤防を保守していく上で問題となる。

 

5.堤防監視及び修理:

これまでの我々の経験では、台風による洪水の緩和及び損害の制御に堤防は最も重要な構造的手段である。前大統領Ho Chi Minhがかつて言ったのは、「全国民が堤防を守らなければならない」ということであった。生活を守り、永続的な農業生産を確保するために、他の手段が実現されたとしても、堤防は基本的また必要不可欠な構造的手段として残るであろう。しかしながら、大規模洪水においては、堤防監視及び修理は迅速に、しかも確実に行われなければならない。

現在のベトナムには8,000km近い堤防があり、そのうち6,000kmが堤防、2,000kmが海岸堤防である。大きな河川には3,000kmの堤防、主要な海岸には1,000kmの海岸堤防がある。約600の護岸がさまざまな形で行われ、堤防の下の水門が3,000建設されている。Mekongデルタの厄介な洪水を制御し、塩水化を防ぐため、さらに500kmの堤防がある。過去2,000年に亘って、堤防の損傷と闘う技術が開発されてきている。なかでも1971年以来、我が部署では、堤防システムの大事な区域を強化するため脆弱地帯の検出、及び警報へのより効果的な対応を行うための新戦略の定式化に、懸命な努力を払ってきた。しかしながら、我々は、いまだに以下のような多くの重要な問題に直面している。

a.現存する堤防は、近場の資材を用いて、土木工学の原理も理解されてない古い時代に人力で造られたものである。Earthfill及び基礎は注意深く選定も処理もされなかったので、砂沸、パイピング浸出、及び地滑りが堤防のどの部分にも生じている。したがって、大洪水が長期に亘って発生した場合は、堤防損傷及び決壊が起こる恐れがある。 堤防の基礎が貧弱であり、過去における未認可採掘により両側に池ができている場所では特に起こりやすい。また、シロアリの巣及び齧歯類の穴は堤防内部に大きな空洞を作るので、堤防の弱点となる。

b.洪水期間中に水路の変更は堤防浸食の原因となり、堤防の安全の脅威ともなる。護岸工事と突堤による保護はきわめて高額にもなり、適正な規格に基づいた建設が難しいこともある。

c.堤防を水が通過できるようにする水門は古いものであり、機能は果たすものの激しく損傷を受けている。洪水期においては、多くの水門は、堤防を安全に守るために、動かさないようそっとしておくべきである。

d.特に中部地域における海岸堤防は低く、しばしば押し流されている。北部における海岸堤防は大形なので、平均水位において水準10までの台風に耐えることができる。しかしながら、台風が来襲し、暴風津波が来た場合には機能を果たし続けることは難しい。

e.堤防監視及び修理のための人員及び設備は最小限であり、多くの場合不足していた。堤防監視は主として目視によるもので、ほとんどの欠陥が堤防内部か基礎部分にある以上、発見は難しい。幸いにも、この状況は大幅に改善されつつある。UNDPプロジェクトVIE/88/015に基づいて、新型の監視及び修理技術が導入されつつあるからである。

f.ベトナム国家委員会は堤防保護条例を布告したが、この条例に違反する件数は増えつつある。特に、人口密度の高い地域にある堤防において多い。

 

自国の資源を最大限活用するために、ベトナムは洪水緩和の構造的及び非構造的手法を適用している。たとえば下記のようなことである:

洪水緩和及び台風緊急活動のための実施計画の制定

洪水制御のための法律、条例、規制の布告

予報及び警報システムの改善

台風及び洪水に耐える構造物の建造

設計規格の布告

 

X.ベトナムにおける災害緩和分野での政策及び法律

1946年以来、洪水及び台風委員会が中央レベルから地方レベルにいたるまで設立された。この組織は自然災害の軽減に効率よく機能している。ベトナムは堤防に関する法律及び洪水ならびに台風に関する法律を布告した。戦略及び実行計画もまた制定され、実行されつつある。

 

