タイ

カントリーレポート

1999

 

 

 

 

 


 

目  次

 

T.災害脅威の特性

U.タイにおける過去の主要災害

1.自然災害

1)洪水

2)干ばつ

3)熱帯性暴風雨

4)地震

5)地滑り

6)山火事

2.人災、技術的災害

1)爆発、火災及び化学薬品災害

2)大事故

V.災害管理体制

1.災害関連法

2.組織

1)政策組織

2)機動部隊

3.災害管理におけるの責任の範囲

4.災害管理に関する計画策定

5.災害管理体制計画

6.災害管理のプロセス

W.アジアの国々との防災協力

X.災害教育

Y.期待

付属資料

1.概略

2.人的被害

3.物理面での物的被害状況

1)家屋と建築物

2)農地

3)農作物等

4)都市基盤

5)公共機関

6)その他

4.金銭面での物的被害状況

 

 

 


T.災害脅威の特性

タイは、北緯6〜12度と東経98〜108度の間に位置し、そのエリアは513,115平方kmであり、人口は6000万以上である。タイの地形は、4つの地方に分割される。北部は原生林、気圧の尾根、狭い沖積の谷及び深淵を包含する山岳地方である。北部地域は、洪水、地滑り、地震及び山火事の影響を受けやすい。タイ中央は豊富で肥沃な谷である。中央地域は洪水と地震の影響を受けやすい。北東あるいはコーラート高原はうねるような表面及び波状の丘によって特徴づけられた乾燥地帯である。北東地域は洪水と干ばつの影響を受けやすい。半島のタイである南部は山地で厚い処女林に覆われていて険しい。その上、地域にいくつかの沖の島がある。南部地域は、洪水、熱帯性暴風雨、地滑り及び山火事の影響を受けやすい。

 

 


U.タイにおける過去の主要災害

1.自然災害

タイで頻繁に生じる自然災害は洪水、干ばつ、熱帯性暴風雨及び山火事であるが、地震と地滑りもしばしば起こる。一般的に、突然の自然災害は、生命と財産に損害をもたらす。地方は都市基盤の開発が不十分なため、災害に最も弱い。さらに、ほとんど貧しい農場経営者である田舎の人々は、災害に対する弱点を緩和するための手段に投資することができない。主な破壊的な自然災害は以下のとおりである:

 

1)洪水

タイで最も頻繁に発生する災害である洪水は、他のどの種類の災害よりも甚大な財産の損害をもたらす。それは6月から9月にかけてのモンスーン期に生じる。1975年〜1990年に、洪水は、12億1600万USドル以上の被害を引き起こした。1983年には、洪水が南の地域で生じ、14の地域が被災した。これにより3億6000万USドルの概算被害総額を引き起こし、400人以上の犠牲者を出した。約11,422世帯、72,814人が家屋を喪失した。17,063戸の家屋が倒壊し、約1,499,892の家畜が死んだ。また、農業地域の約265,991ヘクタールが被災した。

バンコク(タイの首都)は、普通雨期に生じるChao Praya川の氾濫のために、しばしば「Wet City」と呼ばれる。バンコクで最も長引いた洪水は、1995年に2か月間生じて、その結果4億USドル以上の被害を引き起こした。

2)干ばつ

干ばつは、3月〜4月の乾期に毎年生じ、年々悪化する。人口及び経済開発の増加や、農業と産業の水需要によって、この問題はより悪化する。タイの干ばつの根本的原因は、土の特性及び乾燥した気候に関連した伐採である。1998年には、その問題がエル・ニーニョ現象によって強まった。その結果、干ばつは国全体に影響を与えた。干ばつにより水が不足し、特に飲用水、農業、及び畜産で不足した。1997年の干ばつでは、63の州、24,804の村、3,011,601世帯又は14,394,322人、及び農業地域の約414,313ヘクタールが被害を受けた。

