カンボジア 

カントリーレポート

1999

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Mr. Peou Samy, Secretary General Of Cambodian NCDM

During The Second ADRC International Meeting

In Kobe, Japan 5-8 December 1999


 

目  次

 

T.導 入

U.国の概要

1.防災担当の政府組織

2.国の位置

3.気候、温度及び降雨

1)季節・気温・気候

2)降雨

4.毎年の洪水

5.人口

V.カンボジアの主な災害

1.自然災害

1)洪水

2)干ばつ

3)山火事

4)地滑り

5)暴風雨

W.国立防災会議(NCDM)

X.NCDM全国及び準全国方策

1.全国方策

2.準全国方策

Y.国家危機管理政策

1.政策宣言

2.特筆される政策論点

Z.結論

 

 


T.導 入

カンボジアは、国連のDepartment of Humanitarian Affairsにより、アジアでも特に災害多発傾向にあると考えられる14ヶ国のうちのひとつである。わが国は、次の2種類の災害、すなわち自然災害及び人災によって頻繁に影響を受けてきた。自然災害は主に洪水、干ばつ、暴風/台風である。また、人災は主に戦争及び市民紛争によって引き起こされてきた。その結果、膨大な数の国外への難民、及び国内難民、障害者、孤児、貧困などが生じた。地中には600万以上の地雷が存在し、数多くの人々、特に地方住民にとって大きな生命の脅威となっている。

1995年以来、カンボジア政府は、将来にむけ全国規模の災害管理能力を構築するための国家方策の実行を目的とした、組織的な協力構造をつくりあげてきた。技術的な経験、資材、予算の不足にもかかわらず着実な進歩を続けている。1996年、両首相を共同の議長とする国際防災会議は、その事務局に対し、損害調査及び国内外への援助協力要請の定式化、また被災者の緊急の要請にこたえるといった業務の遂行を指導した。

 

第二次カンボジア委任政府において、NCDM準法令{NCDM sub decree}はカンボジアの実情に応じて改正された。1997年の研究会で示された緊急時管理に関する国家政策も、1999年に発令する準法令との調整のために目下改正がおこなわれている。

 


U.国の概要

1.防災担当の政府組織

 

  国名:カンボジア

  組織:防災会議(National Committee for Disaster Management)

  連絡先:NCDM事務局

    調整部局:NCDM事務局、内閣、カンボジア王国政府

  住所: # 3 Road 55, Chatomuk sub-district, Daun Penh district, Phnom Penh

    電話:(855 23)216 234

(855 23) 852 029

  Fax:(855 23)216 194/212 876

E-mail

  現在の調整担当高官: Mr. Peou Samy, 専任長官(NCDM

   職員の数:83PCDMDCDMの臨時職員を除く)

 

2.国の位置

カンボジアは、北緯10-15°、東経108-120°に位置し、面積は181,035.00平方kmである。20の州、4つの市、172の地区から成る。国境の北西はタイ、北東はベトナムである。国の約38%にあたる南部及び西部は、その80%が米生産に携わる地域であるが、高地の作物、潅木、草地、水浸しの森林、都市部、そして不毛の土地を含んでいる。山岳部の森林は、国土の62%を占め、常緑樹と落葉樹が混在する二次森林や樹木が散在する林である。

 

3.気候、温度及び降雨

 

)季節・気温・気候

季節

気温

気候

5-11月

27-35

雨(南西モンスーン)

11-2月

17-27

乾燥(北東モンスーン)

2-5月

29-38

暑く、ほとんど雨はない

 

2)降雨

東部山岳地方の平均の年間降雨量は2,000.00-3,000.00mmである。南西部の海岸地方では、年間降雨量4,000.00mmを経験したこともあるが、毎年の平均降雨量は1,400.00〜1,600.00mmに過ぎない。しかしながら、年間降水量は非常に変動する(毎月の変動はさらに高い)。

 

4.毎年の洪水

草原地域の25%は、毎年、メコン川、その支流及び局地的な大雨(降雨流出は、メコン川及びToniesap Great湖の高い水位によって頻繁に阻害される)によって洪水が起きる。

 

5.人口

カンボジアの人口は約1,150万と見積もられている。人口密度は1平方km当たり51人であると推測される。男女比率は、女性が52.2%、男性が47.8%と概算される。人口の7.7%が都市、6.9%が主要市街地、及び85.4%が農村部に住んでいる。

 


V.カンボジアの主な災害

1.自然災害

1)洪水

カンボジアでは、鉄砲水洪水という2つのおもなタイプの洪水がある。それらは雨季(南東アジアのモンスーンの間)に頻繁に生じる。海岸の洪水(高潮)にはめったに見舞われない。洪水は主に、森林伐採や川岸浸食によって引き起こされる。

カンボジアにはこれまでのところ、建物と技術規則の欠如、灌漑施設の欠如、また山岳地帯、首都プノンペンの北部及び西部での大雨といった点がみとめられる。

 