Y.ベトナムにおける災害緩和戦略及び実行計画

国際自然災害軽減の10年(IDNDR)の目標を支援するため、1992年に当時のベトナム水資源省及びIDNDRベトナム国家委員会は、洪水緩和、緊急事態即応態勢、及び洪水災害管理についての国際ワークショップをハノイ市で開催した。これは、国連開発計画(UNDP)、国連開発支援管理サービス部(DDSMS/DESD)、及び国連人道問題部(DHA/UNDRO)との協力で行われた。このワークショップの成果は、1994年に包括的な『ベトナム水災害緩和国家戦略及び実行計画』として発表された。ワークショップの推奨及び46県ならびに政府機関から寄せられ100以上の提案文書に基づいて作成されたこの計画は、ベトナムにもっとも影響のある水災害についてのものである。

 

河川洪水

海からの洪水

流出増加

河床の浸食及びシルト化

不安定な斜面、泥流、及び地滑り

強風及び強雨

保水構造の損傷

海水の地下水への侵入

 

戦略及び実行計画は、ベトナムにおける災害緩和のためのIDNRD枠組の基本となるものとして役立っている。この戦略には3つの主要な仕事の分野がある:

予報及び警報システム

準備態勢及び緩和

緊急事態救援

 

それぞれの仕事の分野は、さらに物理的解決手段―構造、設備、及び資材に焦点を合わせてあるもの―ならびに非物理的解決手段―主として組織、行政、法、手続、調査、及び訓練に関連するもの―に分けられている。

 

Z.洪水及び暴風管理中央委員会による緩和策

ベトナムにおける災害管理に対する主体的な調整と責任を持つ「洪水及び暴風管理中央委員会(CCFSC)」の基本的な責務は、戦略を実行に移すことである。

最も重要な構造的手段は、CCFSCにより進行中の堤防システムの保守及び改善である。堤防システムは約5,000kmに及ぶ河川堤防及び3,000kmの海岸堤防及び河口防波堤を含んでいる。UNDP及び世界食料計画(WFP)の協力により、海岸堤防が、北部及び中央沿岸では全域に亘り、修復又は構築された。さらに、ベトナム当局は、Red河デルタにおける河川堤防を安定させるため、また全土における主要河川の緊急時放水計画の準備及び改良のための、必要資源の確保を約束している。

CCFSCは、多くの分野において非構造的解決策を打ち出すのに大いに努力してきた。数百人の漁民を失ったあの恐ろしい1996年及び1997年台風期での経験に基づき、CCFSCは海軍ならびに漁業公社と共同で海事暴風警報及び非常救援手順の改善を行った。その結果、1998年には海での死者数において驚くべき低減が見られた。同様に、中国における破滅的な1998年洪水で学んだことから、CCFCSは陸軍と共同して、洪水対応及び救援における軍の役割をもっと良く調整するようにしている。

戦略及び実行計画のもう一つの重要な成果は、UNDPとの合同でCCFSCの常設事務局内に設立した災害管理ユニット(DMU)である。1994年以来、DMUはCCFSCと協同して、1000年以上のベトナム式洪水保護文化と21世紀の西洋技術とを結合させつつある。DMUは災害管理、通信、及び査定訓練計画を全国の県及び郡の役人に供給し、インターネット・ウェブ及びGISを利用して災害管理の中央データベースのセンターを設立し、さらに全国規模の災害通信ネットワークを構築するための基金と人材を供給してきている。この通信ネットワークはすべての県とハノイのCCFSC常設事務局とを結ぶものである。

現在CCFSC-DMUは、ベトナムにおけるすべての災害(水害、山火事、渇水、産業事故、等)を緩和するための新しい親戦略を準備中である。DMUはまた、国家及び地方公務員を支援してベトナム災害報告及び査定手順を合理化しようとしている。1998/99年において、CCFSC-DMUは、学校の生徒のための地方コミュニテイを基盤とした草の根災害準備訓練計画を立案中である。草の根訓練計画は、ベトナム赤十字(VNRC)の既存の災害準備経験に上乗せする形で作られることになるだろう。このために国際赤十字・赤新月連盟(IFRCRC)の援助ならびに欧州共同体人道事務所(ECHO)からの基金を受けている。

 

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災害管理において、さらに効果的な結果を得るため、ベトナムは国家資源だけでなく国連組織ならびに非政府組織からの国際的資源を結集して、災害管理に関わる次のような事項についての構築及び再構築を行う必要がある:

防水

堤防保守及び運営

洪水警報システム

災害緩和に関する地方コミュニテイの訓練

主要堤防の緊急事態放水路