3)熱帯性暴風雨

洪水に関連する熱帯性暴雨は、毎年平均4回で6月から11月のモンスーンの数か月間にタイで生じる。国全体が熱帯性暴風雨に弱いが、半島の南部地域は最も脆弱なエリアである。全ての熱帯性暴風雨の中でも、台風「ゲイ」(1989年)は最も破壊的であった。台風「ゲイ」は内陸に移動し、Chumporn州のエリアの南部地域を横断した。その結果、被災総額4億8000万USドル、死者数602人に及ぶ被害を引き起こした。

 


 

1:1978-1995(洪水、暴風雨及び地滑り)の間の自然災害損害(バンコク以外の)の統計のデータ

被害額

死者数

1978年

21,066,334                

99

1979年

3,274,730

 

1980年

1,549,085,487                              

61

1981年

314,351,038                              

73

1982年

224,183,917                              

32

1983年

1,104,017,994                               

57

1984年

323,378,409                              

34

1985年

350,359,621                              

12

1986年

628,420,000                              

36

1987年

832,660,000                              

64

1988年

7,540,187,879                             

374

1989年

11,739,595,265                              

602

1990年

6,652,227,121                              

50

1991年

2,620,918,029                              

43

1992年

5,240,583,940 

16

1993年

2,181,606,542 

47

1994年

42,950,314

 

1995年

11,858,851,634 

442

出所:市民防衛事務局

 

4)地震

タイでは地震はまれに発生する。また、それらは全て小規模である。1983年4月に、マグニチュード 5.9を記録した大地震は、バンコクから約200km北で起こった。1988年11月に、マグニチュード 7.3を記録したより大きな地震が、中国南部で発生した。震央はバンコクから1,000km以上離れたところだったが、その地震により都市の高層ビルが振動した。これはバンコクが深い軟弱な沖積土上にあるためである。

5)地滑り

激しい降雨によりもたらされる地滑りは、タイで頻繁に生じる。連続的な豪雨で起きた最も破壊的な地滑りは、1983年にNakornsrithammarat州で生じた。多くの土砂は、高い山の頂上からの巨大な水流によって浸食され流出し、その山麓に位置したPhibun町を埋めた。この災害により何百人もの死者及び大量の被害が発生した。広大な農業地域は厚い沈殿物で覆われた。

6)山火事

タイの山火事は、森林地帯を焼き払って農業をする人々によって一般的に引き起こされる。1998年には、その問題がエル・ニーニョ現象の結果として厳しく乾燥した気候によってさらに悪化した。国内の多くの森林地帯、計129,600エーカーが制御不能な山火事に見舞われ、森林と野生生物の非常に貴重な損失を引き起こした。

 

2.人災、技術的災害

タイの経済や社会は極度な産業投資のために最近の40年間の間急速に成長している。その結果、オフィスビル、ホテル、アパート及びコンドミニアムのような様々な種類の高層ビル、産業工場などが、ダウンタウンやバンコク及び国のいたる所で建設されている。開発は、技術的な危険性を高めるため、結果的に、災害がより頻繁に、より厳しく、より複雑に生じる。主な破壊的な人的災害は以下のとおりである。

1)爆発、火災及び化学薬品災害

タイで、爆発と火災は頻繁に発生し、財産と人命への大きな損害をもたらした。1990年9月にバンコクでLPG(液体の石油ガス)を満載したトレーラーが転倒爆発し、焼死者91人が出た。1991年2月に、爆発物を運ぶトレーラーはNga州で転倒爆発し、171の死者を引き起こした。1991年3月に、化学火災及び爆発がスラム街の近くのバンコクの運河Toeyポートの中で起こった。60,000人が有毒化学薬品にさらされたと見積もられ、642世帯が焼失し、また、5,000人がホームレスになった。1993年5月に、Nakornpatom州のカーデルの産業工場で火災が発生し、188人の死者を引き起こした。1997年7月に、Royal Chomtian Resort Pattayaの16階建てホテルが燃えて、90人の死者を引き起こした。

 

2)大事故

大事故は、ほとんどが構造的欠陥(建物崩壊あるいは気圧調節されたタンク爆発)及び乗り物事故(飛行機、自動車及び列車衝突、列車脱線)である。1993年には、Nakomrachasima州のロイヤル・プラザホテルが不法建築のために崩壊し、127人の死者及び200人の負傷者がでた。