2)干ばつ

近年のモンスーン降雨の不均衡は、カンボジアのいくつかの地域を干ばつ状態にした。

5〜10月の雨期に、10〜20日の間乾燥し、水田に広範囲な干ばつ及び損害を与えた。

カンボジアのいくつかの地域は1997年から1998年まで干ばつによって被害をうけている。もしこの災害が続けば、食糧不足と貧困に直面するだろう。

 

3)山火事

この災害はカンボジアにおいて非常にまれである。

1997年には、Kirirum山で火事が生じたが、数日間続いた小規模災害だった。

カンボジアでは特に大都市で、家火の被害がある。

 

4)地滑り

1997年に、メコン川の氾濫により、Kandal、Kampong Chain Prey Veng州、プノンペン市で地滑りを引き起こした。水の流れにより家屋や果樹が流失した。川岸で生活するカンボジアの人々は、地滑り被害に直面している。また、予防の手段がない。

 

5)暴風雨

カンボジアのいくつかの地域はまた、暴風雨と台風の被害を受ける。1997年の終わりに、リンダ台風がPou lo wei島を直撃し、81の漁船を難破させ、100名の犠牲者を生んだ。

 

 


W.国立防災会議(NCDM)

 

NCDMは次のように構成される。

Prime Minister

総裁(Presidents)

Minister of Interior

副総裁(Vice Presidents)

Minister of National Defence

副総裁(Vice Presidents)

Minister in charge of the council of Minister

委員(Member)

Minister of Economy and finance

委員(Member)

Minister of Foreign Affairs and International Co-operation

委員(Member)

Minister of Water Resources and Meteorology

委員(Member)

Ministry of Agriculture, Forest and Fisheries (MAFF)

委員(Member)

Ministry of Foreign Affairs and International Co-operation (MYAIC)

委員(Member)

Secretary of State for Civil Aviation

委員(Member)

Higher Commander of RCAF

委員(Member)

 

NCDMには、事務総長1名及び副事務総長1名を長とし、実行理事会{Executive Board}として機能する一般事務局{General Secretariat}が設置されている。これは4つの部門からなる:

緊急連絡会及び復旧部門(ECR)

緊急時及び訓練部門(EPT)

執行及び財務部門(ADF)

捜索及び救助部門(SAR)


 

NCDMの準全国的機構は、州災害管理委員会(PCDM)及び地区災害管理委員会(DCDM)によって構成される。

 

 

 

 

NCDMの組織

 

 

 

 

 

 

 

閣僚評議会{Council of Minister

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国立防災会議

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般事務局

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ECR

 

EPT

 

 

ADF

 

SAR

 

 

 

 

Provincial Committee

 

 

 

 

地区災害管理委員会

 

 

 

 


X.NCDM全国及び準全国方策

 

1.全国方策

NCDMの方策は以下のようにその責務に対応している:

危険分析、弱点分析、緊急時管理及び災害の軽減に関する術語の理解と利用に基づいた制度上の原理である。

国の開発方策との関連に重きをおいた緊急時管理。

より安全な世界のためのIDNDR横浜戦略行動計画の実行への支持とその推進。

NCDMの協調機能の強調

政府閣僚、各省、各関係当局と機関、技術/学術的団体(国内外)、政府全般にわたる各団体{inter-governmental bodies}、援助機関、国内外のNGO団体及び国連機関をふくむ、同分野における他の機関との共同体制の採択

災害軽減及び緊急時対応行動面での、CRC・NCDM間の共同作業関係の強化

学術的な共同作業ネットワークの発達

NCDM委員によって示された主要問題への注視

NCDMとして、一般的な安全推進に関する役割を担う。

NCDMとして、被災者の保護、緊急時における人的及び生活設備面での緊急対応などを主唱する役割を担う。

政府機関及び地域社会における自助及び助け合い精神の奨励と強調。

 

2.準全国方策

NCDMの準全国レベルでの活動方策を定義する各要素が次のように示される:

主として州や市町レベルでの防災会議(CDM)を通して機能する。

緊急かつ人道的援助が的確、適切、かつ極めて協調的に行われることを確認する。

地域社会との協調。

地域主導権を後援する国の緊急時管理計画の奨励。

緊急対応は長期にわたる発展を助長するものであることを確認する。

損害を受けた生活基盤設備の復旧に対する支援の提供。

上層機関への協力要請を行う前に、地域で準備できるすべての資材を活用する。

災害軽減活動における政府以外の省庁を含めた横断的な活動。

地域社会とその環境及び特定の危険に対する生活基盤設備の弱点を査定・分析する。

調達、供給及び個人に係る諸手続きの合理化と強化。

その地域に関する専門的知識・技術の獲得と活用の推進。

 


Y.国家危機管理政策

NCDMは、各閣僚、省庁、政府関係当局、政府機関が緊急事態に備え、対処できるための援助を行う。以下は強力かつ活動的なNCDMを期待させる所産の一部である。

 

