モンゴル

カントリーレポート

1999

 

 

 

 

 


 

目  次

 

T.地理的条件

U.モンゴルにおける潜在的な自然災害

V.災害の監視と防止のシステム

1.観測と情報収集の為のサブシステム

2.データ通信と加工のサブシステム

3.予報と警報のサブシステム

4.地質と野火のサブシステム

5.通信

W.国の背景

X.法律的背景

Y.災害緩和程度

1.災害縮小プラン

1)災害アセスメント、分析、及び評価

2.建設

3.周知活動

4.災害軽減技術の研究開発

5.非常シナリオ-現存する応答

1)大ふぶき

2)大雪

3)地震

Z.国際協調

[.結論

 


T.地理的条件

モンゴル国は中央アジアにあり、太平洋から1,600km、北極海から3,000km、地中海から5,000km離れている。大陸性気候であり、夏暑く(気温41℃)、冬は寒い(気温-53℃)。一日の気温変化はとても大きい。降雨は比較的少なく、南部砂漠地域の5cmから山岳地域の40 cmまで様々である。降雨量の80〜96 %は、4月から10月までのあたたかい時期に降る。南部では、重大な降雨は7月に始まる。

 

国土の約40 %が丘陵( 1,000〜1,500 m)で、残りは平原である。景色には高山、タイガ、森林大草原、大草原、ゴビ砂漠、及び砂漠地域が含まれる。南及び西に流れる河は、内陸の湖や塩湖に流れ込む。

 

農作物を育てる季節は、70〜130日と短い。場所、及び高さによっては、季節外れの霜で、農作物の30%が被害を受ける。農作物は主として根菜、小麦、菜園野菜( ウランバートル近郊の温室野菜を含む)であり、家畜の飼料に草を生やす。主な農業生産は牛、羊、馬、ラクダ、山羊の群を飼う畜産である。

 

しばしば風速が大きく、国土の大部分が年に40日砂嵐に襲われる。ある地方では年に100日以上である。

 

モンゴルの人口は、1994年に230万であると推定された。その内の約27%が首都にいる。最も人口が集中している地方は、森林大草原地帯の谷川だ。最も人口が少ないのは準砂漠、砂漠、及びタイガ地帯である。地方の人口は全体の57%で、都市人口は34%である。

 

災害による損失は、国民総生産との関連で見なくてはいけない。一人当たり所得は、現在100〜110 USドルである。自然経済(自給自足のための畜産や農業などの非貨幣の経済)が疑いなくあるにもかかわらず、510,000人或いは総人口の23%が政府が設定した最低生活水準を下回る生活であると記録される。

 

農業は経済の最も有力な部分であり、家畜の繁殖は農業の中で最も有力な部分である。家畜の総数は2,500万頭、たいがいは羊及びヤギであり、馬、牛やラクダは22%である。家畜の密集度は手に入る牧草の輸送能力と密接な関係があり、ある季節では、輸送能力を超えてしまう。1986年以来、毎年の家畜の損害は50万頭から100万頭迄の間を推移していて、1986年から1992年までの損害の平均は80万頭である。その内の50%から93%までが災害による損失である。注意しなければならないのは、5%の家畜の損害が国民総生産の6〜10 %に相当することである。

 

 


U.モンゴルにおける潜在的な自然災害

 

モンゴルは、大吹雪、大雪、砂嵐、「zud」、雨水洪水、二塩基性の流れ、融雪流れといった気象に関するもの、そして、地震、野火、干ばつ、砂漠化その他の自然災害がしばしば起こる国である。

 

1 モンゴルにおける自然災害

 

主要な災害

 

大吹雪

大雪

砂嵐

Zud

洪水( 3つの型)

氷雨

野火

干ばつ

砂漠化

軽度の災害

 

バッタの大発生

疫病

伝染性の病気

生態学の危険

産業の危険

毒性の化学

放射能

事故(道路/航空機)

 

 

 

 


V.災害の監視と防止のシステム

 