さらに、乗り物事故は国の経済かつ社会開発に影響して、驚くほど増加した。1993年には、約61,339の事故が発生し、8,184人の死者及び政府及び非政府予算への6億770万の評価損失が生じた。産業事故による死傷者は、1989年には67,912人であったのが、1992年には103,296人まで劇的に増加した。1992年における補償は6億1724万台になった。

 

表2:自然な危険からの危険の相対的なランク、弱点への衝撃、及びタイ(AIT/UNDP1994)のそれらの管理のレベル

災害の種類

危険

弱点

管理

危険度

台風と高潮

High

High

Moderate

Moderate

洪水

High

Moderate

Moderate

High

地滑り

Moderate

Low

Poor

Moderate

地震

Low

Low

Poor

Moderate

日照り

High

Moderate

Moderate

Moderate

疫病

Low

Low

Moderate

Low

ペスト

Moderate

Low

Poor

Moderate

爆発

High

Moderate

Poor

High

火災

High

Moderate

Moderate

Moderate

大事故

High

Moderate

Poor

High

市民の不安

Low

Low

Poor

Moderate

 


V.災害管理体制

1.災害関連法

タイには、いくつかの災害関連法と災害関連省庁が設置されている。様々な政府機関によって異なる法律が制定され、履行されており、緊急時に指揮の統一に混乱が生じることがある。いくつかの主要な災害関連法は、内務省によって施行された市民防衛法(1979)、火災予防制御法(1952)、建築制御法(1979)等である。全ての災害関連法の中では、市民防衛法(1979)が最も重要な法律である。なぜなら、市民防衛法は全ての災害を包括し、関連機関の管轄権と責務を明確に規定し、かつ災害管理の体系的過程を示したものだからである。

 

2.組織

タイにおける法による災害管理システムは、市民防衛法(1979)に基づく。この法律によると、災害管理の責務を負う政府機関は2つのタイプに分類できる。すなわち政策組織と機動部隊である。

 

1)政策組織

政策組織である国家市民防衛会議(NCDC)は、市民防衛方策や政策を明確化する責務を負う。NCDCは複数の省庁からの以下の17の代表者から構成される。

Defence Ministry代表

Agriculture and Cooperative Ministry代表

Public Health Ministry代表

Communication and Transportation Ministry代表

Budget Bureau,代表

National Security Council代表

Bangkok Metropolitan Administration代表

National Police Office代表

Meteorological Department代表

議会により指名された5名以上の専門家

会議の秘書として地方自治体管理部の長官

 

内務大臣は会議の議長である。また、内務省(Interior Ministry)国務次官は副議長である。

 

2)機動部隊

市民防衛のための機動的な組織は、以下の3つのカテゴリーに分類される。

a)全国レベル

国家市民防衛センターは、タイで周期的に発生する厳しい災害に対処するために設置される。厳しい災害のほとんどは、自然現象、特に熱帯性暴風雨、洪水及び干ばつによって一般に引き起こされる。全国レベルの市民防衛センターは、市民防衛の責任者である内務大臣の指導監督下にある。

b)地方のレベル

現在、4つの地方市民防衛センターが既に設置され、地方機関に対する技術的支援及びトレーニングコースの提供とともに人材、設備及び装置の支援を行っている。地方レベルの市民防衛センターは、国家市民防衛管理者によって指名された、地方の市民防衛管理者の指導のもとにある。

c)地域のレベル

地域レベルの5種類の市民防衛センターは以下のとおりである:

州の市民防衛センター

タイには州が75あるため、各州のエリアで生じる全ての災害に対処するため、75の市民防衛センターが設置されている。州の市民防衛センターは州の市民防衛管理者である知事の指導のもとにある。

地区の市民防衛センター

855の地区にある市民防衛センターは、各地区エリアで生じる全ての種類の災害に対処するために設置される。市民防衛センターがある地区は、地区のチーフが市民防衛管理者となる。