       危機管理のための全国的な政策、計画、及び標準的な手順。

       各閣僚、省庁、関係当局、機関内における、各分野にわたる協調連絡機構をふくむ緊急時準備と対応のための役割を委託された管理ユニット

       海外及び国内からの、緊急時に対する準備と対応にむけた資金供給。

       緊急時における海外援助の受け入れ及び手続きに関する仕組み。

       各閣僚、省庁、関係当局、機関に対する緊急時準備と対応に関する計画と手順。例として、災害時の医療、mass causalitiesと病院、一時的な緊急業務、疫病学と疾病監視、栄養学、環境衛生、危機対応計画、資材管理などの公共医療。

       災害突発時における、救急、消防、警察、応急医療、及び捜索・救助との連絡協調。

       全部門及び一般の訓練機関にわたる、緊急管理に関するカリキュラム。

       案内書、ガイドライン、報告様式、技術及び訓練資材。

       演習と反復練習をふくむ、緊急管理に関する訓練の再履習。

       データベース、備蓄及び緩衝備蓄{stockpiling and buffer stocks}といったものをふくめた、緊急時のための連絡情報システム。

       早期警戒システム等緊急事態関連の資料をふくむ、国の開発計画工程。

一般情報や、緊急時に際しての地域社会の参加といった側面に関する一般情報、一般の啓発、及び地域社会の参加計画。

災害の影響による死者及び負傷者数、物的損害の削減、また、災害後の国有財産の保持。

 

1.政策宣言

したがってわが国の政策は以下のとおりである:

地域社会及びその構成要素内での自助及び助け合い精神の奨励・推進することにより、自らを助ける意識が発達する。

危機管理に関する初期対応は、被災地の地域住民自身及び関連地元機関と、被災地における委任政府機関との協同作業によって支えられる。

この責務は、州及び市町の緊急事態宣言により行使される。

政府は災害事態宣言によって、危機を管理統制する場合がある。

全閣僚、省庁、政府関係当局、政府機関、及び国の行政機関各支部は、緊急援助基金開設のための準備予算を確保しておくものである。

国のすべての行政各支部は、緊急時の各役割と行動を成文化しておくことが責務である。

それは全閣僚、省庁、政府機関や活動機関における責務である。

各行政支部は、近隣地域や上層機関に援助を要請する前に、各地域で入手可能な全資材を活用すべきである

全閣僚、省庁、政府当局、政府機関は、他の機関もしくは上層機関に援助を要請する前にすべての入手可能な資材を活用すべきである。

正式に設置された州政府機関が不在の場合、州における国の政府機関が、国立防災会議によって指定された担当官により先導、管理統制される。

地域、地区及び村レベルにおいても、機関・部署間を越えた資源の有効活用のもと、計画と行動は遂行されるべきである。

統率の責務はまず州及び市長にかかるものである。

全地域のリーダーは、緊急の際に利用される避難地区を事前に指定、またその際に避難地区に供給するサービスの計画を明確にするものである。

緊急事態が複数の市町村にまたがる地域に影響をおよぼす場合、地域のCDM及びその職員と設備は、その緊急事態の間、州及び市長の統制のもとにおかれる。

政府は地方公共団体を後援するものである。各地にある政府事務所は、緊急の際にはその任務に応じて、地方公共団体の行動を援助するべきである。

 

全ての責任ある機関とその職員、及び国民が、政策、計画、手続き、及び定期訓練をよく知ることが、まず地域レベル、そして全てのレベルにおいて確実に指導されるべきである。

 

2.特筆される政策論点

緊急事態及び災害宣言

州及び市長は、州や市が特定の危険抑制に対して十分な人的及び物的資材を確保していない場合、緊急事態を宣言することができる。緊急事態宣言に際して、当該州/市長は24時間以内にNCDMからの批准を求める。緊急事態宣言により、特定政府官吏に特権が与えられ、またNCDMに対し、事実上被災地への国の資材の供給を要求することとなる。緊急事態の宣言に際し、州/市長は危機管理のリーダーシップを保持する。

NCDM議長は、危険による脅威が、カンボジア政府の所有する資材では十分に削援努力不可能なものである場合など、災害事態の宣言を行うことができる。この宣言は、NCDMに対し、問題の管理を地域の機関及びNCDMより引き継ぐ権限を与える。事務総長は海外からの財政・物資両面での支援を求める。

 


Z.結論

NCDMの設立から現在にいたるまでに、カンボジアの統括的な災害管理機能の構築は進展を続けてきており、その結果、2国間・多国間のNCDMとそのパートナーは、災害に対する準備、緩和、及び緊急対応という面で十分に任務を遂行してきた。

NCDMは、カンボジア赤十字、国際赤十字・赤新月連盟、国連機関、lOsとの効果的な連絡協調と情報の共有が、系列機関とNCDM委員間のそれと並び、災害の影響の軽減、また非常事態時に対応するための最良の方法であると評価する。

NCDMは、災害に対する準備、緩和、防災、及び緊急対応に関する能力の強化のため、ADRCからの技術協力、また国際社会、国連機関、及びlOsからの財政面等の援助を強く望むものである。