自然災害情報を送信、加工、観察、予測、そして警報するシステムを作る対策が1940年以来続いている。今日では、このシステムは、モンゴルの水気象学局の通信システムを基盤としている。このシステムは、以下のようなサブシステムからなる;

 

−観測と情報収集

−データ通信と加工

−予報と警報

−地質と野火

 

1.観測と情報収集の為のサブシステム

国立水気象局(NHS)は、観測、予報、そして水気象学的な災害(干ばつ、zud、大雪、砂嵐、強風、大ふぶき、氷雨、洪水、土石流、野火が起こる気象状態)の警報に責任がある。NHSは400を越える観測点(気象学的、水気象学的、そして農業気象学的な観測施設であるBAPMON、温室ガス観測施設)を持つ。気象学的な観測施設は1日に44回、8〜11項目について測定し、農業気象学的な観測施設は1日に3回、4〜7項目について測定し、水気象学的な観測施設は1に日3項目について測定する。

加えて、幾つかの空気、水質、土壌汚染の監視施設がある。

 

2.データ通信と加工のサブシステム

水気象学的な観測データは、18の州と3つの都市から電話回線で集められ、情報コンピュータセンター(ICC:自然環境省にあり、そこで情報がコンピューター処理される)に発信される。地震と野火のデータも、同じ電話回線を使って集められる。ICCはまた、アメリカの衛星NOAAからのAVHRRデジタルデータもうけとる。ICCは水気象学的情報伝達のためのモンゴル国立センターを含む。このセンターは北京、NovosibirskそしてWMO地域センターとつながっており、ハバロフスク、東京そして北京からの気象地図を受け取る。

入手したデータは全てVAXコンピューター設備で加工される。データは加工されるけれども、まだ自然災害データベースシステムは今のところ作られていない。

 

3.予報と警報のサブシステム

自然環境省の水気象学研究所は、差し迫った水気象学的な災害(大ふぶき、砂嵐、大雪、洪水、zud、干ばつ)の予報と警報に責任を持っている。

その予報と警報は1993年の政府決議68号による。

 

4.地質と野火のサブシステム

モンゴル科学アカデミーは地震現象の研究を指導する。10の研究地点がモンゴル領内にある。最初の地震観測施設は1957年首都であるUlaanbaatarで開設した。

野火の観測では、特別な観測地はない。野火の情報は地方自治体や人々から得る。

 

5.通信

1920年代以降、モンゴルは国際的通信ネットワークと同様に、国内の通信ネットワークを構築してきた。通信手段の発達は、モンゴルの人口の特殊な分布と国土の広大さの影響を受ける。都市部では、基本的なインフラ整備が進められている。

 

地理的困難さにも関わらず、また、18の州に人口がまばらに分布しているにも関わらず、国民の大部分は電話通信が可能である。1990年には、国全体で100人に4本の回線が整備された。都市部では人口密度が高いため、総人口の4分の1が住んでいるUlaanbaatarでは100人に6回線が整備されている。

 

モンゴルには郵便サービスがあり、そのシステムは発達している。

 

16のラジオ局が、VHF、短波、中波、長波で開局している。ほぼ全ての家庭はラジオを持っており、100人に16個、全体で450,000個と推計される。また4つのテレビ局がある。

 

 

 


W.国の背景

 

モンゴル政府は、あらゆるタイプの自然災害の予防と軽減に関する全ての活動(計画策定及びその履行)の責務を負う。1990年に、モンゴル政府は、あらゆるタイプの自然災害に対し政府機関の活動を調整するため、国家危機管理委員会(SPEC)を立ち上げた。

 

SPECは以下の機能を持つ:

自然災害機器準備計画の策定

政府及び地方自治体に対する災害調整機構

影響を減らすための救助活動と測定の調整

復旧・復興活動の組織化(SPECは各州(simag)と大都市に支部を持つ)

 

防衛庁

防衛庁は、災害の際に、SPECの指揮下で活動し、以下の役割を担う。

平和なときの防衛の義務

自然災害の予警報の迅速な伝達の遂行

予防教育と訓練

防衛庁は、各州(simag)と地方(sum)レベルでの支部とともに、首都に各中央機関を持つ。

 