バンコクの市民防衛センター

バンコク(タイの首都)は特別の地方自治体である。バンコクの市民防衛センターは全ての種類の災害に責任を持ちバンコクエリアで生じる災害を扱うために設置される。バンコクの知事はバンコクの市民防衛管理者である。

市の市民防衛センター

タイには150の地方自治体がある。また、150の市の市民防衛センターは全ての種類の災害に責任を持ち市域で生じる災害を扱うために確立される。

市の市民防衛センターは市民の防御管理者として市長の指導のもとにある。

Pattayaの市民防衛センター

PattayaはChonburi州に位置した特別の地方自治体である。

Pattayaの市民防衛センターはPattayaエリアで生じる、全ての種類の災害に対処するために設置される。

Pattaya clerkはPattayaの市民防御管理者である。


 

図1:タイの市民防衛構成の構造

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


3.災害管理におけるの責任の範囲

 

市民防衛法(1979)は、3種類の災害脅威に対して以下のように定義している:

 

一般災害は、人々の生命及び財産に損害をもたらす、自然あるいは人的原因からの火災、暴風雨、洪水及び他の災害からの災害を意味する。

空の脅威は、空襲による脅威を意味する。

サボタージュは、国民の財産又は公共施設の破壊を目的とする行動、もしくは攻撃的、抑止的、かつ人々に対するあらゆる有害な活動を含む操作システムを遅らせる行動を意味し、政治的、経済的、社会的妨害と国家全体の安定性へのダメージをもたらすものである。

 

4.災害管理に関する計画策定

 

市民防衛法(1979)によれば、機動部隊は、各自の災害管理計画を策定する義務がある。国家市民防衛計画と見なされる防災マスタープランは市民防衛事務局によって策定されることになっている。国家市民防衛計画は3年ごとに調査され、改訂されることになっている。新たに策定された、もしくは改訂された計画は、国家市民防衛会議に提案されなければならない。1998年に調査され改訂された現在の国家市民防衛計画は、以下の3部から成る:

 

第1部は、災害管理の法則について触れており、計画の目的、責務の範囲、組織構成、災害前・災害発生中・災害後の各段階の災害管理プロセス、調整、緊急時の通信体制等を含む。

 

第2部は、洪水、暴風雨、火災、地震、建物倒壊、干ばつ、山火事、危険物質及び化学物質輸送という8つの一般災害に対する災害管理プロセスについて触れている。

 

第3部は、後方地域の安全性と被害の制御、サボタージュの予防と制御、市民の抗議集会の予防と制御という3種類の国家安全に関する災害管理体制について触れている。

 

5.災害管理体制計画

 

国家市民防衛計画によれば、災害関連機関は、以下の3種類に分類される。

 

a)政策レベル

政府政策に伴う災害管理政策は、偶発的な緊急事態、自然及び人的災害、及び国家の安全性を含む。3つの政府機関は以下のようにそれぞれ異なる災害管理法案及び政策を制定することを認可される。

タイ国家安全委員会(NSCT)は、突発災害法案及び政策を制定する責務を負う。

国家市民防衛委員会(NCDC)は、公共災害上の法案及び政策を制定する責務を負う。

国家安全保障会議(NSC)は、国家非常事態の法案及び政策を制定する責務を負う。

b)政策実行レベル

市民防衛事務局(OCDS)は、前述の政策主体によって制定された災害管理法案及び政策を履行に移す責務を負う。国家市民防衛計画は、全ての関連機関にとっての「マスタープラン」として策定される。この計画は、非常時の災害への対処方策とともに、各機関がそれぞれの実行計画を策定するためのガイドラインを含んでいる。しかし、OCDSは、政策を行動に移すだけでなく、設備や装備、技術的支援やトレーニングコースを地方自治体の機関に提供するとともに、非常時における災害救急救助活動に関連する他の機関とのコーディネートを行う義務も負っている。

c)運用上のレベル

運用上の機関は、以下の3つの種類に分類される:

機動部隊は、災害がまさに発生しようというエリアにある小さな政府機関である。機動部隊は、災害に即座に対応する責務を負う。バンコクでは、地区の市民防衛センターが機動部隊として活動する。市の市民防衛センター、衛生局及びTambon管理機構は、地方の緊急部隊として活動する。

主要部隊は、緊急部隊の能力を越える災害に対応する責務を負う。バンコクでは、警察消防署が主要部隊として活動し、州の市民防衛センターが州の主要部隊として活動する。

補佐部隊は、非常事態の状況や主要部隊の要請に基づき、人材、救助設備及び装備、技術的補助等の支援の責務を負う。バンコクでは、全ての関連機関、NGO、地方の市民防衛センター、及び軍隊が補佐部隊として活動する。州の市民防衛センター、NGO、地方の市民防衛センター及び軍隊が、州における補佐部隊として活動する。

 

図2:計画による災害管理体制

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



6.災害管理のプロセス

 

国家市民防衛計画によれば、全てのレベルにおける機動的機関によって操作される災害管理のプロセスには、3つの段階がある。

 

a)災害前の段階

災害前の段階では、機動的な機関が、生じうる全ての災害と被害を軽減するため、災害の緩和及び準備に対処する責務を負っている。しかし、構造的・非構造的な災害緩和方策は、多くの関連する政府機関による災害の起こりやすさや影響を軽減するための活動である。例えばRoyal Irrigation Departmentは、ダムや堤防を築く計画や貯水プロジェクト等の洪水や干ばつの軽減に携わる。Meteorological Departmentは、民衆の意識啓発に携わり、特に、災害が発生している際の早期警報などを含む。Agriculture Extension Departmentは、自然の危険などに強い品種の作物を栽培促進することに関係する。地方自治体管理部は、知識に基づいたプログラムなどを整備することに関わる。

緩和方策と比べて災害の衝撃により近い予防方策は、災害が発生した場合の緊急応急活動を改善することを目的とする。全てのレベルにおける市民防衛管理者は、非常時における効果的な応急活動のためのマンパワー、救急救助装備、その他の救助設備を準備することによる、災害のダメージを最小限にするための活動に携わる。

 

b)災害発生中

応急活動段階で、市民防衛事務局、地方自治体管理部、内務省は、必要に応じ補佐するために、緊急援助を提供し、全関係機関、特に軍隊、ボランティア及びNGOとの二次破損の可能性の軽減及び活動調整などの活動支援を行う災害に対応する政府の中枢機関である。

 

c)災害後の段階

緊急事態が過ぎた後に、市民防衛事務局は、他の機関と一緒に、財政支援や主要なサービスの回復に関する技術的情報を提供し、被災し破損した公共施設を再建し、クライシスカウンセリングや心理学的カウンセリング、雇用を行うことにより通常の機能を回復するための復旧・復興活動に携わる。

 


W.アジアの国々との防災協力

 

一般に、アジアの国々で生じる自然災害は類似している。自然災害は、非常に頻繁に国境を越えて生じ、山火事、石油タンカー破壊などのように、国際的な共同の救助活動が必要とされる場合がある。その結果、アジア各国は、知見を交換し、経験と災害情報を共有し、かつ互いの災害管理体制についてのよりよい理解を促進する必要がある。RTGは、災害軽減のためのアジア諸国を含めた地域的協力が重要であることを認識し、ほぼ全ての国際会議に国の代表者が参加している。国際会議は、以下のとおりである:

ASEAN社会開発委員会

熱帯低気圧に関するパネル

災害準備に関するASEAN青年援助ワークショップ

台風委員会

災害管理に関するASEAN専門家グループ

災害救助に関するASEAN地域フォーラム

持続可能な開発と災害軽減に関するCIRDAPの地方ワークショップ

 


X.災害教育

 

様々な災害がタイで頻繁に生じるが、非常に破壊的な災害はそのうちのいくつかである。タイは地形学上、バングラデシュあるいはフィリピンと異なり、破滅的な災害からは安全である。歴史上、タイの人々の多くは大災難にほとんど遭遇していない。その結果、タイの人々は安全性の文化を欠き、日常生活をあまり用心せずにおくっているように見える。これらのことは大災害、特に自動車災害の増加につながりかねない。しかし、政府高官や市民防衛ボランティアが受講することが可能な市民防衛事務局が実施する災害に関連するコースが必要である。さらに、関連する政府又は非政府機関の双方の要求を満たすため、災害に関連するカリキュラムと一緒に、災害管理の多くの研究所が最近設立された。コースは次の通りである:

地方自治体及び公衆衛生部門からの政府高官のための基礎的及び専門的な消防士コース。

学生、若者及び市民の防衛ボランティアのための基礎的な救助コース。

多数の消防士と衛生部門高官のための消防インストラクターコース。

災害に関連する他のトレーニングコース及びセミナー。

 

さらに、市民防衛事務局は常に非構造的方策による災害軽減、ラジオ、テレビ、新聞、パンフレット、パンフレット及び小冊子を通じた災害の脅威に対する意識啓発を行う。

 


Y.期待

 

本会合により、アジア各国の間での共同の救助活動及び協力を強化することが期待される。アジア各国のエキスパートは、各自の知見を交換し、互いの経験や災害情報、災害管理体制を共有しあう。さらに、会合から得られた提言は、破壊的な災害に直面した際に人々が被る被害や損失を軽減するための政策の枠組みとして適用されるだろう。


付属資料

1.概略

1998年11月1日から1999年11月1日にかけて、熱帯性暴風雨‘CHIP’と‘GIL’、‘EVE’によって引き起こされた豪雨により、我が国のほぼ全ての地域において多くの事象が発生し、国全体で65の州(350の区)において洪水が発生した。東部と南部の地域では特に深刻な被害を受けた。東部地域に位置しているChonburi州は、最も深刻な被害をこうむった州である。

 

 

 

2.人的被害

死者行方不明者数

43

負傷者数

13

避難者数

790世帯(4,583人)

家屋を失った人の数

1402世帯(8,132人)

被災者数

517,192世帯(1,766,901人)

合計

 

 

 

3.物理面での物的被害状況

 

1)家屋と建築物

全壊家屋

1,402戸(35,050,000バーツ)

被災家屋

4,511戸(45,110,000バーツ)

 

2)農地

農地

306,023ヘクタール(475,513,945バーツ)

 

3)農作物等

作物

- tons

家畜

1,290,532 (42,205,133バーツ)

漁業池

17,127 units (148,002,127バーツ)

果樹園

hectares

-その他

 

 

4)都市基盤

道路

8,925 sites (762,498,133バーツ)

859 sites (183,478,228バーツ)

排水溝

2,849 sites (72,214,963バーツ)

堤防とダム

781 sites (63,858,143バーツ)

- sites

 


 

5)公共機関

鉄道

- sites

電力供給

- affected families/sites

水供給

- affected families/sites

電信

- sites

学校

100 units (9,344,834バーツ)

仏教寺院

68 units (3,349,700バーツ)

公共施設

41 units (2,264,874バーツ)

 

6)その他

その他

359 units (38,651,818バーツ)

 

 

4.金銭面での物的被害状況

 

A. 家屋の被害と個人財産*の損失

*家屋と住居用建築物

*家具、家庭用器具、財産

*農業者・漁業者の家族の貯蓄財産

*その他

60,160,000バーツ

B. 農作物*の損害

*作物、野菜、果物等

*家畜

*その他(漁業)

665,721,205バーツ

C. 産業の損害

-

D. 下記項目を含む公共事業の損害

V 物理面での物的被害状況

*道路、橋、河川敷等、灌漑設備

*貯水池やダム、港、公共の橋

*農地の復旧に係る政府拠出費用

*その他

1,102,045,465バーツ

E. 以下の項目を含む公共機関の損害

V 物理面での物的被害状況

*鉄道、電力供給、水供給、電信

*その他

14,959,408バーツ

合計査定額/被害総額=上記A,B,C,D,Eの合計

1,882,886,078バーツ

             

i.                    US$1 = 40バーツ

ii.                  データはバンコクにおける災害被害を含まない。