省庁

各省庁は、各業務に沿って、自然災害の危険性の予防・軽減・緩和やそれらを統合する国家の能力を教育し、構築する義務を負う。

 

自然環境省:自然災害に関するデータの収集と分析、予報・警報;講習に対する他の情報の提供、核や化学物質の後の汚染レベルの調査

財務省:復旧や援助活動に対する資金融資

資源エネルギー省:緊急時の資源エネルギーの供給

食料農政省:自然災害時の食糧供給

保健省:医療資機材の供給及び医療サービスや救助の組織化

 

国際防災の10年に対する重点部局

自然環境省の国際調整局は、国際防災の10年の国家的重点部局である。

 

重点部局は以下の機能を持つ:

自然災害の危険から生じるリスクについて広範囲な国家的アセスメント

長期的予防と準備を含む国家レベルの軽減計画と地域社会への意識啓発

国際レベル、地域レベル、国家レベル、地方レベルでの警報システムの整備

国際間の調整

自然災害の軽減に対する国家政策や戦略

 


X.法律的背景

1990年、政府は国家危機管理委員を設立し、法的に認証した。1993年、政府は自然災害の防止手段の決議を採択し、中央政府と地方自治体の責務と活動を整理し、気象から読み取れる(気象上の)警告伝達システムを是認した。

 

1995年3月30日に、緊急災害事態を含むモンゴル内での環境保護の法的基盤として、モンゴル環境保護法が制定された。以下は、緊急事態・災害に直接関係する条文である。

 

22条 自然災害・緊急事態地域

1.       「自然災害・緊急事態地域」は、環境、人間、動物、野生生物、植物とそれらの遺伝子に有害な影響を及ぼす、人間の活動や自然の進化によって起きる環境の負の作用や危険な変化により影響を受ける地域を意味する。

2.       政府は、自然や環境の変化に際し、中央政府行政機構の決定にしたがって、自然災害・緊急事態地域の範囲を決定する。

3.       自然や環境の変化における中央政府行政機構、防衛庁、全てのレベルの首長は、自然災害や危機の予防及び軽減、負の影響の除去、自然・環境の復旧、自然の資源の回復等に連携して取り組むべきである。

4.       自然災害・緊急事態による被害軽減のための全費用は、国の予算から充当される。原因の調査の後、その被害を引き起こした団体や個人は、全被害の補償を負わなければならない。

 

23条 緊急時の周囲の環境保全

自然災害の軽減に関するあらゆる方策、負の影響の除去、及び国家的危機により被害を受けた地域の環境と自然資源の保全は、モンゴル憲法に定められた国家緊急事態法に規定された手順に従って履行される。

 

1995年5月に制定された市民防衛法は、自然災害の被害から人々を守り、今まで受けてきた被害を一掃し、また、それらの面で訓練を行うことを目的とした一連の方策を正式に包括している。


Y.災害緩和程度

 

1.災害縮小プラン

国際防災の10年(IDNDR、1990-2000 )は、特に発展途上国において、協定による国際的な活動を通して、自然災害による生命及び財産の損失や経済的・社会的損害を軽減することを目的として、国連決議44/236によって採択された。地震、暴風、洪水、野火、大雪秋、干ばつ、砂漠化といった自然災害は発生し続け、また増加しつづけている。したがって、国家レベルでの10年間の目標活動を履行し、自然災害を予防・減少するために、活動プログラムが採択された。

 

国家自然災害軽減プログラムは、国の社会的・経済的発展政策の一側面であるとみなすことができ、このプログラムの履行のための活動は2000年までに行われるだろう。

 

このプログラムの目的は、合意された10年間の目標を達成するためにモンゴルにおける支援活動、すなわち、国家の能力の発展と強化、市z繊細外の予防に対する可能性、軽減と準備活動を行うことである。

 

目的を果たすために、以下の決定が実行される:

 

1)災害アセスメント、分析、及び評価

 

a /災害アセスメント

b /脆弱性の分析

U.短期間・長期間の予防測定

V.自然災害に対する人々の意識を啓発し、それらにどう対処するのがベストかを周知するための報告書の収集と普及及び情報提供

 

2.建設

 

モンゴル国には、まだ、耐震性のある建設技術がない。モンゴル国で、耐震性のある設備及び方法を装備している建物はほとんど全然ない。しかし、gers (国営住宅)は、被害を受ける可能性のある地震に対してより抵抗力を持っているが、従来のビルほどの範囲で広がってはいない。

 

1990年以来、人々や工業のための中央集権排除政策は、都市開発計画や地域開発で影響をうけた。

 

a )洪水予防・河川予防措置は、Ulaanbaatar、Darhan及び他の都市で整備されている。同じく、Dibashの流量予防ダムも、Ulaanbaatar市の山岳部で整備された。

b )住宅供給: 過去3 0年間における都会化の進展により、住宅建設に対する需要は、大いに増加している。この関係で、都市部では5〜9人という大所帯のアパートの建設が進められている。学校や幼稚園もこれらのアパートの中に入っているが、他のものよりも地震により被害を受けやすい。1990年代以来、政府の住宅供給政策は基本的に変化してきた。市民は、いまや自分達自身で、個々の小さい住宅を建設することが促進されている。モンゴルでは、小さい家の屋根は、強風や砂嵐によって容易に壊れてしまう。今までのところ、強風に耐える屋根設計に関してはいかなる計画もない。

 

3.周知活動

 

自然の危険に関する周知活動について組織的な活動は十分とは言えない。あらゆるタイプの災害に対する予・警報は、ラジオやテレビを通じて国内全域で放送される。しかし災害が起きていない時に人々に周知を促すためのいかなる活動もない。不幸なことに、ラジオ、テレビ、及び新聞は、自然災害が既に起こった後にのみ、特別番組を報道する。自然災害に関連する問題についてのいかなる宣伝もない。また大衆への周知のためのいかなる本、及び小冊子も出版されていない。予・警報システムは、大都市や定住地域では有効に作動するが、人口密度が低く、また通信システムが不充分であるのために、田舎の人々は、即時に情報を得ることができない。

 

4.災害軽減技術の研究開発

 

1970年代以来、いくつかのhydro-meteorologicalの災害に関する研究、評価、予測が試みられてきた。今日、雪や砂嵐に関する頻度や体制に関する研究やそれによる予報は、うまく機能している。大雪が降る気象条件を識別することができるようになった。また洪水の予測についての方法論的指針も準備されている。

大臣のこれからの仕事の一部分は、州レベルで分析を行い、より詳細な情報を加えてそれらを評価することが含まれる。ここの表かをできるだけ正確にするための試みがなされているが、政策決定のためにこの表かを用いる前に、この分野での更なるデータの集積が必要である。

 

予・警報の効果は、情報の質と予測の時間、報道手段に依存している。大ふぶき、砂嵐、及び大雪は、モンゴルでは2〜3日前から予測することができ、90%程度の信頼性がある。

 

高い信頼性は必要だ。警告が当てにならないと、その効果は減少し、人々に信じられなくなってしまう。高次のコミュニケーション手段としての電話、ラジオ、テレビが不足しているため、民衆に対する情報の普及は少なくとも警報系において信頼性がなくてはいけない。使えるラジオを持っているのはたった約35%と推定される。電池の供給又は電力の供給もまた必要とされることに注意すべきである。

 

5.非常シナリオ-現存する応答

 

以下の例では、大ふぶき、大雪、及び地震に対する軽減政策に関するいくつかの科学的アプローチを示す。

 

1)大ふぶき

大ふぶきは、9月と5月の間に一般的にモンゴル国で起こる。持続時間は短く、ほんの数時間であるか、又は最大10日くらいである。大ふぶき日数は、国の西部では2日以内であるが、東部では2日間から8日間、山岳部では8日間から10日間と、様々である。

大ふぶきは、大雪や35m/sの風を伴うときに非常に危険である。表2は近年の大ふぶき災害の一覧である。


 

表2 モンゴルでの近年の大ふぶき災害

年月

場所

死者数

家畜被害

その他

1995年9月

東モンゴル

48,000

 

1993年5月

中央モンゴル

17

100,000

 

1993年9月

中央及び東部

11

5,000

ジャガイモの20%

1992年10月

中央及び西部

500,000

 

1998年

Dornad, Hentii, Sukhbaatar,

Domogobi

10,000

家財の被害

 

豪雪により、家畜類が牧場に避難できなくなることがある。大ふぶき(寒気をもたらす)と豪雪(家畜類の枯渇、及び飢え死にをもたらす)の結果を区別することは困難である。

 

図1の安全バリアダイアグラムは、大ふぶきを含む機器の構造と、危険を回避するために用いることができる危機対策を示している。大ふぶき災害における一連の事象は、気象の悪化により始まり、国民や家畜、農作物に対する有害な事象をもって終息する。災害による結果に対する最初のバリアは、予・警報である。これによって、人々は避難することができ、十分な時間があれば牧夫も家畜を避難させることができる。

 

2)大雪

 

大雪は大ふぶきとは異なり、人々がそれほど危険な状態に陥ることはない。被害は主として広範囲を移動したり避難所に移動したりすることができない家畜に及ぼされる。図2はこの状況での安全バリアダイアグラムを示している。

 

大雪の場合における警告や家畜を集めるという問題は、大ふぶきに対するものと類似している。しかし、結果はさほど直接的ではない。この問題には2つの大きな側面がある。すなわち、もし降雪が長期間に及んだら人々に対する物資の供給はどうするかという点と、雪により牧場に移動することができない動物に対してどう飼料を与えるかという点である。

 

牧場においては、食料が大幅に不足することはありえない。最初の問題はむしろ村での問題であり、もし輸送が長い間止められれば、食物を直接調達することができなくなってしまうからである。これは降雪の量とそれがどの程度続くかという問題である。大雪の深さは、一般的には10〜15cmであり、山岳部では20〜25cmである。山岳部では、1.5mという極度の降雪がある場合がある。降雪が40cmを越えると輸送は困難になる。

 

問題は通信である。農家に対する大雪警報の伝達は、ラジオが受信できる地域に限っては、ラジオによって行うことができる。農家からの伝達、特に救助の要請については、一般的に足もしくは馬によってなされる。

 

降雪が非常に激しく、長期間続いた場合、動物は弱まり、死亡してしまう。えさをやるのが1日遅れると、重大なダメージを与える。しかし、続く2日間えさを与えないと、家畜の死亡数は増加する。

 

3)地震

 

地震は、モンゴルのいくつかの地域で非常に頻繁に起こる。村では、一般的に住宅や道路、橋の損壊という被害が生じる。農場では、伝統的なgers家屋は地震によるダメージに対してとても抵抗力がある。図3に、地震災害に対する安全バリアダイアグラムを示す。

 

地震の予測は難しいが、事象の頻度によって、特に1日〜2日の警告は行うことができる。しかし、ここでも、上記に述べた洪水や大ふぶきと動揺、地方に対する情報の伝達が困難であるという問題がある。予測は、少なくとも夏には、(人々の)周知を高め、耐震性の弱いビルから避難するのに利用することができる。地震準備訓練は、この種の災害軽減の重要な側面である(表3)。

 

救助や家屋の再建は地震に対する災害軽減の重要な側面である。モンゴルには、現在、迅速な応急活動を妨げる2つの主要な問題がある。ひとつは、農村からの情報伝達の困難さ、もうひとつは特に冬の間の交通の困難さである。

 

表3 地震に対する災害軽減対策の効果

安全対策

反応時間

予測信頼性

警報の効果

救助の効果

再建の効果

その他

地震の予測+避難

日、時間

30

30

 

 

10

人命救助

 

 

場所による

 

場所による

住宅の再建

 

 

場所による

 

場所による

 

 

 


Z.国際協調

 

モンゴル国は、異常気象、生物多様性、砂漠化、及びオゾン層保護に関する国際会議に参加した。代表は、会議や例会、国際会議の関係者によるパーティーに積極的に参加した。これらの側面における国の置かれている状況や政策を説明し、国際社会の一員としてその責務を実行していることを説明した。

 

モンゴル国は、国際防災の10年に積極的に参加しており、情報の交換や新しい技術の研究、個人の訓練等の分野においていくつかの国と協力している。代表は、モンゴルの国家報告書を用意して、1993年の横浜会議に参加した。

過去2〜3年にわたって、いくつかの先進国では合同計画が実行されている。例えば、US環境保護局と合同で、“greenhouse”ガスによる気候の変化や弱さの評価、及び緩和政策に関する国家研究プログラムが取り組まれている。この研究の第一段階は完了し、第2段階が開始されたところである。

自然環境大臣は、いくつかの日本の機関との連携のもとで、自然災害軽減のための計画提案を開発し、それを提供国に提出した。

 

現在、我々は、日本の筑波大学と協力して、地球の温暖化や気候異常に関する計画、及び中央アジアの気候の機構の変化に関する研究を行っている。

 

アシア開発銀行の支援により、我々は、環境管理能力に関する計画についての普及啓発を開始した。この計画の体制の中で、我々は、災害管理と早期警告システム、すなわち十数人のモンゴル人の専門家からなる“primit“システムに関するワークショップを組織した。このワークショップのアウトプットの基礎として、我々は、災害の分析、予測、及び危機管理支援のための開発と訓練のための行動計画を準備中である。

 

UNEP及びUNDPの援助により、砂漠化に対する国家行動計画が策定され、砂漠化に対する国際ワークショップがモンゴル国内で開催された。

 

モンゴル国は、自然災害軽減に関して隣国と協定を締結している。近年、モンゴル国及びロシア連邦は、産業災害や自然災害の際の連携及びそれらの撲滅についての協定書を締結した。

 

経済情勢のために、我々は、国際的な科学会議やワークショップ、海外での研修に国の代表を送ることが困難な状況にある。

 

将来的には、モンゴル国は、自然災害軽減、予防、管理のための対策に関して、小区域内の隣国及び国際機構との間の連携を図ることとする。

 


[.結論

 

1.モンゴルは、特に経済的な観点から、自然災害にとても敏感である。毎年、自然災害によって、家畜を失うことは、国の非常に重大な問題である。

2.自然災害が高い頻度で発生し、広がりを見せていることは、国家の発展を遅らせる深刻な足かせとなっている。

3.自然災害は生命と財産に重大な損害をもたらしている。

4.モンゴルにおける羊や牛、そして馬の群は、国家の財産の大部分に相当する。そしてモンゴル人のほとんどの暮らしの本質的な部分である。過去の非常に厳しい災害では、半分以上の家畜の群を失ってきた。更に大きな災害の可能性がある。

5.家畜の群に損害を与える災害は、大雪、大ふぶき、砂嵐、干ばつ、そして洪水である。

6.Ulaanbaatar以外の地域における災害対策は、通信の困難さと、非常に遠いこと、通信手段が制限されることなどによって妨げられている。

7.よく機能する気象観測施設のネットワークを持つ気象監視システムと、よく機能する予報能力を持つ気象予報サービスがある。このサービスを効果的に使えば、よく機能する防災システムを確立する助けとなるであろう。

8.特に災害情報を必要とする放牧民に対して自然災害を伝達する方法が弱いという問題がある。ラジオを持っている牧夫の家族は稀である。電池の供給もまた問題である。(電池が少ないため)彼らはラジオを頻繁には使わず、気象予報やその他の災害警報のために電力をとっておくのである。

9.限られた方法を最大限に使うためには、市民防衛のための活動は、近代的な危険アセスメントや緊急対策、有効な評価手法を使うことによって有益なものとすることができる。

10.           行動計画は、訓練計画、危険評価、危険分析のためのコンピュータープログラム、緊急通信、そして災害緩和計画評価を含むべきである。

11.           行動計画はまた、危険評価の指導的な事業の発展、災害通信機関、緊急計画も含む。



 

 



Zudとは、豪雪、低気圧、強風を伴う厳冬のことである。